【徹底解説】スクエアグリップ(ニュートラルグリップ)の握り方。写真付きで詳しく解説します
スクエアグリップとは?
インパクトで最もフェースがスクエア(ボールとターゲットを結んだ線と直角)になりやすいグリップのこと。
または、(右利きの場合)アドレスした時に、左手の甲が地面と垂直になる握り方と定義されることもある。
スクエアグリップは、ゴルフでは最も基本的なグリップの握り方と言われています。
今回は具体的なスクエアグリップの握り方とそのポイントについて、また、もし、このグリップでもスイング中にフェースが開いてしまう(スライスが出る)場合はどうしたらいいか?ということについてもご紹介したいと思います。
目次
スクエアグリップの基準は実はいくつもある。どれが本当?
さて、スクエアグリップの握り方を見てゆく前に、まず、スクエアグリップとは何か?ということですが、冒頭で、スクエアグリップとは、
インパクトで最もフェースがスクエア(ボールとターゲットを結んだ線と直角)になりやすいグリップのこと。
または、(右利きの場合)アドレスした時に、左手の甲が地面と垂直になる握り方と定義されることもある。
と書かせていただきました。
ただ、世界大百科事典では、こう記載されています。
スクエアグリップは右手の親指と人差指でつくられるV字形が右肩と右耳の間を指すものをいう。
出典:株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
また、レッスンプロ、専門家によっては、スクエアグリップとは、左手のこぶしの山が2個見えるグリップのことだと言う人もいれば、いや、左手のこぶしの山が2個半見えるのがスクエアグリップだと指摘する専門家もいます。
つまり、スクエアグリップといっても、実は「これがスクエアグリップです」という一つの基準がないということになります。
じゃあ、どれが本当のスクエアグリップなの?
・・と言うことになると思いますが、スクエアグリップとは、最もストレートショットが打ちやすいグリップという意味で使われることが多いと思います。
そこで、当サイトでは、「インパクトで最もフェースがスクエア(ボールとターゲットを結んだ線と直角)になりやすい」と考えられているグリップのことをスクエアグリップと定義したいと思います。
それは具体的には、こんなグリップの握り方になります。
①左手のこぶしの山が2個半見える
② 左手の人差し指と親指でできるV字が右耳を指す
③右手の人差し指と親指でできるV字が右耳かそれよりも少し右を指す
実はこれは、全盛期の頃のタイガー・ウッズのグリップになります。
タイガー・ウッズの場合は、ジュニアの頃は、飛距離を出すためにフックグリップで握っていました。
その後、成長してパワーもついてきたところで、タイガーは、上記のようなグリップの握り方に変えています。
彼はこのグリップを一番ニュートラルな握り方で、多くの人にとってベストな位置、握り方であると自身の著書の中で語っています。
タイガー・ウッズ 私のゴルフ論(英語版は「How I Play Golf Tiger Woods」で発売されています)
また、この握り方を(最もストレートショットが打ちやすいグリップとして)すすめている専門家、レッスンプロもアメリカには多くいて、世界的に見ても、最も一般的なグリップの握り方(基準)になっています。
そのため、当サイトでは上記の握り方を「スクエアグリップ」と定義したいと思います。
スクウェアグリップの握り方
さて、面倒なお話はこの辺にして、ここからはスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)の握り方についてご紹介してゆきたいと思います。
1)左手の握り方
まずは左手から握っていきます。
①左手のこぶしの山が2個半見える
先ほども書かせていただいた通り、スクエアグリップの一つ目の基準が①左手のこぶしの山が2個半見える・・という点になります。
ボールを前にしてクラブを握って構えます。
左手だけではなくて、右手も握ってから、左手を見てみます。
その時に左手のこぶしの山が2個半見えたら、スクエアグリップ(ニュートラルグリップ)です。
写真はこぶしの山をわかりやすく写すために手を上げて撮影していますが、実際には、構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という時に、左手を見て、こぶしの山を確認してみてください。
