【徹底解説】インターロッキンググリップの握り方。メリットとデメリットも
こんにちは。ゴルフ総研の森です。
ゴルフのグリップの握り方には主に、
1)オーバーラッピンググリップ
2)インターロッキンググリップ
3)テンフィンガーグリップ
の3つがありますが、今回は、インターロッキンググリップの握り方についてです。
グリップの握り方としては、オーバーラッピンググリップが最もポピュラーな握り方にはなりますが、インターロッキンググリップで握っている方もそれなりにいらっしゃいます。
これは、ゴルフ情報サイト Golfistaが全国の30代から40代のゴルファー100人を対象に行った調査結果になります。(Golfistaさんの調査結果をもとに表を作成しています)
参考:【100名徹底調査】あなたはどの握り方(グリップ)ですか? Golfista
※この数値はまた調査方法や調査場所によっても変わってくるかと思います
これを見ると、オーバーラッピンググリップほどの人気はないわけですが、ただ、プロの中でも、このグリップで握っている人もそれなりにいます。
世界ナンバーワンと言われたタイガー・ウッズやゴルフの帝王、ジャック・ニクラウスもインターロッキンググリップでした。
今回はそんなインターロッキンググリップの握り方について、ステップ・バイ・ステップでご紹介してゆきたいと思います。
また、このグリップの利点や欠点、右手の小指の痛みについてや、どんなゴルファーに向いているか?ということについても記事の最後でご紹介したいと思います。
それでは早速見てゆきたいと思います。
目次
インターロッキンググリップの握り方
インターロッキンググリップの完成形(↓)これから、握り方をステップ・バイ・ステップで見てゆきたいと思います。
基本的には、他のグリップ、オーバーラッピンググリップ、テンフィンガーグリップと似ているのですが、左手の人差し指と右手の小指の握り方が違ってきます。
1)左手でまず握る
まずは左手から握ってゆきます。
左手を握った時に左手のこぶしの山が2個半見えるように握ってゆきます(スクエアグリップの場合)。
写真はこぶしの山をわかりやすく写すために手を上げて撮影していますが、実際は構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という時に、左手を見て、こぶしの山を確認してみてください。
スライスがよく出てしまう方、またはドローボールを打ちたい方は、左手のこぶしの山が3個、または、3個半見えるようにしてみてください。
このように握ると、フックグリップ(ストロンググリップ)になり、スイング中にフェースが開きにくくなります。
左手の人差し指と親指でできるV字
左手を握る際、大事になってくるもう1つのポイントですが、左手の人差し指と親指でできるV字に注目してみます。
このV字が右耳の辺りを指すようにします。(スクエアグリップの握り方参照)
このV字があごを指しているとウィークグリップになります。
V字があごを指すウィークグリップだと、スイング中にクラブフェースが開きやすくなりますので、その場合は、このV字が右耳の辺りを指すように、左手を一度グリップから離して、右に回転させてから、握り直します。
また、左手のこぶしの山が3つ見えるようにする場合は、左手の人差し指と親指の間でできるV字が右肩の辺りを指すようにします。
グリップエンドから1.5cmから2cm空ける
オーバーラッピンググリップの握り方でも書かせていただきましたが、左手のグリップを握る際、下の写真のように左手の小指からグリップエンド(グリップの一番先端の部分)まで、少しスペースを空けるようにします。
具体的には、1.5センチから2センチ程度、スペースを空けるようにします。
これをもし、グリップエンドギリギリまで握ってしまうと、スイング中に左手のグリップがぐらついてしまって、スイングそのものが不安定になることがありますので、そうならないようにします。
ただし、プロの中には、いつも以上に飛距離を出したい時に限って、左手をグリップエンドギリギリまで握る人もいますが、それは少々上級者向けの方法かも知れません。
左手の親指の形。ロングサムとは?
