フェアウェイウッドでボールが上がらない原因と直し方とは?
フェアウェイウッド(3番ウッドや5番など)で芝の上から打つと、またはティーアップして打っても、ボールが上がらない。
そんなこともあるかも知れません。
フェアウェイウッドというのは、ロフト角が少なく、ボールが上がりにくいクラブではあると思います。
ただ、あまりにもボールが上がらない場合は、少しそのショットの高さを改善できたらいいのかも知れません。
今回はフェアウェイウッドで打った際、ボールが上がらない原因と直し方について詳しくご紹介してゆきたいと思います。
また、ボールが上がらない原因ですが、構え方やスイングに原因があるケースとフェアウェイウッドそのものに原因があるケースがありますが、今回は両方とも見てゆきたいと思います。
それでは早速はじめましょう。
目次
インパクトでのロフト角がショットの高さを決める
ショットの高さを決める要素というのもいくつかあるのですが、その一つがインパクトでのロフト角になります。
インパクトでロフトが立っていると、低いショットになりやすいです。
これはアイアンの図になりますが、ロフトが立つとは、こんなことを言います。(右下の図)
ロフトを立てて打つことは、悪いことではありません。
むしろ、アイアンなどの場合は特に、ロフトを立てて打つことはいいことで、プロはロフトを立てて打っています。
フェアウェイウッドも少しロフトを立てて打つ分には問題ありません。
ただ、ロフトを立て過ぎてしまうと・・問題が起きてくるかも知れません。
インパクトでロフトを極端に立ててしまうと、例えば、5番ウッドを打っているのに、インパクトでのロフト角が3番ウッドのロフト角になっていれば、ショットは当然低くなります。
では、何故、インパクトでロフトが立ってしまう(立ちすぎてしまう)のでしょうか?
それには、
1)フックボールを打っているケース
2)右を向いているケース
・・の2つが考えられます。
少し詳しく見てみましょう。
1)フックボールを打っているケース
ドローボールを打っている方や、または、フックボールがよく出るという方の場合は、フェアウェイウッドに限らず、ショットが全体的に低くなります。
というのも、フックボール(またはドローボール)はフェースがインパクトで閉じることで出るショットですが、フェースが閉じるということは、先ほどのロフトが立つということでもあります。
ですので、ドローボールやフックボールを打っている方の場合は、ショットが低く飛びやすくなります。
この場合はフックボールを改善すると、フェアウェイウッドのショットにも自然と高さが出てくることがあります。
フックボールの直し方ですが、それについては、フックボールの直し方のコーナーやフックボールの原因とグリップの握り方、フックボールを直すために大きなスライスを打ってみるなどでご紹介しておりますので、よかったらそちらを参照ください。
ドローボールを持ち球にしている方の場合ですが、ある程度、低めに飛ぶことはOKだと思います。
ただ、低すぎると思われた場合は、フェアウェイウッドそのものに何か原因があるかも知れません。
それについては少し後で詳しくご紹介します。
2)右を向いているケース
フェアウェイウッドが上がらないもう1つの理由ですが、アドレスで右を向いていることが関係していることもあります。
ゴルフでは、ボールとターゲットを結んだ飛球線に対して、両肩、両足が平行になるように構えることが一つの基本になります。
その形から、インサイド・インの軌道でショットを打つことが理想です。
ただ、ゴルファーの多くは右を向いていると言われています。
先ほどの基本の向きよりも体が右を向いてしまっているわけですが、そのような形で右を向いていると、インパクトでロフトが立ってしまうことがあります。
どういうことかというと・・
右を向いて、インサイド・インの軌道でショットを打ったとすると・・ボールはターゲットよりも右に飛んでいきやすくなります。
ただ、右を向いている方の中には、右を向いてストレート系のショットを打っている人もいます。
何故、右を向いているのに、ボールがターゲットに向かって真っすぐに飛ぶかというと、スイングの軌道がアウトサイド・インになっているためです。(ということが多いです)
右を向いて、左に振り抜くような形で打つと、ボールはターゲットに向かって真っすぐに飛んでゆくことがあります。
ただこれは、実際には、アウトサイド・インでボールを打っているので、引っ掛け(左に真っすぐに飛んでゆくショットのこと)を打っているということになります。
このような形で引っ掛けを打つと、インパクトではロフトが立ちやすくなります。
引っ掛けは低いショットになりやすいのです。反対にプッシュアウト(右に真っすぐに飛んでゆくショットのこと)は高いショットになることもあります。
もし、この右を向いて引っ掛けを打っていることがショットが低く飛ぶ原因だった場合、飛球線と平行に構えて、インサイド・インで打ってみると、ボールはぐっと上がりやすくなるかと思います。
ただ、右を向いていた方が、飛球線と平行に構えて、インサイド・インで打とうとすると、スライスが出るケースが非常に多いです。
その場合は、体の向きを変えてスイングの軌道を修正すると同時に、グリップの握り方も見直してみる必要があるかも知れません。
スライスが出る方の場合は、まず、フックグリップで握ってみることがおすすめです。
フックグリップの握り方については、フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
また、その際は、グリップの位置、右肩の位置と背骨の傾きにも注目していただくといいかも知れません。
アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまで
アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
クラブ(フェアウェイウッド)に問題があるケース
さて、ここからはクラブそのものに問題があるケースについて見てゆきたいと思います。
フェアウェイウッドが上がらない原因は、下記のような点が考えられます。
1)ライ角
2)フェースの高さ
3)重心深度(重心の深さ)
1)ライ角
ライ角とは下記の角度のことになります。
このライ角がショットの弾道の高さにどう関係してくるのか?
