図解!ドライバーの重心距離、重心の高さ、重心深度についてのまとめ
ドライバーについてはこれまで、ドライバーの選び方、ドライバーのライ角、リアルロフトとオリジナルロフトの違い、シャローフェースとディープフェースなどについてご紹介してきました。
今回は、ドライバーの性能に大きな影響を与える「重心」と、その3つのポイントについてご紹介してゆきたいと思います。
重心の3つのポイントとは、
- 1)重心距離
- 2)重心の高さ
- 3)重心深度
の3つになります。簡単にご紹介すると、
1)重心距離
シャフトの線上から重心までの距離のこと。つかまりの良さなどに関係してきます。
2)重心の高さ
重心の高さは、打ち出し角とバックスピンに関係してきます。
3)重心深度
重心深度とは、リーディングエッジから重心までの距離のこと。ボールの上がりやすさやつかまりの良さなどに関係してきます。
今回はこの3つについて少し詳しく見てゆきたいと思います。
目次
ドライバーのシャフトの延長線上から重心までの距離を重心距離と言います。
この重心距離はつかまりの良さ、ヘッドの返しやすさに深く関係していると言われています。
①重心距離が短い場合
重心距離が短くなると、ヘッドがインパクトで返りやすくなります。
また、重心距離が短くなることで、ヘッドの操作性が上がるというメリットもあります。
ただ、その反面、ちょっとしたことでフェースが開いたり、閉じたりしやすいというデメリットもあります。
そういった点から、ヘッドに操作性を求める人や、インパクトでフェースが開いてしまうことが多い人、振り遅れることが多い人の場合は、重心距離が短め※のドライバーを試してみる価値はあるかも知れません。
※ただし、ヘッドの返りやすさは他の要素も関係してきますので、重心距離だけで判断しない方がいいかも知れません
一般的には、ヘッドが小さいドライバーほど重心距離は短くなります。
②重心距離が長い場合
重心距離が長くなると、ヘッドの返りが緩やかになります。
重心距離が長くなることのメリットですが、ヘッドが急にターンし難い(チーピンなどを予防できる)という点に加えて、飛距離性能がアップする点が挙げられます。
クラブの試打インプレッションなどで有名なマーク金井さんによると、重心距離が5ミリ伸びると、ドライバーのキャリーも3~5ヤード伸びるそうです。
勿論、ヘッドスピードによってこの数値は変わってくると思いますが、いずれにしても重心距離が長いドライバーの方がインパクト時にボールに伝えられるエネルギーが大きくなる傾向があります。
一方、重心距離が長くなることのデメリットは、ヘッドが返り難くなる点や、振り難くなる点が挙げられます。
重心距離が長いクラブと短めのクラブを振り比べてみた場合、重心距離が長いクラブの方が振り難いと感じる人が殆どで、多くの人は重心距離が長くなるほど、フェースを返しにくい、振り遅れやすいと感じる傾向にあります。
一般的にヘッドが大きくなるほどに、重心距離も長くなります。
重心距離の長さですが、メーカーのホームページなどで記載されているスペックを確認してみてもいいですし、または、簡単な確認方法としては、フェースの横幅が広いドライバーほど重心距離が長く、フェースの横幅が狭いドライバーほど重心距離が短い・・ということが言えると思います。
重心距離は主にヘッドの返しやすさに関係してきます。
重心距離が短くなることの利点は、ヘッドを返しやすくなること、ヘッドの操作性が上がること。一方、欠点はスイングが安定しない時に使うと、フェースが開いたり閉じたりして、ボールが曲がりやすい点になります。
重心距離が長くなることの利点は、ヘッドが急にターンし難い点や飛距離が伸びる点です。一方、欠点は、フェースが開きやすい点、振り遅れやすくなる点になります。
※アイアンの重心距離についてはアイアンの重心距離について。重心距離が長いクラブと短いクラブの違いとは?にてご紹介しています。
重心の高さは、飛距離、もっと言うと打ち出し角とバックスピンに関係してきます。
①低重心
