60歳(50~70歳)からのゴルフスイングとゴルフクラブについて
前回、50歳、60歳からゴルフを始める 【シングルになる人もいます】の中でも少し触れましたが、今回は50歳や60歳、もしくは70歳からのゴルフスイングとゴルフクラブについて、
- ゴルフスイングは変えた方がいいか
- 飛距離を伸ばす方法
- スイングを大きくする方法
- ゴルフクラブは買い換えるべきか
- クラブの選び方のポイント
といった点について解説してゆきたいと思います。
ただ、最初に結論からお伝えすると、ゴルフスイングに関しては変えなくても問題はないと思います。
ただ、スイングに少し変更を加えることで飛距離を伸ばしたり、スイングを大きくしたりといったことができますので、この記事ではその具体的な方法についてご紹介してゆきます。
ゴルフクラブも無理に買い換える必要はないと思います。ただ、クラブを長年買い換えていない人であれば、買い換えてみるのもいいかも知れません。
クラブも年々進化していますし、クラブを買い換えたことで飛距離が大きく伸びたり、スコアが良くなるケースもありますので。
シニアになってからのクラブの選び方のポイントについては、記事の後半でご紹介したいと思います。
目次
年齢によってゴルフスイングを変えるべきか?
50歳や60歳、もしくは70歳になって、ゴルフスイングを変えた方がいいだろうか?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、冒頭でも書かせていただきましたが、例えば、60歳になったからといって無理にスイングを変える必要はないと思います。
ただ、今のスイングに少し変更を加えてみることで飛距離を伸ばしたり、スイングを大きくしたりといったこともできます。
ですので、少しだけ変更を加えてみるのはよいことかも知れません。次にその具体的な方法について見てゆきたいと思います。
ちなみに、これからご紹介することは全部やっていただく必要はありません。自分に合いそうだなと思ったものを試していただけたらと思います。
左足のかかとを上げる(ヒールアップする)
もし、これまでベタ足のスイングをしていた方であれば、バックスイングの際に左足のかかとを上げてみる(ヒールアップしてみる)のも1つの選択肢だと思います。
※ヒールアップについてご存じの方やヒールアップを既にしている方はここを読み飛ばして、次のクローズスタンスにするに進んでいただいて結構です
ヒールアップとは、バックスイングの際に左足のかかとを地面から浮かせる動作のことを言います。
ヒールアップは主に3つの利点があります。
①体重移動がしやすくなる
②体が回転しやすくなる
③スイングを大きくすることができる
①体重移動がしやすくなる
バックスイングの際に左足かかとを浮かせてゆくことで体重移動がしやすくなります。
②体が回転しやすくなる
左足かかとを浮かせることで体を回転させやすくなるというのもヒールアップの利点です。
③スイングを大きくすることができる
体が回転しやすくなることで、スイングも大きくなります。
その外にもスイングにリズムが出るといった効果もあります。
デメリットはスイングが不安定になることと言われたりしますが、僕はそうは思っていません。
というのも、特にアマチュアの場合は、ヒールアップをすることで飛距離が伸びる人が多いですが、飛距離が出るようになると精神的な余裕が出てきます。
するとスイングそのものにも余裕が出てきて、それが結果的にスイングの安定につながるためです。
ヒールアップのやり方ですが、バックスイングをスタートしてすぐ、もしくは、両手が右足の真上に来たあたりから、左足のかかとを上げてゆきます。
左足のかかとは上げるという意識よりも、自然と上がってくるようなイメージを持っていただくといいと思います。
ただ、最初は意識して左足かかとを浮かせるような形でバックスイングしてみてもいいかも知れません。
バックスイングのトップまで来たら、今度は浮かせた左足のかかとを元の位置に戻すようにして切り返してゆきます。
ちなみに、どの程度左足かかとを浮かせるか・・ということにルールや基準のようなものはありませんが、最初は数センチから5センチ程度、左足かかとを地面から浮かせるようにしてみるといいと思います。
ヒールアップについては左足を浮かすヒールアップとベタ足はどっちがいいか?【比較します】や間違ったヒールアップ、正しいヒールアップでも詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照下さい。
クローズスタンスにする
スタンスをスクエアスタンスからクローズスタンスに変えるのも一つの方法です。
ゴルフでは、ボールと目標を結んだ飛球線に対して、両足を結んだラインが平行になるように構えるスクエアスタンスが基本になります。
