フェアウェイウッドの構え方と打ち方のコツ!芝の上から打てない理由も
フェアウェイウッドの打ち方についてはこれまでいくつか記事を書かせていただいてきましたが、今回はフェアウェイウッドの構え方と打ち方について、少しまとめてみたいと思います。
まずは構え方について、そして次に打ち方のコツやポイントについてご紹介してゆきたいと思います。
また、フェアウェイウッドはティーアップすれば打てるのだけど、芝の上からになると途端に打てなくなる、トップやダフリが多くなる・・ということについてもその原因や直し方についてご紹介してゆきたいと思います。
目次
構え方の4つのコツ
まず最初にフェアウェイウッドの構え方のコツについて見てゆきたいと思います。
フェアウェイウッドが打てないという方の場合、原因がアドレス、つまり、構え方にあることが多く、また、アドレスの問題を改善しないまま・・フェアウェイウッドが思うように打てるようなるということは稀だと思います。
アドレスを変える・・というのはとても地味な作業のように感じてしまう方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、アドレスの問題点を修正してあげることで劇的にスイングが改善するケースも多く、また、その効果も長い間持続します。
そういった点も、アドレスを修正してゆくことの大きな利点かなと思います。
では早速構え方のポイントについて見てゆきたいと思います。
①ボールの位置
まず、ボールの位置ですが、図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまででもご紹介しましたが、フェアウェイウッドの場合は、左足かかと線上よりも右にボールを置くことが基本になります。
どれだけ右にセットするかはフェアウェイウッドの番手によります。
3番ウッドよりも5番ウッドの方がさらに右に置きますし、5番ウッドよりも7番の方が少し右になってもいいと思います。
基本的な考え方としては、3番ウッドで左足かかと線上からボール半個から2個分右、後は5番ウッド、7番ウッドになるにしたがってボールを少しづつ右に置いてみます。
また、どの位置がいいかは、持ち球によっても少々変わってきます。
ドロー打ちの方とフェード打ちの方では同じ3番ウッドでもボールの位置は変わってきてもいいと思います。
また、同じドローボールでも、打ち出す方向によってボールの位置も変わります。
基本的にはドローボールの場合は通常よりもボールの位置を右に、フェードボールの場合は通常よりも左に置くようにします。
ただし、同じドローボールであっても、フェードボールであっても、打ち出すラインやどのように曲げるかによってもボールの位置は変わってくると思います。
ドローボールの場合、より大きく曲げたいなら、上記で書かせていただいた位置よりも右に、フェードボールの場合、より大きく曲げる際は、上記の位置よりも左寄りにするといいかも知れません。
この辺はここが正解・・というポイントがありませんので、ショットを打ちながら(ボールが打ち出された方向や曲がり幅を確認しながら)自分に合うボールの位置を探してみるといいかも知れません。
スイングが変わるとボールの位置も自然と変わりますが、その逆でボールの位置を変えることでスイングそのものが変わってゆく・・ということもあります。
ボールの位置次第で打てるボールと打てないボールが決まってきます。それだけボールの位置というのはゴルフでは重要になってくると思います。
フェアウェイウッドのボールの位置についてはフェアウェイウッドのボールの位置とその基準でも詳しくご紹介していますので、よかったらそちらも参照ください。
また、ティーアップの高さについてですが、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンのティーアップの高さ【これが基準です】にてご紹介しておりますので、よかったらそちらを参照ください。
②右肩の位置
短くてロフト(角)のあるクラブ(ショートアイアン)は打てても、長くてロフトの少ないクラブ(ウッド)は打てない・・という方もいらっしゃるかも知れません。
フェアウェイウッドのようにロフト角が少ないクラブの場合は、特にクラブヘッドの軌道というものがフェースの芯でボールをとらえるためには大事になってきます。
短いクラブは打てても、長いクラブは打てない方の多くは、ミスをする時はスライスを打つ傾向がありますが、ヘッドの軌道を確認すると、アウトサイド・インになっていることが多々あります。
