ゴルフスイングは体が硬いと不利?体が硬くても体が柔らかい人のように飛ばすには?
ゴルフスイングは、体が硬いと不利になる?
そんな風に思っている人もいらっしゃるかも知れませんが、確かに、ゴルフの場合は体が柔らかい方が有利だと言われることもあります。
飛ばし屋と言われる人を見ると体が柔らかく、その体の柔らかさを生かして大きなスイングをしていることが多いことに気づきます。
ただ、中には体が硬くても体が柔らかい人よりも飛ばす人もいます。
ですので、体が硬いから、体が柔らかい人よりも不利になるとは一概には言えないと思います。
今回はそんな体の硬さについて、体が硬い場合にできることについてご紹介してゆきたいと思います。
目次
体が硬いと思った時にできる2つのこと
体が硬い人と体が柔らかい人を比較すると、体が柔らかい方がバックスイングは大きくなる傾向があります。
そういう意味では、体が硬いことは不利になるかも知れません。
ただ、その場合は2つ、できることがあります。
1つは、柔軟性をアップさせること、ストレッチを日常的に行ってみるということです。
プロの中にもストレッチをトレーニングに取り入れている人もいます。あのタイガー・ウッズも体の柔軟性を重視したトレーニングを行っていました。
Source: File:Military Families share golf memories at Tiger Woods tournament 090702 by SecretName101
どんなストレッチをはじめたらいいか?ということですが、1つ、簡単にできるストレッチがありますので、少し後でご紹介したいと思います。
2つ目は、体の硬さを補う工夫をする、体が硬くても大きなスイングをするための工夫をしてみるということになります。
体が柔らかい方がバックスイングが大きくなりやすく、そういう意味では、体が硬いのはゴルフでは不利になるかも知れませんが、ただ、体が硬くてもバックスイングを大きくする方法があります。
今回はその具体的な方法について、ご紹介してゆきたいと思います。
その前に先ほどの簡単にできるストレッチの方法についてご紹介します。
70歳目前で270ヤード飛ばす人が実践しているストレッチ
これは70歳目前で270ヤード飛ばす人がやっていることでもご紹介しましたが、
青木功プロが実践していたという簡単なストレッチがあります。
そのストレッチの方法ですが、こんな感じです。
①壁に背を向けて真っ直ぐに立つ
②右にゆっくり体を回して、両手を壁につける
③今度は左にゆっくり体を回して、両手を壁につける
このストレッチ、70歳目前で270ヤード飛ばす人でご紹介した稲田さんは暇さえあれば実践しているそうです。
とても簡単なストレッチですが、どこでもできますのでおすすめです。
ストレッチをする際のポイントですが、勢いをつけないこと、ゆっくりと行うこと、やり過ぎないこと・・になります。
また、継続することも大切です。1週間に一度沢山やるよりは、毎晩寝る前などに少しだけやる方が圧倒的に効果があります。
体が硬くてもバックスイングを大きくする5つの方法
さて、体が硬くてもバックスイングを大きくする方法ですが、5つの方法、ポイントがあります。
- ①両足のつま先を開いて構える
- ②腰を積極的に回転させる
- ③スタンス幅を少し狭く
- ④クローズスタンスで構える
- ⑤ヒールアップする
1つづつ詳しく見てゆきたいと思います。
①両足のつま先を開いて構える
アドレスで構える際ですが、両足のつま先は少し外側に向けて構える形になります。
このつま先の開き具合が浅い人もいますが、そういった人の場合はつま先をもう少し外側に開いて構えていただくと、その分だけバックスイング、それからフォロースルーが大きくなります。
では具体的にどの程度つま先を外側に開いたらいいか?
