アプローチショットのトップ、ダフリの原因と直し方
グリーン周りのアプローチショットに関しては、アプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツで打ち方のコツや構え方についてご紹介してきました。
今回は、そんなアプローチショットでもよくあるトップやダフリの原因と直し方について見てゆきたいと思います。
目次
原因の多くは構え方にある。6つのポイントとは?
グリーン周りのアプローチショットのような短いショットでよくあるトップやダフリの原因の多くは、どちらかというと、打ち方よりも構え方にあると思います。
どのように打とうとしても構え方が間違っていると、トップやダフリが出てしまうということがあります。
さて、構え方ですが、具体的な構え方については、アプローチショットの打ち方も参考にしていただければ幸いです。
ここでは主にトップやダフリの原因となっている構え方、アドレスでの問題点について、見てゆきたいと思います。
1)体重のかけ方
グリーン周りの短いアプローチショットは、スイングも小さなスイングになるわけですが、その小さなスイング中に体重移動をしようとすると、スイングが不安定になってしまうことがよくあります。
そのため、グリーン周りの短いアプローチショットの場合、体重は最初から最後まで左足にかけておき、体重移動はしないで打つという方法が一般的です。
体重のおよそ60%~80%程度は左足(右利きの方の場合)に最初から最後までかけておき、後は手や腕ではなく、肩を振り子のようにして打ってゆきます。
打ち方についてのポイントは後程、ご紹介します。
2)グリップの位置とハンドファースト
両手の位置ですが、ハンドファーストになるように構えます。左足太ももの前に両手が来るような形です。
ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
ボールの位置はスタンスの真ん中からボール1個程度右にセットします。
このボールよりも両手が前(ターゲット方向)に来ていることを構えた際に確認してみます。
この両手の位置がズボンのジッパーの前(スタンスの真ん中)に来ていると、トップやダフリの原因になります。
3)ボールをすくい上げようとしている
これは構え方のポイントというより、心構えのようなものかも知れませんが・・
アプローチショットでダフったり、トップが多いという方の中には、ボールを無意識の間にすくい上げようとしている方もいます。
構え方も悪くない、打ち方も悪くない・・なのにトップが頻繁に出る・・という原因が、考え方というか、無意識の間にボールをすくい上げようとしていたことにあった・・というケースもあります。
地面に置いてあるボールを転がすのではなくて、浮かせて打つわけですから、すくい上げたくなるのが、当然の心理だと思います。
ただ、実際は、すくい上げようとすると、ヘッドをボールの下に入れたくなって、ダフったり、それを避けようとするとトップしたり・・ということが起こりやすくなります。
こんな時はむしろ、クラブについているロフトを信じて、ボールを転がす意識でヘッドをフォロースルーで低く出してゆくと、ボールをクリーンにとらえることができるようになると思います。
4)グリップは短く持つ
クラブをコントロールするという意味では、クラブのシャフトが短い方が有利になります。
アプローチショットのように繊細なショットの場合は、グリップを短く握ることで(クラブ)コントロールがアップすることがあります。
グリップは短めに、思い切って右手がギリギリ、シャフトにかからない程度まで短く持ってみてもいいと思います。
5)ピッチングウェッジか9番アイアンを使う
グリーン周りのアプローチショットで使うクラブは何がいい?【アプローチで使うクラブの5つの選択肢】でもご紹介しましたが、アプローチショットはサンドウェッジだけではなくて、他の番手を使うこともできます。
特にトップやダフリに悩んでいる方はサンドウェッジのバウンス(下記の図参照)がトップやダフリの原因となっていることがありますので、サンドウェッジではなくて、ピッチングウェッジや9番アイアンを使ってみるのも良い方法だと思います。
6)オープンスタンスにするのもGood
スタンスですが、若干、オープンスタンスにするのも一つの方法です。
アプローチショットでは若干、オープンスタンスにしているプロも多いですが、オープンスタンスにすると、フォロースルーで体を回転させやすく、トップやダフリの予防にもなります。
オープンスタンスの構え方ですが、両肩のラインはスクエアにしたまま(ボールとターゲットを結んだラインと平行にしたまま)、スタンスのラインだけ、少しオープンにします。
つまり、左足を少しだけ後ろに引くような形になります。
後は、スクエアスタンスと一緒です。
左足をどれだけ後ろに引いたらいいか・・ということですが、まず、5センチ程度後ろに引いてみてもいいかも知れません。
そこから実際にショットを打ちながら、自分なりに調節してゆきます。
これはアプローチショットでは一般的な構え方ですが、スタンスだけオープンにするより、すべてスクエアに構えた方がシンプルだと感じる方もいらっしゃるかも知れません。