・・ということですが、普段からドローボールを打っている方、またはフックボールが出ることが多い方の場合、ライ角が(自分にとって)アップライト過ぎると弾道が低くなってしまうことがあります。
ライ角が大きいものをアップライト、ライ角が小さいものをフラットと言いますが、ライ角がアップライト過ぎると、特に芝の上から打つ場合、インパクトでフェースが閉じやすいからです。
下記の図は説明のために極端に作っています。実際には、同じ番手でここまでライ角が変わってくることはまずないと思います。
さて、ライ角が自分にとってアップライト過ぎる場合ですが、インパクトで、クラブのヒール側が最初に地面について(ヒール側に)ブレーキがかかり、トゥ側が前に出てくる・・ということが起こる場合があります。
つまり、フェースがインパクトで閉じてしまうわけですが、そうなると、ロフトも立ちますから、ショットが上がらない・・ということが起こってきます。
言い換えると、ライ角をアップライトにすると、スライスが改善されることが多いです。
そのため、スライスが直らないという方のために、ライ角をあえてアップライトに設計したフェアウェイウッドも中にはあります。
普段からドローボールやフックボールを打っている方がそういったフェアウェイウッドを使ってしまうと、フックボールが悪化したり、ショットが低く飛んでしまうようになることもあるかも知れません。
ですので、特にスライサー向けに作られたフェアウェイウッドを使っているような場合は、そうではないフェアウェイウッドも試してみる価値はあるかも知れません。
2)フェースの高さ
フェースの高さもショットの高さに関係してくることがあります。
フェースの高さがないものをシャローフェース、フェースの高さがあるものをディープフェースと言いますが、ショットの高さという意味では、シャローフェースのフェアウェイウッドの方がボールは上がりやすくなります。
ですので、ボールが上がらないという方でディープフェース、またはそれに近いフェアウェイウッドをお使いの場合は、一度、シャローフェースのフェアウェイウッドを試してみてもいいかも知れません。
フェース上部から下部までの距離が短くなるほど(シャローフェースになるほど)、ボールは上がりやすくなりますので。
ただ、ボールが上がりすぎると、今度はコントロールするのが難しくなってきますので、その辺はバランスが大事になってくるかも知れません。
3)重心深度(重心の深さ)
フェアウェイウッド、ユーティリティとアイアンの弾道の高さの違いでもご紹介しましたが、重心深度も弾道の高さに関係してきます。
重心深度とは重心の深さのことです。
重心の位置が深くなるほどに、ボールは上がりやすくなります。
フェアウェイウッドにも色々なタイプがありますが、フェースの後ろに厚みのある製品だと、比較的ボールは上がりやすいかなと、思います。
反対にフェースの後ろに厚みのない製品の場合は、弾道は低くなってしまう可能性があります。
さて、ここまでフェアウェイウッドが上がらない原因と直し方について見てきました。
フェアウェイウッドが上がらない原因は構え方やスイングにある場合もありますが、クラブが合っていかなかったというケースも結構あります。
ゴルフの場合は、クラブが合わないと打てるショットも打てなくなりますので、たとえ、初心者の方であっても、クラブ選びというのは大切になってくると思います。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。
- フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方
- アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまで
- アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
- フェアウェイウッド、ユーティリティとアイアンの弾道の高さの違い
- フェアウェイウッドの構え方と打ち方のまとめ
- フェアウェイウッドが当たらない。芯に当てるために何をしたらいい?
- フェアウェイウッド(3番/5番/7番ウッド)のスライスの本当の原因と直し方【スライスが治らない方へ】
- フェアウェイウッドの選び方と5つのポイント
- フェアウェイウッドのボールの位置とその基準
- フェアウェイウッド、ユーティリティはダウンブローで打つ?それとも払い打つ?
- フェアウェイウッドが苦手。打てない原因は何か?
- フェアウェイウッド(3番/5番/7番ウッド)の引っ掛けの"根本的"な原因と直し方
- フェアウェイウッド(3番/5番/7番ウッド)のプッシュアウトの"本当の"原因と直し方