フェアウェイウッド、ユーティリティはダウンブローで打つ?それとも払い打つ?
ダウンブローに関してはこれまで、
といった記事をアップしてきました。
今回は、フェアウェイウッド、そして、ユーティリティはダウンブローで打つべきか?それとも払い打つ方がいいのか?ということについて詳しく見てゆきたいと思います。
目次
男子プロ、女子プロの入射角のデータ
以前、アメリカの男子ツアーと女子ツアーの選手達を対象にした、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンの入射角度に関する調査が行われています。
調査は、弾道測定器「トラックマン」を使って行われ、その結果はこんな風になりました。
データの見方ですが、数字はヘッドの入射角度になります。数字が、
- 「プラス」の場合・・・アッパーブロー(ヘッドが最下点を過ぎた後にボールに当たること)で打っている
- 「0」の場合・・・ボールの真横から払い打っている
- 「マイナス」の場合・・・ダウンブロー(ヘッドが最下点に達する前にボールに当たること)で打っている
簡単に言うと、数字がプラスの場合はヘッドが下から、数字がマイナスの場合はヘッドが上から入っているということになります。
参考のため、ドライバーやアイアンのデータも掲載します。
クラブ | 男子プロ (PGAツアー) |
女子プロ (LPGAツアー) |
ドライバー | -1.3度 | +3.0度 |
3-Wood | -2.9度 | -0.9度 |
5-Wood | -3.3度 | -1.8度 |
ユーティリティ | -3.5度 | - |
7-Wood | - | -3.0度 |
3-Iron | -3.1度 | - |
4-Iron | -3.4度 | -1.7度 |
5-Iron | -3.7度 | -1.9度 |
6-Iron | -4.1度 | -2.3度 |
7-Iron | -4.3度 | -2.3度 |
8-Iron | -4.5度 | -3.1度 |
9-Iron | -4.7度 | -3.1度 |
PW | -5.0度 | -2.8度 |
出典:https://trackmangolf.com
このデータを見ていただくとわかりますが、男子プロも女子プロもフェアウェイウッド、ユーティリティ(女子プロの場合はショートウッド)共に若干のダウンブローで打っていることがわかります。
ただ、女子プロの場合はダウンブローの度合いは弱く、本当に若干ダウンブローか、もしくは、殆ど横から払い打っているような形です。
一方、男子プロの場合はややダウンブローで打っているのがわかります。
このデータを見てもわかりますが、プロの場合は、フェアウェイウッドもユーティリティもややダウンブローで打っています。
フェアウェイウッドはダウンブローで打つ?それとも払い打つ?
さて、先ほどはアメリカツアーのプロのデータをご紹介しました。
プロがダウンブローで打っているわけですので、アマチュアもフェアウェイウッドであってもややダウンブローで打ってもいい・・ということになると思います。
ただ、アメリカの場合は、フェアウェイであってもボールがやや沈んでいることも多いので、アメリカの選手達はそういった事情から、フェアウェイウッドでもダウンブローで打っている可能性もあります。
また、男子プロの方が女子プロよりも(フェアウェイウッドの)ダウンブローの度合いが強かったわけですが、これは飛距離よりもコントロールを重視した結果でもあるかも知れません。
その場面によっても違ってきますが、フェアウェイウッドの場合もややダウンブローで打った方が方向性が安定する場合があります。
そういった意味でも十分な飛距離がある男子プロはフェアウェイウッドもややダウンブローで打っているのかも知れません。
ですので、どちらかというと、アマチュアのお手本になるのは女子プロの方で、フェアウェイウッドの場合は、殆ど真横から払い打つような形か、または本当に若干のダウンブローで打つのがいいかも知れません。
特に日本のようにボールがフェアウェイで綺麗に浮いていることが多いような場合は、真横から払い打つような意識でもいいと思います。
ただ、フェアウェイウッドの構え方と打ち方のまとめでもご紹介しましたが、フェアウェイウッドの場合はすくい打ちのミスも多いです。
すくい打ちをしてしまうとフェアウェイウッドはうまく打てませんので、すくい打ちをする位なら、ダウンブローに打っていった方がいいかも知れません。
また、フェアウェイウッドで一番多いミスがボールを上げようとすることで、それがすくい打ちの根本的な原因でもあるわけですが、ボールを上げようとするよりはヘッドを低く出してゆくイメージで、若干ダウンブローで打とうとした方がボールを芯でとらえやすくなると思います。
ただ、そういったケースを除けば、フェアフェイウッドは基本的にはボールを横から払い打つ打ち方(もしくは本当に若干のダウンブローで打つ意識)でいいと思います。
フェアウェイウッドについては下記のような記事もアップしていますので、よかったら参考になさって下さい。
ユーティリティはダウンブローで打つ?それとも払い打つ?
次にユーティリティについてですが、先ほどのデータによると、プロの場合はややダウンブローで打っている・・ということでした。
ただ、それは先ほどご紹介したような事情も関係してくるとは思います。(アメリカの場合は、フェアウェイでもボールが少し沈んでいることがある・・etc.)
