プロはストレートボールでピンを狙わない?!
グレッグ・ノーマンは自身の著書の中でゴルフの帝王を呼ばれたジャック・ニクラウスが全盛期だった頃のことをこういっています。
全盛期のジャック・ニクラウスのショットはグリーンの真ん中に毎回落ちていた。そして必ずと言っていいほど真ん中に落ちた後、ピンがある方向に転がってゆくのだ。
ニクラウスが打ったショット、それはフェードとドローを上手く使い分けたコントロールショットでした。
ニクラウスはエッジ近くにあるピンは狙わずにあえてグリーン真ん中を狙ったのです。
その代わり、ボールにはフェードやドロー回転をかけて、グリーンに落ちた後にピンに向かって転がるようにしていた・・・というのです。
プロはストレートボールでグリーンを狙わない?
ニクラウスは、グリーンのセンターを狙ってボールを左右に曲げていた・・・わけですが、これはニクラウスだけの戦術ではなくて、他のプロもやっていることです。
今田竜二選手も「ストレートボールで真っ直ぐにピンを狙うことは殆どない」と語ったことがありました。
彼は、
ピンが右サイドにある場合 → グリーンセンターからフェードボールで狙う
ピンが左サイドにある場合 → グリーンセンターからドローボールで狙う
グリーンの真ん中を狙って、ドローボールやフェードボールで曲げる・・・というこれもニクラウスと同じやり方です。
ではピンがグリーンの真ん中にあるような場合はどうでしょうか?
この場合、今田竜二選手の場合、ハザードの位置によってボールをやはり曲げるそうです。例えば、グリーンの右サイドに池がある場合は、ピンの1~2ヤード左を狙ってフェードボールを打つ・・・そうです。
何故わざわざ曲げるのか?
でも、何故わざわざボールを曲げる必要があるのでしょうか?
それはストレートボールというものがもしミスをした場合、どちらに曲がるかを予測しにくいから・・・だと思います。
例えば、ピンがグリーンの左にあるとします。
この左にあるピンをストレートボールで狙って、間違って引っ掛けた場合、グリーンを外すことになります。
左サイドにあるピンを狙って、グリーン左に外すと、グリーンエッジからピンまでの距離が短くなることがありますが、この状況だとパーをとるのが困難です。
そこで、この場合はグリーンの真ん中であったり、ピンの右を狙ってボールを打ち出しでドローボールを打ちます。
もし、ボールが曲がらずにストレートボールになってしまってもボールはグリーンに乗りますし、バーディも狙えます。
もし狙い通りにドローボールが出れば、ピンに寄る・・・という戦法です。
これはつまり、ミスする場所を限定してしまう・・・というやり方で、上級者の方であればよく実践されている方法だと思います。
僕自身、ストレートボールを打つことはまずありません。それだけ正確なストレートボールが打てないという技術的な問題も勿論、あります・・。
ただ、ミスした場合のボールの行方が予測できないショットはどうしても打つ気になれません。
勿論、完璧にミスを予測することなどはできませんが、ある程度、それを限定してしまうことで、思い切って攻めることもできると思います。
果敢に攻めてゆくプロ、思い切ったショットをしているように見えることもありますが、その思い切りの良さは自分の中でミスを限定してしまったからこそできること・・・なのかも知れません。
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