先ほども書かせていただきましたが、この基準というのも万国共通ではありません。
レッスンプロによっても、「いや、左手のこぶしの山は2個がスクエアだ」と言う方もいるし、「3個見えた方がいい」と言う方もいます。
ただ、もっとも一般的な考え方がこの「左手のこぶしの山が2個半見える程度」・・・ということで、当サイトでもこの形をスクエアグリップと呼びたいと思います。
② 左手の人差し指と親指でできるV字が右耳を指す
さて、スクエアグリップのもう1つの目安、基準が、② 左手の人差し指と親指でできるV字が右耳を指す・・ということでした。
このV字が右耳の辺りを指していることが2つ目のスクエアグリップの基準になります。
このV字があごを指しているとウィークグリップ、右肩を指しているとフックグリップ(ストロンググリップ)になっている可能性があります。
2)右手の握り方
さて、次は右手の握り方です。
基本的な考え方としては、両手の平が平行になるような意識で右手を握るということになります。
それについては両手の平は平行にでもご紹介しておりますので、よかったらそちらも参考にしていただければ幸いです。
③右手の人差し指と親指でできるV字が右耳かそれよりも少し右を指す
さて、スクエアグリップの3つ目の基準が、右手の人差し指と親指でできるV字が右耳かそれよりも少し右を指す・・という点になります。
右手の人差し指と親指の間でできるV字(↓)
この右手の人差し指と親指の間でできるV字ですが、左手のそれと平行になるようにします。
ですから、この場合は右耳の辺り、もしくはそれよりも若干右を指していることになると思います。
これが3つ目のスクエアグリップの基準となります。
3)両手を合わせる際のコツ
さて、ここまでスクエアグリップの握り方について、左手と右手を別々で見てきました。
これは、スクエアグリップだけではなくて、フックグリップ(ストロンググリップ)で握る際も大事になってくるのですが、左手に右手を重ねる際に大事なポイントがあります。
その大事なポイントとは、左手の親指の上に右手の平の生命線が来るような形で握る・・ということになります。
そのように右手を左に合わせると、両手にフィット感が出ると思います。
この右手の平の生命線が左手の親指の上に来るように(↓)
もう少し大きな写真で見ると・・下の赤い線が左手の親指の上に来るように握ってゆきます(↓)
左手の親指の上に、右手の平の生命線が来るように握ってゆきます(わかりやすいように右手の親指はグリップから離しています)(↓)
このように握ると、両手がピッタリとフィットするように握れると思いますし、そうすることでスイング中にどちらかの手の位置が動くといったことが少なくなります。
ちなみに上記の写真は、テンフィンガーグリップで握っています。(テンフィンガーグリップの握り方。本当の利点と欠点とは?)
オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップの場合は、右手の小指の位置が変わってきます。
これらのグリップの握り方についてはゴルフ基礎編のグリップの握り方のコーナーでご紹介したいと思います。
先ほど、左手の親指の上と書きましたが、左手の親指の真上ではなく、それよりも若干、右側に右手の平の生命線が来た方が両手がピタリと重なる場合もありますので、その辺は自分なりに試行錯誤してみてもいいかも知れません。
また、ミスする際はスライス、または引っ掛けが多い方の場合は、左手の親指の真上ではなく、それよりもほんの少し(~10mm程度)右側に右手の平の生命線が来るようにしてみてもいいかも知れません。
その方が右手がストロング気味(フェースを閉じやすいということになります)で握れると思います。
4)両手の位置
グリップを握る際は握り方そのものも大事なのですが、アドレスでの両手の位置も大事になってきます。
これは他のグリップ、例えば、フックグリップで握る場合もそうなのですが、構えた時に、両手(グリップ)が左足太もも内側の前に来るようにします。
もし、この両手(グリップ)がズボンのジッパーの前にあったりすると、スイング中にフェースが開きやすくなります。
それでは本当の意味でのスクウェアグリップにはなりませんので、両手は必ず左足太もも内側の前に持ってくるようにしてください。
スクエアグリップでスライスが出る場合はどうしたらいい?