ですので、ユーティリティの場合も横からボールを払い打つような打ち方か、もしくはややダウンブローで打ってゆく形でいいと思います。(どうしてもダウンブローで打つ必要はありません)
特にロングアイアン(3番、4番アイアン)の代わりに入れるような番手(ロフト角)のユーティリティの場合は、横から払い打つ形で結構です。
ただ、ミドルアイアン(5番、6番、7番)の代わりに入れるような番手(ロフト角)のユーティリティの場合はダウンブローで打っていっても構いません。
また、これは先ほどのフェアウェイウッドと一緒ですが、ユーティリティの場合もボールを上げようとして、すくい打ちをしてしまうミスが多いのですが、特にすくい打ちの癖がある方はダウンブローを意識した方がいいかも知れません。
その際は、フェアウェイウッドの時と一緒で、打った後もヘッドを低く出してゆくような、そんなイメージで打ってゆきます。
ユーティリティをダウンブローで打つ際の2つのコツ
ユーティリティはダウンブローで打っていってもいい・・ということでしたが、その際のコツについて少しご紹介したいと思います。
1)赤道の少し下を狙う
これはプロの中にも意識して実践している人もいますが、ダウンブローで打つ際はリーディングエッジ(下の写真参照)をボールと地面の境目に入れてゆこうとするのではなく・・ボールの赤道のちょっと下にリーディングエッジを入れる意識で打ってゆきます。
下の図のように、ボールの赤道の少し下を狙って、リーディングエッジを赤道のちょっと下に入れる意識で打つと、ダウンブローで打ちやすくなります。
ただ、先ほどのプロのデータを見てもわかりますが、ユーティリティをダウンブローで打つといっても、アメリカツアーの男子プロの場合で-3.5度程度。女子プロの場合は(ショートウッドのデータになりますが)-3度程度です。
真横からヘッドを入れると0度になりますが、それよりも3度ほどヘッドが上から入る程度・・になります。
ですから、ダウンブローと言っても、上からヘッドを入れてゆく、落とすというような打ち方ではなく、あくまでも真横から払い打つような意識で、ややダウンブローかな・・程度のイメージで打つといいかも知れません。
ユーティリティをダウンブローで打とうとすると、どうしても上からヘッドを落とし過ぎて、その結果、下の図のようにクラブヘッドの軌道がV字を描くような形になり(図は極端に作っています)・・インパクトが点になってしまう場合もあります。
こうなると、ダウンブローで打とうとすることで、むしろ、ダフリやトップなどのミスが増えてしまいます。
ですので、あくまでも緩やかなダウンブロー、もしくは先ほど書かせていただいたように真横から払い打つような、そんな意識の方がいいと思います。
その方が結果的にインパクトゾーンが広がって、ナイスショットの確率が上がると思いますので。
2)ハンドファーストで、右手の平をボールに向ける
ユーティリティをダウンブローで打つ際の2つ目のコツですが、ダウンブローで打つためには、ややハンドファースト※で構えて、同じようにややハンドファーストでインパクトをむかえる必要があります。
※ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
ダウンブローとは、ヘッドが最下点に達する前、まだヘッドが下降を続けている最中にボールをとらえることを言いますが、そのような形で打つためには、ややハンドファーストで打つ必要があります。
また、インパクト時にややハンドファーストにするということは、アドレスでもハンドファーストで構えておく必要がある・・ということになります。
これは何故かというと、例えば、ハンドレイト※で構えておいて、インパクトで両手が前に出ると(ハンドファーストになると)、フェースが開くからです。
※ハンドレイトとは、アドレスをした際に、両手がクラブヘッドよりも後ろ(ターゲットと反対方向)にあることを言います。
ハンドレイトに構えて、ハンドファーストでインパクトすると、フェースが開いてスライスなどが出やすくなるのですが、そうならないために、最初からややハンドファーストで構えておく必要があります。
そのためには、構えた際に両手が左足太ももの前に来るようにします。
また、ボールを左に置きすぎないようにするのもポイントです。左にボールを置きすぎてしまうだけで、ハンドファーストにはならなくなりますので。
ボールの位置については、図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまでにて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
さて、インパクトでもハンドファーストになるように意識して打ってゆきますが、そのように打つとダウンブローにはなっても、場合によってはスライスが出てしまうこともあるかも知れません。
特に普段からスライスが多い人の場合は、ハンドファーストの意識だと振り遅れてしまうような感覚になるかも知れません。
その場合ですが、ハンドファーストを意識すると同時に、インパクトで右手の平がボールの方向か、もしくはやや地面の方向を向くように意識していただくといいと思います。
普段からスライスが多いという人は思い切って右手を地面に向ける意識でもいいかも知れません。
この意識だとつかまったボールが出やすいと思います。
また、それでもスライスする場合は、フックグリップで握ってみてもいいかも知れません。
フックグリップの握り方については、フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。