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ゴルフ基礎編

トゥダウン現象とは? グリップの握り方とクラブの選び方も

トゥダウン現象とは、スイング中に遠心力が働いて、トゥ側がアドレス時よりも下がる現象

ゴルフスイングではクラブに遠心力が働きます。この遠心力によって、スイング中のクラブは「ある影響」を受けます。

この遠心力によって受ける影響の1つがトゥダウン現象と呼ばれるものです。

トゥダウン現象とは、スイング中に遠心力が働いて、クラブヘッドのトゥ側がアドレス時よりも、ダウンスイングからインパクトにかけて下がる現象を言います。

このトゥダウン現象ですが、プロでもアマチュアでも、シニアゴルファーの方でもレディースの方であっても、ゴルファーなら誰もが影響を受けます。

今回は、そんなトゥダウン現象によって、具体的にスイング、またはショットにどのような影響を受けるのか?また、その影響に備えるために、対策として何をしなければならないか?

・・といったことについてご紹介したいと思います。

目次

遠心力の影響でクラブのトゥ側が下がる

冒頭でも少しご紹介しましたが、ゴルフスイングをするとクラブには遠心力が働きます。

遠心力がゴルフスイング中に働くことで、アドレスした時よりも、ダウンスイングからインパクトにかけて、クラブヘッドのトゥ側が下がるという現象が起きます

これがトゥダウン現象と呼ばれるものです。

例えば、下の写真のように少しトゥ側を浮かせて構えたとします。(後ほどご紹介しますが、それがトゥダウン現象への対策の1つになります)

※構えた際にトゥが浮いている状態

クラブを振って、インパクトに戻ってきた時には、下の写真のようにアイアンのトゥ側が遠心力の影響で下がってしまうのです。

トゥが下がる(ダウンする)ので、トゥダウン現象・・です。

※インパクトでは「トゥダウン現象」によってトゥ側が下がる

また、これはインパクトで手の位置はアドレス時よりも左にずれるでもご紹介した内容ですが、以前に、石川遼、片山晋吾、宮里藍、横峰さくらという当時のトッププロ、4人のスイングを分析する・・という調査が行われたことがありました。

何を調査(分析)したかというと、スイング中の手の位置です。

アドレスの際の両手(グリップ)の位置とインパクトでの両手の位置を比較したところ、4人ともアドレスの時の手の位置とインパクトの際の位置が異なっていることがわかったそうです。

具体的には、インパクトの際の手の位置はアドレス時の位置よりも10センチ前後上を通過していたそうです。

この手の位置がインパクトで上に上がるという現象は遠心力によるものだと思います。

ゴルフスイングでは遠心力が働いて、スイング中に作られた手首のコックがインパクトでほどけます。

すると手が上に浮くような形になります。そして、クラブのトゥ側が下がります。

これが今回ご紹介しているトゥダウン現象・・ということになります。

トゥダウン現象はショットにどんな影響を与えるのか?

さて、スイングをするとクラブに遠心力が働いて、ヘッドのトゥ側がインパクトで下がる・・ということですが、これはショットにどのような影響を与えるのでしょうか?

インパクトでは、(アイアンの場合)クラブのソール(クラブヘッドの底の部分)全体が地面に接しているのが理想的です。

これが例えばインパクトで、

トゥ側が地面に接していない → フックボール
ヒール側※1が接していない → スライス

・・・といったショットが出やすくなります。

※1 ヒール側

【トゥ側が地面に接していないと → フックボール】

もし、インパクトでトゥ側が地面に接していない場合ですが、ヒール側だけが地面に接しているということになります。

すると、(インパクトで)ヒール側が地面(や芝)の抵抗を受けてブレーキがかかる形になり、フェースが閉じる・・ということが起こりやすくなります。

そうすることで、結果的にフックボールが出やすくなります。

【ヒール側が接していないと → スライス】

反対に、インパクトでヒール側が接していない場合は、トゥ側が地面の抵抗を受けてブレーキがかかり、ヒール側が前に出やすくなります。

それはつまり、フェースが開いてしまうということで、結果的には、スライスが出やすくなります。

トゥダウン現象を予め予測して構える必要がある

さて、このような形で、スイング中には遠心力が働いて、クラブヘッドのトゥ側がインパクトで下がるわけですが、これを予め予測して構える・・ということが、トゥダウン現象への対策になります。

クラブを構える時ですが、多くの場合、クラブのソール(底)が全体的に地面に着くようにして構えたくなるものだと思います。

しかし、このようにクラブのトゥ側もヒール側もぴったりと地面につけて構えてしまうと、スイング中には遠心力が働いて、トゥ側が下がりますので、ヒール部分がインパクトで浮いてしまうことになります。

すると、トゥ側にブレーキがかかって、スライスが出たり、ショットが右に飛びやすくなります。

では、どうしたらいいか?

