アイアン型ユーティリティのメリット・デメリット。打ち方のポイントも
前回、ユーティリティの選び方。種類についてもでは、ユーティリティの選び方についてご紹介させていただきました。
その中でも少し書かせていただきましたが、ユーティリティにも①ウッド型と②アイアン型のの2つのタイプがあります。
現代ではウッド型の方が人気で、プロの間でもウッド型を使う人が増えています。
ただ、アイアン型のユーティリティにもウッド型にはないメリットがあり、アイアン型を好んで使う人もいます。
今回は、②アイアン型のユーティリティについて、
- どんなメリットがあるか?
- どんなデメリットがあるか?
- どんな人におすすめか?
- 打ち方のポイント
といったことについてご紹介してゆきたいと思います。
また、ユーティリティについては以前に下記のような記事も書かせていただいていますので、よかったらそちらも参照下さい。
・ショートウッドとユーティリティのどっちを選ぶ?
・フェアウェイウッド、ユーティリティとアイアンの弾道の高さの違い
それでは早速始めましょう!
目次
前回、ユーティリティの選び方。種類についてものおさらいになりますが、ユーティリティにも大きくわけて、①ウッド型と、②アイアン型があります。
この2つの違いについて簡単にご紹介すると・・
①ウッド型
○ウッド型のユーティリティ
打ちやすく、ボールが上がりやすい。
ウッド型ユーティリティは、名前の通りウッドのような形をしているユーティリティになります。
このウッド型の特徴は重心深度※がアイアン型に比べて深く、ボールが上がりやすい点になります。
※重心深度とは、ヘッドの重心からフェースまでの距離のこと。
また、ウッド型はアイアン型に比べると、スイートスポットも広い傾向があり、ミスにも強いクラブ、または打ちやすいクラブだと思います。
②アイアン型
○アイアン型のユーティリティ
構えやすく、操作性が高い。
一方、今回ご紹介するアイアン型は、構えた時にヘッドがアイアンのように見えるので安心感がある他、スイング中にフェース面を感じやすい、操作性が高いというのが特徴になります。
アイアン型の利点については次に詳しくご紹介しますが、こういった特徴から、ボールを左右に打ち分けたい方や、ユーティリティに操作性を求める人にはアイアン型が向いている可能性があります。
さて、①ウッド型、②アイアン型の違いについて簡単に見てきましたが、一般的に人気があるのはウッド型になります。
ただ、ウッド型のボールが上がりやすい、打ちやすいというのは確かに魅力的なのですが、ボールが上がりやすいということは、場合によっては、または使う人によっては、それだけショット(弾道)をコントロールしにくいということにもなります。
そういった人にとっては、アイアン型の方がむしろ打ちやすいと感じるかも知れません。
次にアイアン型ユーティリティのメリット、利点について見てゆきたいと思います。
アイアン型ユーティリティのメリットは主に下記のような点になります。
- ①構えやすい
- ②操作性がいい
- ③ボールをコントロールしやすい
- ④ロングアイアンよりも打ちやすい
- ⑤左へのミスを抑制する効果がある
①構えやすい
アイアン型ユーティリティは、その名前の通りアイアンに似た形状をしていて、ウッド型に比べるとヘッドの奥行がないのが特徴です。
(下の写真のように見た目がアイアンにとてもよく似ているモデルが多く、構えやすいと感じる人も多い)
そのため、アイアン型の場合は、ウッド型よりも違和感なく構えられる人が多いですし、アイアンのような感覚で構えられるというのは大きなメリットになると思います。
また、ウッド型に比べて、フェースをターゲットに合わせやすいと感じる人も多いです。これは、ウッドよりもアイアンの方がフェースをターゲットに合わせやすい理由と一緒かなと思います。
(下の写真はピンのアイアン型ユーティリティ。フェースをターゲットに合わせやすいのはアイアン型ユーティリティの大きな利点の1つ)
それから、これは以前にもご紹介しましたが、ユーティリティの場合、その特性から、ロフト角が21度から26度くらいがその力を一番発揮しやすいと言われています。
ということは大体、3番(4番)アイアンから6番アイアンをユーティリティに変えてゆく形になるのですが、アイアンの延長線上で構えやすいアイアン型はそういう意味でも、ウッド型よりは違和感なくセッティングに組み込んでゆけるかも知れません。
