ショートゲーム編

ピッチエンドランの打ち方とコツ。番手（クラブ）や練習方法も

前回、アプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツでは、グリーン周りのアプローチショットの打ち方についてご紹介しました。

そのアプローチショットですが、大きくわけると、

１）ランニングアプローチ
２）ピッチエンドラン
３）ピッチショット
４）ロブショット

・・の4つの種類があります。

アプローチショットの4つの種類と打ち方＜比較表も＞

今回はその中の1つ、ピッチエンドランの打ち方にについて、構え方や打ち方のコツやポイント、また、使用するクラブ（番手）や練習方法などについてもご紹介してゆきたいと思います。

それでは早速見てゆきましょう！

ピッチエンドランとは？

ピッチエンドランとは、ランニングアプローチとピッチショットの中間の打ち方になります。

ランニングアプローチは、低く打ち出して、できるだけボールを転がしてゆく打ち方になります。

これがランニングアプローチという定義はありませんが、ボールは空中にある時間より、転がっている時間の方が多くなります。

ピッチショットもグリーン周りで使われるショットですが、ランニングアプローチと違って、例えば、グリーンを越えなければならない時などのようにボールを高く上げてゆくショットになります。

ピッチエンドランはこの2つの中間のショットで、これも明確な定義はありませんが、ボールを上げて転がすショットで、イメージとしては、打った後、ボールが空中にある時間と転がっている時間が半々・・・あくまでもイメージですが、そんなショットになります。

また、ピッチエンドランは、グリーンエッジまで少し距離があって、ボールを浮かせたい時に使うショットになります。

使用するクラブ（番手）は？

ピッチエンドランに使用するクラブ（番手）ですが、

サンドウェッジからショートアイアンまで

・・使うことができます。（場合によってはミドルアイアンでも打てますが、ピッチエンドランでは一般的ではないかも知れません）

どれを使っていただいても構いませんが、サンドウェッジで打つ場合、サンドウェッジについているバウンスという部分が邪魔をして、トップやダフリが出てしまうケースもありますので、初心者の方は最初はサンドウェッジ以外で打つといいかも知れません。

この詳しい理由についてはサンドウェッジでアプローチショットを打ってもいいか？でご紹介しています。

ちなみに、ピッチエンドランにおすすめのクラブは何ですか？と聞かれたら、サンドウェッジ以外のウェッジか、バウンス角が少ないサンドウェッジがおすすめかなと思います。

バウンス角とは？バウンス角の目安やアプローチショットへの影響も

構え方の6つのポイント

さて、ピッチエンドランの打ち方ですが、コツは他のアプローチショットと一緒で、構え方にあると思います。

ランニングアプローチの打ち方のコツにて、結果を左右するのは、構え方が８割、打ち方は２割程度と言っても過言ではないと書かせていただきましたが、ピッチエンドランも同じようなことが言えると思います。

アプローチショットというのはその位、構え方が大事になってきます。

では早速構え方のポイントについて見てゆきたいと思います。

１）スタンスは狭くする

スタンスは狭くします。両足を殆ど揃えるような気持ちで、両足の間にこぶしが１個入る程度でいいと思います。

スタンスを広くとってしまうと、バックスイングで体重が右足に移動してしまったりして（このショットでは基本的に体重移動はしません）、ヘッドの軌道が不安定になってしまうことがありますので、注意してみてください。

２）体重は左足に多めにかける

ピッチエンドランの場合ですが、体重は、予め左足に6割程度かけておくといいかと思います。

左足６：右足４の配分です。

ピッチエンドランの場合、体重移動はしないで打ってゆきます。ピッチエンドランのような小さなスイングでは、その方がヘッドの軌道やスイングそのものが安定します。

その際、左足に最初から多めに体重をかけて、言ってみれば、インパクトの形を最初から作っておいてあげると、安定して、クリーンにボールを打てるようになると思います。

ただし、体重移動はしないといっても下半身を固定するわけではありません。

下半身はスイング中は自然に動くもので、そこを無理に固定しようとするとミスの原因になりますので、注意してください。

また、ピッチエンドランの場合ですが、両足に均等に体重をかけておく打ち方もあります。

その方が合っているという方もいらっしゃるかも知れません。その方法については体重を両足に均等にかけるアプローチショットの構え方にてご紹介しています。

どちらのやり方でもいいと思うのですが、体重を左足に多めにかけるやり方の場合は、体も左（ターゲット方向）に若干ですが、傾く形になります。

この形だと、ダウンブロー※で打ちやすく、よりクリーンにボールを打てるかと思います。

ダウンブローとは、ヘッドが最下点に達する前にボールをとらえる打ち方になります

ボールがほんの少しでも沈んでいるような場合はこの打ち方の方がいいかも知れません。

ただ、クリーンなライからで、よりボールを高く上げたい場合は、体重を両足に均等にかける打ち方の方がいいかも知れません。

ただし、この場合も意識してボールを上げようとするとミスになりますので注意して下さい。打ち方のコツについては後ほどご紹介したいと思います。

３）ハンドファーストに構える

グリップがボールよりも少し前（ターゲット寄り）に来るように構えます。

具体的には、両手が左足太ももの内側の前に来るようにします。

４）グリップの２つのポイント

グリップを握る際ですが、２つ、ポイントがあります。

１つは、クラブを短く持つということです。その方が、クラブヘッドの軌道が安定することがあります。

どの位短く持つかのルールはありませんが、まずは、数センチ程度短く持ってみてもいいかも知れません。

それだけでもスイングが安定してくることがあると思います。

また、場合によっては、右手がシャフトにかからない程度のギリギリまで、思い切って短く持つのもおすすめです。

２つ目は、パターのリバース（逆）オーバーラッピンググリップにするということです。

タイガー・ウッズもアプローチショットではパターの時と同じ、リバース（逆）オーバーラッピングで握ると自身の著書の中で語っています。

パターのリバース（逆）オーバーラッピンググリップのようにして、ややハンドアップで構えると、ヘッドの軌道がパターのように安定して、打ちやすくなることがありますので、おすすめです。

