パター(パット)のラインの読み方。何を重要視したらパットが入るのか?
前回は、グリーンの芝目、順目と逆目の5つの読み方にて芝目の読み方についてご紹介しました。
今回は、芝目も含めたパター(パット)のラインの読み方全般についてご紹介させていただきたいと思います。
具体的には、傾斜を読む際のポイント、プロがラインを読む際にやっていることや具体的にラインをイメージする方法などについてご紹介してゆきたいと思います。
それでは早速見てゆきましょう!
1)グリーンに向かう時にプロが絶対にやっていること
パターのラインの読み方ですが、プロの場合はパーオンした瞬間にパターモードに気持ちを切り替えている人も多いです。
そのため、グリーンに向かう際も、漠然とグリーンに向かって歩くのではなく、グリーンを観察しながら歩いていることが殆ど。
優勝請負人と言われたプロキャディ、清水重憲さんによると、プロは遠目からグリーン全体を見渡す時、絶対にやっていることがあると言います。
それは何かというと、グリーンの一番高いところと低いところを見つける・・ということだそうです。(参考:優勝請負人キャディのコース攻略の基本 清水重憲著)
グリーンの傾斜は低いところから見た方がわかりやすいのですが、グリーンに一度上がってしまうとその傾斜がわからなくなってしまうこともあるため、グリーンに上がる前にグリーンの傾斜、高低の位置関係を把握しておくのだそうです。
もっとも、アマチュアの場合はプロほどこだわる必要はないと思いますが、グリーンに向かう際は、遠目から大まかな傾斜を把握しておくといいかも知れません。
2)低い位置から読む
ラインを読む際、グリーンの傾斜やうねり(アンジュレーション)を読む際に効果的なのが、低い場所から読む・・ということです。
先ほども少し書かせていただきましたが、傾斜は高い位置から読むよりも低い位置から読んだ方が簡単でその方がラインも見えやすくなります。
ですので、例えば、下りのパットの場合はボールの後方からではなく、カップの後方から読んだ方がBetter。
ただ、実際のところはプロと違って、いくつもの方向からラインを読む時間はないかも知れません。
その場合は、ボールの後方にしゃがんで、できるだけ低い姿勢になって傾斜を読むとライン、傾斜も見えやすくなります。(どの方向からラインを読むにしても、しゃがんで低い姿勢になった方がラインが見えやすくなります)
(下の図)パットのラインを読む際は、こんな風に低い姿勢で読むといい。
ただし、もし他のプレーヤーを待っている間など、時間に余裕があれば、低い位置からパットを読むようにするといいと思います。
3)水が流れる方向に
ライン、もしくはグリーンの傾斜を読むコツのひとつが「グリーンに雨が降ったらどちらに水が流れるかを考える」・・という方法です。
水がどちらに流れるか・・ということがわかると大まかなグリーンのうねりが見えてきますし、芝目も基本的には水が流れる方向に向かうので、ボールもその方向に転がります。
<もし雨が降ったら・・と考えてみる。>
4)傾斜と芝目、どちらが重要?芝目は気にする必要はあるか?
傾斜と芝目、どちらが重要か?