さて、ここまでスクエアグリップの握り方を見てきました。
少しまとめると、
①左手のこぶしの山が2個半見える
② 左手の人差し指と親指でできるV字が右耳を指す
③右手の人差し指と親指でできるV字が右耳かそれよりも少し右を指す
といった3つがスクエアグリップの基準になります。
一般的には、このグリップの形が、最もボールが真っすぐに飛びやすいと考えられています。
ただ、最もボールが真っすぐに飛びやすいと考えられてはいるのですが、実は、このグリップにしたけどスライスが出る・・という方も大勢います。
ゴルファーの大半はスライサーであると言われていて、中にはゴルファーの9割は スライサーであると指摘する専門家もいます。
プロの世界では、このグリップは最も一般的で、プロにとっては最もニュートラルでベストな握り方であることが多いかも知れません。
ただ、アマチュアゴルファーの殆どがスライサーであることを考えると、このスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)というのは、多くのアマチュアにとっては、最も真っすぐにボールが飛びやすいグリップではない可能性が高いように僕は思っていて、それはこれまで他の記事でも度々そう書かせていただいてきました。
そういう意味では、このスクエアグリップでスライスが出てしまう人がいても不思議ではないかも知れません。
さて、もし、スクエアグリップでスライスが頻繁に出てしまう場合ですが、
1)フックグリップに変えてみる
2)両手(グリップ)の位置を確認する
3)ハンドファーストで構えているか確認する
4)ハンドアップになっていないか確認する
といったことをしてみてもいいかも知れません。
少し詳しくご説明したいと思います。
1)フックグリップに変えてみる
多くの方がスライスを打ってしまっているのが現状であれば、一般的に言われてきたスクエアグリップというものが、(多くのアマチュアにとっては)スクエアなインパクトに導いてくれるグリップとは・・限らないかも知れません。
僕は、アマチュアの方にはスクエアグリップよりもフックグリップ(ストロンググリップ)を基本的にはおすすめしています。
フックグリップで握ることで、スライスが改善したり、飛距離が飛躍的に伸びる方も大勢います。
フックグリップというと、フックボールが出るグリップ・・と勘違いされることもあるかも知れませんが、ある方にとってはそうでも、ある方にとっても最もストレートショットが打てるグリップであることもあります。
その方にとっては、フックグリップはつまり、スクエアグリップなわけです。
フックグリップの握り方については、フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方にて詳しくご紹介していますので、よかったら、そちらを参照ください。
ただ、フックグリップに変えたことで、ゴルフが上達して、上級者のレベルになってから、ここでご紹介したようなスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)に戻す方もいます。
ですので、自分にとって何が一番いいグリップか、何が一番ニュートラルなグリップか・・ということは、その時々の自分のレベルによっても変わってくる可能性もあります。
ただいずれにしても、もし、ここでご紹介したスクエアグリップでスライスが出るようであれば、一度、フックグリップを試してみる価値はあると思います。
2)両手(グリップ)の位置を確認する
さて、スクエアグリップでスライスが出る場合、フックグリップに変える前にできることもいくつかありまして、その1つ目が、両手(グリップ)の位置を確認する・・ということになります。
構えた際の両手、グリップの位置ですが、もし、ズボンのジッパーの前に来ていたら、それがスライスの原因かも知れません。
その場合は、両手の位置は左足太もも内側の前に来るようにしてみてください。
その位置に両手を持っていってから、グリップを握るようにします。
アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまで
3)ハンドファーストで構えているか確認する
上記のように左足太ももの内側の前に両手が来るようにグリップした後に、ボールの位置も確認してみます。
もし、上記の位置よりも左にボールを置いている場合は、それがスライスの原因かも知れません。
上記の記事に記載してある位置にボールを置いて、両手を左足太もも内側の前に持ってくると、ドライバーを除いて、ほぼ、若干ハンドファーストで構える形になると思います。
ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
ハンドファーストで構えると、スイング中、またはインパクトでフェースが開きにくくなります。
詳しくはハンドファーストとは。何故ハンドファーストで構えるのか?で紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
4)ハンドアップになっていないか確認する
アドレスで構えた際、ハンドアップになっていることで、フェースがスイング中に開いてしまうことがあります。
ハンドアップとは、アドレスで構えた際、両手が自分にとって最適な位置よりも高い位置に来ている状態のこと。構えた際にクラブのヒール側が地面から浮いていることが多い。
その場合は、両手の位置を下げてから、グリップを握るようにしてみると、スライスが改善することがあります。
詳しくはハンドダウン、ハンドアップとは?メリット・デメリット、インパクトへの影響もでご紹介しています。
ということで、今回はスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)の握り方やそのポイント、そして、もし、スクエアグリップでスライスが出た時にどうしたらいいか?ということについて見てきました。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。