②操作性がいい
操作性という意味では、ウッド型よりもアイアン型の方が上になります。
この場合の操作性とは、フェースを開いたり、閉じたりしやすいかどうか・・ということになりますが、フェードボールやドローボールを打ち分ける方にとっては、フェースの開閉がしやすいアイアン型の方が使い勝手がいいと感じるかも知れません。
また、アイアン型の方がスイング中にフェース面を感じやすいのも大きなメリットかなと思います。
③ボールをコントロールしやすい
ウッド型は重心深度も深く、ボールが上がりやすいという利点があります。
それに比べると、アイアン型は重心深度が浅く、ボールはウッド型のように高く上がらない傾向があります。
ただ、ボールをコントロールするという意味では、ボールは高く上がるよりも低く抑えた方がコントロールしやすくなります。
例えば、ウッド型だとボールは上がりやすくても、「どこに飛んでゆくかわからない・・」という風に感じる人もいますが、そういう人の場合は、アイアン型の方が合っているかも知れません。
④ロングアイアンに比べて、打ちやすい
アイアン型は、ロングアイアンに比べるとヘッドに奥行があり、ソール幅も広めになります。
そうすることで、ロングアイアンよりも重心深度が深くなるのですが、アイアン型はロングアイアンに比べればミスに強く打ちやすいクラブになります。
これはメーカ―やその製品によっても違いますが、下の写真は同じメーカーのロングアイアン(左下)とアイアン型ユーティリティ(右下)になります。
アイアン型ユーティリティ(右下)の方がヘッドに奥行があり、ソール幅も広いのがわかります。
⑤左へのミスを抑制する効果がある
ユーティリティの選び方。種類についてもでもご紹介しましたが、アイアン型はウッド型に比べて重心距離が長くなる傾向があります。
重心距離が長くなると、ヘッドが返りにくくなりますので、フックや左へのミスを抑制する効果があります。
ただ、ヘッドが返りにくくなるということは、スライスがよく出る人にとってはデメリットになります。その場合は、アイアン型の中でグースネックのタイプを選ぶようにするとヘッドの返りがよくなります。
【グースネックのアイアンとは?】メリット・デメリット、ストレートネックとの違いも
一方、アイアン型ユーティリティのデメリットは下記のような点になります。
- ①ボールが上がりにくい
- ②ウッド型に比べると打ちにくい
- ③アイアンに比べると、操作性が落ちる
- ④アイアンに比べると、ボールをコントロールしにくい
①ボールが上がりにくい
アイアン型のデメリットの1つはボールが上がりにくいということになります。
先ほどのメリットがそのままデメリットにもなるのですが、ウッド型に比べてアイアン型は重心深度が浅く、ボールは上がり難くなります。
そのため、例えば、ヘッドスピードが遅い人の場合は、アイアン型よりもウッド型の方が扱いやすいと感じることが多いかも知れません。
②ウッド型に比べると打ちにくい
アイアン型はロングアイアンに比べればミスに強く打ちやすいクラブなのですが、ウッド型と比べた場合は、ウッド型ユーティリティの方が打ちやすいと感じる人の方が多いかも知れません。
特にロフト角が少ないクラブで打ち比べた場合、(先ほどのボールの上がりやすさも含めて)多くの人はウッド型の方が打ちやすいと感じるかも知れません。
③アイアンに比べると、操作性が落ちる
ロングアイアンに比べると、打ちやすくボールも上がりやすいアイアン型ユーティリティですが、クラブの操作性という面では、アイアンの方が上になります。
④アイアンに比べると、ボールをコントロールしにくい
コントロールという意味でも、例えば、5番アイアンと5番アイアンと同等のロフト角のアイアン型ユーティリティでは、5番アイアンの方がショットをコントロールしやすいと思います。
理由は先ほどと一緒でボールは低く抑えた方がコントロールしやすいためです。(これはそのモデルによっても違いますが、基本的には、同じロフト角であればアイアン型ユーティリティの方がボールは高く上がると思います)
ただ、多くの場合、5番アイアンよりは、5番アイアンと同等のロフト角のアイアン型ユーティリティの方が圧倒的に打ちやすい、扱いやすいと感じるかも知れません。
さて、アイアン型のメリット、デメリットについて見てきました。
アイアン型ユーティリティはどんな人におすすめか?
