ランニングアプローチの打ち方とコツ。番手(クラブ)や練習方法も
前回、アプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツでは、グリーン周りのアプローチショットの打ち方についてご紹介しました。
アプローチショットにも、いくつか種類があります。
今回は、その中の1つ、ランニングアプローチショットの打ち方について、構え方や打ち方のコツやポイント、また、使用するクラブ(番手)や練習方法などについてもご紹介してゆきたいと思います。
それでは早速見てゆきましょう!
ランニングアプローチとは?
アプローチショットにもいくつかの種類がありますが、ランニングアプローチ(ショット)もその中の1つになります。
ランニングアプローチは、ボールを低く打ち出して、できるだけボールを転がしてゆく打ち方になります。
グリーン周りのアプローチショットには、他にピッチエンドラン、ピッチショット、ロブショットがありますが、それらの中では一番優しい打ち方で、また、一番ピンに寄りやすい打ち方になります。
ですので、グリーン周りではできるだけランニングアプローチを使うようにするといいかも知れません。
使用するクラブ(番手)は?
ランニングアプローチに使用するクラブ(番手)ですが、
サンドウェッジからミドルアイアンまで
・・使うことができます。
どれを使っていただいても構いません。
プロでも、サンドウェッジでランニングアプローチを打つ人もいますし、ミドルアイアン(7番アイアンなど)を使って打つ人もいます。
ただ、ランニングアプローチはできるだけ転がしてゆく打ち方なので、ロフト角が少ないクラブの方が合っているかも知れません。(例:サンドウェッジよりピッチングウェッジの方が転がしてゆきやすい)
おすすめは、サンドウェッジ以外のウェッジになります。ピッチングウェッジやバウンスのない、またはバウンスが少ないウェッジなど。
サンドウェッジで打ってもいいのですが、サンドウェッジについているバウンスという部分が邪魔をして、トップやダフリが出てしまうケースもありますので、初心者の方は最初はサンドウェッジ以外で打つといいかも知れません。
サンドウェッジだとダフリやトップが出やすい理由についてはサンドウェッジでアプローチショットを打ってもいいか?で詳しくご紹介しています。
8番アイアンなどを使うのもおすすめですが、慣れないと、とにかく飛びます(転がり過ぎます)ので、距離感を合わせるのが最初は大変かも知れません。
慣れてきたら、ミドルアイアンを使ったランニングアプローチもおすすめかなと思います。
構え方の6つのポイント
さて、ランニングアプローチの打ち方ですが、コツは構え方にあると思います。
このショットの結果を左右するのは、構え方が8割、打ち方は2割程度と言っても過言ではないかも知れません。
ランニングアプローチを含め、、アプローチショットというのはその位、構え方が大事になってきます。
1)スタンスは狭くする
アプローチショットのような小さなスイングをする際は、小さく構えることがコツになります。
そのため、スタンスは狭くします。両足を殆ど揃えるような気持ちで、両足にこぶしが1個入る程度でいいと思います。
スタンスを狭くするだけで上半身のブレがなくなって、トップやダフリが改善する人もいます。
2)体重は左足に多めにかける
ランニングアプローチの場合、アドレスの段階で左足に体重の6割から8割程度をかけておきます。
より低く打ち出したい時は、左足に体重の8割程度かけておくといいかと思います。
このように構えると、体がターゲット方向に若干傾くような形になるかと思います。ちなみにタイガー・ウッズも体をターゲット方向に傾けることがアプローチショットのコツであると自身の著書の中で語っています。
体をターゲット方向に傾けて構えると、ややダウンブロー※でボールを打てるようになり、ボールを毎回クリーンに打ちやすくなります。
ダウンブローとは、ヘッドが最下点に達する前にボールを打つこと
左足に体重を多めにかけたら、スイング中は体重移動はしないで打ちます。
ランニングアプローチのような小さなスイングで、体重移動をしてしまうと、ヘッドの軌道が不安定になり、ダフリやトップが出てしまうことがあります。
ただ、体重移動はしないといっても下半身を固定するわけではありません。下半身はスイング中は自然に動くもので、そこを無理に固定しようとするとミスの原因になりますので、注意してみてください。
3)ハンドファーストに構える
グリップがボールよりも前(ターゲット寄り)に来るように構えます。
具体的には、両手が左足太ももの内側の前に来るようにします。
よりボールを低く打ち出したい時は、両手がもう少し前、左足太ももの前に来る形にするといいかも知れません。
ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