クローズスタンスは、このスクエアスタンスの状態から、右足を少し後ろに引いて構えます。
クローズスタンスですが、2つのメリットがあります。
①バックスイングで回転しやすくなる
②ダウンスイングでクラブをインサイドから振り下ろしやすくなる
例えば、体が硬くなったと感じている人の場合は、このクローズスタンスにすることでバックスイングで体を回転させやすくなると思います。
また、クローズスタンスにすることで、ダウンスイングでクラブをインサイドから振り下ろしやすくなります。
その結果、ドローボールが打ちやすくなったり、つかまったボールが打ちやすくなりますので、飛距離アップにもつながります。
クローズスタンスの構え方ですが、いつも通り構えたら、右足を5センチから10センチほど後ろに引きます。後はボールとの距離を調整します。
右足を後ろに引く時、右肩も一緒に後ろに引かないようにしてください。右肩までつられて後ろに引いてしまうと体全体が右を向くことになりますので注意してください。
スタンス幅をほんの少し狭く
スタンス幅を少し狭くしてみるのも一つの選択肢になります。
スタンス幅を狭くすることでどうなるかというと、体を回転させやすくなります。
ではどの程度狭くした方がいいか?ということですが、最初はほんの少し、数センチ程度狭くしてみるといいかも知れません。
その形で練習場で打ってみて、スイングやショットに何かよい影響があるかどうか、様子を見てみます。
もっとも、中にはスタンス幅はむしろ広い方が合っている人もいらっしゃるのですが、以前、アマチュアを対象に行った実験ではスタンス幅を狭くした方が飛距離が伸びるという結果になっています。
下記はドライバーの場合。いつも通りのスタンス幅、いつもより5センチ広く、いつもより5センチ狭くという3つでそれぞれ比較。
スタンス幅 | ヘッドスピード | 飛距離 |
いつも通り | ー | ー |
5センチ広く | 落ちる | 落ちる |
5センチ狭く | 上がる | 伸びる |
スタンス幅については下記の記事で詳しくご紹介していますので、よかったら参考になさってください。
ドローボールを習得する
もし、ミスする時はスライスが多いという人の場合は、ドローボールを習得する、もしくはドローボールを持ち球にしてみるのもよい方法です。
スライス系のショットを打っている人の場合、ドローボールが打てるようになることで、飛距離が数十ヤードも(!)伸びるケースがよくあります。
それだけスライスは飛ばないショットであり、ドローボールは反対に飛距離の出るショットになります。
腰への負担もドローボールの方がフェードボールよりも少ないので、腰痛に悩まされている人にもおすすめです。
ドローボールの具体的な打ち方やそのコツについては、スライスの直し方編・ドローボールの打ち方編にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
冒頭でも書かせていただきましたが、例えば、60歳になったからといって、クラブを無理に買い換える必要はないと思います。
ただ、もし、クラブを長年買い換えていない場合は、買い替えを検討してみるのもいいかも知れません。
クラブは年々進化していますし、クラブを買い換えたことで飛距離が大きく伸びたり、スコアが良くなるケースもありますので。
ここからは、シニアの方向けのクラブの選び方のポイントをいくつかご紹介したいと思います。
ドライバーの選び方
最初にドライバーを選ぶ際のポイントについて見てゆきたいと思います。シニアの方の場合、下記のようなポイントに注意していただくといいかと思います。
①ドライバーの形
ドライバーの形ですが、基本的には横に長く平べったい形をしたドライバーがおすすめです。
このタイプのドライバーは、打ち出し角が高くなりやすく、また、ボールがつかまりやすいというメリットがあります。
また、フェースの厚みですが、シャロ―フェースと呼ばれるタイプ(フェースの厚みがあまりないタイプ)の方がボールが上がりやすく、おすすめです。
②ロフト角
ロフト角はシニアの方であれば、11度以上がおすすめです。
ただし、ヘッドスピードが速い人(42m/s以上の人)は10度でもいいと思います。
③シャフトの長さと硬さ
シャフトは長ければ長いほどヘッドスピードが上がります。
ですので、飛距離不足を補いたいと思った場合は、今お使いのシャフトよりも1インチ程度長いシャフトのドライバーにしてみるのも一つの方法です。
ただし、シャフトを長くすることのデメリットもありますので、最初は試打をしてご自分に合うかどうか試してみるといいかも知れません。