その場合は、スクエアスタンスでもいいと思います。
ダフらない、トップしない打ち方のコツ
さて、ここまではアプローチショットでダフらない、トップしないための構え方のポイントについてご紹介してきました。
ここからは打ち方のコツについて、見てゆきたいと思います。
1)肩を振り子のようにして打つ
アプローチショットでダフリやトップが多いという方の中には、手や腕を使って打とうとしている方も多いです。
ただ、手や腕のような体の中では比較的小さな筋肉に頼ってしまうと、どうしてもスイング、ヘッドの軌道がブレやすくなります。
そこで、手や腕ではなく、肩に意識を向けて、具体的には、肩を振り子のようにして打つと、ヘッドの軌道が安定してきます。
肩を振り子のようにして打つ・・ということですが、これを実践(体感)するのに最適な練習方法がありますのでご紹介します。
まず、タオルを一枚、用意します。
それを横にして、両脇にはさんでください。
その状態でゴルフクラブを持ちます。あとは、このタオルを落とさないようにスイングしてゆきます。
手や腕でクラブを振ろうとするとタオルが地面に落ちてしまいます。
タオルを落とさないためには、肩を振り子のようにして、または、体の回転を使ってクラブを振るような意識でスイングしてみます。
また、このタオルの代わりに、クラブ(のシャフト)を水平にして、胸の辺りに持って行き、両脇に挟んで、その状態で(アプローチショットの)素振りをするのもよい練習になると思います。
2)右手首の角度を変えずに振る
これは以前、タイガー・ウッズも語っていたことですが、アプローチショットの際、右手首の角度を変えずに振ることを意識すると、よりボールをクリーンにとらえやすくなります。
アドレス際ですが、先ほどご紹介したように、まず、両手の位置に気を付けます。
ハンドファーストになっていることを確かめたら、次に右手首に注目してみてください。
構えた際、右手首にできる角度がありますが、この角度をアドレスからフォロースルーまで変えずに振り抜きます。
この手首の角度が変わってしまうと、ダフリやトップが出ますので、そうならないように、右手首の角度を構えた時からフォロースルーまで同じようにキープしたままスイングします。
そうすることでボールをよりクリーンに打てるようになると思います。
3)振り抜くために、フォロースルーに意識を持ってゆく
アプローチショットでダフリやトップが出てしまうという方の中には、インパクトに意識が行き過ぎて、または、インパクトで距離を合わせに行ってしまって、ヘッドが減速してしまっている方もいます。
この場合、インパクトではなくて、フォロスルーに意識を持ってゆく、または、ボールの先まで振り抜くことを意識すると、ダフリやトップが改善されてゆくことがあります。
また、ヘッドを減速させずに加速させて打つには、少しバックスイングを小さくしてみるのも一つの方法かも知れません。
バックスイングを小さくすれば、ヘッドを加速せざるを得なくなりますので。
4)下半身を固定しないで
これは中級者以上の方に多いかも知れませんが、ヘッドの軌道を安定させようとして、下半身を動かさずに固定させてスイングしてしまっている方もいらっしゃいます。
下半身が動き過ぎるのは問題ですが(次にそれについてご紹介します)、動かさないのもまた、問題です。
スイングは体全体を使う動きですので、どこかを固定させたり、動かさないようにすると、どうしても不自然な動きになりやすく、それによってヘッドの軌道がブレてしまうことも多いです。
アドレスで、左足に最初から体重の6割から8割程度をかけておいて、体重移動はしないで打つ・・と書かせていただきましたが、体重移動はしなくても、下半身の動きは止めないようにします。
下半身は自然に動いてOKです。
5)下半身のブレを抑えるには、重心を落とす
先ほどとは反対、今度は下半身が動き過ぎているケースについてです。
下半身を固定するのも良くないですが、下半身が動き過ぎるのも、ヘッドのブレにつながってしまいます。
そこで、下半身のブレを抑える必要があるのですが、そのためにできることの一つが、「重心を下げる」ということになります。
重心が下がると下半身がそれだけ安定しますので、スイングも自然と安定するようになります。
重心を下げるためには、(アドレスの前に)膝をほんの少し曲げるようにして2、3回、腰を落とすような動きをしてみてもいいかも知れません。
重心を落とすという感覚がなかなかつかめない場合は、
1)まず、背筋を伸ばして真っ直ぐに立ちます
この時、重心はどの辺にあるでしょうか?
おへそのあたりでしょうか?
どの辺でもいいのですが、何となくこの辺に重心があるかな?という場所があればそれを覚えておいてください。
2)この状態からその場で軽く両足でジャンプします
3)着地する時には膝を軽く曲げてみてください
この時、重心は1)の状態よりも下がりましたでしょうか?
軽く何度かジャンプすると重心が下がります。
その時の感覚で・・・構えてみると重心が下がった、安定したアドレスになるかと思います。
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