振り遅れの2つの原因と直し方とは?
ゴルフボールは動かないのに「振り遅れ」が出てしまう原因は何でしょうか?
動いているボールを打つ野球やテニスなどではわかりやすいと思うのです。
例えば、野球ではタイミングの問題かも知れません。
しかし、ゴルフではタイミングが振り遅れの原因となっているケースよりも、他の何かが降り遅れの原因となっているケースが圧倒的に多いように思います。
今回はそんな振り遅れの原因とそれから直し方について、見てゆきたいと思います。
目次
振り遅れとは?
振り遅れといってもプロやレッスンプロによって何が振り遅れか・・というのは表現方法が変わってくるかも知れません。
ただ、多くの場合、インパクトで1)ヘッドが両手に対して遅れて入ってくること(インパクトで両手が前に出過ぎている)、2)フェースが開いた状態で下りてくること・・を振り遅れと表現することが多いように思います。
次で、何故ヘッドが遅れてしまうのか?ということについて詳しく見てゆきたいと思います。
何故、ヘッドが遅れてしまうのか?
でも何故、インパクトでヘッドが遅れてしまうのでしょうか(何故インパクトで両手が前に出過ぎてしまうのでしょうか)?
多少、両手の方が前(ターゲット方向)に出る、ハンドファーストの形でインパクトするのはむしろいいことで、プロは皆そうやってボールを打っているわけです。
ハンドファースト。ドライバーの場合は?インパクトと構え方でもご紹介しましたが、ドライバーであっても、プロは若干(本当にほんの少しですが)、ハンドファーストの形でボールを打っています。(ストレート系のショットの場合)
振り遅れは、ヘッドが遅れ過ぎてしまうことなので、だったら、インパクトでヘッドが両手を追い越すように振れば直るのでは・・と思ってしまうものですが、その形ですと、ボールは左に飛んでしまって、振り遅れは直らなかったりします。
インパクトでヘッドが先・・ではなくていいわけです。
ただ、ヘッドが遅れ過ぎてしまうこと、両手が前に出過ぎてしまうことがいけないわけです。
それが振り遅れになります。
さて、話が少しそれましたが、
何故、インパクトでヘッドが遅れ過ぎてしまうのか?両手が前に出過ぎてしまうのか?
・・ということですが、これはいくつか原因があります。それらは、
1)フェースが開いているため
2)インサイド・アウトで振り過ぎているため
といったことになります。
1)は主に普段からスライスを打っている方に多く、2)はその反対で普段ミスする時はフックボールを打っている方に多いです。
1つづつ、その原因や直し方について見てゆきたいと思います。
1)フェースが開いているため
インパクトでヘッドが遅れてしまう(両手が前に出過ぎてしまう)1つ目の理由がフェースが開いているから・・ということになります。
これは普段からミスをする時は主にスライスが多い・・という方に多いケースです。
何故、フェースが開くとヘッドが遅れてしまうか・・ということですが、ちょっとした実験をしてみたいと思います。
まず、ミドルアイアンなどを持って、いつも通り構えてみます。ボールも置いて、構えます。
次にバックスイングとダウンスイングを飛ばして、インパクトの形を作ってみます。
ここでは振り遅れた形を再現したいので、少し大げさに両手を前に出してみてください。
両手の位置が、左足太ももの外側に来るような形にします。
この形でインパクトしていると思って、インパクトの形を作ってみます。
このようにしてみると、フェースは恐らく大きく開いていると思います。(右を向いていると思います)
この形でボールを打ったとしたら、確実に振り遅れてしまうと思います。
さて、その形のまま・・
今度は、その開いたフェースをスクエアにしてみてください。(目標に向けてみてください)
開いているフェースを閉じます。
するとどうでしょうか・・両手の位置も少し右に移動しませんでしたでしょうか?
つまり、フェースがインパクトで閉じると、両手も引っ込む・・わけです。
反対にフェースがダウンスイングで開いて下りてくると、インパクトでは両手が前に出過ぎてしまうことが多くなります。
つまり、このケースでは、クラブフェースの向きを修正すれば、振り遅れも自然と直ってゆく(ことが多い)ということになります。
普段からスライスを打っている方やスライサーの方の場合、バックスイングをスタートした直後(またはかなり早い段階で)クラブフェースが開きます。
ダウンスイングでも当然、その開いたフェースは開いたままですから、そのままインパクトまで来ると、両手が前に出過ぎてしまって、振り遅れてしまいます。
それを何度も経験することで、多くの方は、振り遅れないように、ヘッドが遅れ過ぎないようにするために、クラブをアウトサイドから振り降ろそうとします。
つまり、アウトサイド・インのスイング軌道になりますが、このようにスイングにすることで、振り遅れは改善されるかも、知れません。
ただ、この打ち方ですと、まず、ドローボールが打てません。
また、引っ掛けが出やすくなりますので、真っ直ぐ打つために右を向かなくてはならなくなります。
さらに、アウトサイド・インの軌道だと、ショートアイアンは飛ぶのですが、長いクラブになってくると、飛距離が出なくなってゆくケースが多いです。
ですので、時間はかかっても、最初の問題、つまり、フェースが開いてしまうという根本的な問題から解決していった方がいいのかなと、思います。
フェースが開いてしまうことについては、スライスの直し方編やゴルフ基礎編のグリップの握り方のコーナーで詳しくご紹介しておりますので、よろしければそちらを参照ください。
まずはグリップをフックグリップにすることからはじめてみるといいかも知れません。
グリップの位置にも気を付ける
グリップの位置についてはアドレス時のグリップ(両手)の正しい位置。ドライバーからアイアンまででご紹介させていただきました。
アドレスの時点でグリップは左足太もも内側の前に来るようにする・・とその時は書かせていただきました。
ただ、普段ミスをする時はスライスが多いという方は、このグリップの位置がズボンにジッパーの前になっていることが多いです。
ただ、そんな方もインパクトになると(何も考えずに振った時は)、両手はもっと前に来ていることが多いはず、です。
クラブヘッドで何か重いもの(ゴルフバッグでも何でもいいのですが、重さのあるもの)を大きなボールだと思って、押してみるとわかりますが、両手はズボンにジッパーの前にあるより、もっと前にあった方が力が入ります。
つまり、多少ハンドファーストの形の方が力が入ります(↑のように何か重いものを押す時は)
ですので、アドレスで両手がズボンのジッパーの前にある方でも、インパクトになると両手の位置はもっと前に自然と・・来ていることが多いはず、です。
先ほど、両手を前(ターゲット方向)に出すと、フェースは開くことが多い・・と書かせていただきましたが・・
(アドレスで)ズボンのジッパーの前にある両手が、(インパクトで)前に出ます。
するとどうなるでしょうか・・?
