アイアンのボールの位置とその基準。2つの考え方とは?
アイアンについてはこれまで、アイアンが飛ばない5つの原因やアイアンのスライスの5つの原因と直し方やアイアンのライ角について。正しいライ角とは?などの記事をご紹介してきました。
今回は、ショットの行方を大きく左右する、アイアンを打つ際のボールを置く位置についてご紹介してゆきたいと思います。
大きくわけると2つの考え方がある
アイアンのボールの位置ですが、実はこれが正しい位置という万国共通の基準のようなものはありません。
プロによっては、また、レッスンプロや専門家によっても、アイアンを打つ場合はこの位置にした方がいい・・・と考え方は少しづつ違っていて、1つの答えのようなものがないのです。
ただ、そういった考え方を大きくわけると、アイアンだけに限りませんが、ボールの位置には2つの考え方があります。
それらは、
1)ボールの位置をクラブによって変える
2)ボールの位置を一定にする(スタンス幅が変わるだけ)
という2つの考え方です。
以前にもご紹介した通り、当サイトでは、1)ボールの位置をクラブによって変えることを1つの基準としてご紹介しています。
ただ、ボールの位置を一定にするという考え方もあり、また、そのやり方の方が合っているという人もいます。
ですので、大切なのは、自分に合ったやり方を見つけるということなのかなと思います。
今回は、この2つの考え方で見たアイアンのボールの位置とその基準について、それぞれご紹介してゆきたいと思います。
1)ボールの位置をクラブによって変える
ボールの位置をクラブによって変える方法ですが、このやり方でも、色々な考え方があり、1つの答えのようなものはないのですが、色々な考え方をまとめてゆくと、下記のような位置を基準とするやり方が多く、当サイトでもその位置を基準としています。
サンドウェッジから9番アイアン
スタンスの真ん中
ミドルアイアン
スタンス中央からボール1個程度左
全盛期のタイガー・ウッズはボールの位置をクラブ(番手)によって変えていたと言いますが、彼はボールの位置についてこんな風に語っています。
ピッチングウェッジ:スタンスの中央
5番アイアン:スタンス中央よりも少し(ボール1個分程度)左
ドライバー:左足かかと
※ドライバーのボールの位置についてですが、タイガーは自身の著書の中でドライバーの場合、ボールは左足かかとに合わせると語っていますが、どちらかというと、左足かかとの内側に合わせて構えるということを意味しているのかも知れません。
ちなみにドライバーのボールの位置については、【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいくという記事を以前書かせていただいています。
タイガー・ウッズの場合はピッチングウェッジでスタンスの中央・・・ということですが、このやり方でもいいかも知れませんし、または、先ほどご紹介した、9番アイアンでスタンスの中央という考え方も海外、アメリカなどでは一般的な考え方かと思います。
ミドルアイアン(5番、6番、7番アイアン)の場合は、先ほどご紹介したように、またはタイガー・ウッズのやり方のように、スタンス中央からボール1個分程度左に置くのが1つの目安になります。
また、その中間のクラブ、例えば、この場合は8番アイアンの場合は、スタンス中央と、スタンス中央からボール1個程度左・・・の中間にボールを置くという形になります。
または8番アイアンの場合はミドルアイアンと同じ位置でも構わないと思います。
ダウンブローで打つか、横から払い打つか?
アイアンのボールの位置ですが、先ほどご紹介した位置はあくまでも目安で、打ち方や持ち球によっても多少変えてみてもいいかと思います。
アイアンはダウンブローで打つ?それとも横から払い打つ?でもご紹介しましたが、アイアンの場合、ダウンブローで打つ方法と横から払い打つ方法があります。
それぞれの方法については上記の記事で書かせていただいているので、ここでは省略しますが、どちらの打ち方も上記の位置でもいいですし、または・・・
ダウンブローで打つ場合
ダウンブローで打つ場合は、上記の位置か、またはそれよりも若干、右にボールを置いてもいいかと思います。(右利きの方の場合)
これは、ダウンブローで打つ場合は、ヘッドの最下点がボールよりも先に来るためです。
横から払い打つ場合
ボールを横から払い打つような打ち方の場合は、上記の位置か、またはそれよりも若干、左に置いてもいいかも知れません。(右利きの方の場合)
アイアンの場合、横から払い打つ場合でも、理想としてはヘッドの最下点がボールよりも少し先に来るといいのですが、ダウンブローで打つ場合に比べると、ボールの位置は少し左でもいいかも知れません。
ドローかフェードか?