ということですが、これは個人差があってもいいと思いますが、大体、両足のつま先を20~30度程度外側に向けて構えてみてください。
両足のつま先を外側に開きますが、右足のつま先を外側に開くとバックスイングが大きくなり、左足のつま先を外側に開くとフォロースルーが大きくなります。
ただ、開けば開くほど、スイングが大きくなるか・・というと、スイングは大きくなりますが、スイングし難くなったり、スイング中にバランスを崩しやすくなるので、やり過ぎはよくありません。
ですので、大体20~30度位を目安にしてみてください。
右足のつま先を開く・・ということについてですが、右足のつま先の向きについては、ボールと目標を結んだターゲットラインに対して、右足が直角になるように構える・・という考え方もあります。
図にするとこんな感じです。右足のつま先を外側に開かずに、ターゲットラインに対して直角になるように構えます。
これは「ホーガン・スタンス」と呼ばれるもので、ベン・ホーガン※がこのスタンスをとっていたことで知られています。
※ベン・ホーガン(1912年-1997年)・・・メジャー通算9勝、PGAツアーで64勝を挙げたアメリカ出身のゴルファー。
自身のゴルフ理論をまとめた著書「Five Lessons, Modern Fundamentals of Golf」(日本語訳版『モダン・ゴルフ』)は多くのゴルファーに影響を与えたと言われている。
ベン・ホーガンの名言集。歴代最強と言われたゴルファーが語った言葉
ホーガンは、自分のスイングが大きすぎると考えたために、このように構えていたのですが、逆に言うと、つま先を開いた方がスイングは大きくなります。
この「ホーガン・スタンス」はプロや体の柔らかい人などにはよい結果になることもありますが、体が硬い人には逆効果になることが多いです。
ですので、もし「ホーガン・スタンス」で構えていて、バックスイングが制限されていると感じる人は、右足のつま先を少し外側に開いて構えていただくといいかも知れません。
②腰を積極的に回転させる
ゴルフでは、肩を90度回して、腰は45度程度に抑えるのがいい・・・という風に言われます。
これはバックスイングでの体の回転のことを言っているわけですが、この肩と腰の回転差(捻転差)が飛距離になるという考え方もあります。
ただ、僕は、捻転差というのは意識して作るものというよりも、自然とできるものだと思っています。
普通に真っすぐに立って、両足の位置は変えずにその場で右にくるっと回ってみます。
すると、何も考えなくても肩の方が腰よりも回転していると思います。(捻転差が自然にできていると思います)
ゴルフスイングの場合も、意識して捻転差を作る必要はないと思います。
ただ、腰が回転しすぎているように見えるスイングもあるわけですが、これは腰が回転しすぎているというよりも、体が伸び上がってしまっていることが原因でそう見える・・ということが殆どだと思います。
少し前置きが長くなりましたが、体が硬い人の場合は、むしろ、腰を積極的に回転させていった方が結果的に肩の回転も大きくなり、スイングそのものが大きくなると思います。
(腰は積極的に回転させた方がスイングは大きくなります)
腰を回転させる際ですが、お尻の右のポケットを後ろに引くような意識にしてみてもいいかも知れません。
そのような意識だとうまく腰を回転させることができるという人もいます。
また、おへそを右に回転させる意識でもいいかも知れません。
先ほど、体の伸び上がりについて少し書かせていただきましたが、体が硬い人の中には飛距離を伸ばそうとして、結果的に伸び上がってしまっている人もいるかも知れません。
このように伸び上がってしまうと、むしろ、飛距離やヘッドスピードが落ちますので、注意してください。
また、飛ばしたいと思った時に伸び上がってしまうケースが多いので、飛ばしたい時こそ、腰を回転させる、またはおへそを右に回転させる意識でスイングするといいかも知れません。
③スタンス幅を少し狭く
体が硬い人の場合は、ワイドスタンス(広いスタンス)よりもナロースタンス(狭いスタンス)の方が合っているケースが多いと思います。
これは、ドライバーはスタンス幅が広い方がいいか?狭い方がいいか?でもご紹介しましたが、アマチュアを対象にしたある実験では、ドライバーのスタンス幅をいつもよりも5センチ狭くすると、ヘッドスピード、飛距離共にアップするという結果になっています。
