ドローボールとフェードボールの違いやメリット・デメリットについて【どっちがいい?】
前回はスライスとフェードの違いについてご紹介しましたが、今回はドローボールとフェードボールの違いやそれぞれの特徴、メリットやデメリットなどについて見てゆきたいと思います。
それでは早速始めましょう!
【比較表】ドローとフェードの違いとは?
まずは、ドローボールとフェードボールの違いを簡単に比較してみたいと思います。
ドローボール | フェードボール |
左に曲げるショット | 右に曲げるショット |
地面に落ちてからランが出る | ランがあまり出ない |
飛距離が出やすい | コントロールしやすい |
バックスピン量が少ない | バックスピン量が多い |
体への負担が少ない | 体に負荷がかかる傾向がある |
女子プロが多用する傾向がある | 男子プロが多用する傾向がある |
初心者~上級者におすすめ | 上級者におすすめ |
それぞれについて、もう少し詳しく見てゆきたいと思います。
1)ドローボールは左に曲げるショット、フェードボールは右に曲げるショット
ドローボールとフェードボールの根本的な違いですが、右利きの人にとって、左に曲がるのがドローボール、右に曲がるのがフェードボールになります。
左利きの人の場合は、右に曲がるのがドローボール、左に曲がるのがフェードボールになります。
左に曲がるのがドローボール:
右に曲がるのがフェードボール:
ドローボールは左に曲がる、フェードボールは右に曲がる・・と書かせていただきましたが、あくまでも意図的に左や右に曲げるのがドロー、フェードボールになります。
これがもし、意図せずに左に曲がってしまう場合はドローボールではなく、フックボール。意図せずに右に曲がってしまう場合は、フェードボールではなく、スライスと言います。
少し言い換えると、ドローボールやフェードボールはコントロールされたショットで、フックボールやスライスは意図せずに出てしまうミスショットの一種になります。
2)ドローボールは地面に落ちてからランが出る、フェードボールはランがあまり出ない
ドローボールとフェードボールの2つ目の違いがラン(=ボールが地面に落ちた後、転がって進むこと、または、その距離)になります。
基本的には、ドローボールの方がランが出やすく、フェードボールの方がランが少ない傾向にあります。
何故、ドローボールの方がランが出るのか?
何故、フェードボールの方がランが少ないのか?
ということについては少し後でご紹介しますが、ドローボールの方がボールが落ちてから転がりやすく、フェードボールは反対に落ちてすぐに止まりやすいと覚えていただくといいかと思います。
3)ドローボールの方が飛距離が出やすく、フェードボールはコントロールしやすい
一般的には、ドローボールの方が飛距離が出やすく、フェードボールはドローボールよりは飛距離は出ない傾向がありますが、コントロールしやすいショットになります。
何故、ドローボールの方が飛距離が出やすいかというと、ドローボールの場合、インパクトでフェースが少し閉じるような形になります。
(下の図)フェースがインパクトで閉じる(左を向く)
フェースがインパクトで閉じることで何が起こるかというと、クラブのロフトが立ちます。
(下の図)右下がロフトが立っている状態
そのため、例えば、7番アイアンで打ったショットでも、インパクトでは6番アイアンのロフト角になっていたりして、ドローボールの方が飛ぶ傾向があります。
反対にフェードボールはドローボールよりも飛距離は出ない傾向がありますが、ドローボールよりはコントロールしやすいショットであると言えます。
4)ドローボールはバックスピン量が少なく、フェードボールはバックスピン量が多い
これはドローボールの方が飛ぶ理由、フェードボールの方がコントロールしやすい理由に関係してくるのですが、ドローボールはフェードボールに比べて、バックスピン量が少ない傾向があり、反対にフェードボールはドローボールに比べてバックスピン量が多い傾向があります。
これはドローボールの場合、インパクトでロフトが立ち、フェードボールの場合は反対にインパクトでロフトが増える・・ということも関係しています。
また、スイングの軌道も関係してきますが、それについては今回は詳しい解説は割愛したいと思います。
