ホーム > ショートゲーム編 >
ショートゲーム編

アプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツ

グリーン周りの短いアプローチショットが苦手な方もいらっしゃるかも知れません。

でも、どんなにアプローチが苦手という方でもちょっとしたコツさえ知ってしまえば、案外簡単に打てるようになります。

アプローチショットには簡単に打てるコツがあると思うのです。

今回はグリーン周りからの短いアプローチショット(チッピング)を前提として構え方や打ち方、また使用するクラブについてもご紹介させていただきたいと思います。

尚、今回ご紹介するのは基本となるアプローチショットの打ち方になりますが、アプローチショットにはいくつかの種類があり、それぞれ打ち方が多少変わってきます。

それについてはアプローチショットの4つの種類と打ち方<比較表も>にてご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

目次

構え方の6つのコツ

アプローチショットの最大の秘訣・・・それは構え方にあると思います。

構え方が間違っていると、どのように打とうとしてもうまくいかず、トップやダフリに悩まされます。

大切なのは、簡単に打てるように最初から構えておくこと・・・だと思います。

早速、その構え方についてみてゆきたいと思います。


アプローチショットの際のグリップの握り方については下記をご覧ください。

アプローチショットの際のグリップの握り方。握り方を変える?テンフィンガーグリップについても

1)スタンスは狭くとる。殆ど揃えるくらいの気持ちで

スタンスを狭くとることでアプローチショットのような小さなスイングがしやすくなります。

スタンスが広いと(次にご紹介しますが)最初から左に体重をかけにくくなりますし、上半身の動きが大きくなることで打点がブレてしまいます。

スタンスを狭くするだけでトップやダフリが改善する方もいると思います。

どの位狭くしたらいいかということですが、殆ど揃えるような気持ちで、具体的には、両足の間にこぶしが1個入る程度でいいと思います。

2)体重は左足に60%~80%、はじめからかけておく

グリーン周りの短いアプローチショットの場合、体重移動をして打とうとすると、スイングが安定せず、ダフリやトップが出てしまうことがあります。

そのため、グリーン周りのアプローチショットでは最初から左足(左利きの人は右足)に体重の6割から8割程度をかけておき、スイング中は体重移動をせずに打ちます

そうすることで安定したアプローチショットが打てるようになります。

ただ、体重移動はしないというと下半身を動かさないようにされる方がいらっしゃいますが、下半身は動くのが自然で、むしろ固定しようとすると、トップやダフリの原因になることがあります。

体重は左足に6割から8割程度最初からかけておく、ということですが、ランニングアプローチのように低く打ってゆきたい時は左足に8割程度かける意識、ピッチエンドランのようにランニングアプローチよりも少し高さを出すショットの場合は左足に6割程度かけておいてもいいかも知れません。

また、体重を両足に均等にかけるアプローチショットの構え方でもご紹介しましたが、両足に均等に体重をかけて打つアプローチショットの打ち方もあります。

どちらの打ち方でもいいのですが、初心者の方やアプローチショットが苦手・・という方の場合は、左足に体重の6割から8割を最初からかけておく打ち方の方がショットは安定するかも知れません。

ただ、どちらのやり方も試してみる価値はあるかも知れません。

3)ハンドファーストに構える

グリップがボールよりも前(ターゲット寄り)に来るように構えます。

具体的には、両手が左足太ももの内側の前に来るようにします。

ダフリやトップが多い方や、ボールを転がして打ってゆくランニングアプローチを打つ場合などは、両手がもう少し前、左足太ももの前に来る形にするといいかも知れません。

そうすることで(両手を左足太もも前にセットすることで)、ボールをよりクリーンに打てたり、ランニングアプローチの場合などはボールをより低く打ち出すことができると思います。


ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。

4)ハンドアップで構える

両手の位置ですが、もう1つポイントがあります。

それは、パターのようにハンドアップで構えるということになります。

ハンドダウン、ハンドアップとは?

