パターの打感について。柔らかい打感、硬い打感の利点と欠点
パターについてはこれまで、パターの選び方やパターのネック形状の種類、パターの長さ、重さといったことについてご紹介してきました。
今回は、パターの「打感」についてです。
前回、アイアンの打感を決定する2つのこと。打感が良い、柔らかい、硬いアイアンの見分け方とは?ではアイアンの打感について色々とご紹介しましたが、パターの場合も打感は重要視されることが多く、打感次第でタッチが合うようになったり、合わないようになったり・・といったことがよくあります。
パターの打感ですが、ヘッドの素材やフェースインサートの素材などに大きな影響を受けます。
そのため、例えば、樹脂などのフェースインサートを使って柔らかい打感を出しているものや柔らかいフェースインサートは使わず、フェース面に金属を使ってソリッドな(しっかりとした)打感を出しているパターもあります。
「パターは打感が柔らかい方がいいですか?それとも、硬い方がいいですか?」と聞かれることもありますが、これはその人によっても違ってきます。
柔らかい打感が好みの人もいれば、硬い打感が好みの人もいますので。
ですので、大事なことは自分の感覚にあった打感のパターを選ぶということになると思います。
今回はそんなことも含めて、柔らかい打感と硬い打感のそれぞれの違いやメリット、デメリットについて、また、柔らかい打感のパターが合っている可能性のある人のタイプや硬い打感のパターが合っている可能性がある人のタイプについても見てゆきたいと思います。
目次
柔らかい打感のパターの特徴とメリット・デメリット
さて、柔らかい打感と硬い打感の違いやメリット、デメリットですが、まずは、柔らかい打感のパターについて見てゆきたいと思います。
パターの中には、例えば、樹脂製のフェースインサート※を採用しているモデルもありますが、そういったモデルのパターは、打感が柔らかいものが多いです。
※フェースインサートとは、パターのフェース面に埋め込まれている板のようなもの。打感を柔らかくするといった効果があります。
(下の写真)フェースインサートのあるパターの例。白い部分がフェースインサート。
柔らかい打感のメリットですが、フォロースルーが出やすくなること(思い切ってパットを打ってゆける)やストロークがスムーズになりやすいといった点が挙げられます。
これは、【よくわかる!パターの選び方】自分に合ったパターを選ぶ簡単な方法でもご紹介しましたが、ショートパットが苦手な人の場合はソフトな打感のパターの方がいいと指摘する専門家もいます。
この理由ですが、打感が柔らかくなることで、オーバーすることを恐れず、思い切って打ってゆけるようになるためです。
硬い打感のパターの場合は弾きがいいのですが、その分、打った時の感触が手元により大きく伝わってきやすく、人によっては、「強く打ち過ぎたのではないか?」「オーバーするのではないか?」という風に不安を感じて、ストローク中に躊躇してしまったり、ヘッドを減速させてしまう・・という人もいます。
一方、硬い打感に比べると、ソフトな打感のパターは、手元に伝わってくる刺激も少ないため、躊躇せずに思い切って打っていきやすいのが特徴です。
また、先ほど柔らかい打感のメリットとして、ストロークがスムーズになりやすい点を挙げました。
ボールをパチンと弾くように打ってゆくタイプの人の場合は、硬い打感を好んで使う人も多いですが、ボールをフェースに乗せて運ぶような打ち方の人やストロークの幅で距離感を出してゆくようなタイプの人の場合は、柔らかい打感のパターの方が合っているかも知れません。
一方、ボールをパチンと打ってゆくタイプの人やソリッドな(しっかりとした)打感を好む人の場合は、柔らかい打感のパターだと、ボールを打っている感覚が伝わりにくいので、思わず打ち過ぎてしまうこともあるかも知れません。
硬い打感のパターの特徴とメリット・デメリット
次に硬い打感のパターの特徴やメリット・デメリットについて見てゆきましょう。
フェースインサートなどは使わず、フェース面が金属になっているパターなどは打感が硬いものが多いです。
(下の写真)フェース面が金属のパターの例。打感が硬く、弾きがいいのが特徴。
硬い打感のメリットは、打った時の感触が手元により強く伝わってきやすい点です。また、硬い打感のパターの場合は、弾きがいいと感じることも多いですが、それも場合によってはメリットになります。
そういったことを考えると、硬い打感のパターは、ソリッドな(しっかりとした)打感を好む人や、ボールをパチンと打ってゆくタイプの人とは相性がいいかも知れません。
