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ゴルフクラブの選び方

よくわかる!アイアンの選び方。自分に合うアイアンを選ぶ簡単な方法!

ゴルフショップに行くと多くのアイアンがディスプレイされていて、どのアイアンを選んだらいいのか迷ってしまう・・そんなこともあるかも知れません。

一番困るのは、ある人にとって良いと思ったアイアンが自分に合うとは限らない・・・ということでしょうか。

ただ、アイアンの選び方にもコツがあって、自分に合うアイアンを探すためのポイントというものがあります。

今日は、自分に合うアイアンを見つけるためのポイントと選び方のコツについてご紹介してゆきたいと思います。

目次

1)ヘッドの形状

3つのタイプ。おすすめはキャビティアイアン

アイアンのヘッドの形状ですが、大きくわけると3つのタイプがあります。

①キャビティ
②マッスルバック
③中空

それぞれのタイプについて、どんな特徴があって、どんな人に合っているのか、簡単に見てゆきたいと思います。

①キャビティアイアン

キャビティアイアンはヘッドの後ろが下の図のようにくり抜かれた形のアイアンになります。

このタイプのアイアンは、ミスにも強く、また、ボールも上がりやすいのが特徴で、初心者から上級者まで使いやすいアイアンだと思います。

少しまとめると、

利点:

・スイートスポットが広い(ミスに強い)
・重心を低くできる(ボールが上がりやすい)

向いている人:

・初心者から上級者まで(万人向きです)

②マッスルバック

フラットバックもしくはコンベンショナルとも言われますが、このタイプはプロや上級者が好んで使うことが多いタイプのアイアンになります。

マッスルバックはスイートスポットが小さい上に、重心距離も短いため、使いこなすのが難しいアイアンと言えますが、メリットは操作性が良いこと、打感が良いということになります。

アイアンの重心距離について。重心距離が長いクラブと短いクラブの違いとは?

フェースを閉じたり、開いたりして使うことのある上級者の方にはおすすめのタイプになります。

少しまとめると、

利点:

・操作性がいい(フェースを開いたり、閉じたりしやすい)
・打感がいい(ただし、スイートスポットは狭い)

向いている人:

・上級者の方
・ボールを左右に曲げたい方

尚、マッスルバックアイアンについては、【マッスルバックアイアンとは?】知っておきたいメリットとデメリット、打ち方のコツにてより詳しくご紹介しています。

③中空アイアン

下の図は中空アイアンの断面になります。

真ん中の部分が空洞になっているのがわかると思います。ボールの弾道としてはキャビティよりも少し低めの強い弾道になるかと思います。

中空アイアンのメリットはヘッド後方に厚みを持たせているために、ウッドのようにフェース上下のミスに強く、弾道や距離も一定になりやすい点です。

また、ボールも上がりやすいのも利点の1つです。

少しまとめると、

利点:

・フェース上下のミスに強い(弾道や飛距離が安定する)
・マッスルバックよりボールが上がりやすい

向いている人:

・中・上級者の方
・ヘッドスピードが速く、キャビティだとボールが上がりすぎてショットが安定しない方

このアイアンの形状については【比較】キャビティ、マッスルバック、中空アイアンの特徴とメリット・デメリットにてより詳しくご紹介しています。

2)ヘッドの大きさ

打ちやすさを求めるなら大型ヘッド、操作性を求めるなら小ぶりなヘッド

アイアンを選ぶ際のもう1つの重要なポイントはヘッドの大きさです。

大きくわけると、

①大きいヘッド
②小さいヘッド
③その中間のヘッド

の3つがありますが、ここでは①大きいヘッドと②小さいヘッドについて簡単に見てみたいと思います。

①大きいヘッド

大きいヘッドのアイアンは、スイートスポットも広く、ミスに強くなります。また、方向性も安定するので、初心者の方にはおすすめだと思います。

利点:

・スイートスポットが広い(ミスに強い)
・方向性が安定する

向いている人:

・初心者・中級者の方
・アイアンに操作性よりも、打ちやすさを求める方

②小ぶりなヘッド

小ぶりなヘッドはスイートスポットも必然的に小さくなりますが、ヘッドそのものの操作性が高くなるのが特徴です。

ドローボールやフェードボールなど、ショットを打ち分けたい上級者にはおすすめです。

利点:

・ヘッドの操作性が上がる
・フェースの開閉がしやすい

向いている人:

・上級者の方
・ショットを打ち分けたい方
・アイアンに打ちやすさよりも操作性を求める方

ちなみに・・

この大きなヘッドと小さなヘッドのどちらの利点もそれなりに持ち合わせているのが、この中間のヘッド・・ということになるかと思います。

ただ勿論、大きいヘッドの方がミスにより強いですし、小さいヘッドの方がより操作性は高まります。

3)ソール幅

初心者はソール幅が広めのもの。操作性を求めるなら幅広ソールはNG

ソールとはアイアンの底の部分のことですが、このソールは大きくわけると、

①幅が広いもの
②幅が狭いもの
③その中間のもの

があります。①と②について簡単に見てみたいと思います。

①幅が広いもの

ソール幅が広いタイプは、ミスに強く、ボールが上がりやすいので※、初心者の方などにはおすすめのタイプになります。

※ソール幅を広くすると、その分の重量がヘッド下部に集まり、重心が下がる。また、重心の位置(重心深度)も後ろに下がるため

また、ソールが広くなることで芝の上を滑りやすくなりますので、少しダフったとしても、ソールが滑ってくれるという利点もあります。

利点:

・ミスに強い
・ボールが上がりやすい

向いている人:

・初心者の方
・シニア・レディースの方
・ボールを上げたい方

②幅が狭いもの

ソール幅が狭いアイアンは、フェース面やヘッドをスイング中に感じやすいという利点があります。(操作性が高くなります)

利点:

・フェース面やヘッドを感じやすい
・ヘッドの操作性が上がる

向いている人:

・上級者、中級者の方
・アイアンに打ちやすさよりも操作性を求める方
・ショットを打ち分けたい方

4)ネックの形状

基本はストレートネック。初心者、スライサーはグースネックもおすすめ

アイアンのネックの形状ですが、2つのタイプがあります。

①ストレートネック
②グースネック

①ストレートネック

ストレートネックのアイアンは、操作性もよく、ドローボール・フェードボールを打ち分けやすいという利点があります。

利点:

・操作性がいい
・フェードボールが打ちやすい
・フェースの開閉がしやすい

向いている人:

・初心者から上級者まで(万人向けです)
・フェード打ちの人
・ドローボールとフェードボールを打ち分ける人

②グースネック

ガチョウの首のような形に見えることから、グースネックと呼ばれるようになりました。

グースネックのアイアンは構えた時にシャフトの延長線上よりも後ろにフェースがきます。

このタイプのアイアンは、重心角が大きく、ボールのつかまりが良くなるという利点があります。

利点:

・ボールのつかまりが良くなる
・スライスを改善してくれる効果がある

向いている人:

・やさしいクラブが欲しい人
・スライスを直したい人
・初心者の人※

※グースネックは初心者向けではありますが、プロの中にもグースネックを好んで使う人もいますので、グースネック=初心者向けとは限りません。

この話の続き、グースネックのアイアンの利点と欠点については【グースネックのアイアンとは?】メリット・デメリット、ストレートネックとの違いもにてより詳しくご紹介しています。

5)シャフト(スチール vs カーボン)

男性ゴルファーならカーボンか軽量スチール。シニア・レディースはカーボンが◎

さて、次はシャフトになります。シャフトには2つの選択肢があります。

①スチールシャフト
②カーボンシャフト

①スチールシャフト

スチールシャフトは、一般的にはヘッドスピードが速い人向きといわれますが、現在では軽量スチールシャフトもありますので、男性ゴルファーであれば、軽量スチールも試してみてもいいかも知れません。

利点:

・方向性がいい、ショットが安定する
・弾道の高さを抑えることができる
・打感がいい(しっかりとした振動が伝わってくる)

向いている人:

・ヘッドスピードが速い人(43m/s以上)
・ヘッドスピードが平均的な人(38-43m/s)は軽量スチールか次にご紹介するカーボンシャフトがおすすめ

②カーボンシャフト

カーボンシャフトはスチールシャフトに比べると軽く※、扱いやすいのが特徴です。ドライバーやフェアウェイウッドではカーボンシャフトが一般的です。

※現在では重いカーボンシャフトもあります。ただし、メーカーが販売するアイアン(純正シャフトを装着したアイアン)の場合は、スチールシャフトを装着したモデルの方が重く、カーボンシャフトを装着したモデルの方が軽い傾向があります。