具体的には、クラブ(ウェッジなど)のソール全体が地面に着くように構えます。または、若干、ヒール側を浮かせて構えてもいいと思います。

フルショットの場合、このようにソール全体が地面に着くように構えると、トゥダウン現象が働いて、インパクトでヒール側が浮いてしまうことがあります。

トゥダウン現象とは、スイング中に遠心力が働いて、トゥ側がアドレス時よりも下がる現象

ただ、アプローチショットのように小さなスイングではその心配がありません。

また、ヒール側を下の図のようにある程度浮かせて打つ方法もあります。

この場合は、クラブフェースのトゥ寄りでボールを打つようにします。

ところで、何故、こんな風にしてハンドアップで構えるのか?

・・・ということですが、ハンドアップで構えると、手が使いにくくなります。

これはフルショットではマイナスなことですが、アプローチショットのように小さなスイングの場合は、手を使うよりも、体、または肩を意識してスイングすると、ヘッドの軌道が安定して、ダフリやトップが出なくなります。

打ち方については後ほど詳しくご紹介しますが、手の過剰な動きを抑えるためにはハンドアップで構えるということが大事なポイントになってきます。

5)ボールはスタンスの真ん中から右にセットする

打とうとしているアプローチショットにもよりますが、ボールの位置はスタンスの真ん中からボール1個分程度右に置くと、最初に地面ではなくて、ボールをとらえやすくなり、ダフリなどを予防することができます。

ボールを低く打ち出したい場合は、スタンスの真ん中からボール1個分程度右にボールを置き、それ以外のショット、ピッチエンドランなどの場合は、ボールはスタンスの真ん中を1つの目安にするといいかと思います。

6)オープンスタンスについて

グリーン周りのアプローチショットでは少しオープンスタンスで構えるのが一般的な構え方になります。

オープンスタンスで構えるプロも多いですが、オープンスタンスにすると、フォロースルーで体を回転させやすくなるという利点があります。

オープンスタンスの構え方ですが、両肩のラインはスクエアにしたまま(ボールとターゲットを結んだラインと平行にしたまま)、スタンスのラインだけ、少しオープンにします。

スクエアに構えた後に左足を少しだけ後ろに引くような形になります。

後は、スクエアスタンスと一緒です。

左足をどれだけ後ろに引いたらいいか・・ということですが、まず、5センチ程度後ろに引いてみてもいいかも知れません。

これはアプローチショットでは非常に一般的な構え方なのですが、ただ、スタンスだけオープンにするより、すべてスクエアに構えた方がシンプルだと感じる方もいらっしゃるかも知れません。

その場合は、スクエアスタンスでもいいと思います。

ただ、アプローチショットのトップ、ダフリの原因と直し方でも書かせていただきましたが、フォロスルーまでうまく振り抜けないためにトップやダフリが出ているような方の場合はこのオープンスタンスを試してみる価値はあるかも知れません。

打ち方の3つのポイント

グリーン周りからのアプローチショットは構え方で結果がほとんど決まると言っても過言ではありません。

ただ、打ち方にもちょっとしたコツがあると思うんです。

1) フォロースルーでヘッドが両手を追い越さないように振る

アドレスでまずハンドファーストに構えます。インパクトではアドレスの時のように手(グリップ)がクラブヘッドよりも前に来るように意識します。

これをフォロースルーでも意識する。

つまりスイングの間は両手が常にヘッドよりも前になっていることを意識すると、安定したアプローチショットが打てるようになってきます。

2)グリップを思い切り短く持つ

ダフリやトップを予防する良い方法があります。

それがグリップを思い切り短く持つということです。

右手がシャフトにギリギリかからない程度まで思い切り短く持ってみてください。

こうすることでクラブをよりコントロールできるようになります。

中にはサンドウェッジのフルスイングと同じような感じでグリップを握っている方もいますが、グリーン周りのアプローチショットではもっとグリップを短く持ってみるとスイングそのものが安定します。

