70台でプレーするために必要なこと、必要ないことのまとめ
こんにちは。ゴルフ総研の森です。
70台というスコアは多くのゴルファーにとって、最終的な目標となるスコアではないでしょうか。
以前、日本パブリックゴルフ協会が行った調査では、70台でプレーする人の割合は全体のわずか3.6%程度。
ちなみに、80台は26.3%、90台は43.4%、100台は19.9%、110以上は6.8%でした。(ただし他に、ゴルファーの68.3%が平均スコア100オーバーという調査結果もあります)
いずれにしても、70台というスコアは非常に難関であることがわかります。
ただ、ゴルフ歴で見てみると、ゴルフ歴10年を過ぎたあたりから、70台でまわる人の割合が増えてくることもわかっています。
さて、前置きはこの辺にして・・
前回、80を切る!80切りの7つの方法と戦略とは?では80を切るための具体的な戦略や考え方についてご紹介させていただきました。
今回は、その時のおさらいも含め、70台でプレーするために必要なこと、また、必要のないことについてまとめてゆきたいと思います。
また、70台というスコアでプレーするために、あった方が有利になる技術やショットについても、ご紹介してゆきたいと思います。
それでは早速見てゆきましょう!
1)スコア
まず、70台でまわるために必要なスコアですが、パー72のコースの場合は、ボギーを7つまで出すことができます。(残りはすべてパーとして)
※ボギー・・・パーよりも1打多いこと
もし、パーが11個、ボギーが7個だと・・
(パー × 11ホール) + (ボギー × 7ホール) = 79
ですので、70台でプレーするためには、ボギーを7つ以下にする必要があります。
その際、下の図のようにスコアカード(18ホール)を3ホール毎に区切ってしまうのもよい方法だと思います。
そして、その3ホールに1回、ボギーを出してもOKと考えてみます。
もし、この通り3ホールに1回ボギーで残りがすべてパーの場合は、6ボギーで78になります。
そんな風にして、3ホールに1回はボギーでOKと気持ちを楽にしてプレーするのもよい方法かなと、思います。
ただ、それ以外はパーが必要になってくるわけで、70台で安定してプレーするということは、イコール、安定してパーを取るゴルフをする・・ということなのかなと思います。
勿論、バーディーも取るけど、ダボも叩くゴルフで最終的に70台でまとめることもできると思います。
ただ、安定して70台でプレーするためには、バーディーを取るよりも、ダブルボギーを出さない方が大切で、70台という大きなミスができないレベルでは、そういったリスクマネジメントが必要になってくるのではないかなと思います。
ここで簡単にまとめると、70台でプレーするためには、ボギーを7つ以下にすることが必要。そのために3ホールに1回、ボギーを出してもOKと考えてみます。
2)ティーショット
次に、ティーショット(パー3を除く)について見てみたいと思います。
前回、80を切るためにはフェアウェイキープ率50%を目指すと書かせていただきました。
安定して70台でまわるためには、最低でも2回に1回はフェアウェイをキープする必要があるかも知れません。
ちなみに、70台でまわってくるゴルファーのフェアウェイキープ率は60%以上という調査結果もあります。
ですので、最低でも50%、できれば、60%近い数値を出せたらいいかも知れません。
先ほど、スコアのところで、ボギーを7つ以内に抑える(残りをパー)と書かせていただきましたが、そのために、ティーショットはできれば、パーオンが狙える位置まで打つこと、最低でもボギーオンできる位置まで打つということが必要になってきます。
パーオン・・・規定の打数よりも2打少ない状態でボールをグリーンに乗せること。パー4のホールであれば、2打でグリーンに乗せること
そのためには、そこそこの距離まで安定して打つ必要がありますが、パーオンが狙えればいいわけなので、ガッツリ飛ばす必要はないかも知れません。
これは勿論、コースにもよりますが、多くの場合、ティーショットでランも含めて200ヤード程度の飛距離が出ていれば、十分パーオンが狙えるというホールが殆どではないかなと、思います。
このランも含めて200ヤードという数値は男性アマチュアなら3番ウッドでも出すことが可能な飛距離だと思います。
いずれにしても、70台といっても、そんなに特別な飛距離は必要ないように思います。