シャフトの硬さですが、ヘッドスピードが43m/s未満の方であれば、Rシャフト、ヘッドスピードが43m/s以上ある方はSシャフトがおすすめです。
④ライ角
ドライバーの場合はライ角をあまり気にしない人も多いですが、アップライトな(ライ角が大きい)ドライバーの方がボールのつかまりはよくなります。
ですので、スライスがよく出る人やボールが思うようにつかまらない人は今よりもライ角の大きなドライバーを試していただくといいかも知れません。
⑤重さ
ボールにより大きなエネルギーを伝えるには、クラブ、ヘッドが重い方が有利です。
ただ、重すぎるとヘッドスピードが落ちてむしろ飛距離を失います。ですので、振り切れる範囲で少し重いかな・・位がちょうどよい重さだと言われています。
例えば、クラブが重く感じられるようになった場合は、少し軽めのクラブに買い替えるとヘッドスピードが上がることがあります。
ドライバーの選び方についてはよくわかる!ドライバーの選び方。5つのステップで選ぼうでも詳しくご紹介しています。
アイアンの選び方
アイアンを選ぶ際は下記の点に注意してみてください。
①ヘッドの形状
アイアンにもキャビティタイプやマッスルバック、中空アイアンなどがありますが、おすすめはキャビティタイプです。
キャビティアイアンとは、ヘッドの後ろが下の図のようにくり抜かれた形のアイアンのこと。 ミスに強いのが特徴。
もし、ボールをもっと楽に上げたい場合は、ポケットキャビティと呼ばれるタイプを選ぶことで、ボールが上がりやすくなります。
ポケットキャビティとは、下の写真のようにフェースの裏側がポケットのように加工してあるアイアンのこと。ボールが上がりやすく、ミスにも強いのが特徴です。
写真出典:GDOギア情報 「ダンロップ スリクソン Z565 アイアン」
②ソール幅
アイアンのソール幅ですが、ソール幅が広くなるほど、ボールが上がりやすく、ミスに強くなります。
ですので、もし、ボールが上がりにくくなったと感じている方の場合は、今お使いのアイアンよりも少しソール幅が広いものを試していただくといいかも知れません。
ただ、ソール幅は広ければ広いほどいいかというと、そうではなくて、ソール幅が広くなりすぎると、ボールが上がり過ぎたり、クラブの操作性が落ちてしまう場合もありますので、注意してみてください。
③ネックの形状
アイアンのネックの形状にもストレートネックとグースネックがありますが、スライスが出ることが多い人にはグースネックがおすすめです。グースネックの方がボールのつかまりがよくなります。
一方、ストレートネックは操作性がよく、ドローボールやフェードボールを打ち分けたい人にはおすすめです。
④シャフト
シャフトにはスチールシャフトとカーボンシャフトという2つの選択肢がありますが、シニアの方であれば、基本的にはカーボンシャフトがおすすめです。
ただ、ヘッドスピードが速い人、力が強い人であれば、軽量スチールもおすすめかなと思います。
⑤重量
これもドライバーと一緒で振り切れる範囲でちょっと重いかな位がよいと思います。
最近、アイアンが重いと感じるようになった・・という人であれば、少し軽めのアイアンに買い換えてみるのもいいかも知れません。
⑥ライ角
ライ角が自分に合っていないと、打てるはずのショットも打てなくなります。ライ角は、それだけ重要なポイントになります。
もし、何をやってもスライスが出る、つかまったボールが打てないという人は、今お使いのアイアンよりも少しアップライトな(ライ角が大きい)アイアンを試してみるのもよい方法だと思います。
ライ角については下記の記事にて詳しくご紹介しています。
アイアンの選び方についてはよくわかる!アイアンの選び方。自分に合うアイアンを選ぶ簡単な方法!でも詳しくご紹介していますのでもっと詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
さて、ここまで50歳や60歳、もしくは70歳からのゴルフスイングとゴルフクラブについて色々とご紹介してきました。
少しまとめると、ゴルフスイングに関しては変えなくても問題はないと思います。
ただし、スイングに少し変更を加えることで飛距離を伸ばしたり、スイングを大きくしたりといったことができますので、そういった変更を加えてみるのもいいと思います。
ゴルフクラブに関しても、無理に買い換える必要はないと思います。
ただ、クラブを長年買い換えていない人であれば、買い換えてみるのもいいかも知れません。クラブを買い換えることで飛距離が伸びたり、スコアがよくなる人もいらっしゃいますので。
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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。