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ショートゲーム編

バンカーショットの距離感が合わない3つの原因と距離感のつかみ方

バンカーショットについては、前回、バンカーショットの構え方と打ち方のコツについて書かせていただきましたが、今回はバンカーショットの距離感が合わない原因と距離感のつかみ方について考えてみたいと思います。

バンカーショットは通常のショットと違って、直接ボールは打ちません。

ボールではなく、砂を打つ、または砂ごとボールを運ぶような感覚で打ってゆきますので、アプローチショットなどとは距離感というものも全く変わってきます。

どの位の強さ(スイング)でどの程度飛ぶか・・というのは、

バンカーショットで開いて打つとはどういう意味ですか?
バウンス角とは?バウンス角の目安やアプローチショットへの影響も

・・・などなど、様々な要素が関係してきますが、プロの中には、通常のショット(バンカーからではなく、芝の上から打つショット)の倍の距離を打つつもりで打った方がいいとアドバイスする人もいます。

どの程度の強さで打ったらいいかわからない・・という人はまず、そのように(芝の上からの倍の強さで)打ってみてもいいかも知れません。

ただ、最終的には倍の強さ・・という数字ではなくて、感覚としてバンカーショットの距離感を身に付けることができたらいいかも知れません。

今回は、そんなバンカーショットの距離感が合わない原因や距離感をつかむためにはどうしたらいいか?どんな練習方法があるか?といったことについてご紹介したいと思います。

目次

距離感が合わない3つの理由

バンカーショットの距離感が合わない理由、原因ですが、大きくわけると3つあると思います。

①砂を取る量が毎回違う

バンカーショットの距離感が合わない1つ目の理由が砂を取る量が毎回違っていることです。

これは言い換えると、ヘッドの入射角度、もしくは砂にヘッドが入ってゆく位置が安定していない・・ということになります。

バンカーショットの構え方と打ち方のコツでもご紹介しましたが、バンカーショットでは直接ボールは打たず、砂ごとボールを運ぶような打ち方をします。

その際ですが、ボールの5センチ手前のスポットを狙って打ってゆきます。(ヘッドをそのスポットに入れてゆきます)

このスポットが曖昧になっていると、当然ですが、砂を取る量も毎回不安定になりますので、「この辺」ではなく「ここ」を狙って打つという風にヘッドを砂に入れてゆくスポットを点で狙うようにするといいかも知れません。

例えば、バンカーショットの練習をする際もボールの後ろ、5センチのところに縦に線を入れて、その点、もしくはそのスポットからヘッドが入ってゆくように練習するのも、取る砂の量を安定させるにはとても効果的です。

取る砂の量が安定してくると、同時に距離感も安定してくると思います。

どの位の砂を取ったらいいか?

ところで、バンカーショットではどの位の砂を取ったらいいのか?ということですが、これはこの位取った方がいいという決まりはなくて、多めに取る人もいれば、少な目に取る人もいます。

ただ、前回も書かせていただきましたが、1つの目安として、千円札にボールが乗っているイメージ・・で打つと適度な量の砂が取れて安定したバンカーショットになりやすいです。

どういうことかというと、バンカーに千円札が置いてあり、その真下にティーが砂に埋まっている・・と想像してみます。

ボールはこんな風に千円札の上に置いてあると想像してみます。

そのボールの真下にティーが砂に埋まっている感じです・・

ティーは一般的な長さのティーです。

まず、構える際この千円札の右端(右利きの場合)を狙います。

ボールは千円札の真ん中に乗っているとイメージします。

右端からサンドウェッジが砂に入ります。ボールの真下を通過する際、その下にあるティーを半分に割って、最後は千円札の左端から出てゆく・・・というイメージです。

これは、全米オープンの覇者、ケン・ヴェンチュリ氏(米CBSスポーツのテレビ解説でも知られていた)が使っていたというバンカーショットのイメージ(彼は1ドル札をイメージに使っていた)ですが、このイメージで打っていただくと、適度な量の砂が取れるのではないかなと思います。

②すくい打ち

バンカーショットは多くの場合、ボールがグリーンよりも下の位置にありますので、どうしてもボールを上げたくなってしまいます。

ただ、ボールを上げようとするとすくい打ちになり、すると、ヘッドが浅く入ってボールに当たったり、砂を薄く取り過ぎたり、または逆にダフりすぎてしまったりして、距離感が合わなくなってしまうことがあります。

この場合はどうしたらいいか?ということですが、ボールを上げたい気持ちに逆らって、あえて、ヘッドを低く出してゆくのも1つの方法だと思います。

ボールはクラブのロフトが上げてくれると信じて、あえて、ヘッドを低く出してゆきます。

そして、実際にボールは上げようと思うとむしろ上がらないものだと思います。低くヘッドを出した方がすくい打ちをするよりもボールは簡単に上がります。

また、すくい打ちの原因が構え方にあるケースもあります。

どういうことかというと、構えた際に両足に均等に体重をかける構え方だと、すくい打ちになりやすくなる場合があります。

この場合は、バンカーショットの構え方と打ち方でご紹介したように、アドレスの段階で左足に体重を多めにかけておき(左足6:右足4、左足7:右足3など)、やや上からヘッドをドン!と鋭角に入れてゆくイメージで振ってみるとすくい打ちが改善することがあります。

また、この構え方の場合は、スイング中も体重移動はしないで打ちます。

このように最初から左足に多めに体重をかけておき、体重移動をせずに打つプロも多いですが、この打ち方の方が安定して打てるという人も多いです。

③ヘッドが減速している

バンカーショットのコツの1つはヘッドを加速させて打つことです。

ヘッドを加速させて打つとヘッドの軌道も安定しますが、躊躇したりして、反対に減速するような形になると、ヘッドの軌道も不安定になり、結果的に取る砂の量もバラバラになってしまいがちです。

バンカーショットが上手な人は例外なく、ヘッドを加速させて打っているのですが、ヘッドを加速させて打つにはどうしたらいいでしょうか?