ただ、どうしても避けなければならないことがOB(もしくは大きなトラブルのある場所)に打つことで、OBを出せば、その時点で、ボギーオンすら不可能(パー4の場合)になってしまいます。
そういったことを考えると、次の技術面で詳しく書かせていただきますが、ミスを限定できる持ち球というものがあった方が有利かなと思います。
ここで簡単にまとめると、ティーショットは最低でも2回に1回はフェアウェイに乗せることを目標に。特別飛距離の出るショットは必要ないが、ミスする場所を限定できる持ち球があるとGood。
技術的な面では:
「ミスを限定できる持ち球」と書かせていただきましたが、70台で安定してプレーする上で、持ち球があるとかなり有利になってくると思います。
この「ミスを限定できる」という意味ですが、もし、ストレート系のショットしか打っていなかった場合、ミスした場合、どちらに曲がるかわからないわけです。
その場合はフェアウェイのセンターを狙うしかなく、フェアウェイの幅を半分しか使うことができません。
一方、ドローボールを持ち球として持っていた場合、ミスするなら、曲がらずに真っすぐか、曲がり過ぎて左か・・・になります。
右サイドへのミスがないので、この場合は例えば、フェアウェイ右サイドを狙って、左に曲げてゆく・・というショットを打つことができます。
こうすると、フェアウェイの幅を全部使うことができるので(ミスしてもいい範囲が倍になるので)スコアをまとめてゆく上では圧倒的に有利になります。
もっとも、ドローボールの場合、打ち損ねてプッシュアウトが出ることもあるわけですが、それを防ぐために、確実に曲げてゆく技術があるといいかも知れません。
確実に曲げてゆく技術といっても、簡単に言うと、大きめに曲げるということになります。
そういった大きく曲がっても、必ずどちらかに曲がる持ち球があるといいかも知れません。
特に70台というレベルは、大きなミスができないレベルだと思います。
だからこそ、この「ミスを限定する」という戦略が非常に有効ではないかなと、思います。
3)2打目
70台でまわるゴルファーのパーオン率は50%以上というデータもありますが、70台でプレーするためには、2回に1回はパーオンできるといいかも知れません。
スコアのところで、70台でプレーするためには、ボギーを7つ以内におさえて、残りのホールでパーを取ると書かせていただきました。
パーオン率50%だった場合、9ホールはパーオン、2パットでパーが取れます。
パーオンを逃した残りの9ホールのうち、2回どこかでパーが取れれば、7ボギーで79のスコアになります。(ダブルボギーを叩かないことが前提で)
ですので、2回に1回パーオンできていると、70台でまわる上ではかなり有利な状況になると思います。
70台というと、どうしてもパーオンしなければならないような感覚になりますが、毎回パーオンさせる必要はありません。
ただ、(ティーショットがうまくいったとして)2打目で重要なのは、パーの可能性をできるだけなくさない・・ということだと思います。
もし、ピンを狙ってグリーンを外した場合、70台でプレーするゴルファーだとそこからパーを取る確率は50%程度というデータもあります。
それでもパーの可能性はあるわけですが、(パーオンの後の)2パットでのパーに比べると確率はぐっと下がります。
もし、ピンを狙ってバンカーに入れた場合、バンカーからパーを取る確率はさらに下がり、70台でプレーするシングルプレーヤーでも場合によっては10%~30%程度という調査結果もあります。
こうなると、パーの可能性はかなり低くなります。
ですので、そういったことを考えると、ピンの位置は忘れて、2打目はグリーンセンター狙いが大事な戦略になってくるのではないかなと、思います。
ここで簡単にまとめると、70台でプレーするためには2回に1回のパーオンを目指します。ただ、パーの可能性をなくさないことが重要。2打目はグリーンセンター狙いで。
技術的な面では:
セカンドショット(もしくはパー5のサードショット、パー3のティーショット)の場合は、1つの距離を3つの番手で打てるようにしておくと、それがリスクマネジメントにつながることがあります。
どういうことかというと、例えば、ピンまでの距離が同じ140ヤードでも、3本のクラブで打てるようになると、色々な意味で有利になります。
例えば、自分の普段の7番アイアンの飛距離が140ヤードだとします。
この140ヤードですが、7番アイアンで打つのが1つ目の選択肢。
2つ目は、8番アイアンのフルショット+αで140ヤードを打つ選択肢。
