【グリーンの種類】ベントグリーン、高麗グリーン、バミューダグリーンとは?
前回、高麗グリーンとは?ベントグリーンとの違いや打ち方についてでは高麗グリーンについてご紹介しましたが、今回はグリーン(芝)の種類について解説してゆきたいと思います。
日本のゴルフコースで採用されているグリーンは主に3つあります。
- 1)ベントグリーン
- 2)高麗グリーン
- 3)バミューダグリーン
もっともポピュラーなのがベントグリーンで、現在では殆どのコースがベントグリーンを採用しています。次に多いのが高麗グリーン。3つ目のバミューダグリーンは、日本ではまだ採用しているコースは少ないです。
この記事ではこの3つのグリーンの特徴やそれぞれのグリーンでのパットの打ち方のコツについてご紹介してゆきます。
目次
1)ベントグリーン
ベントグリーンとは、西洋芝の一種であるベント芝が使われたグリーンのことを言います。
下の写真はベント芝。葉が柔らかく、細いのが特徴。
(出典:ゴルフ場グリーン専用芝生 - 株式会社チュウブ)
以前の日本では高麗グリーンが主流でしたが、現在ではベントグリーンを採用しているコースが殆どで、全体の80%以上のコースで採用されていると言われています。
日本ゴルフ協会公認の芝草管理技術者、村下輝明さんによると
「日本のゴルフ場グリーンで使用されている最も多い芝の種類はベントグラスで90%以上のゴルフ場グリーンで採用されています」(出典:ゴルフ場グリーンの芝ってどんな種類なの? バロネスダイレクト)
とのこと。
ベント芝は、常緑性があり、高麗芝のように冬になると枯れるということがなく、寒い気候に強い品種になります。
欠点は暑さに弱い点でしたが、近年は品種改良が進み、その弱点も少しづつ改善されています。
また、ベント芝は低刈りや頻度の高い刈り込みにも耐えられる性質を持っているため、ボールの転がりを良くできるという利点もあります。
先ほどご紹介した村下さんは、高速グリーンが求められる近年のゴルフ場にとって、ベント芝(ベントグリーン)は欠かせない存在だと指摘されています。
実際に、高速グリーンが多いプロのトーナメント会場となるコースの殆どが、このベントグリーンを採用しています。
ベントグリーンの3つの特徴
ベントグリーンには、主に3つの特徴があります。
①芝目が出にくい
②転がりが速い
③スピンがかかりやすい
これらの特徴について、少し詳しくご紹介したいと思います。
①芝目が出にくい
ベント芝は、高麗芝に比べると葉が細くやわらかいため、芝目ができにくいのが特徴です。
高麗グリーンの場合は、芝目の影響を強く受ける傾向がありますが、ベントグリーンの場合は芝目よりも傾斜を重視してパットを打ってゆくのが良いと思います。
②転がりが速い
ベントグリーンの2つ目の特徴が転がりが速い点になります。
冒頭でもご紹介しましたが、高速グリーンに仕上げるにはベント芝が適していて、ボールも高麗グリーンに比べるとよく転がってくれます。
そのため、高麗グリーンに慣れている人の場合は、いつものように打ってもベントグリーンではオーバーしてしまう・・なんてこともあるかも知れません。
その場合はプレーの前に練習グリーンで距離感をつかんでおくといいと思います。
③スピンがかかりやすい
ベントグリーンの3つ目の特徴がスピンがかかりやすい点です。ピッチマークも出来やすく、ボールを止めやすいグリーンであると言えます。
プレーする際はその点も考慮してショットを打ってゆく必要があるかも知れません。
ベントグリーンでのパットの打ち方
ベントグリーンでのパットの打ち方ですが、2つのポイントがあります。
①芝目よりも傾斜を重視する
②スピードに注意する
①芝目よりも傾斜を重視する
先ほども少しご紹介しましたが、ベントグリーンの場合は芝目ができにくいので、芝目よりも傾斜を重視してパットを打つということが1つ目のポイントになります。
後ほどご紹介しますが、高麗グリーンの場合は芝目も重要なポイントになりますが、ベントグリーンの場合は、芝目よりも傾斜を重視してラインを読んでゆくといいかと思います。
②スピードに注意する
ベントグリーンは転がりが良いので、高麗グリーンに慣れている人は特に注意が必要かも知れません。
できれば、プレー前に練習グリーンで距離感をある程度つかんでおきたいところです。
2)高麗グリーン
高麗グリーンとは、日本特有の芝である高麗芝が使われたグリーンのことを言います。
下の写真は高麗芝。葉が硬く、しっかりとしているのが特徴。高温多湿の気候に強く、寒さに弱いという性質があります。
(出典:ゴルフ場グリーン専用芝生 - 株式会社チュウブ)
以前はこの高麗グリーンが日本では主流でしたが、現在では採用しているコースも減少しています。ただ、中には名門コースと呼ばれるコースでもあえて高麗グリーンを採用しているところもあります。