そのためには、必要以上にバックスイングを大きくしない・・ということがポイントになってきます。

バックスイングが大きすぎると、ダウンスイングで距離感を調節しなくてはならず、ヘッドがどうしても減速するような形になります。

ですので、その場合は小さめのバックスイングにして、ヘッドを加速させながら、打つ意識にしてみるといいかも知れません。

④練習不足

これは4つ目の理由・・ということになりますが、距離感が合わないのは単純に練習が不足しているから・・ということもあると思います。

様々なショットの中でも最も練習する機会が少ないのが、バンカーショットだと思うのです。

練習場の中にはバンカーの練習ができないところもありますし、なかなかバンカーの練習をする機会がないという人もいらっしゃるかも知れません。

ただ、例えば、バンカーの練習ができるコースでプレーする機会があれば、スタート前にウォームアップを兼ねてバンカーの練習をしたみたり・・・何かしら、できる範囲でバンカーショットの練習量を増やしてゆけたらいいかも知れません。

距離感というのは、打つ回数を重ねてゆくことで自然とつかんでゆくものでもあると思いますので。

バンカーショットの距離感をつかむための2つの練習

先ほど、距離感が合わない理由の1つは練習が不足しているからと書かせていただきましたが、距離感をつかむためにはバンカーショットの練習量を増やす必要があるかも知れません。

その際は、単純にバンカーショットの練習をするだけでもいいですし、それ以外にもこんな練習をしてみるのも効果があると思います。

①砂だけを打ってみる

ボールは使わず、砂だけを打ってみるというのもとてもよい練習になると思います。

もし、いつも通っていらっしゃる練習場やコースに練習用のバンカーがない場合は、コースでバンカーショットを打った後に、プレーの進行を妨げない範囲で、砂だけを飛ばしてみたりするのもよい練習になるかも知れません。

この砂だけを打つ、飛ばす練習をすると、この位の強さ(スイング)で、砂がこの位飛ぶんだな・・という感覚がつかめます。

その感覚で実際のバンカーショットを打ってみるといいかも知れません。

バンカーショットの距離感がわからない・・という人は、ボールに意識が行っているのかも知れません。

ボールを飛ばす・・という意識で打つのも悪くはないと思いますが、もし、それで距離感が合わないようであれば、ボールではなくて、砂を飛ばすんだという意識で打ってみてください。

ボールを飛ばすというよりも砂を飛ばす・・という感覚の方が距離感が合いやすくなる、という人も多いですので。

②バンカーでフルスイングをしてみる

バンカーショットでフルスイングするシチュエーションってなかなか・・・ないと思うんです。

ただ、これも先ほどの砂だけを打ってみる練習と同じように、ボールは使わず、フルスイングで砂だけを飛ばしてみるのもおすすめです。

フルスイングといっても、マン振りする必要はありません。8割程度の力で結構です。

フルスイングで砂を打ってみると、自分の距離というものがわかってきます。

例えば、通常のアイアンショットでもフルスイングの距離がある程度わかるから・・中途半端な距離を打ち分けられたりします。

フルスイングでどれだけ飛ぶのかわかっていた方が、フルスイングできない距離の距離感というものもつかみやすいのかなと、思います。

そもそも距離感とは何か?

以前、ロングパットの距離感をつかむ方法という記事を書かせていただきました。

その中で書かせていただいたことですが・・そもそも距離感とは何か?というと、距離感というのは「感覚」の一種だと思います。

感覚は簡単に言うと、「体のどこかで感じたものが、脳に伝わって起こる意識」のようなもの。

何だかややこしい話に聞こえるかも知れませんが、何が言いたいかというと、

1)体で感じたものが → 2)脳に伝わる

・・という順番で、そして、この「順番」が大切になってくると思います。

1)体で感じたものが → 2)脳に伝わる

という「順番」です。

まず、体で感じること、そして、それが脳に伝わることで、距離感(感覚)というものが生まれる、または、養われてゆくように思います。

ところが、バンカーショットの距離感がわからないという人の場合は、この反対をやってしまっていることも多く、つまり、この距離だからこの位の強さで打とう・・・という風に、まず、頭(脳)で考えてしまっているケースが多いかも知れません。

ただ、バンカーショットの距離感をつかむためには、そうではなくて、まず、1)体のどこかで感じる・・ということをするといいかも知れません。

最初に体のどこかで感じ取る・・ということをすると、後は自然とその時の刺激のようなものが脳に伝わってゆきます。

それを繰り返してゆくことで、それが感覚として、自分の中に定着してゆく(生まれる)ものだと思います。

ですので、バンカーショットにしても、パットにしてもそうなのですが、距離感がわからなくなった時や距離感がつかめない時は、まず、頭で考えることをやめてみて、とりあえず、体を使って何かを感じる・・ということを優先させてみてもいいかも知れません。

簡単に言うと、この位かな・・と頭で考えてから、打とうとしないで、とりあえず、オーバーしてもショートしてもいいので「まず打ってみる」ということになります。

その際、オーバーしたなら、オーバーしたなりの感覚が脳に伝わります。

ショートしたなら、ショートしたなりの感覚が脳に伝わります。

これが、頭で考えてから打とうとすると、うまくいかなくなることが多いです。

ですので、距離感が合わないと思った時は、まず頭で考えることをやめて、体で感じるということをしてみるといいかも知れません。

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