利点:

・振り抜きがいい
・ボールが上がりやすい
・体への負担が少ない(振動が少ない)
・スチールと違って錆びない、メンテナンスが楽

向いている人:

・ヘッドスピードが平均的な人(43m/s未満)
・手や手首を痛めたことのある人
・シニアゴルファー
・レディースゴルファー

スチールシャフトとカーボンシャフトの違いについてはアイアンのシャフト【スチールとカーボンの違い】にて詳しくご紹介していますので、もっと詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

5)シャフト(硬さ)

一般男性はR、力のある男性はS、シニアはA、女性はL、力のある女性はAがおすすめ

シャフトの硬さですが、基本的にはヘッドスピードを目安にする方法が一般的です。

当サイトでは下記のような硬さをそれぞれおすすめしています。

シャフトの硬さについてはこのヘッドスピードを目安にしながら、スイングのテンポやショットの弾道の高さを参考にさらに細かく硬さを選んでゆく方法もあります。

この考え方については下記にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。

シャフトの硬さ(フレックス)と重さの選び方をわかりやすく解説!

6)重量について。どの位の重さが最適か?

振り切れる範囲でちょっと重いかな位が◎

アイアンの重量はクラブを選ぶ際には重要なポイントの1つとなります。

重すぎるアイアンではクラブが振れませんし、逆に軽すぎてもショットが安定しなくなることがあります。

また、重さはトップやダフリとも関係してくると指摘する専門家もいます。

例えば、クラブが重すぎるとダウンスイングでコックがクラブの重みで早くほどけてしまいダフリやすくなってしまいます。

逆にクラブが軽すぎる場合は、ダウンスイングでコックがなかなかほどけずにインパクトまで来てしまいトップしやすくなると言われています。

勿論、トップダフリなどは技術的なことが大きく左右しますが、使用しているクラブに関係していることもあるようです。

それから、軽すぎるアイアンはやはり避けた方が無難です。

ドライバーの選び方でも書かせていただきましたが、ボールにより大きなエネルギーを伝えるには、ヘッドが重い方が有利です

軽すぎるアイアンはヘッドスピードは上がるかも知れませんが、ボールに伝えることのできるエネルギーが大きくならず、結局飛距離も落ちてしまったりすることもあります。

勿論、アイアンは飛ばすだけが目的ではなくて、正確性が求められるクラブですが、それでもある程度の飛距離は欲しいものです。

こういったことを総合的に考えると、自分が振れる範囲でちょっと重いかな・・位の重量が1つの目安になると思いますし、その位のクラブですと飛距離も出てスイングも安定するのではないかなと思います。

7)ライ角について。打てるショットも打てなくなる?

ライ角が間違っていると、打てるはずのショットが打てなくなる!

ライ角はアイアンを選ぶ上でとても重要なポイントになってきます。

というのも、間違ったライ角、もしくは自分に合わないライ角のアイアンを選んでしまうといくらスイングがよくてもまっすぐに飛ばない、ということが起こるからです。

下記はライ角を示した図ですが、この↓の角度が大きいものはアップライト、逆に少ないものはフラットということになります。

ライ角については下記で詳しく書かせていただきましたので、今回は詳しい説明は省きたいと思います。

【図解!】アイアンのライ角。正しいライ角を見極める簡単な方法!
アイアンのライ角がショットに与える影響とは?

ただ、ライ角に関しては、アイアンを構えた時にソールが全部地面についているのが自分に合っているのでは・・と勘違いされる方もいらっしゃるかも知れません。

しかし、もしアドレスした際にソール全体がぴったり地面についていたとすると、そのクラブは自分にとってフラットすぎる可能性があります。

フラットすぎるということは、ボールが右にいきやすい、スライスや右へのすっぽ抜けなどが多くなるということです。

(自分にとって)正しいライ角のアイアンの場合、アドレスでソールした際に、トゥ側が少し浮くのが正解です

アドレスではトゥ側が浮いていても、ダウンスイングに入ってインパクトに来た際には、トゥダウン現象という力が働いてクラブのトゥ側が遠心力によって少し下がります。

トゥダウン現象とは、スイング中に遠心力が働いて、トゥ側がアドレス時よりも下がる現象

そのため、アドレスではアイアンのトゥ側が少し浮いている必要があります。(正しいライ角の選び方については上記の記事をご覧ください)