この軌道は短くてロフト角のあるクラブなら問題なくても(むしろ、この打ち方の方が飛距離が出ることもあるのですが・・)長いクラブになってくると、この打ち方では芯に当たらなくなったり、飛ばなくなったり、またはスライスが出るようになってきます。
シャフトが長くてロフト角の少ないクラブの場合は、アウトサイド・インではなく、インサイド・インの軌道で振ってあげる必要があります。
(アウトサイド・インで振っていた人が)インサイド・インまたは、インサイド・アウトで振るようにスイングを修正することで、インパクトの質が大きく改善するケースは多々あります。
その理由はいくつかあって、それについては他の記事でご紹介しておりますので、ここでは省略いたしますが、ただ、
・インサイドから振ると、フェースの真ん中
・インサイドから振り過ぎると、フェースのトゥ寄り
・アウトサイドから振り過ぎると、フェースのヒール寄り
に当たりやすくなります。
ショートアイアンやウェッジなどはヒール寄りでも飛びますが、長くてスイートスポットもアイアンと比べると小さい傾向があるフェアウェイウッドの場合は、ヒール寄りで打つと途端にインパクトの感触が悪くなります。
さて、前置きが長くなりましたが、
このヘッドの軌道(スイングの軌道)を改善する一番の方法は、スイングすると自然とインサイド・イン、または場合によってはインサイド・アウトになるように構えてしまうこと・・になります。
そのために必要なことが3つあります。
その3つのうちの1つが右肩の位置になります。
ゴルフでは右利きの方の場合、グリップを握る際、右手が左手の下になる分だけ、右肩も左肩よりも低くなるのが自然な形になります。
プロのアドレスを見ていただくと、右肩の方が左肩よりも若干低くなっていると思います。
このような形で構えると、バックスイングをして、ダウンスイングに入ると、ヘッドがインサイドから下りてきやすくなります。
反対に、アドレスで右肩の位置が高い人の場合は、スイングの軌道もアウトサイド・インになりやすく、フェアウェイウッドが苦手な方の多くも、アドレスでの右肩の位置が高い傾向にあります。
ですので、アドレスでのご自分の右肩の位置を確認してみて、左肩よりも下がっていないなと思われた場合は、グリップを握る時に右手が左手よりも下に来る分だけ・・・右肩も左肩よりも低くなるようにしてみてください。
また、グリップを握る際も右手を下げて握るというよりも、右肩をまず下げて、それからグリップを握るようにしてみるのもよい方法かなと思います。
③背骨の傾き
スイングの軌道を決定付ける2つ目の要素が背骨の傾きになります。
これについては下記の記事でも書かせていただいていますので、今回は簡単にご紹介したいと思います。
アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
背骨はアドレスで右肩を下げることで自然と、若干ですが、右に傾きます。(右利きの方の場合)
この若干の傾きを保ったまま・・バックスイングして、そしてダウンスイングに入ると・・クラブヘッドはインサイドから下りてきやすくなります。
アウトサイド・インで振っている方の多く(殆ど)は、アドレスで背骨が地面と垂直または、中には左に傾いている方もいらっしゃいます。
この場合は、先ほどの右肩を下げて構える際に、ほんの少しだけ・・背骨を右に傾ける意識にしてみてもいいかも知れません。
といっても大袈裟に右に傾ける必要はありません、ちょっと傾いているかな・・位で結構です。
右肩を左肩よりも低くすれば、自然と、背骨は右に傾くものですので。
ただ、最初は少し意識してみてもいいかも知れません。
④グリップの位置
インサイドから振るための3つ目のポイントがグリップ(両手)の位置になります。
具体的には、グリップ(両手)の位置がズボンのジッパーの前にあるようなハンドレイトのような形で構えると、ダウンスイングでヘッドがアウトサイドから下りてきやすくなります。
ハンドレイトとは?
ハンドレイトとは、アドレスをした際に、両手がクラブヘッドよりも後ろ(ターゲットと反対方向)にあることを言います。
反対にハンドファーストで構えるほどに、ヘッドはインサイドから下りてきやすくなります。
ハンドファーストとは?
ハンドファーストとは、アドレスをした際(またはインパクトの際)、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
じゃあ、どの位置になるようにしたらいいか?