3つ目が6番アイアンのコントロールショットで140ヤードを打つという選択肢です。
この3つの使い方ですが、例えば、ピンがグリーンセンターにある場合は7番アイアンのフルショットでグリーンセンター狙い。
ピンが手前にある時は、2つ目の選択肢、8番アイアンのフルショット+αでグリーンセンターを狙って、落ちてからすぐに止まるショットを打ちます。
ピンが奥にある場合は、3つ目の選択肢、6番アイアンのコントロールショットでグリーンセンターを狙って、落ちてから転がしてゆきます。
全てグリーンセンター狙いではあるのですが、ラン、もしくはスピンをコントロールすることで、リスクを避けながら、確実に2パット圏内に寄せる、もしくは1パットを狙ってゆく・・・そんな方法もあります。
4)アプローチショット
先ほども書かせていただきましたが、グリーンを外した場合、70台でプレーするゴルファーの場合、そこからパーを取る確率は50%程度というデータもあります。
そういったことを考えると、グリーン周りのアプローチショットは、毎回寄せる必要はないと思います。
先ほど、パーオン率50%を目指すと書かせていただきましたが、パーオンしたホールでは2パットでパーが取れます。
パーオンしなかった9ホールのうち、2回どこかでパーが取れれば、7ボギーで79のスコアになる・・・ということでした。
そういうことを考えると、70台でプレーするには、3回に1回、アプローチショットを1パット圏内に寄せることができるといいかも知れません。
もし、70台前半を目指す場合は、2回に1回は寄せることができるといいかと思います。
ここで簡単にまとめると、70台でプレーするためには、アプローチショットは毎回寄せる必要はありません。3回に1回寄せることを目指します。
技術的な面では:
技術的な面では、下記の3つのアプローチショットをある程度の精度で打ち分けられるようになると、色々な状況に対応しやすくなるかと思います。
1)ランニングアプローチショット・・・ボールをできるだけ転がしてゆくショット
2)ピッチエンドラン・・・ランニングアプローチよりも少し高くボールを上げ、ランを少なくするショット
3)ピッチショット・・・ピッチエンドランよりもボールを高く上げるショット。30ヤード前後で使う
具体的な打ち方については、アプローチショットの4つの種類と打ち方<比較表も>にてご紹介していますのでよかったらそちらを参照下さい。
5)バンカーショット
グリーンサイドバンカーから2打かそれより少ない打数でカップインする確率ですが、70台でプレーするゴルファーで10%~30%程度という調査結果があります。
ちなみにこのバンカーからの確率ですが、女子プロのトップ選手でも、50%を超えればかなりよい数字になります。
そういうことを考えると、70台でプレーするためには、バンカーショットは寄せる必要はないと思います。
寄せてパーを取るという考え方は恐らく必要なくて、2パット圏内に打てればOKと考えておいてもいいかも知れません。
ここで簡単にまとめると、70台でプレーするためにバンカーショットを寄せる必要はありません。2パット圏内に打てればOKと考えておきます。
技術的な面では:
技術的なことについては、バンカーショットの構え方と打ち方のコツにてご紹介していますので、もしよかったらそちらを参照下さい。
ただ、これは技術的なことというより、クラブに関することですが、バンカーショットは自分に合ったサンドウェッジを使うということが安定してバンカーショットを打つためには大切なポイントになると思います。
特に大事になるのがバウンスだと思います。
このバウンスの大きさはバウンス角というもので表しますが、そのバウンス角が自分に合っていないと、バンカーショットが必要以上に難しいショットになることがあります。
じゃあ、どの程度のバウンス角が自分に合っているのか?というと、一番いいのは、試打してみることですが、なかなかそういったチャンスは少ないかも知れません。
ただ、1つの目安としては・・
砂を多くとる、上からヘッドをドスンと入れてゆくタイプ
バウンス角が多め(10度以上)のものがおすすめ。
砂を薄くとる、(通常のショットでは)ドローボールが持ち球の方
バウンス角が少な目(8度以下)のものがおすすめ。
・・になります。
考えてみればわずかな差なのですが、バウンス角の違いでバンカーショットが簡単になったり、難しくなったりすることがありますので、そういった点にも注意してみて下さい。
6)パター