ドローボールの場合はバックスピン量が少ない・・ということですが、これはどんなことにつながるかというと、地面に落ちてからより転がりやすいということになります。
ですので、ドローボールの方がランが多く出やすく、結果的に飛距離が出ます。
反対にフェードボールはバックスピン量が多いので、地面に落ちてから比較的早く止まりやすいという特徴があります。
そのため、ボールをよりコントロールしやすいというのがフェードボールの利点の1つだと思います。(ランが多いと飛距離は出ますが、どの程度転がるかをコントロールすることが難しく、結果的にランが多いドローボールはコントロールするのも難しくなります)
例えば、グリーンを狙う場合でも、グリーンに落ちて早い段階でボールが止まってくれた方がピンも狙いやすいですが、転がりやすいドローボールだとピンが狙いにくいと感じる人もいます。
5)ドローボールの方が体に優しく、フェードボールの方が体に負荷がかかる傾向がある
これは人によっても違いますが・・ただ、一般的にはドローボールの方がフェードボールよりも体に優しいショットになることが多いように思います。
ゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスはフェード打ちの名手として知られていましたが、キャリアの後半で腰を痛めてからは、ドローボールも多用するようになってゆきました。
それは、ドローボールの方が腰への負担が少ないため・・だと思います。
何故、ドローボールの方が腰への負担が少ないかということですが、詳しく説明すると長くなってしまうので、簡潔に書かせていただくと、ドローボールの方が横振りになりやすく、フェードボールの方がどちらかというと縦振りになりやすいです。
腰への負担という意味では横振りの方が(腰への)負担は少ないため、ドローボールの方が腰への負担は軽減されると思います。
また、ゴルフの場合、手首を負傷してしまうこともよくありますが、ドローボールを持ち球にしている人の方がフェードボールを持ち球にしている人よりも手首の負傷は少ないと思います。
何故かというと、ドローボールの場合、クラブヘッドがより地面と水平に入ってきやすく、ディボット跡(=ショットを打った際、芝が削り取られたことでできる穴、凹み)も浅い傾向があります。
一方、フェードボールの場合、クラブヘッドはドローボールよりもやや鋭角に上から入ってくることが多く、ディボット後は比較的深くなる傾向があります。
ディボット跡が深くなるほど、手首には衝撃が加わりますから、ディボット跡が深くなる傾向があるフェード打ちの人の方が手首の負傷は多くなるかも知れません。
6)男子プロはフェード、女子プロはドローを使う選手が多い
これはまた時代と共に変化してゆく可能性もありますが、男子プロの場合はフェード打ちの人が多く、女子プロはドローボールを使う選手の方が多い傾向があります。
これは何故かというと、男子プロの場合は既に十分な飛距離が出るため、飛距離よりも正確性を求める選手が多く、そういった意味で、よりコントロールしやすいフェードボールが好まれる傾向があります。
一方、女子プロの場合は、飛距離を求める選手も多く、そういった意味でより飛距離の出るドローボールを多用する選手も多いです。
7)ドローボールは万人におすすめ、フェードボールは上級者におすすめ
色々な考え方がありますが、ドローボールは万人におすすめできる球筋ではないかなと思います。
特にアマチュアゴルファーの場合は、プロに比べて圧倒的に飛距離が不足していますから、飛距離の出るドローボールは魅力的だと思います。
一方、フェードボールはある程度飛距離が出る人におすすめ、どちらかというと、上級者向けのショットかも知れません。
自分に合う球筋を見つけることが大切
さて、ここまで見てきましたが、ドローボールとフェードボール、それぞれメリットもあれば、デメリットもありますので、どちらが優れているということではないかも知れません。
先ほど、アマチュアゴルファーにはドローボールがおすすめと書かせていただきましたが、ただ、どちらがいいということではなく、自分に合う球筋を見つけるということが本当は一番大切なことなのかも知れませんね。
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