ということですが、グリーン上でボールの転がりにより大きな影響を与えるのは傾斜です。
芝目はその次になります。ただし、プロでも芝目を利用してカップインさせたりするのは難しいそうです。
先ほどご紹介したプロキャディの清水重憲さん自身も、細かい芝目までは見ないそうです。
見た目にもわかる逆目なら強めに打つ、順目ならやさしく打つ・・位はするそうですが、基本的には細かな芝目については気にしないのだとか。
ただ、先ほども書かせていただきましたが、傾斜と芝目は深い関係があって、基本的には高いところから低いところに向かって水が流れ、芝目はそれに追随します。(低い方に向かって順目ということ)
ですので、基本的には、傾斜を読むことを優先させれば十分だと思います。
ただし、上級者の方であれば、明らかな順目、逆目、また、特に芝目の影響を受けやすいカップ周りの芝目には注意してみてもいいかも知れません。
芝目については、グリーンの芝目、順目と逆目の5つの読み方にてご紹介していますので、よかったらそちらも参照ください。
5)カップ付近でボールは一番よく曲がる
ラインを読む時に重要になってくるもう1つのポイントが、カップ付近の傾斜です。
自分が立っている場所の傾斜というのは、自分でも感じることができますから、注意する方も多いかも知れません。
ただ、カップ付近の傾斜についてはあまり気にしないという方もいらっしゃいます。
ところが、パット(ボール)は、打ち出してすぐはボールにスピードもありますが、カップ付近になるとスピードが落ちている状態になります。
ボールが最も傾斜や芝目などの影響を受けるのは、カップ付近のスピードが落ちている時で、パットを打ってすぐのスピードがある時よりも、ボールは曲がりやすくなります。
ですので、傾斜を読む際は、その点も考慮して、カップ付近に注意する必要もあると思います。
6)上り・下り・フック・スライスライン
上り・下りについては、上りと下りのパットの打ち方とラインの読み方、フック・スライスラインについてはフックライン・スライスラインのパットの読み方と打ち方にてそれぞれそのポイントをご紹介しました。
少しおさらいになりますが、上りのラインは強めに打ってゆくため、傾斜の影響が少なく、下りのラインは弱めに打ってゆくため、傾斜の影響が大きくなります。
フックライン、スライスラインに関しては、アマチュアの場合は、アマチュアサイドに外すことが多いと言われています。
つまり、アマチュアの場合は、傾斜を少な目に読むことが多い・・ということになります。
ただ、これは人にもよりますので、自分はどちらのサイドに外すことが多いか・・ということに注意してみてもいいかも知れません。
そしてもし、アマチュアサイドに外すことが多いと思った場合、例えば、右に曲がるスライスラインの場合は、ボールがカップの左サイドからカップインするイメージで打っていただくといいと思います。
詳しくは、上りと下りのパットの打ち方とラインの読み方、フックライン・スライスラインのパットの読み方と打ち方にてご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
では、迷った場合はどうしたらいいでしょうか?
上りなのか、フラットなのか?とか、フックラインなのか、ストレートラインなのか?
という風に迷った時ですが、上りか下りかで迷った時はフラット(平ら)なラインとして、フックかスライスラインかで迷った時は、ストレートラインとして打つのがベストだと思います。
この時、やってはいけないことが、迷いながら打つ・・ということになります。
プロの場合は、微妙なラインであっても、必ずどちらかに決めて打っていますが、微妙なラインで迷っても、最終的にはここに打つと決めて打つようにします。
迷ったまま打つと、躊躇したりして、ストロークやヘッドがぶれてしまいやすいためです。
ですので、決断して打つということが重要なポイントになります。
7)「ラインが見える」?
パットが上手な人はよく「ラインが見える」という表現を使うことがあります。
逆にパットが苦手な人はパットのラインが見える・・という経験がないかも知れません。
ではどうやったら「ラインが見える」ようになるのでしょうか?
ラインが見える時も、実際にそこにラインが描かれているわけではないわけです。
じゃあ、何故見えるのかというと、ボールがパターフェースから離れて、コロコロと転がってカップに入るところを頭の中で描いたから・・見えたのだと思います。
パットの名手と呼ばれる人達は、実際に打つ前に一度イメージの中でカップインさせているのだと思います。だから、パットを決めた時はそれは2度目のカップインということになります。
ラインが見える・・というのは、ラインを頭の中で描くことができたということと同じことなのかも知れません。
ただ、例えば、パットが苦手だと、入る気がしないからとてもカップインするところをイメージなんてする気になれないかも知れません。
でもそれは、イメージしていないから入らないのかも。
人は頭の中でイメージできないことを実際に実践することが苦手です。
そう考えると、パットが入り出してからラインを頭の中で描こうとするより、まず入っても入らなくても、カップインするところを頭の中で描いてみた方がいいのかも知れません。
そうやって実践してゆく中で・・ラインは「見える」ようになってくるのだと思うのです。
カップインするところを頭の中で描く際、一般的にはパターフェースからボールが離れて → カップインする・・という順番でイメージしてゆきますが、プロの中には(「逆読み法」とも言われたりしますが)反対にカップからボールまでラインを引いてくる・・というイメージの仕方をする人もいます。
どちらでもいいと思いますが、もし最初の方法でうまくいかなければ、逆読み法を試してみてもいいかも知れません。
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