ゴルフでスランプに陥った時の脱出方法。原因で最も多いのはこれ
他のスポーツと一緒で、ゴルフにもスランプというものがあります。
何故かはわからないけど、今までやってきたことが突然のようにできなくなったり、練習しているのにそれが全く結果につながらないような、そんな不調に陥ってしまう時期があったりします。
この記事では、ゴルフでスランプに陥った時、どうやって抜け出したらいいか、その具体的な方法について解説します。
また、他のスポーツの一流と呼ばれる選手達がやっているスランプからの脱出方法やスランプに陥った時の対処方法についてもご紹介してゆきます。
目次
- スランプに陥った時にまず考えるべきこと
- 不調に陥った時、ACミランの一流のサッカー選手達がやっていたこと
- バレーボールのプロ選手がスランプになった時、監督やコーチがやること
- プロゴルファーが不調に陥る原因で最も多いのはこれ
- 不調やスランプに陥った時の名言
スランプに陥った時にまず考えるべきこと
スランプに陥った時にまず考えたいことがあります。
それは何かというと、スランプは今よりも一歩先へゆくために存在するものである、ということです。
スランプのことを「成長する前の筋肉痛」という人もいますが、筋肉痛の後、筋肉は以前よりも強くなっていたりします。
スランプをマイナスなことととらえると、そこからの脱出方法が見つからなくなったりすることがあります。
ただ、それはむしろ、自分がさらに上にゆくためには必要なことだととらえてみると、今の状況を少し前向きにとらえられたりします。
少しゴルフの話からは離れますが、私はゴルフとは別の業界で文章を書く仕事もしています。
長年続けている仕事なのですが、ある時突然のように書けなくなることがあるんです。
それまでは当たり前のように書けていたことがある時、書けなくなる。アイディアが浮かんでこなくなったり、書こうと思っても全然進まない。
そんな時は、苦しみながらも、視点を変えてみたり、本にヒントを求めたり、人の話を聞いたり、アウトプットではなくてインプットを増やすことを心掛けたり、一旦休んでみたり・・それまでの自分があまりやっていなかったことをやってみます。
そんなことをしているうちに、いつの間にか書けるようになっていたりするんです。
そして、その後はいつもよりも速く書けるようになったり、それまでよりも自分が納得できる文章が書けることが増えていったりするんですね。
そういうことを経験してからは、スランプや不調の時期というものをマイナスにとらえるのではなくて、プラスにとらえるようになりました。
これは自分の成長に必要なことなんだ、と。
言ってみれば、スランプの時期というのは高く飛ぶためにしゃがみ込んでいるようなものだと思うんですね。
高く飛ぶためには一度沈み込む必要がありますが、スランプの時期というのはそれと同じだと思うんです。だけど、それはもっと高く飛ぶためには必要なことなのかも知れません。
これはスポーツだけではなくて、仕事や勉強にも言えることだと思いますが、ずっと右肩上がりに成長することはなくて、ずっとよい結果が出続けるということもなくて、思うようにいかない時であったり、それまで当たり前のようにできていたことができなくなってしまう時期もあると思うんですね。
ただ、その時期を乗り越えることで成長できたりします。
スランプに陥った時は苦しいけれど、その時期にもがいたり、あがいたりすることで、また一つ上のステージに行けるのだと思います。
不調に陥った時、ACミランの一流のサッカー選手達がやっていたこと
超一流選手が集まるサッカーチーム、「ACミラン」でメディカル・トレーナーを務めた遠藤友則さんは、スランプに陥った時にACミランの選手達がすることがあると語っています。
それは何か?