左手の親指ですが、下の写真のように伸ばす形をロングサムと言います。
他に親指を上の写真のようには伸ばさないショートサムという握り方もありますが、当サイトでは(力が入りやすいという理由から)ロングサムの形をおすすめしています。
ロングサムとショートサム、それぞれの利点と欠点については、下記でご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
【必見】ロングサムとショートサムのメリット・デメリット。左手の親指の位置について
これで左手のグリップは完成です。
2)右手で握る
左手を握ったら、今度は右手で握ってゆきます。
右手の小指の重ね方
インターロッキンググリップの場合、左手の人差し指と右手の小指を組み合わせて(インターロックさせて)ゆきます。
まず、左手の人差し指を下の写真のようにグリップから浮かせます。
次にその浮かせた左手の人差し指と中指の間に、右手の小指を入れます。
こんな感じで、からめるようにして、組み合わせてゆきます。
この下の写真のように右手の小指を左手の人差し指にからめてゆきます。
少し角度を変えます。こんな形です。
オーバーラッピンググリップもそうかも知れませんが、この握り方も最初は違和感があるかと思います。
ただ、何度もこの形で握る練習をしていると、徐々に慣れてくると思います。
最初のうちはテレビを見ながら、グリップを握る練習をしてみたりするのもおすすめです。
トッププロでもそんな風にして、テレビを見ながらグリップを握る練習をする人もいます。
左手の人差し指と右手の小指を組み合わせたら(インターロックさせたら)、次に下の写真のように右手の薬指が左手の人差し指にピッタリとくっつくような形にします。
右手の薬指と左手の人差し指(の側面同士)がピッタリとくっつくように、隙間があかないように握ってゆきます。
右手の平の生命線が左手の親指の上に来るように
左手に右手を合わせてゆく際のポイントですが、左手の親指の上に右手の平の生命線が来るような形で握ると、両手がぴったりと重なりやすいです。
この右手の平の生命線が左手の親指の上に来るように(↓)
もうちょっと大きな写真で。
下の赤い線が左手の親指の上に来るように(↓)
左手の親指の上に、右手の平の生命線が来るように握ってゆきます(わかりやすくするために右手の親指はグリップから離しています)(↓)
ここがずれてしまうと、スイング中に両手の位置が動いたりして、スイングそのものもブレてしまうことがありますので、注意してみてください。
先ほど、左手の親指の上と書きましたが、左手の親指の真上ではなく、それよりもほんの少し右側に右手の平の生命線が来た方が両手がぴったりと重なる場合もありますので、その辺は試行錯誤してみてもいいかも知れません。
また、スライス系のショットが多い方の場合は、左手の親指の真上ではなく、それよりもほんの少し右側に右手の平の生命線が来るようにしてみてもいいかも知れません。
その方が右手がストロング気味(フェースを閉じやすいということになります)で握れることがあります。
右手の他の指も下の写真のように握ってゆきます。
右手の人差し指は銃の引き金を引くように
右手の人差し指ですが、下の写真のように、銃の引き金を引くような形にします。
裏側から見るとこんな感じです。右手の人差し指が銃の引き金を引くような形になっています。
何故、この形にした方がいいのか、また、他のアングルからの写真などは、右手のグリップと右手人差し指の握り方。トリガーとは?にてご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
右手の人差し指と親指の間でできるV字
もう一つ、これは右手で握ってゆく際に、とても大事なポイントになりますが、下の写真の右手の人差し指と親指の間でできるV字が、左手のそれと平行になるようにします。
右手の人差し指と親指の間でできるV字:
このV字が、右耳の辺り、もしくはそれよりも若干右を指しているようにします。
左手のこぶしの山が3つ見えるようにグリップする場合は、この右手の人差し指と親指の間のV字が右肩の方、またはそれよりも若干右を指すように調整してみてください。
この右手のV字があごを指していたりすると、クラブフェースがスイング中に開きやすくなりますので、注意します。
完成!