ということですが、 両手が左足太ももの内側の前に来るように構えるようにしてみてください。
詳しくは下記の記事でご紹介しておりますのでよかったらそちらを参照していただければ幸いです。
アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまで
* * *
さて、ここまでインサイドから振るための3つのポイント、コツについてご紹介しました。
このやり方で殆どの場合、ヘッドはインサイドから下りてくるようになるかと思います。
ただ、もともとアウトサイドから振っていた方がインサイド・インやインサイド・アウトで振ると、スライスが悪化するケースが多いです。
フェースが開いて下りてきているのに、インサイドから振ってしまうと、フェースがさらに開いたり、右に飛び出して、さらに右に曲がるスライスになってしまうことが多いため・・です。
そのため、多くの方がインサイドから振ることをやめてしまいます・・
ただ、スライスが悪化してもインサイドから振れるようになったことは決して間違いではないと思うのです。
スライスが悪化してもボールが右に飛び出すようになっても構いません。
それはインサイドから振っている1つの証拠ですから。
そうやってインサイドから振れるようになった時点で今度はグリップの握り方を変えてゆきます。
スライスを打っている方であれば、フックグリップ(ストロンググリップ)に変えてみるのもおすすめです。
詳しくはゴルフ基礎編のグリップの握り方のコーナーでご紹介しておりますので、よかったらそちらを参照ください。
ただ、これはフックを直す際にも言えることだと思いますが、スライスを直してゆくには、「スイングの軌道」と「フェースの向き」を一緒に直してゆく必要があると思います。
スイングの軌道だけ直しても、フェースの向きだけを直してもなかなか直らないもので・・だからこそ、スライスやフックを直すことは難しいのだと思います。
一緒に直してゆくというのは、難しいものですが、まず、ショットが悪化してもいいので、「スイングの軌道」、次に「フェースの向き」という順番で直してみるのもよい方法だと思います。
フェアウェイウッドの打ち方のポイント
さて、構え方のコツについてここまで見てきました。
次に打ち方のポイントについて、見てゆきたいと思います。
突然ですが、フェアウェイウッドで一番やってはいけないことは何だと思われますか?
それは恐らく、ボールを上げようとすること・・だと思います。
これはもう本能的にやってしまうと思うんですね。
ただ、これをやってしまうとトップやダフリが止まらなくなることがあります。
ですので、ボールを上げようとしないこと・・がフェアウェイウッドを上手く打つためには大切になってきます。
これについては後程、ページの後半で具体的な方法についてご紹介します。
①フェアウェイウッドの特徴を生かして打つ
さて、フェアウェイウッドの打ち方の最初のポイントですが、フェアウェイウッドの特徴を生かして打つ・・ということになります。
フェアウェイウッドはアイアンに比べて何が違うかというと、1つはソールです。
クラブの底の部分。ここが広いのがフェアウェイウッドの特徴です。
ソールが広いということは、多少手前からクラブを打ちこんでしまっても、芝の上を滑ってくれる・・ということになります。
ソールを滑らせるように、イメージとしてはほうきで地面をはくようにボールを打つことがフェアウェイウッドを上手く打つためのポイントになってくると思います。
フェアウェイウッドの場合、特にショートウッドなどの場合、多少ダウンブローで打っても構いません。その打ち方の方が合っている方もいます。
ただ、最初はボールを真横から払い打つような形を試してみてもいいかと思います。
極端に上から打ち込むような形だと、なかなかフェースの芯で打てないことが多いのですが、ボールを真横から払い打つような形にすると、スイングの軌道もインサイド・インやインサイド・アウトになりやすく、より芯でボールをとらえやすくなるかと思います。
②インパクトの後、クラブを低く出してゆく
フェアウェイウッドの場合は、極端に上から打ち込むような打ち方も、反対にすくい上げるような打ち方でも思うように打てません。
すくい上げるような打ち方、すくい打ちが癖になっている場合ですが、インパクトの後は、ヘッドを低く出してゆくイメージで打ってみてもいいかと思います。
クラブを低く出すイメージで、クラブを振り上げないようにします。
振り遅れてスライスが出る方の場合も、フォロースルーを腰の高さに制限してみる練習方法もおすすめです。
フォロースルーで、両手が腰よりも高く上がらないようにスイング(フォロースルー)を制限してボールを打ってみます。
芝の上からフェアウェイウッドが打てない
さて、次は芝の上からフェアウェイウッドが打てないということについて見てゆきたいと思います。
①ボールを上げようとしない