ということですが、ACミランの選手達はスランプに陥って結果が出なくなると、頑張ろうとするのではなく、むしろ一息ついて、何が問題だったのかを考えるのだそうです。
そして、今までやってきたことに対して「少しだけ」改良を加えるのだそうです。
ゴルフの場合も、スランプに陥った時は、そこから早く抜け出したい一心でボールをもっと打ちたくなりますが、そんな時に必要なことはもっと頑張ろうとすることではなくて、ACミランの選手達のように、むしろ一息ついて、少し客観的な視点で何が問題なのかを考えてみること、なのかも知れません。
そして、その上でこれまでのやり方に少しだけ変更を変えてみるのも良い方法だと思います。
いきなりスイング全体を変えようとするのではなくて、スイングの一部だけを変えてみたり、グリップの握り方を少しだけ変えてみる。ボールの位置を少しだけ変えてみる、でもいいかも知れません。
いずれにしても、いきなり大きく変えるのではなくて、少しだけ、変えてみるのです。
バレーボールのプロ選手がスランプになった時、監督やコーチがやること
バレーボールの話になりますが、あるプロチームでは、選手がスランプや不調に陥った時、その選手が好調の時と現在スランプに陥っている状態の映像を客観的に分析するそうです。
そして、その違いを見つけ出すことで、選手がスランプから脱出してゆく・・そんなことがあるそうです。
ゴルフの場合も、この客観的に自分を見るということがスランプになった時は大切なのだと思います。
そのためにビデオカメラを活用するのも良い方法だと思います。
色々な角度から動画を撮影して、それを自分で観てみます。
できれば、好調な時の自分も撮影しておくといいかも知れません。
そして、先ほどのように、好調な時の自分と不調な時の自分を見比べてみるのです。そうすることでヒントが見えてくることがあります。
また、好調な時にやっておきたいことがもう1つあります。
それは何かというと、好調な時の自分のスタンス幅やボールの位置を記録しておくということになります。
ドライバーからサンドウェッジまで、スタンスの幅とボールの位置をメジャーで計測しておきます。
そして、いざ不調になった時は、その時と今で何か違いがあるかどうかを確認してみます。
次にご紹介しますが、ゴルフの場合、そういったスタンス幅やボールの位置の微妙な狂いがスランプの原因になっていることが多いです。
プロゴルファーが不調に陥る原因で最も多いのはこれ
さて、この辺で具体的なスランプの脱出方法について見てゆきたいと思います。
ゴルフの場合、トッププロであっても不調に陥ることがよくあります。
当時、女子最強と言われたアニカ・ソレンスタムという選手がいました。メジャーで10勝、LPGAツアーでは通算72勝を挙げるなど、圧倒的な強さを誇った選手です。
そんなアニカ・ソレンスタムでも不調に陥ってしまうことがあったようです。
彼女は不調に陥ってしまう原因について(自分の場合は)アドレスの向きが原因になっている場合が多いと語っています。
例えば、自分でも気づかない間に少しだけ右を向いて構えていて、そこからスイングが狂ってゆく、と。
これはどういうことかというと、右を向いて構えて打つと、自然とプッシュアウトが出やすくなります。
すると「あれ?おかしいな」と思って、もっと左に振り抜きたくなります。真っすぐに飛ばすために、です。
でも右を向いているのに、ボールが真っすぐ飛ぶのであれば、それは引っ掛けです。右を向いて真っすぐに打っているのですから、アウトサイド・インで振っている、つまり、引っ掛けているわけです。
アニカのようなトッププロの場合は、そこまでわかりやすいわけではありませんが、そのごく小さなアドレスの向きの狂いが不調の原因になったりすることが多かったようです。
そして、それに気づいてアドレスの向きを修正すると、不調は消えていったそうです。
ゴルフのスランプは、アドレスに原因があることが殆ど
スランプに陥ってしまう原因は2つあると思います。
1つは、精神的なことが原因になっているケース。
2つ目は、技術的なことが原因になっているケースです。
精神的なことが原因になっているケースについては、イップスについての記事が参考になると思いますので、よかったらそちらを参照ください。
【ゴルフとイップス】症状、原因と治し方。克服するために必要なこと
2つ目の技術的なことが原因になっているケースですが、アニカ・ソレンスタムのスランプの原因のように、ゴルフの場合はスランプの技術的な原因がアドレスにあることが非常に多いように思います。
