ゴルフスイング 「インサイド・アウトの軌道の7つの原因と直し方」
前回、アウトサイド・インの軌道と8つの原因ではアウトサイド・インのスイング軌道の原因や直し方についてご紹介しました。
その際にご紹介したことになりますが、ゴルフスイング(ダウンスイング)には大きくわけると3つの軌道があります。
それらは、
1)インサイド・アウト
2)インサイド・イン
3)アウトサイド・イン
インサイド・アウトの場合は、ダウンスイングでボールと目標を結んだ飛球線の内側からヘッドが下りてきて、インパクトの後は、飛球線の外側にヘッドが抜けてゆく形になります。
このインサイド・アウトの軌道は目標よりも右に真っすぐに飛んでゆくプッシュアウトや、フックボールの原因となることがあります。
プッシュアウトになるかフックボールになるかは、スイングの軌道に対してのフェースの向きが関係していて、スイングの軌道に対してフェースがスクエア(垂直)であれば、プッシュアウトが、スイングの軌道に対してフェースが閉じていれば、フックボールが出やすくなります。
ゴルフの球筋は9種類。ミスショットの見つけ方も(記事内でご紹介するリンクはページ下部の関連ページの覧にまとめておきます)
今回は、インサイド・アウトのスイング軌道とその原因、そして、直し方についてまとめてゆきたいと思います。
インサイド・アウトの7つの原因
ここでいうスイングの軌道とは、ダウンスイングでのヘッドの軌道を言っているのですが、インサイド・アウトの軌道になってしまう原因としては、下記の点が考えられます。
①グリップがフックグリップ
②アドレスで両肩のラインが右を向いている
③アドレスで右肩が下がりすぎている
④ボールの位置が右過ぎる
⑤グリップの位置が間違っている
⑥切り返しとタメ
⑦左を向いて構えている
①グリップがフックグリップ
グリップが自分にとって、フックグリップ過ぎる場合、スイングの軌道がインサイド・アウトになりやすくなります。
フックグリップについてはフックグリップの握り方でご紹介しましたが、もし、構えてさぁ、打つぞという時に左手を見た時、左手のこぶしの山が3個以上見えていた場合は、フックグリップの可能性があります。
下の写真は左手のこぶしの山が4個見えている例。
写真はこぶしの山をわかりやすく写すために手を上げて撮影していますが、実際は構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という時に、左手を見て、こぶしの山を確認してみてください。
その(フック)グリップでストレート系、もしくはドローボールが出ている場合は問題ありませんが、もし、そのグリップで過度のインサイド・アウトの軌道になっていたり、プッシュアウトとフックボールが交互に出るような場合は、左手のこぶしの山が3個ではなく、2個半見えるように調整してみてもいいかも知れません。
また、右手ですが、構えた際に右手の親指と人差し指でできるV字(下の写真)が右肩か、またはそれ以上右を指している場合も、フックグリップの可能性があります。
先ほどと一緒で、その形で思うようなショットが打てていれば問題ありません。
ただ、そのグリップで過度のインサイド・アウトの軌道になっていたり、プッシュアウトとフックボールが交互に出るような場合は、右手の親指と人差し指でできるV字が右耳を指すように調整してみてもいいかと思います。
グリップは、両手ともにフックグリップになっていることがインサイド・アウトの軌道の原因になっているケースもあれば、左手だけ、または、右手だけフックグリップになっていることが原因となっているケースもあります。
②アドレスで両肩のラインが右を向いている
本来であれば、両肩のラインは、目標とボールを結んだ飛球線(ターゲットライン)と平行になるのが基本になります。
両肩のラインが右を向いているというのは、その位置よりも右を向いている・・という意味になります。
さて、アドレスでの両肩のライン(右肩と左肩を結んだライン)は、ダウンスイングでのヘッドの軌道に直結してくることが多いです。
そのため、アドレスで両肩のラインが右を向いていると、スイングの軌道もインサイド・アウトになりやすくなります。
これは、左へのミス(フックボール)を避けるために、無意識のうちに両肩のラインを右に向けて構えているケースもあれば、何らかの理由で両肩が右を向いてしまっているケースもあります。
何らかの理由とは?
・・ということですが、先ほどご紹介したフックグリップだと、両肩のラインが右を向きやすくなります。(他の理由については後述します)
ショットを打つ直前に、体を動かさずに腕だけを動かして、持っているクラブを水平にして、両肩に当ててみると、両肩の向きがわかるかと思います。
もし、この時、両肩が右を向きすぎていたら・・それがインサイド・アウトの原因となっている可能性があります。
その場合は、アドレスで両肩の向きを確認して、修正する・・という作業を続けてゆくことで、スイングの軌道もインサイド・インに修正されてゆくこともあります。
ただ、先ほども書かせていただきましたが、左へのミス(フックボール)を避けたいという意識があると、無意識のうちに両肩を右に向けて構えたくなります。
この場合、本当の原因はフックボールが出ること、もっと言うと、スイング中にフェースが閉じてしまうことなので、その場合は、フックボールを直すことを優先させてみてもいいかも知れません。
フックボールが直ることで、スイングの軌道が自然と修正されることもありますので。
③アドレスで右肩が下がりすぎている
アウトサイド・インの軌道と8つの原因では、アドレスで右肩の位置が高すぎることが原因の1つと書かせていただきました。
インサイド・アウトの場合はその逆で、アドレスで右肩の位置が低すぎることがインサイド・アウトの原因になることがあります。
これはフックボール、もしくはドローボールを打っている方に多いのですが、右肩が下がりすぎていることがあります。
右肩が必要以上に下がっていると、スイングの軌道はインサイド・アウトになりやすくなります。
では、右肩はどの程度下げたらいいのか?
