ゴルフスイング中の右脇について。右脇を締める必要はあるか?
ゴルフスイングでは「右脇を締めろ」という風に言われることがあります。
これはバックスイング中の右脇のこと、もしくはバックスイングのトップでの右脇のことを言っているのだと思います。
今回はそんなスイング中の右脇について、右脇を締める必要があるケース、また、多少右脇が開いていてもいいケースについて、ご紹介してゆきたいと思います。
また、記事の最後では右脇が開きすぎてしまう原因、そして、右脇が締まりすぎてしまう根本的な原因についてもご紹介したいと思います。
それでは早速見てゆきましょう!
目次
何故、「右脇を締めろ」と言われるのか?3つの理由
冒頭でも書かせていただきましたが、ゴルフスイングではよく「右脇を締めろ」という風に言われることがあります。
これは恐らく、右脇が開きすぎて、もしくは右肘が体から離れ過ぎて、
- 1)トップの(両手)位置が高くなり過ぎてしまう
- 2)オーバースイングになってしまう
- 3)シャフトがクロスしてしまう
といったことを防ぐためのアドバイスだと思います。
1)トップの(両手)位置が高くなり過ぎてしまう
バックスイングのトップで、右脇が開きすぎてしまうと、トップの位置、もしくはトップでの両手の位置が高くなり過ぎてしまうことがあります。
では、どの位右脇が開いていると、開きすぎている状態になるのでしょうか?
これは色々な考え方があると思いますが、下のモデルの右脇は適度に開いた状態で、もし、これよりも大きく右脇が開いている場合は開きすぎている可能性があります。
右脇はどの程度開いていてもいいか?どの程度締めるといいか?ということについては後ほどもう少し詳しくご紹介します。
さて、右脇が開きすぎてしまうと、トップの位置、もしくはトップでの両手の位置が高くなり過ぎてしまう・・ということでした。
何故、バックスイングのトップの位置、トップでの両手の位置が高くなり過ぎるとダメなのかというと、トップの位置、もしくはトップでの両手の位置が高くなり過ぎると、ダウンスイングに入った際、どうしてもクラブヘッドが飛球線の外側から下りてきやすくなるためです。
すると、ヘッドの軌道はアウトサイド・インになります。
このようなヘッドの軌道だと、引っ掛け(=左に真っすぐ飛んでゆくショット)が出るか、または、フェースがこの軌道に対して少しでも開いているとスライスが出やすくなります。
ですので、トップの位置が高すぎるような場合は、「右脇を締めろ」という風にアドバイスされることがあるかも知れません。
2)オーバースイングになってしまう
2つ目の理由が、右脇が開きすぎてしまうとオーバースイングになってしまうことがあるため、です。
その場合、右脇が開きすぎてオーバースイングになっている場合も「右脇を締めろ」とアドバイスされることがあるかも知れません。
オーバースイングといっても、全部直した方がいいというわけではなく、プロでもオーバースイングと言われる人もいますが、オーバースイングの方が合っている人もいます。
ただ、中には直した方がいいタイプのオーバースイングもあります。
例えば、体重移動が伴っていないオーバースイングの場合は直した方がいいのですが、右脇が開きすぎてしまっている場合も、場合によっては直す必要があるかも知れません。
右脇が開きすぎてオーバースイングになっている理由もいくつかあるのですが、その理由の1つは、体の回転が止まっているのに、腕や手をさらに振り上げようとしていること・・になります。
これは飛ばしたいという思いがそうさせることもありますし、または、癖でそうなっていることもあるかも知れません。
いずれにしても、体の回転が止まっているのに、腕や手をさらに振り上げようとすると、右脇が開きすぎてしまうことがあります。
これをやってしまうと、体と腕の動きがバラバラになってしまい、大きく振っているのに飛ばない・・という状態になりやすいです。
この場合も「右脇を締めろ」という風にアドバイスされることがあるかも知れません。
こんな風にして、体の回転が止まっているのに手や腕をさらに振ろうとすると、もしくは、手や腕の動きに対して体の回転が伴っていないと手打ちになることがあります。
手打ちについては、ゴルフスイングと手打ちについて。原因と直し方のポイントとは?にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
3)シャフトがクロスしてしまう
シャフトがクロスするなんて言われたりしますが、これはトップでのシャフトの向きを言っていて、トップでシャフトが右を向いている場合は、クロスしているということになります。
下の写真はシャフトがクロスしている例です。シャフトが右を差しているのがわかります。(ただし、このモデルの子の場合は体が柔らかいこともあって、大きなスイングになっているので、必ずしも悪いこととは限りません)
トップの位置では、このシャフトが飛球線と平行になることが1つの目安になります。その位置だと、ダウンスイングでヘッドの軌道がインサイド・インになりやすくなります。
この位置よりもシャフトが右を向いている場合は、先ほどご紹介したクロスしている・・ということになります。シャフトがクロスしてしまうと、一般的にはダウンスイングでのクラブヘッドの軌道がインサイド・アウトになりやすいと言われています。
シャフトがトップでクロスしているといっても、より大きく回転した結果クロスするのは何も問題ありません。(体が柔らかい人の場合は、そうなりやすい傾向にありますが、それは問題ありません)
ただ、問題は先ほどのオーバースイングと一緒で、体の回転が止まっているのに腕や手を振り上げて、もしくは左肘を曲げて、さらにクラブを大きく振り上げようとすることで、そうなるとシャフトはクロスしやすくなります。
この場合は、このシャフトがクロスしていることが色々なミスにつながりますので、修正が必要ですし、その過程で「右脇を締めろ」と言われることがあるかも知れません。
* * *
さて、ここまで、何故「右脇を締めろ」と言われるのか?ということについて見てきました。
もっとも、これはレッスンプロなどによっては違う意味で使う人もいると思いますが、ただ、何らかの問題を修正するために、右脇を締めろという風に言われることがあります。
じゃあ、そういった問題がない場合はどうなのかというと、右脇は意識して締める必要はないと思います。
右脇というのはむしろ、バックスイング中に適度に開いてゆくのが自然な形だと思います。
ただし、先ほども書かせていただいたように開きすぎてはダメです。
ただ、右脇は適度に開いているのが自然な形になります。
バックスイング中の右脇について
バックスイング中の右脇ですが、どの位置から開いてゆくのでしょうか?