・・ということですが、基本的にはロングアイアンなどに比べれば、アイアン型はどなたにとっても扱いやすいクラブであると思います。
ですので、3番アイアンから6番アイアンの範囲で、打ちにくい、ボールが上がらないと感じている方はアイアン型ユーティリティを試してみる価値はあると思います。
ただ、ウッド型と比べてみると、ボールが上がりにくいので、ヘッドスピードが遅い人やショットの高さを求めている人の場合は、アイアン型よりもウッド型の方が合っているかも知れません。
簡単にまとめると、アイアン型はこんな人におすすめです。
- アイアンの代わりにユーティリティを使ってみたい人
- 平均かそれ以上のヘッドスピードのある人
- 中・上級者の人
- ウッド型よりも低めの弾道で打ちたい人
アイアン型ユーティリティの打ち方ですが、ロングアイアンの打ち方と基本的には同じ考え方で結構です。(ロングアイアンの打ち方についてはロングアイアンの打ち方のコツも参照下さい)
ボールの位置
まずボールの位置ですが、ミドルアイアン(5番、6番アイアン)相当のロフト角のものであれば、スタンス中央からボール1個分程度左に置きます。
ロングアイアン(3番、4番)相当のロフト角のものであれば、ミドルアイアンのボールの位置とドライバーのボールの位置の中間にボールを置きます。
【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいく
これを目安に、後は実際にショットを打ちながら、ボールの位置を例えば、ボール半個分づつ移動させながら、自分に合う位置を見つけていってもいいと思います。
ボールの位置ですが、個人差があったり、持ち球によっても最適な位置は変わってくると思います。
ただ、一般的には、ドローボールを持ち球にしている方は、ボールの位置を(上記、もしくは上記の範囲で)右寄りに、フェードボールを持ち球にしている方は、ボールの位置を左寄りにしてみるといいかも知れません。
スイングについて
アイアン型のユーティリティもロングアイアンと一緒で、横からボールを払い打つような形で打ってゆきます。
ただ、ミドルアイアン(5番、6番アイアン)相当のロフト角のものであれば、緩やかなダウンブロー※で打っても構いません。
※ダウンブロー・・・下の図のようにクラブヘッドが最下点に達する前でボールを打つということ。
一番やりたくないのが、極端な言い方をすると、上から叩きつけるようなスイングになります。
このスイングだと正面から見るとヘッドがV字を描くような形になり、インパクトが点になります。
そうなると、ちょっとヘッドが軌道が狂っただけでもトップしたり、ダフリやすくなります。
ですので、そうではなくて、横からボールを払い打つような意識にします。すると、ヘッドがU字を描くようになり、インパクトが点からエリアになります。
こうなると、多少ヘッドが手前から入ったとしても、しっかりとボールに当たってくれます。
また、アイアン型のユーティリティの場合、ボールが上がりにくいので、ウッド型に比べて、ボールを上げようとしてすくい打ちになってしまうミスも多いかも知れません。
ただ、ボールをすくい上げようとすると、かえって、トップしてしまったり、ボールが上がっても飛距離の出ない弱々しいショットになりやすいです。
ですので、あえて低く打ち出す意識、ボールを打った後もヘッドを低く出してゆく意識で打ってみるといいかも知れません。
その方が芯でとらえやすく、ナイスショットの確率も高くなると思います。
その他の打ち方のコツについてはロングアイアンの打ち方と一緒になりますので、よかたらロングアイアンの打ち方をご覧いただければ幸いです。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。