↑構えた際にトゥが浮いている状態

↑インパクトでは「トゥダウン現象」によってトゥ側が下がる

 

ちなみにスライサーの方は少しアップライト気味のアイアンを選ぶことで真っ直ぐなボールが打ちやすくなりますし、フックボールがよく出るという方はアップライトのアイアンは避けた方が無難かも知れません。

また、アイアンの場合、購入した後でもライ角の調整ができるものがありますので、そういったタイプのアイアンを選んでおくと後々ライ角が合わないから買い換える・・・という必要が出てこなくて済みます。

ライ角調整は軟鉄鍛造のアイアンであれば基本的にはできると思います。

8)鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)の違い?

鍛造はライ角調整ができるのでおすすめ。鋳造は打ちやすいアイアンが多い

さて、軟鉄鍛造のアイアンについて少し振れましたが、アイアンにも2つの製法があります。

①鍛造(たんぞう)
②鋳造(ちゅうぞう)

この違いについては、【よくわかる!】フォージドアイアンとは?鍛造と鋳造の違いについてで詳しく書かせていただいているので、今回は簡単にご紹介しますが、

①鍛造(たんぞう)

金属を叩いて(力を加えて)ヘッドの形を作ってゆく製法。

よくゴルフショップで見かける「フォージドアイアン」(FORGED)という記載があるものがこのタイプのアイアンです。

利点:

・打感がやわらかくなりやすい
・購入後にライ角を調整できるものが多い

向いている人:

・打感を大切にする中・上級者の方
・身長が平均よりも低い・高い方※

※身長が平均よりも低い方、高い方の場合は、市販されているアイアンのライ角が合わない場合もあります。

そのため、購入後でもライ角を調節できる鍛造(たんぞう)タイプのアイアンの方がいいかも知れません。

②鋳造(ちゅうぞう)

溶かした金属を型に流し込んで作る方法です。

利点:

・ヘッドを複雑な形にできる
・複数の素材を組み合わせることができる

向いている人:

・やさしいクラブを求めている初心者の方
・身長が平均的な方

鋳造(ちゅうぞう)のアイアンは、ヘッドを複雑な形にしやすい、また、複数の素材を組み合わせることができることで、重心を低くしたり、スライスしにくいクラブにしたり・・・ということができるため、やさしいクラブを求めている初心者の方はこちらのタイプもおすすめです。

ただし、このタイプは購入後にライ角の調節ができないことが多いため、後々ライ角の調節を考えている方は、鍛造(たんぞう)のアイアンの方が良いかもしれません。

詳しくは、【よくわかる!】フォージドアイアンとは?鍛造と鋳造の違いについてにてご紹介しています。

9)実際に打ってみないとわからないことがある

さて、ここまでアイアンの選び方とそのポイントについてご紹介してきました。

最後にこんなことをいうのも矛盾しているようですが、こういったポイントを把握しておくことは大事なことではあるのですが、一番大事なことは、実際に打ってみるということかも知れません。

これはドライバーでもウェッジでもパターでもそうですが、スペックだけではわからないことが沢山あるためです。

スペックを見れば、自分にぴったりなアイアンなのに、実際に打ってみたら、まるで違っていた・・ということもあります。

ですので、僕はアイアンを購入される際は、十分に試打することをおすすめしています。

ただ・・そんな余裕のない方もいらっしゃるとは思います。

仕事があって、時間がない・・という人もいますし、やっぱり試打は面倒だなぁと思われる方もいらっしゃるかも知れません。

また、ゴルフをはじめたばかりの初心者の方であれば、そもそもアイアンが打てない(試打してもそれがいいのか悪いのかがわからない)こともあるかも知れません。

そういった場合は、ここまでご紹介してきたようなポイントを踏まえた上でアイアンを選んでみてもいいかも知れません。

また、自分と同じようなタイプのゴルファーの口コミであれば、ある程度は参考になる部分もあるかも知れません。

アイアンの売れ筋ランキング(GDO)

ただ、僕としては、全くゴルフをしたことのない初心者の方でなければ、できれば試打してみることがおすすめです。

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