芝の上からフェアウェイウッドを打つ時に注意したいことの1つは、ここまでご紹介させていただいたことと一緒で、ボールを上げようとしない・・ということになります。
自分でボールを(高く)上げようとしてしまうと、トップやダフリの原因になってしまうことが多いです。
ですので、フェアウェイウッドを打つ際は、ロフトを信じて、ボールを横から払い打つような意識でスイングします。(若干ダウンブローで打っても構いません)
芝の上からフェアウェイウッドを打つ際は、ボールを上げようとするのではなく、むしろ、低いライナーを打とうと思って打った方がよい結果になることもあります。
そのような意識で打っても、ボールはロフトとボールにかかるバックスピンが上げてくれると思います。
弾道を低めに抑える意識の方が、結果的にはボールをクリーンにとらえやすくなるかと思います。
②9番アイアンと同じスイングで
例えば、3番ウッドを芝の上から打つ時と9番アイアンを打つ時・・・もし、何か違うことをしているのであれば、そこを変えてゆくというのも一つの方法です。
9番アイアンの場合は、何ヤード打とう・・と思って打つことが多いかと思います。
一方、3番ウッドの場合は、できるだけ飛ばしたい・・・と思って打つことが多かったり、できるだけ転がってグリーンに乗って欲しいと思って打つこともあるかも知れません。
このような形で打つということは、毎回違うスイングをしているようなものかも・・知れません。
テンポやタイミングもそれによって多少変わってきてしまうこともあって、そうすると、なかなか安定して打つことが難しくなってしまいます。
こんな時におすすめの練習方法があります。
それが、9番アイアンと3番ウッド(もしくは5番ウッド)を交互に打つ練習です。
9番アイアンで3球打ったら、クラブを3番ウッドに持ち替えて、3球打ちます。それを繰り返してみます。
ポイントは9番アイアンのスイングのつもりで、3番ウッド(もしくは5番ウッド)を打つことです。
3番ウッドに持ち替えた途端に、アドレスに時間がかかる・・・ですとか、3番ウッドを持った途端に力を入れてしまう・・というのは避けるようにします。
9番アイアンと全く同じようにアドレスに入り、同じようなタイミングでスイングをスタートします。
9番アイアンを打つ時、できるだけ飛ばさないと・・・と考える方は少ないかと思いますが、3番ウッドも同じようにできるだけ飛ばそうとは考えないで打ってみます。
そうやって9番アイアンのスイングでコースでも3番ウッド(5番ウッドなど)を打ってみると、よい結果につながるかと思います。
もっとも、3番ウッドの場合は、多少無理をしてでも2オンを狙う場面もあるかと思いますし、そういうショットもゴルフの楽しみの1つだと思います。
ただ、ある程度ボールをクリーンに打てる自信がついてから、ヘッドスピードを上げてゆくことで、ヘッドスピードを上げても芯で打てる確率というのは上がってくると思います。
③弾道の高さにリミットを
①のお話の続きになりますが、フェアウェイウッドが思うように打てない大きな理由の1つはボールを上げようとしていること・・になります。
ボールを上げようとすると、トップやダフリのミスが増えてしまいますので、その場合は、先程のように、むしろボールを低く打ち出そうとすると、結果的によいショットにつながることがあります。
また、その際のポイントですが、弾道の高さに自分の中でリミットを設けるといいますか、これ以上、上げちゃダメ・・と高さを制限した上で打ってみるのも一つの方法です。
例えば、3番ウッドを打つ際ですが、意識としては、またはイメージとしては、自分の7番アイアンの弾道の高さの半分よりも上には上げない・・・というような意識で打ってみてもいいかも知れません。
高弾道を意識すると、ダフリやトップが増えることが多いですが、低弾道、もしくは中弾道をイメージして打ってみます。
高く上げちゃだめだ・・・と思って打ってみると、ボールを払い打つような形になりやすく、ボールをクリーンにとらえやすくなりますし、結果的にボールは、高く上げようと思って打った時よりも高く上がるかと思います。
フェアウェイウッドそのものを見直してみる
さて、ここまでフェアウェイウッドの構え方と打ち方について見てきました。
ただ、それでもどうしてもボールが高く上がらないですとか、フェアウェイウッドが思うように打てない・・という場合は、フェアウェイウッドそのものを見直してみるのも一つの方法かなと思います。
クラブによってもショットは大きく変わります。
初心者の方であっても僕はクラブ選びは大切になってくると思います。
クラブ次第で、打てるはずのものが打てなくなってしまうこともありますので。
フェアウェイウッドの選び方についてはフェアウェイウッドの選び方と5つのポイントで詳しくご紹介しておりますので、よかったらそちらを参考になさってください。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。