そう、フェースが開きます。
ですので、アドレスの時点での両手の位置というのは、大事になってきます。
両手の位置がズボンのジッパーの前にあれば、それがインパクトでフェースが開く原因でもあるかも、知れません。
グリップの握り方そのものを合わせて注意したい点だと思います。
2)インサイド・アウトで振り過ぎているため
インパクトでヘッドが遅れ過ぎてしまう、両手が前に出過ぎてしまう理由ですが、もう1つの原因がインサイド・アウトで振り過ぎているため・・です。
これは普段ミスをする時はフックボールが多いという方やドローボールを持ち球にしている方に多いミスかと思います。
振り遅れて、プッシュアウトが出る・・わけです。
これは若い頃のタイガー・ウッズがよくやっていたミスで本人はクラブが「stuck」する(つまるとか、ひっかかるといった意味)と言う風に表現していました。
クラブを必要以上にインサイドから振り降ろしてしまうと、クラブがダウンスイングで寝てしまって、結果的にヘッドが遅れて入ってきます。
このまま打てば、プッシュアウト、両手を返せば(タイミングが合えば)ドローボール、ちょっとでもタイミングがずれると、フックボールが出ます。
プッシュアウトとフックボールが交互に出るようなケースでは、このスイングの軌道が大きく関係している可能性があります。
インサイド・アウトの軌道をどうやって直すか?
このインサイド・アウトの軌道の直し方ですが、一つはやはりフックボールそのものを直すこと、かも知れません。
フェースが閉じて下りてくること(そして、結果的に左に曲げ過ぎてしまうこと)を嫌がって、インサイド・アウトで振るようになるケースが多いためです。
もう1つやり方があります。
・・・が、このやり方は少々ややこしいというか、分かりづらい点もあるかも知れませんので、ここから先を読んでいただける場合は、そのつもりでご覧いただければ幸いです。
-------
さて、その方法ですが、まず、7番アイアンを持ちます。ボールを前にして構えますが、実際にはボールは打ちません。
そしたら、1)バックスイングをいつも通りします。
2)切り返して、ゆっくりとスローモーションでダウンスイングをしてゆきます。
3)両手がちょうど右のズボンのポケットの前位に来た位置でスイングをストップします。インパクトのちょっと前、ちょうどシャフトが地面と平行になっている位置になります。
そしたら、この位置でシャフトがどこを向いているかを確認します。
この位置で、ターゲットとボールを結んだターゲットラインにシャフトが平行であれば、ベストです。(インサイドから振り過ぎている方の場合はシャフトがもっと右、ターゲットの方向か、または、さらにもっと右を指しているかと思います)
4)もう一度、アドレスをし直して、バックスイングして、上記の位置までスローモーションでダウンスイングをします。
上記の位置で、先ほどのようにシャフトがターゲットラインに平行になるようにダウンスイングしてみます。
これを何度も繰り返してゆきます。
そして、そんなに意識しなくても、シャフトが↑の位置に来るようになったら、実際にボールを打ってみます。
恐らく、振り遅れはでないと思いますが、フックボールが出るかも知れません。
そしたら、そのままのスイングで、グリップを少しだけウィークにしてみて、もう一度打ってみます。
例えば、左手のこぶしの山が3個見えるようなグリップで握っている方であれば、2個半にしてみる・・などなど。
詳しくは下記にてご紹介しております。
ウィークグリップの握り方
スクエアグリップの握り方
フックグリップの握り方
または、これは今回はさっとご紹介させていただきますが(また機会があればより詳しくご紹介したいと思いますが)、先ほどの位置、ダウンスイングで両手が右のズボンのポケットの前位に来た位置で、クラブを握り直してみてもいいかも知れません。
大袈裟に言えば、その位置で、クラブフェースが地面を向いていたら、クラブは極端に閉じている状態、クラブフェースが真上を向いていたら、クラブは極端に開いている状態です。
フックボールが出ている時は恐らく、フェースがやや閉じているか、閉じ気味だと思いますから、この位置でほんの少し開いて、そして、握り直して・・ショットを打ってみます。
これを繰り返してみて、フックボールが出ない位置(グリップの握り方)を探ってゆくのもいいかも知れません。
ただ、スイングの途中で止めて、グリップを握り直すことで、自分にとって適正なグリップの握り方を探る方法は、僕としてはおすすめですが、少々ややこしいというか・・
特に初心者の方にはわかりにくいやり方だと思いますので、その場合は、やはりグリップの握り方のコーナーでご紹介しているようなやり方が良いのかも知れません。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。