クラブメーカー、フォーティーンの創設者でクラブデザイナーの竹林隆光さんは、ドライバーの場合、フェースの厚みが同じモデルなら、低重心のモデルの方が飛距離には圧倒的に有利であると自身の著書の中で語っています。(「ゴルフクラブの真実」パーゴルフ新書 参照)
低重心のドライバーの場合、重心の上でボールを打ちやすくなりますが、重心の上でボールを打つことで、1)打ち出し角が高くなる、2)バックスピンが減るという効果を得ることができます。
飛距離を伸ばすためには、
- 1)打ち出し角を高く
- 2)バックスピンを抑える
- 3)ボールの初速を上げる
・・という3つのことが重要になってきますが、飛距離という意味でも、低重心のドライバーの方が有利になる・・というわけです。
ただし、低重心のドライバーの場合、スピン量が減り過ぎて、ボールが途中で落ちる、ドロップと呼ばれるショットが出やすくなるので、ある程度ロフト角が大きめのものを選ぶ必要があると思います。
②高重心
ヘッドスピードが遅い人に場合は、低重心のドライバーにすることで、スピン量が減り過ぎて飛距離がむしろ落ちてしまうこともあります。
そういった場合は、高重心のドライバーにした方が飛距離が伸びるケースもあります。
ここで簡単にまとめると・・・
低重心のドライバーの方が飛距離の面では有利。ただし、低重心だとバックスピン量が減り過ぎてしまうことがあるので、ロフト角が多めのものを選ぶ必要がある。また、ヘッドスピードが遅い人の場合は、高重心のドライバーの方が飛ぶ場合も。
重心深度とは、リーディングエッジから重心までの距離のことを言います。重心深度は、ボールの上がりやすさやつかまりの良さなどに関係してきます。
①重心深度が深い場合
この重心深度ですが、この距離が長くなる(重心深度が深くなる)と、3つのことが起きます:
- 1)打ち出し角が高くなる
- 2)ボールがつかまりやすくなる
- 3)バックスピン量が増える
重心深度が深くなるということは、重心がフェース後方へと移動するということですが、重心が後方に来ることで、インパクト時にフェースが上を向きやすく、ボールは上がりやすくなります(打ち出し角が高くなります)。
また、この距離が長くなるほど、フェースが返りやすくなるので、ボールはつかまりやすくなります。
それに加えて、重心深度が深くなるとバックスピン量も増えます。
ですので、弾道が低すぎる人、ボールのつかまりを良くしたい人、スピン量が足りずにボールがお辞儀(ドロップ)してしまう人の場合、重心深度が深いドライバーを試してみる価値はあるかも知れません。
ちなみに重心深度が深いドライバーの見分け方ですが、①ヘッドを上から見ると、大きく平べったい形をしていて(ヘッド後方が大きく出ていて)、②フェース上下の距離が短めのクラブは重心深度が深い傾向にあります。
①重心深度が浅い場合
反対に重心深度が浅くなると、
- 1)打ち出し角が低くなる
- 2)ボールのつかまりが穏やかになる
- 3)バックスピン量が減る
という効果があります。
先ほどとは反対で、重心の位置が浅くなることで、インパクト時にフェースが上を向こうとする力が大きく働かず、打ち出し角は低くなります。また、同時にバックスピン量も減ります。
また、重心深度が浅くなることで、フェースの返りも穏やかになります。
そのため、ヘッドスピードが速く、ボールが高く上がり過ぎている人、ショットの弾道が高すぎる人、フックボールがよく出る人は、重心深度が少し浅めのクラブを試してみる価値はあるかも知れません。
ちなみに、重心深度が浅いドライバーの見分け方ですが、①洋梨形状をしていて、上からヘッドを見た時の面積が小さめのものやディープフェースの(フェース上下の距離が長い)ドライバーなどは重心深度が浅い傾向にあります。
ここで簡単にまとめると・・・
重心深度が深くなると、1)打ち出し角が高くなる、2)ボールがつかまりやすくなる、3)バックスピン量が増える。
反対に重心深度が浅くなると、1)打ち出し角が低くなる、2)ボールのつかまりが穏やかになる、3)バックスピン量が減るといったことが期待できます。
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