これでインターロッキンググリップの完成です!お疲れ様でした。
違う角度から。
握り方のまとめ
オーバーラッピンググリップの握り方を少しまとめると、ポイントは:
1)左手のこぶしの山が2個半から3個見えるようにする
2)左手の親指と人差し指の間でできるV字が右耳か、右肩を指すように
3)左手の親指は伸ばして握る(ロングサムとショートサム参照)
4)右手の小指と左手の人差し指をからめるように握る
5) 左手の親指の上に、右手の平の生命線が重なるように握る
6)右手の人差し指は銃の引き金を引くように(右手のグリップと右手人差し指の握り方。トリガーとは?参照)
7)右手の人差し指と親指の間でできるV字が右耳かそれより若干右、または、右肩かそれより若干右を指すようにする
グリップの位置も重要です
それからこれは他のグリップの握り方であっても言えることなのですが、もう一つ、重要なポイントがあります。
それはグリップの「位置」になります。
グリップは勿論、握り方も大事なのですが、その位置というのもとても重要になってきます。
グリップ(両手)の位置ですが、アドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまででもご紹介した通り、両手が左足太もも内側の前に来るように握ります。
この位置で握ると、ドライバーを除くとほぼ、若干ハンドファーストで構える形になると思います。
すると、スイング中もフェースが開きにくくなります。
詳しくは、ハンドファーストとは?構え方とインパクト、ドライバーについてもにてご紹介していますのでよかったらそちらを参照ください。
インターロッキンググリップのメリット、デメリット、小指の痛みについても
さて、ここまでインターロッキンググリップの握り方についてご紹介してきました。
ここからは少し、このグリップの利点と欠点について、また、どんなゴルファーにおすすめか?ということについて見てみたいと思います。
ゴルフのグリップの握り方(ゴルフクラブの持ち方)【3つの種類】でも簡単にご紹介しましたが、このグリップのメリットとデメリットは:
メリット
1)両手の一体感が持てる
2)右手主導でスイングしやすい
3)手の小さい人でも握りやすい
少し詳しくご説明すると・・
1)両手に一体感が出やすい
インターロッキンググリップのインターロックとは、組み合わせるといった意味がありますが、このグリップでは左手の人差し指と右手の小指をからめるようにして組み合わせてゆきます。
オーバーラッピンググリップも両手に一体感が出やすいと言われていますが、オーバーラッピンググリップの場合は右手の小指を左手の上に重ねる形になります。
一方、インターロッキンググリップの場合は、左手と右手の指同士をからめる形になります。
そのため、このグリップの方がオーバーラッピンググリップより、両手の一体感が出ると感じる人もいます。
世界ナンバーワンと言われたタイガー・ウッズもこのグリップですが、タイガーは自身の著書の中で、まだ小さな子供だった頃に「自分のアイドルだったジャック・ニクラウスのグリップの真似をした」 と語っています。
また、タイガーはこのグリップについて、スイング中に両手が離れたりしない安心感のようなものがあるグリップであると語っています。
タイガー・ウッズ 私のゴルフ論
(英語版は「How I Play Golf Tiger Woods」で発売されています)
2)右手主導でスイングしやすい
インターロッキンググリップはまた、右手主導でスイングしやすいグリップだと感じる方も多いです。
そう感じる理由は様々で、例えば・・
このグリップの場合、左手の人差し指と右手の小指をからめるため、どちらの指もグリップからは浮いているような形になります。
ただ、右手の小指の方が下に来るため、(感覚としては)左手は人差し指を浮かせて4本の指で、右手は5本全部の指で握っているような感覚で、だから、右手主導でスイングしやすい。
そんな風に感じる方もいれば、例えば、このグリップは左手の人差し指と右手の小指をグリップから浮かせるような形になるわけですが、人差し指と小指を比べると、人差し指の方が力が強い。
左手はより力が強い人差し指をグリップから浮かせているのに対して、右手は小指を浮かせているだけなので、この握り方をすると右手の方が強く握れる・・と感じる人もいます。