レベルが上がるほどに、パットの重要性というのはどんどん高まってゆきますが、70台というレベルになると、パットはとにかく重要になってきます。
具体的には、70台というレベルでプレーするためには、平均して2パット、トータル36パット以内にすることが最低限、必要になってくると思います。
中にはかなりのロングパットが残ってしまって、3パットのホールがあるかも知れませんが、反対にアプローチショットが寄って、1パットで済むホールもあると思いますので、平均して2パット・・ということになります。
ただ、よほどのロングパットでなければ、基本的には2パットで決める技術が必要になってくるかと思います。
ここで簡単にまとめると、70台でプレーするためには、ミドルパットを1発で決める技術は必ずしも必要ありませんが、平均して2パット、トータルで36パット以内にすることが最低限、必要になります。
技術的な面では:
よほどのロングパット以外は基本的には2パットで決める技術が必要・・・と書かせていただきましたが、そのために必要なことは2つあると思います。
1つは、距離感。2つ目は、ショートパットの自信です。
1)距離感
距離感というのは、練習を繰り返してゆくうちに身に付いてゆくものだと思いますが、もし、練習しても距離感が身に付かないような場合は、短い距離から合わせてゆくといいかも知れません。
いきなりロングパットの練習をするのではなく、もっと短い距離、例えば、50センチなど本当に短い距離から距離を合わせてゆくようにするといいかと思います。
2)ショートパットの自信
ショートパットの自信があるとないでは、スコアには大きな違いが出てくると思います。
ショートパットの自信は、技術的なこととメンタル面の両方の要素が関係していると思います。
技術的な面で言えることは沢山あるのですが、ただ、ここで1つ挙げるとすると、ショートパットが思うように入らない時はまず、グリップとボールの位置を再確認していただくといいかも知れません。
引っ掛けが多い場合は、グリップ(両手)の位置が体の真ん中寄りに来ていないか確認してみて、もし、そうなっていたら、左足太ももの内側の前に両手を持ってきてからグリップを握るようにします。
ボールの位置については、今よりも若干右に置いてみてどうなるか確認していただいてもいいかも知れません。
プッシュアウトが多い場合は、その反対で両手が前(ターゲット方向)に出過ぎていないか、ボールの位置も右に置きすぎて、それが原因でハンドファーストになり過ぎていないか、確認してみます。
ショートパットの自信を持つという意味では、自信のつけ方も重要になってくると思います。
例えば、ショートパットが入って、それで自信をつけるというやり方をしていると、ちょっとしたことで自信を失いやすくなることがあります。
結果を出してつけた自信は、結果が出なくなった時に失ってしまいやすいためです。
そうではなくて、過程に注目して自信をつける・・というやり方だと、その自信は失いにくくなると思います。
ショートパットの場合は、決まったかどうかではなく、自分が思う方向に打ち出せたかどうかでそのパットを評価、判断するようにしてみます。
入ったかどうかは、自分以外の何かが関係してくることがあります。
自分としては完璧な方向に打ったのに、グリーン上の見えない凹凸のせいで、パットが外れることもあります。
また、傾斜にしても、読み間違えることもあるかも知れません。
だから、ショートパットの場合は、パットがもし外れてしまったとしても、自分が思った方向に打ち出せたら「よし」とします。
そうやって、入ったかどうかではなくて、その一歩手前の思う方向に打ち出せたかどうかで自分のパッティングを評価、判断してゆくと、失いにくい自信が手に入るのではないかなと思います。
勿論、パットは入れることも重要なのですが、自然が相手のゴルフの場合は、完璧に打っても入らないということがよくあります。
ですから、結果ではなく、その一歩手前の過程の部分で自分を判断してゆくということが大切だと思います。
ということで、今回は70台でプレーするために必要なこと、必要のないことについて色々とご紹介してきました。
冒頭でもご紹介しましたが、70台でプレーする人というのは、本当の一握りだけです。
それだけ難しいスコアなのですが、その分、挑戦しがいのあるスコアではないかなと、思います。
もしこれから、その70台というスコアにチャレンジしてゆく方がいらっしゃいましたら、是非頑張ってください。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。