右脇は、バックスイングをスタートしてすぐに開いてはダメですし、開くのが遅すぎてもダメなのですが、基本的な考え方としては、バックスイングでシャフトが地面と平行になる位置、もしくは両手が右腰の高さに来る位置から、右脇は少しづつ開いてゆく形になります。
下の写真はシャフトが地面と平行の位置を少し過ぎたところですが、この辺から右脇は開いてゆく形になります。
例えば、タオルを右脇に挟んでスローモーションでスイングしてみると、おおよそ上記の位置で右脇に挟んだタオルがするっと落ちるような形になると思います。
この右脇が開いてゆくタイミングですが、多少前後しても構いません。ただ、例えば、スイングをスタートした直後にタオルが地面に落ちるような場合は右脇が早く開きすぎている可能性があります。
また、この右脇に挟んだタオルがトップまで落ちなかった場合は、右脇を締めすぎていることになります。
もし、タオルが先ほどのタイミングよりも早く落ちた場合は、トップの位置が高くなりやすく、その場合はスライスや引っ掛けが出やすくなると思います。
もし、タオルがトップまで落ちなかった場合は、トップの位置が低くなりやすく、フックボールやプッシュアウトが多くなるかも知れません。
トップでの右脇について
バックスイングのトップの位置では、右脇が多少開くのが自然な形になります。
下のモデルの右脇は適度に開いている状態になります。
拡大するとこんな感じです。上腕(肩から肘までの部分)が地面と90度とまではいきませんが、その程度まで上がっていて、右脇も適度に開いています。
もし、これよりも右脇が大きく開いている場合は、右肘が体から離れ過ぎている「フライングエルボー」と呼ばれる形になりやすくなります。
フライングエルボーも多少であればOKですし、特にフェードボールを持ち球にしている人の場合は多少フライングエルボーの形でも問題ありません。
ただ、スライスを直したい人の場合は、フライングエルボーではない方がいいと思います。
フライングエルボーになると、どうしてもダウンスイングでヘッドが飛球線よりも外側から下りてきやすく、それがスライスの原因になりますので。
ですので、その場合は、先ほどの写真の形よりも右脇を開けないにする必要があるかも知れません。
反対に右脇が締まり過ぎている場合は、トップの位置が低くなり過ぎる傾向があります。
トップの位置が低くなり過ぎると、今度は反対にヘッドがインサイドから入り過ぎてしまって、プッシュアウトやフックボールの原因になります。
また、右脇があまりにも締まり過ぎていると、それがパワー不足の原因にもなりますので、その場合も右脇を締めすぎないようにする必要があるかも知れません。
その場合は先ほどの写真のように適度に右脇を開けてあげる必要があると思います。
また、先ほどの写真が1つの基準にはなりますが、スライスや引っ掛けが多い人はそれよりも若干右脇を締めるような形でもいいかも知れませんし、フックボールやプッシュアウトが多い人は若干開けてみるのも1つの考え方かなと思います。
右脇が開きすぎる、締まり過ぎる根本的な原因
さて、ここまでスイング中の右脇の開け方、締め方について見てきました。
スイング中に右脇が開き過ぎたり、締まり過ぎたりする理由も色々あるのですが、その根本的な原因として考えられることの1つがグリップです。
具体的には、自分にとってウィークグリップで握っていると、右脇は開きすぎてしまう傾向があります。(トップの位置が高くなる傾向があります)
反対にフックグリップの度合いが強いと、右脇が締まり過ぎてしまう傾向があります。(トップの位置が低くなる傾向があります)
これはどちらも「自分にとって」・・という意味になります。自分にとってウィークグリップというのは、他の人にとってはスクエアグリップかも知れません。
ゴルフスイング中に問題がある場合、その原因の殆どは構え方にあります。
勿論、振り方そのものにも問題があることもありますし、当サイトでもゴルフスイング編にて振り方についても色々と解説させていただいています。
ただ、割合としては、振り方に問題があるのはせいぜい2割から3割程度。残りの8割から7割は構え方にあることが多いです。
右脇が開きすぎてしまう場合は、右脇が開きすぎる構え方をしていることが多く、反対に右脇が締まり過ぎてしまう場合は、右脇が締まり過ぎる構え方をしていることが多いです。
グリップはその根本的な原因の一つだと思います。
ですので、右脇が開きすぎていると思った方は、フックグリップにしてみることで問題が自然と改善することもあると思います。
反対に右脇が締まり過ぎていると思った方は、フックグリップの度合いが強くなり過ぎていないかチェックしてみてもいいかも知れません。
ただ、いずれにしても、
ウィークグリップ → 右脇が開きやすい
フックグリップ → 右脇が締まりやすい
といったことが言えると思います。
グリップについてはゴルフ基礎編のグリップの握り方のコーナーにて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照下さい。
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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。