高麗グリーンの4つの特徴
高麗グリーンには、主に4つの特徴があります。
①芝目がきつい
②ボールの転がりが遅い
③スピンがかかりにくい
④冬には枯れて、転がりが速くなる
これらの特徴について、少し詳しくご紹介したいと思います。
①芝目がきつい
ベントグリーンに比べて、高麗グリーンに使われる高麗芝は葉が硬く、しっかりしているため、芝目がきつくなる傾向があります。
そのため、傾斜と同時に芝目にも注意してラインを読んでゆく必要があります。
②ボールの転がりが遅い
2つ目の特徴がボールの転がりが遅い点になります。
ベントグリーンに慣れた人が高麗グリーンでプレーしたら、パットをショートしまくった・・なんて話も聞きますが、はじめて高麗グリーンでプレーする時はできれば、プレー前に練習グリーンで距離感をつかんでおきたいところです。
③スピンがかかりにくい
3つ目の特徴がスピンがかかりにくい点になります。場合によってはその点にも注意してショットを打ってゆく必要があるかも知れません。
④冬には枯れて、転がりが速くなる
先ほど、高麗グリーンはボールの転がりが遅いと書かせていただきましたが、高麗芝は冬になると枯れて、ボールの転がりが夏に比べて格段に速くなることがあります。
冬にプレーする場合は、その点にも注意が必要です。
高麗グリーンでのパットの打ち方
高麗グリーンでのパットの打ち方ですが、3つのポイントがあります。
①強めに打ってゆく
②芝目と傾斜に注意する
③冬場に注意する
①強めに打ってゆく
最初のポイントは強めに打ってゆくということになります。特にベントグリーンに慣れた人の場合はパットをショートしやすくなりますので、注意が必要かも知れません。
②芝目と傾斜に注意する
高麗芝は芝目の影響を強く受ける傾向があります。
そのため、芝目と傾斜が同じ場合は、見た目の傾斜以上に曲がりやすく、芝目と傾斜が反対の場合は、見た目の傾斜よりも曲がらない傾向があります。
その点にも注意が必要だと思います。
③冬場に注意する
先ほども書かせていただきましたが、冬場になるとボールの転がりが格段に速くなることがありますので、その点にも注意する必要があります。
高麗グリーンについては下記でも詳しくご紹介しています。
3)バミューダグリーン
バミューダグリーンとは、西洋芝の一種であるバミューダ芝が使われたグリーンのことを言います。
下の写真は、バミューダグリーンを採用している千葉セントラルゴルフクラブ。
アメリカではバミューダ芝を使ったグリーンも多いですが、日本ではまだ採用しているコースはそれほど多くはありません。
ただ、徐々にこのバミューダグリーンを採用するコースも増えているようです。
それには2つの理由があります。
1つは、バミューダ芝が暑さに強いこと。
暑さに弱いベント芝に比べてバミューダ芝は高麗芝と同じように夏に強く、年間を通して(特に夏に)安定したグリーンのクオリティーが保てるというのは大きな利点になります。
また、2つ目の理由として、バミューダグリーンはベントグリーン並みに転がりもよく、その点についても注目されています。
バミューダグリーンの3つの特徴
バミューダグリーンには、主に3つの特徴があります。
①芝目が出やすい
②ボールの転がりがいい
③基本的にはベントグリーンに近い
これらの特徴について、少し詳しくご紹介したいと思います。
①芝目が出やすい
バミューダグリーンは芝目が出やすく、順目、逆目がはっきりとしていると言われています。
ただ、今後、バミューダグリーンを採用するコースが増えてゆく中で、バミューダ芝の改良も進んで、この点については変わってゆくかも知れません。
②ボールの転がりがいい
バミューダ芝は、葉がきめ細かく、また、低く刈り込めるため、ベント芝並みに転がりがいいのが特徴です。これは夏(暑さ)に強い芝としては珍しい特徴であると思います。
③基本的にはベントグリーンに近い
実際にバミューダグリーンでプレーした人の中には、ベントグリーンと殆ど変わらないという印象を持つ人もいます。
さて、3つの特徴をご紹介しましたが、簡単に言うと、ベントグリーン並みに転がりがよく、高麗グリーン並みに夏に強いというのがバミューダグリーンの特徴であり、利点であると思います。
バミューダグリーンでのパットの打ち方
バミューダグリーンでのパットの打ち方ですが、基本的にはベントグリーンと一緒と考えていただくといいかと思います。
ただし、芝目についてはきつく出ることもありますので、できれば、プレー前に練習グリーンでその点を確認できたらいいかも知れません。
また、ベントグリーンと一緒でボールの転がりは高麗グリーンよりも速いので、高麗グリーンに慣れている人は注意が必要かも知れません。
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