ハンドダウン、ハンドアップとは？

ただし、これは絶対ではありません。通常のショットの時と同じグリップ（オーバーラッピンググリップなど）でも全く問題ありません。

５）ボールの位置

ボールの位置ですが、スタンスの真ん中を1つの目安にします。

ランニングアプローチのように低く打ち出してゆく場合は、それよりもボールを右に置いた方がよい場合もありますが、ピッチエンドのランの場合は、スタンスの真ん中でいいと思います。

そこを1つの目安にして、そこからボール半個分左、右・・・という風にご自分なりに試行錯誤してみてもいいと思います。

６）スタンスはスクエアでもオープンでもOK

スタンスですが、スクエアでもオープンスタンスでもOKです。

スクエアとは、ボールとターゲットを結んだラインに対して両足のラインが平行になっていることを言います。

オープンスタンスは、そこから左足を後ろに少し引く形になります。

左足をどれだけ後ろに引いたらいいか・・ということですが、まず、5センチ程度後ろに引いてみてもいいかも知れません。

または、左足のつま先をいつもよりも、もう少し外側に開いてもいいです。

以前は、アプローチショットはオープンスタンスが基本だと言われていましたが、今はスクエアでもいいと言う専門家も多いです。

どちらでも、自分に合うと思うやり方を選んでいただくといいかと思います。

打ち方のポイントと練習方法

さて、ピッチエンドランの打ち方のポイントについてです。

打ち方は、基本的には通常のアプローチショットと一緒になります。

１）肩を振り子のようにして打つ

これはアプローチショットの打ち方やランニングアプローチの打ち方でも書かせていただきましたが、グリーン周りの短いアプローチショットは手や腕で打つのではなく、肩を振り子のようにして打つことがコツになります。

イメージとしては、両肩とグリップを結ぶ三角形を崩さないで打ちます。

これを実践するのに簡単な練習方法がありますのでご紹介します。

まず、一枚のタオルを用意します。
それを水平にして両脇にはさみます。

その状態でゴルフクラブを持ちます。あとは、このタオルを落とさないようにアプローチショットを打ちます。

最初は素振りから始めてみてもいいと思います。

タオルを両脇に挟んでアプローチショットを打とうとすると、体の動きと腕、手の動きが一体となったスイングが身に付くと思います。

腕や手だけで打とうとするとタオルが地面に落ちてしまいますので、手打ちを改善するためのよい練習になると思います。

また、このタオルの代わりに、クラブ（のシャフト）を水平にして、胸の辺りに持って行き、両脇に挟んで、その状態で（アプローチショットの）素振りをするのもよい練習になると思います。

機会があれば是非、実践してみてください。

２）胸の動き、大きな筋肉を意識して

ピッチエンドランでは、手や腕で打とうとするとヘッドの軌道がぶれやすく、トップやダフリにつながってしまうことがあります。

その場合は先ほどやったようにタオルを両脇に挟む練習もおすすめです。

もう1つ、これは練習というか、打つ際に意識することになりますが、胸の動きを意識してみてもいいかも知れません。

アドレスでは胸は正面を向いていると思いますが、バックスイングではこの胸が右を向くように意識します。

フォロースルーでは反対に胸が左を向くように意識します。

このように胸を意識すると、体の回転で打つことができ、手打ちを改善できるかと思います。

言い換えると、大きな筋肉を意識して打つ・・ということになるでしょうか。

大きな筋肉を意識して打つためには、右手一本の片手打ちの練習もおすすめです。

この胸の動きについてや大きな筋肉を意識することについては、ピッチエンドラン、ランニングアプローチで手打ちを直す方法にてご紹介しています。

３）ほうきで掃くように

ボールを打つ際ですが、ほうきで掃くようなイメージで打ってゆきます。

ピッチエンドランの場合、ランニングアプローチよりもボールを高く上げるわけですが（といってもピッチショットやロブショットのように高く上げるわけではありません）、すくい打ちはしないようにします。

ピッチエンドランでトップしたり、ダフる原因の多くは、ボールをすくい上げようとしてしまうこと・・・になりますので。

あくまでも、ボールを横から払い打つようなイメージで打ちます。

そのような意識で打つと、インパクトが点ではなくゾーンになりやすく、多少ヘッドがブレても安定したショットを毎回打てるようになってきます。

また、アドレスで左足に体重の6割程度をかける場合は、若干ですが、ダウンブローで打つような形になると思いますが、それで構いません。

その場合は、ボールを打ってから、地面をクラブのソールで軽く「シュッ」とすってゆくようなイメージで打つといいかと思います。

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