アイアンのボールの位置はまた、持ち球によっても変わってきてもいいかも知れません。
ドローボールが持ち球
ドローボールが持ち球の場合は上記の位置か、またはそれよりも若干右に置いてみてもいいかと思います。
また、ドローボールといっても打ち方がいくつかあるわけですが、ボールとターゲットを結んだ飛球線に対して、スクエアに立って、ボールを右に打ち出して左に曲げるという打ち方の場合は、ボールはさらに右に置いてもいいかも知れません。
ただし、フックボールを直したいと思っている方は、ボールを右に置くと、ボールを右に打ち出しやすく、左への大きなミスを予防することはできても、結果的には、フックボールが出やすいスイング(インサイド・アウトのスイング)を作ってしまうことにもなります。
ですので、その場合はフックボールが出ても、ボールは右に置きすぎないようにして、スイングの軌道がインサイド・アウトになり過ぎないようにするといいかと思います。
ただ、その際は同時にグリップを変えるなどして、スイング中のフェースの向きを修正してゆく必要があるかも知れません。
フェードボールが持ち球
フェードボールが持ち球の場合は、上記の位置か、またはそれよりも若干左にボールを置いてみてもいいかと思います。
フェードボールを持ち球にしている方の中でも、より確実にボールを曲げてゆくというか、曲がり幅の大きいフェードボールを持ち球にしている方は、ボールをさらに左に置いた方が打ちやすいということもあるかも知れません。
ただし、これは先ほどとは逆になりますが、スライスを直したいと思っている方の場合は、ボールを左に置きすぎると、アウトサイド・インのスイングを助長するような形になります。
ですので、その場合は、ボールを左に置きすぎないようにすることが大切になってきますし、それと同時にグリップを見直す(フックグリップにする)などして、スイング中のフェースの向きを修正してゆく必要があると思います。
ここまでがボールの位置をクラブによって変える方法になります。
次にボールの位置を全てのクラブで一定にする方法について見てゆきたいと思います。
2)ボールの位置は一定(スタンス幅が変わるだけ)
さて、今度はボールの位置を一定にするという方法です。
このやり方は(先ほどのやり方もそうですが)クラブによってスタンスの幅が変わります。ただ、ボールの位置は一定になります。
その際のやり方もいくつかあります。例えば、
①左足かかと線上
②左頬(左胸)線上
①左足かかと線上
ゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスは全てのクラブで、ボールは左足かかと(の内側)に合わせると語っています。
②左頬線上
プロの中でも、左頬の線上にボールを置く人もいます。
左の頬の線上か、または、左胸の前と考えてみてもいいかも知れませんが、その線上にボールを置きます。(すべてのクラブで)
このようにボールの位置を一定にする方法の場合も、ボールの位置は例えば、左足かかと線上で常に一定ではあっても、ドライバーの場合はスタンス幅が広くなるので、その分、ボールは左にあるように感じますし、ショートアイアンはスタンス幅を狭くするので、その分、ボールは右にあるような感覚にはなると思います。
どちらがおすすめか?
さて、ここまで2つの方法
1)ボールの位置をクラブによって変える
2)ボールの位置を一定にする(スタンス幅が変わるだけ)
について見てきました。
どちらがいいか?ということですが、これは答えがなくて、やはり一番大切なのは自分に合っている方を選ぶ・・・ということが大切なのかなと思います。
そのために、やり方を変えながら、ボールの位置を変えながらボールを打ってみてもいいかも知れません。
ただ、これからゴルフをはじめる初心者の方の場合は、最初は、1)ボールの位置をクラブによって変えるという方法を試してみてもいいのかなと思います。
そして、ある程度、ボールが打てるようになった段階で、ボールの位置を一定にするという方法を試してみてもいいかも知れません。
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