ただ、反対にパットを打ち切れずにショートすることが多いという人にとっては、打感が硬いと「打ち過ぎたのでは?」という不安を感じやすく、そのために、フォロースルーがうまく出せなかったり、インパクト前後で思わずヘッドを減速させてしまう・・・ということもあるかも知れません。
また、先ほどとは反対で、ボールをフェースに乗せて運ぶような打ち方をする人や、ストロークの幅で距離感を出してゆく人にとっては、硬い打感のパターだと弾きが良すぎて、ボールが思った以上に転がってしまう・・ということもあるかも知れません。
「音」と打感の関係
柔らかいとか硬いといった打感はフェースに使われている素材やフェースインサートの種類・素材などによって大きく左右されます。
それに加えて、ボールをパターで打った時の「音」も打感に深く関係していると言われています。
具体的には、インパクトの音が高いと硬い打感、インパクトの音が低いと柔らかい打感だと感じやすいと言われています。
例えば、フェースが金属の場合はインパクトの音が「キーン」と高くなって、打った人は(打感が)硬いと感じやすいです。
一方、樹脂のフェースインサートなどを採用したパターはインパクトの音が「ポコッ」と低い音になり、打った人は柔らかいと感じやすいです。
そのため、ボールをパチンと打ちにいくタイプの人が、低い音の(打感の柔らかい)パターを使うと、打った時の感覚が伝わりにくく、そのために打ち過ぎてしまう・・・ということもあるかも知れません。
反対に、ボールをフェースに乗せて運ぶような人やストロークの幅で距離感を出してゆくタイプの人の場合は、高い音(硬い打感)のパターだと、打ち過ぎてしまうような感覚になって、インパクトが緩みやすいかも知れません。
柔らかい打感と硬い打感のパター、どっちを選んだらいいか?
柔らかい打感と硬い打感のパター、どちらを選んだらいいか?ということですが、冒頭でも書かせていただいたように、その人によっても違ってくると思います。
柔らかい打感が好みの人もいれば、硬い打感が好みの人もいらっしゃいますので。
ただ、ここまでご紹介してきたことをまとめると、1つの目安として、
【柔らかい打感のパターが合っている可能性がある】
- フェースでボールを運ぶような打ち方をする人
- ストロークの幅で距離感を出してゆく人
- パットをショートすることが多い人
- インパクトでヘッドが減速してしまうことが多い人
【硬い打感のパターが合っている可能性がある】
- ボールをパチンと打ちにいくタイプの人
- 打った時の感覚(打感)がしっかりと手に伝わってきた方がいい人
- ボールの転がりを良くしたい人
・・といったことが言えると思います。
また、これ以外には、自分がイメージした通りのスピードが出せる打感のパターを選ぶ・・ということが重要になってくると思います。
自分がイメージしたボールのスピードよりもボールが速い場合は、もう少しソフトな打感のものを使ってみてもいいかも知れません。
反対に自分がイメージしたボールのスピードよりも、ボールが遅い場合は、もう少し硬い打感のパターを試してみるのもいいかも知れません。
「打感って大事ですか?」
そんな風に聞いていただいたことがあります。
これはアイアンの打感を決定する2つのこと。打感が良い、柔らかい、硬いアイアンの見分け方とは?でも書かせていただきましたが、打感を重視する人もいますし、打感は気にしない人もいます。
ですので、一概に「打感は大事です」とは言い切れないわけですが、ただ、打った時にボールがつぶれるアイアンやドライバーよりも、打った時にボールがつぶれないパターの方がフェースやヘッドの素材の硬さを感じやすいと言われています。
そういう意味では、ドライバーやアイアンよりも、かえってパターの方が打感は重要になってくるのかも知れません。
また、パターの場合は、打感がイコール、フィーリング(感覚、距離感など)につながってくることも多いので、できれば、いくつかのパター、打感が硬めのパター、打感が柔らかいパターを試打していただいて、どちらが自分の感覚にマッチしているかを探ってみてもいいかも知れません。
人によっては、硬めの打感のパターに変えたら、もしくはその反対でソフトな打感のパターに変えたら、距離感がピッタリ合うようになった・・という人もいます。
その位、打感というのは、距離感などの感覚と深い関係があるように思います。
また、考え方によっては、打感の違うパターを2本購入するというのもいいかも知れません。
繊細なタッチが求められる高速グリーンのコースでは、少しソフトな打感のパター。ボールの転がりが悪いコースでは、やや硬めの打感のパター。
・・・といったように使い分けてみるのも面白いかも知れませんね。
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