・・ということですが、トゥ側がインパクトで下がることがわかっているわけですから、アドレスでクラブを構える時にはトゥ側を予め浮かせておく必要があります。(トゥ側を浮かせて構えていても、インパクトではトゥが下がります)

じゃあ、どの程度、トゥ側を浮かせたらいいか?

・・ということですが、アドレスではクラブのトゥ側に10円玉数枚が入る程度、地面から浮かせて構えてもいいと思います

そこからご自分なりに、もう少し浮かせてみる実験をしてみてもいいかも知れません。

今までトゥ側を浮かせて構えてこなかった方がこのようにトゥ側を浮かせて構えると、随分ハンドダウンだと(手の位置が低いと)感じられるかも知れませんが、特にアイアンなどでスライスが出る方は、むしろハンドダウンにすることでスライスが改善、または解消されるケースも多いです。

いずれにしても、クラブを構える際には、トゥダウン現象を考慮して(ヘッドのトゥ側を浮かせて)構える必要があります。

グリップを握る際のコツ

さて、ここまでご紹介してきたように、トゥダウン現象に備えて、アドレスではクラブヘッドのトゥ側を少し浮かせた状態で構えておく必要があります。

ヘッドのトゥ側を浮かせて構える際のポイントですが、クラブを握った後で・・・トゥ側を浮かせるというやり方ですと、本当の意味ではトゥ側を浮かせて構えた(グリップした)ことにはなりません。

そうではなくて、クラブのトゥ側を浮かせた状態で、握り直してみます。

クラブを握って→トゥ側を浮かせる

のではなく・・

トゥ側を浮かせて→クラブを握る

・・・という順番が大切になってきます。

これはバンカーショットでフェースを開いて握る時に、フェースを開いてから→グリップを握り直すのと似ていて、とても重要なポイント、コツになると思います。

バンカーショットの構え方と打ち方のコツ

また、このようにトゥ側を少し浮かせてから、握り直す・・というグリップの仕方ですと、パームグリップになり難く、フィンガーグリップになりやすい・・という利点もあります。

フィンガーグリップとパームグリップを比較。どっちがいいのか?ショットへの影響も

アイアンのライ角選びについて

ここまでご紹介してきたように、予めゴルフスイングではインパクトでトゥ側が下がるということを予測しておく必要がありますから、アイアンを選ぶ際にも自然に構えた状態でトゥ側が少し浮いているアイアンを選ぶ必要があります。

クラブにはライ角というものがあります。

↓の図で示している角度がライ角です。

このライ角が大きいほどに構えた時にトゥ側が地面から浮きやすくなります。

かといって、ライ角が大きければ大きいほどいいかというと、必要以上にライ角が大きいクラブだと、インパクトでトゥ側が浮いてしまって、フックボールが出やすくなります。

ただ、普段からミスショットが出る時は、スライスが多い・・という方の場合は、今、お使いのクラブよりもライ角が大きいクラブにしてみると(または、ライ角の調整ができるクラブであれば、ライ角をほんの少しアップライトに調整してもらうことで)、スライスが改善したり、ボールのつかまりがよくなるということもありますので、機会があれば、そういったことも検討してみてもいいかも知れません。

いずれにしても、ご自分にあったライ角選びというものは、とても大切になってくると思います。

ライ角が間違っていると(自分に合っていないと)、打てるはずのショットが打てなくなることもありますので。

アイアンやライ角の選び方に関しては、アイアンの選び方【図解!】アイアンのライ角。正しいライ角を見極める簡単な方法!にて詳しくご紹介しておりますので、よかったらそちらを参照いただければ幸いです。

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