いつものスタンス幅、いつもよりも5センチ広いスタンス幅、いつもよりも5センチ狭いスタンス幅でそれぞれドライバーを打った時のヘッドスピードと飛距離:
スタンス幅 | ヘッドスピード | 飛距離 |
いつも通り | ー | ー |
5センチ広く | 落ちる | 落ちる |
5センチ狭く | 上がる | 伸びる |
広めのスタンス、ワイドスタンスは、下半身が安定するというメリットがあるのですが、ワイドスタンスにすると、この実験のように、かえってスイングが小さくなって飛ばなくなるという人もいます。
その場合は、いつもよりもほんの少し(ドライバーで5センチ程度)狭いスタンスにしてみて、スイングが大きくなるかどうか、試してみてもいいかも知れません。
もっとも、回転しやすくなっても、バランスを崩しやすくなってはダメですが、体が硬い人の場合は狭いスタンスの方が合っていると感じる人が多いかも知れません。
④クローズスタンスで構える
バックスイングを大きくするためのもう1つの方法がクローズスタンスで構える・・という方法になります。
クローズスタンスとは、両足を結んだラインがスクエアスタンスよりも右を向く形の構え方になります。
スクエアスタンスの場合は、ボールと目標を結んだ飛球線に対して、両足を結んだラインが平行になります。
クローズスタンスの場合は、両足を結んだラインがそれよりも右を向く形になります。
このように構えると、バックスイングしやすくなるのと、ダウンスイングの際、インサイドからクラブ振ってゆくスペースができやすくなるので、ドロー系のショットになりやすく、飛距離が伸びるケースがあります。
普段からミスする時はスライスが多いという人の場合は特にこのクローズスタンスにすることで飛距離が伸びる可能性があります。
基本はスクエアスタンスなのですが、プロの中にもクローズスタンスで構える人もいますので、クローズスタンスで構えてみるのもスイングを大きくするための1つの方法かなと思います。
クローズスタンスの構え方ですが、いつものように(スクエアスタンスで)構えたら、右足を5センチから10センチ程度、後ろに引いて構えます。
この時、右肩もつられて後ろに引かないようにしてください。
後はいつも通りにスイングしていきます。
右足を後ろに引いているからといって、普段よりも意識してインサイドにクラブを引く必要はありません。ただ、自然とそうなる形になる場合はそれで構いません。(ただ、あくまでも意識してインサイドに引く必要はありません)
ダウンスイングでも、飛球線の内側からヘッドが入って、ボールに当たり、その後は、飛球線の内側にヘッドが抜けてゆく、インサイド・インのイメージで打ってゆきます。
ただ、右足を後ろに引いたことで、若干、インサイド・アウトになるかも知れませんが、それでも構いません。
ただ、それでもしプッシュアウトが出る場合は、先ほどのインサイド・インの意識でスイングしてみるといいかと思います。
クローズスタンスについてや、その構え方については下記の記事で詳しくご紹介しています。
【クローズスタンスとは?】構え方、メリット・デメリットについて
⑤ヒールアップする
体が硬くてもバックスイングを大きくする5つ目の方法がヒールアップする・・という方法になります。
左足を浮かすヒールアップとベタ足はどっちがいいか?【比較します】
プロの場合は、ベタ足でスイングする人も多いですが、飛距離よりもコントロールを重視するプロと違って、アマチュアの場合はベタ足だとスイングが小さくなって飛距離をロスしてしまうことが多いと思います。
ドラコンの大会などを見ると、ヒールアップする人が多いですが、ヒールアップした方がバックスイングは大きくなると思います。
ただ、「スイングは大きくなってもショットが安定しなくなるのでは?」と思われるかも知れませんが、飛距離が出るようになったことで余裕を持ってスイングできるようになり、結果的にショットが安定するという人も多いです。
ヒールアップをする方法ですが、バックスイングの際に左足のかかとを浮かせてゆきます。
どの程度左足かかとを浮かせるか・・ということにルールや基準のようなものはありませんが、最初は数センチから5センチ程度、左足かかとを地面から浮かせるようにしてみるといいと思います。
左足かかとを上げるタイミングも決まりはありませんが、何度かヒールアップしながら素振りをしてみると、自然と左足かかとが上がる自分なりのタイミングをつかめてくると思います。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。