・・ということですが、グリップを握る際に右手が左手よりも下に来る分だけ、右肩を左肩よりも下げます。
おおまかにいうと手のひらの縦の長さの1/2程度でしょうか。右手はその程度、左手よりも下げて、グリップを握るような形になるかと思います。
ですので、右肩もその程度、左肩よりも下げるようにします。
アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
右肩がそれよりも下がってしまう理由の一つは、フックグリップになります。
左手、もしくは右手のグリップがフックグリップ過ぎると、右肩も下がり、また、両肩のラインも右を向きやすくなる傾向があります。
また、その反対のケースもあります。
グリップを握る際に、右肩を下げ過ぎているために、フックグリップになってしまっている・・というケースです。
いずれにしても、インサイド・アウトの軌道を直したいと思った時は、アドレスで右肩がどの程度下がっているか、下がりすぎていないかをチェックしてみてもいいかと思います。
④ボールの位置が右過ぎる
ボールの位置次第で、スイングの軌道も変わってきます。
ボールは、左に置くほどにアウトサイド・インの軌道になりやすく、右に置くほどに、インサイド・アウトの軌道になりやすいと言えます。
ボールの位置については、図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまでにてご紹介しましたが、下記のような位置が一つの目安になります。
サンドウェッジから9番アイアン
スタンスの真ん中
ミドルアイアン
スタンス中央からボール1個程度左
ユーティリティ~フェアウェイウッド
ミドルアイアンとドライバーのボールの位置の間
ドライバー
左足かかと線上~左胸の前の範囲
もし、上記の位置よりも大きく右にボールを置いているような場合は、そのボールの位置を修正することで、インサイド・アウトの軌道も改善されることがあると思います。
ただ、ボールの位置は癖になっていることも多いので、もし、変えてゆく場合は、根気強く修正してゆく必要があるかも知れません。
また、フックボールが出るから、ボールを右に置きたくなる・・ということもあります。
この場合は、ボールの位置を修正しながら、フェースがスイング中に閉じてしまう問題も同時に改善してゆく必要があるかも知れません。
⑤グリップの位置が間違っている
アドレスでのグリップ(両手)の位置も、スイングの軌道に深く関係してきます。
アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまででもご紹介した通り、両手は、左足太ももの内側の前に来るようにします。
このような形で構えると、ドライバーを除いて、若干ハンドファースト※になるような形になると思います。
※ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
ただ、これよりも両手が前に来ているような場合、過度のハンドファーストの形で構えている場合は、ダウンスイングでヘッドがインサイドから入りすぎてしまうことがあります。
その場合は、両手が左足太もも内側の前に来るようにすると、スイングの軌道も改善されることがあります。
⑥切り返しとタメ
これは上級者に多いミスですが、タメを作り過ぎてしまったことで、スイングの軌道がインサイド・アウトになってしまうケースもあります。
または、切り返しで手や腕が体の動きに対して、遅れてしまい、その結果、ダウンスイングでヘッドがインサイドから入りすぎてしまう・・そして、フックボールやプッシュアウトが出る・・というケースもあります。
全盛期か、そのちょっと前のタイガー・ウッズがこのミスをよくしていました。
このミスを防ぐためには、胸の前に手(腕)が来ることを意識しながら、素振りを繰り返してみてもいいかも知れません。
切り返しで左足に体重を乗せる(または、左足を踏み込むの)と同時に腕、または両手、もしくは右肘をおろすような意識でもいいかも知れません。
⑦左を向いて構えている
これはそれほど多くないケースかも知れませんが、左を向いてストレート系のショット、ドローボールを打っている方もいます。
ボールは目標に向かって、もしくは、それよりも若干右に飛び出すのですが、これも厳密にいうと、体のラインに対しては、ヘッドの軌道がインサイド・アウト・・ということになると思います。
ただ、オープンスタンスからドローボールを打つ方もいらっしゃいますし、思うようなショットが打てている場合は、何も問題はないかと思います。
ただ、左を向いていて、尚且つ、フックボールに苦しめられているような場合は、まずは、スクエアスタンスにしてみて、そこから、ヘッドの軌道、フェースの向きを修正していってもいいのかなとは、思います。
ゴルフとスタンスの3つのタイプ 「スクエア、オープン、クローズ」
その場合は、一時的にフックボールが悪化することもあります。
ただ、スクエアスタンスからはじめると、スイングをシンプルに考えられたり、または、レッスンプロのアドバイスであったり、ゴルフの本に書いてあることを実践しやすいというメリットはあるかも知れません。
ゴルフの場合は、どのようなアドバイスも基本的にはスクエアスタンスで構えていることを前提としていますので。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。
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