色々な意見、感じ方があるとは思いますが、インターロッキンググリップはどちらかというと、右手主導、または、右手を生かしてスイングしやすいグリップであると感じる人が多いのかなと、思います。
3)手の小さい人でも握りやすい
インターロッキンググリップは、一般的に、手の小さい人に向いているグリップの握り方であると言われています。
オーバーラッピンググリップの場合は右手の小指を左手の上に重ねてゆくわけですが、手の小さい方ですと、うまく右手の小指を左手に重ねられないと感じることもあります。
一方、このインターロッキンググリップの場合はそういったことがなく、手の小さい人でもそういった違和感なく握ってゆけることが多いように思います。
デメリットについて、右手の小指の痛みについても
さて、デメリットですが、下記のようなポイントが挙げられると思います。
1)左手主導で打つ人には向かない
2)人によっては右手が強くなりすぎてしまう
3)右手の小指に痛みを感じる人も
1)左手主導で打つ人には向かない
インターロッキンググリップは先ほど挙げた理由から、右手主導で打ってゆきやすいグリップです。
そのため、これまで左手、左腕主導で打っていた人にとっては、違和感のあるグリップ、または、左手を十分に生かせないと感じてしまうグリップかも知れません。
2)人によっては右手が強くなりすぎてしまう
インターロッキンググリップは右手を生かしやすいグリップですが、場合によっては、右手が効きすぎてしまって、フックボールが出るようになったりするケースもあるかも知れません。
ただ、逆に言うと、例えば、オーバーラッピンググリップで握っていて、スライスが出てしまっている方や、右手を生かせていないと感じている人にとっては、試してみる価値のあるグリップかも知れません。
3)右手の小指に痛みを感じる人も
インターロッキンググリップは、下の写真のような感じで左手の人差し指と右手の小指をからめてゆく形になります。
このような形で握って、スイングをしていると、右手の小指が痛くなる・・という人もいます。
このように指同士をからめるからこそ、両手に一体感が出たり、どちらかの手がスイング中に動いたりするのを防ぐことができるわけですが、スイング中はその2本の指にそれなりの力、負荷がかかります。
そのため、慣れないうちは、特に右手の小指に痛みを感じる人も多いです。
また、特にスイングの軌道がアウトサイドインになっている方で、ヘッドがインパクトで鋭角に下りてきている場合、打っているうちに、手首もそうなのですが、このからめている2本の指に負荷がかかりすぎてしまうケースもあります。
この場合ですが、例えば、まだ慣れていないことが原因の場合は、慣れるまでは打つボールの数を減らしてみるのも一つの方法かも知れません。
慣れてくると、痛みがなくなってゆくことも多いです。
また、スイング、ヘッドの軌道が原因で手や指に負荷がかかっているような場合は、スイングの軌道を修正してゆく必要があるかと思います。
ボールを上から打つ形ではなく、横から払い打つ形にすると、インパクトで手や指にかかる負荷も少なくなりますので、それに伴って痛みが消えてゆくこともあります。
このグリップが向いている人は?どんな人におすすめか?
最後に、このグリップはどんな人に向いているか?どんな人におすすめか?ということについて少し書いてみたいと思います。
インターロッキンググリップは、基本的には、どなたにもおすすめできるグリップだと思います。
ただ、あえて、どんなゴルファーに向いているか?おすすめか?ということについて考えてみると、
1)右手(右腕)を生かしたい人
2)手の小さい人
3)オーバーラッピンググリップでスライスが出る人
にはおすすめのグリップの握り方かなと、思います。
オーバーラッピンググリップで握ってみたけど、なんかしっくりこない、右手が生かせない、スライスが出る・・という方は、インターロッキンググリップを試してみる価値はあるかも知れません。
また、そんな方にはテンフィンガーグリップもおすすめかなと思います。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
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