4)グリップの2つのポイント
グリップを握る際ですが、2つ、ポイントがあります。
1つは、クラブを短く持つということです。その方が、クラブヘッドの軌道が安定することがあります。
数センチ短く持っていただいても構いませんし、右手がシャフトにかからない程度のギリギリまで、思い切って短く持つのもおすすめです。
2つ目は、パターのリバース(逆)オーバーラッピンググリップにするということです。
これは絶対ではありません。通常のショットの時と同じグリップ(オーバーラッピンググリップなど)でも構いません。
ただ、パターを握る際と同じリバース(逆)オーバーラッピンググリップにして、ややハンドアップで構えると、ヘッドの軌道がパターのように安定して、打ちやすくなることがあります。
また、クラブのヒールを浮かせてフェースのトゥ寄りで打つことでよりクリーンにボールをとらえる打ち方、テクニックもありますが、それについてはアプローチショットの打ち方と構え方の基本とコツでご紹介していますので、今回は省略したいと思います。
5)ボールの位置
ボールの位置ですが、スタンスの真ん中よりもボール1個分右に置くようにします。
また、より低く打ち出してボールを転がしたい場合は、右足のつま先の前にボールを置いてもいいと思います。
ただ、その場合、アドレスで、両手もつられて右に移動してしまうことがありますので、両手は左足太もも内側の前に来ていることを確認します。
6)スタンスはスクエアでもオープンでもOK
スタンスですが、スクエアでもオープンスタンスでもOKです。
スクエアとは、ボールとターゲットを結んだラインに対して両足のラインが平行になっていることを言います。
オープンスタンスは、そこから左足を後ろに少し引く形になります。
左足をどれだけ後ろに引いたらいいか・・ということですが、まず、5センチ程度後ろに引いてみてもいいかも知れません。
または、左足のつま先をいつもよりも、もう少し外側に開いてもいいです。
以前は、アプローチショットはオープンスタンスが基本だと言われていましたが、今はスクエアでもいいと言う専門家も多いです。
どちらでも、ご自分に合うやり方であればいいと思います。
打ち方のポイントと練習方法
さて、打ち方のポイントについてです。打ち方は、基本的には通常のアプローチショットと一緒になります。
1)肩を振り子のようにして打つ
これはアプローチショットの打ち方でも書かせていただきましたが、グリーン周りの短いアプローチショットは手や腕で打つのではなく、肩を振り子のようにして打つことがコツです。
イメージとしては、両肩とグリップを結ぶ三角形を崩さないで打ちます。
これを実践するのに簡単な練習方法がありますのでご紹介します。
まず、一枚のタオルを用意します。
それを水平にして両脇にはさみます。
その状態でゴルフクラブを持ちます。あとは、このタオルを落とさないようにアプローチショットを打ちます。
最初は素振りから始めてみてもいいと思います。
タオルを両脇に挟んでアプローチショットを打とうとすると、体の動きと腕、手の動きが一体となったスイングが身に付くと思います。
腕や手だけで打とうとするとタオルが地面に落ちてしまいますので、よい練習になると思います。
また、このタオルの代わりに、クラブ(のシャフト)を水平にして、胸の辺りに持っていき、両脇に挟んで、その状態で(アプローチショットの)素振りをするのもよい練習になると思います。
機会があれば是非、実践してみてください。
2)ほうきで掃くように
ボールを打つ際ですが、ほうきで掃くようなイメージで打ってゆきます。
言い換えると、ボールを横から払い打つような意識です。そのようにすると、インパクトが点ではなくゾーンになりやすく、多少ヘッドの軌道がブレでもボールをクリーンにとらえることができます。
大げさに表現しますが、上から叩きつけるような打ち方になるとインパクトが点になりやすく、ちょっとしたヘッドの軌道のブレがダフリやトップにつながりやすくなります。
また、ランニングアプローチショットの場合は、低く打ち出して転がすイメージで打つことが多いので、ボールをすくい上げようとすることは少ないかも知れませんが、それをやってしまうとトップやダフリが多くなりますので、注意します。
アドレスで左足に体重の8割程度をかける場合は、ややダウンブローで打つような形になると思いますが、それで構いません。
ボールを打ってから、地面をクラブが「シュッ!」とすってゆくようなイメージで打ってゆきます。
そのイメージで打つためには、構えた時もそうであったように、インパクトでもハンドファーストで、つまり、両手がボールよりも前に来るように打つことがポイントになると思います。
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