アプローチショットのスイングというのはとても小さい(短い)ものですから、それに合わせてグリップも短く持ってあげるといいと思うんです。

3)肩を振り子のようにして打つ

グリーン周りの短いアプローチショットは手や腕で打つのではなく、どちらかと言うと肩を振り子のようにして打つことがコツです

イメージとしては、両肩とグリップを結ぶ三角形を崩さないで打ちます。
これを実践するのに簡単な練習方法がありますのでご紹介します。

まず、一枚のタオルを用意します。
それを横にして両脇にはさんでください。

その状態でゴルフクラブを持ちます。あとは、このタオルを落とさないようにアプローチショットを打ちます。

最初は素振りから始めてみてもよいかも知れません。

タオルを両脇に挟んでアプローチショットを打とうとすると、体の動きと腕、手の動きが一体となったスイングが身に付くと思います。

腕や手だけで打とうとするとタオルが地面に落ちてしまいますので、よい練習になると思います。

また、このタオルの代わりに、クラブ(のシャフト)を水平にして、胸の辺りに持って行き、両脇に挟んで、その状態で(アプローチショットの)素振りをするのもよい練習になると思います。

機会があれば是非、実践してみてください。

番手の選び方は?できるだけ転がして寄せるのがコツ

さて、アプローチショットで使うクラブですが、

サンドウェッジからミドルアイアンまで

・・を使うことができます。(ユーティリティやフェアウェイウッドを使うケースもありますが、一般的な選択肢としては、サンドウェッジからミドルアイアンまでになるかと思います)

グリーン周りから打つアプローチショットは、サンドウェッジで打つ人も多いかと思いますが、ただ、中にはサンドウェッジだとトップやダフリが出る・・という方もいらっしゃるかも知れません。

サンドウェッジのソール部分にはバウンスと呼ばれる出っ張りがあります。

この出っ張りがあるために、バンカーショットではクラブヘッドが砂に潜りすぎなくて済むのですが、芝の上から打つ場合は、このバウンスが先に芝についてしまって、トップやダフリが出てしまうケースもあります。

そのため、アプローチショットでサンドウェッジを使うとダフリやトップが出るような方はサンドウェッジはさけるか、バウンスの少ないサンドウェッジを使ってみるといいかも知れません。

詳しくはサンドウェッジでアプローチショットを打ってもいいか?でご紹介しています。

さて、サンドウェッジからミドルアイアンまでを使うことができるのですが・・

一番やさしいクラブはどれでしょうか?

実は多くの方にとって、アプローチショットはボールを転がした方が寄せやすくなります。

例えば、練習グリーンなどでボールを右手で持ってカップにできるだけ寄るように投げてみます。

その時、ボールを高く上げるのと、転がすのとではどちらが簡単に寄るかというと、恐らく多くの方は転がした方が寄ると思いますし、多くの方は何も言われなくても転がしてゆこうとすると思います。

この練習で転がした方が寄ると思われた方は、アプローチショットも同じように、できるだけ転がしていった方が良い結果につながるかと思います。

そう考えると、一番優しいクラブは、先ほどの選択肢にはないですが、パターということになります。(打ち方はここでご紹介した打ち方ではなくて、通常のパターの打ち方で打ちます)

パターの打ち方と構え方の基本

ですので、アプローチショットの打ち方をご紹介してきて、こんなことを言うのも変ですが・・グリーン周りから打つ際は、まず、「パターが使えないかどうか?」と考えてみることがポイントになると思います。

これはある方が筆者に教えてくれたことですが、グリーン周りから打つ際、そこそこ良いチップショット(ウェッジなどを使ったアプローチショット)よりも、ちょっとミスしたパットの方がピンに寄る・・・ということが多いように思います。

さて、次に簡単なのは、先ほどの選択肢の中で最もロフトが少ないミドルアイアンになります。

その次にショートアイアン、最後にウェッジ・・・という形になります。

フェアウェイウッドやユーティリティでアプローチショットを使うこともできますが、現実的には使う機会は少ないと思いますので、簡単な順番は・・

1)パター
2)ミドルアイアン
3)ショートアイアン
4)ウェッジ

・・ということになるかと思います。打ち方はパター以外はここでご紹介した打ち方で結構です。

できるだけ転がしてゆくわけですが、手前にバンカーがあったり、ボールからグリーンまでがラフの場合は、できるだけ早くグリーンにボールを落とすことができるクラブを選択します。

世界の青木と言われたショートゲームの名手、青木功プロでさえ(グリーン周りのアプローチショットでは)まず「パターは使えないか」と考えたそうです。

ボールは上げたらどこに飛んでゆくかわからない。だったら転がせばいいと。

青木プロはそれを(転がすという意味で)「ゴロフ」と呼びました。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。