スイングというのは実はそんなに変わりません。変わるのは、アドレスの部分、例えば、ボールの位置やアドレスの向き、両手の位置(ハンドファーストの度合いなど)といったことが多いです。
テニスでも、サーブが不調になる原因はスイングそのものではなくて、トスにあることが多い。あるテニスコーチがそんな風に教えてくれたことがありました。
ゴルフでも、スイングはそんなに変わらなくて、変わるのはスイング以前の部分だったりします。
だから、スランプに陥った時にまず見直したいのはそういったスイング以前の部分、もっと言うと、アドレスの部分になります。
具体的には下記をまずは見直してみます。
- 1)アドレスの向き(スタンスや両肩の向き)
- 2)ボールの位置
- 3)両手の位置
- 4)グリップの握り方
この4点をまず見直してみます。
1)アドレスの向き(スタンスや両肩の向き)
アドレスの向きが不調の原因になっていることも多いです。
両足を結んだスタンスのラインだけでなく、両肩を結んだラインの向きもチェックしてみてください。
2)ボールの位置
ボールの位置もチェックしてみます。
フェードボールを持ち球にしている人は、ボールをどんどん左に置いてしまう癖があることが多く、ドローボールを持ち球にしている人は、反対にボールをどんどん右に置こうとする傾向があります。
それが不調の原因になっていることもありますので、ボールの位置にも注意してみてください。
3)両手の位置
構えた時の両手の位置も非常に重要なチェックポイントになります。具体的には、構えた際に両手が左足太もも内側の前に来ているかをチェックします。
両手がその位置よりもターゲット寄りにあるとフックボールが出やすく、その位置よりも右足寄りにあるとスライスが出やすくなります。
4)グリップの握り方
グリップの握り方もチェックしてみます。
ゴルフをはじめた頃の握り方が癖になっていて、例えば、せっかくフックグリップに変えたのに知らぬ間にウィークグリップに戻っていた・・なんてこともあります。
知らぬ間に以前の握り方に戻ってしまうこともよくありますので、グリップも定期的にチェックするといいと思います。
不調やスランプに陥った時の名言
最後に不調やスランプに陥った時の名言、言葉をご紹介して終わりにしたいと思います。
「失敗と書いて、せいちょうと読む」
プロ野球南海で捕手兼任監督を務め、ヤクルト、阪神、楽天でも監督を務めた野村克也さんの言葉。
「「おかしいな。いつも通りにちゃんと練習をして、いつも通りに一生懸命に試合に臨んでいるのに、悪い結果が続いてヘンだな」
そう思っているから、そこで頭打ちになるのだ。調子が悪くなったときに「スランプだ」と思っている人は、調子がいいときの自分が当たり前だと思っている。
しかし、そうではない。いままではたまたまうまくいっていただけなのだ。まだ自分は実力が足りないから、こんな風に悪い結果が続いているのだ。
そう気づけば、「いつも通り」とか「いままで通り」の努力では足りないと気づくはずだ。この状態を乗り越えようと必死にもがき苦しみ、その先にやっと光明が見えてくる。
それが「自分の限界を超える」ということだ。それが成長ということなのだ。」 (出典:運の正体 野村克也著)
同じく野村克也さんがスランプについて語った言葉。
「百遍倒れたら、百遍立ち上がれ。万策尽きたと言うな。策は必ずある。」
パナソニックの創業者、松下幸之助さんの言葉。
「将棋盤を頭の中でひっくり返して、相手の方から局面を眺めてみる」
将棋棋士、羽生善治が自身の著書の中で語られた考え方。
「浮き沈みはやむを得ない」
同じく羽生善治さんの言葉。
2018年、竜王戦で敗れ、27年ぶりに無冠となったことについて語った言葉。「駄目なときとか集中できないときとか、そういうことがあるのはしようがないっていうふうに割り切らないと、持続するのは難しい。あんまり真面目に、深刻に考え過ぎるのは良くないと思っています」とも。
「I am not discouraged because every wrong attempt discarded is another step forward.」
私はくじけたりはしない。何故なら、どんな失敗も次の一歩につながっているからだ。
発明王と呼ばれたトーマス・エディソンの言葉。
「壁は邪魔をするために現れているわけじゃない。本気で目指しているかどうかを試すために出てきている。」
元サッカー日本代表監督、岡田武史さんが壁について語った言葉。
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