アイアンの方向性・ショットを安定させるために大事な4つのこと
アイアンについてはこれまでボールの位置やアイアンが飛ばない原因、ダウンブローで打つか?横から払い打つか?、スライスの原因と直し方、ボールが上がらない原因と直し方などについてご紹介してきました。
今回はアイアンの方向性やショットを安定させるためにできることについてご紹介してゆきたいと思います。
それでは早速見てゆきましょう!
目次
プロが安定したショットを打てる理由とアドレスの前傾姿勢
以前、ドライバーショットの方向性が安定しない。方向性を高めるコツや練習方法という記事をご紹介しました。
その中でも少し書かせていただいたのですが、アドレスの姿勢というのは、ショットが安定するかどうかに大きく関係しています。
特に前傾姿勢の作り方が重要で、例えば、猫背になっているとスイングが不安定になりやすいです。
また、猫背はスライスの原因にもなりますし、猫背で構えていることで重心が高くなりやすく、下半身がブレたり、スイングの軸そのものがブレたりします。
すると、その分ショットも不安定になってしまいます。
プロを見ていただくとわかりますが、猫背になっている人は殆どいません。ただ、アマチュアゴルファーの中には猫背で構えている方が結構いらっしゃいます。
これもショットが安定しているプロとアマチュアの差になっているように思います。
猫背で構えるとショットが不安定になる理由ですが、1つは先ほども書かせていただいたように重心が高くなってしまうことが挙げられます。
重心が高くなると、下半身が安定しませんから、その分、スイングも不安定になります。
2つ目の理由ですが、猫背で構えていると、バックスイングの際に回転し難くなり、横にスライドしやすくなることがあります。(これをスエーと言います)
ゴルフスイングは背骨を軸とした回転運動ですが(当サイトではそのように定義しています。他にも色々な考え方があります)、回転する軸が安定していればスイングも当然安定します。
ところが、バックスイングの際に右にスライド(スエー)してしまうと、軸が大きく右に移動してしまいます。
ゴルフスイングでは体重を移動する際に背骨も若干右に移動するのが自然な形ですが、回転せずにスライドしてしまうと、上半身が大きく右に移動してしまい、ボールを打つ際に今度は左に移動しなくてはならなくなります。
このようなスイング(スエー)をしていると、ショットは安定しません。
バックスイングで右にスライド、またはスエーしてしまう原因は色々ありますが、その原因の1つは猫背です。
もし、「自分も猫背になっているかも・・」と思われた場合はどのようにしてアドレスの姿勢(前傾姿勢)を作ったらいいでしょうか?
猫背になっている方は、腰や背中から前傾している方が多いのですが、そうではなくて、下の写真のように、足の付け根から前傾するようにします。
足の付け根から前傾するようにすると、背中が丸まらずに済みますので、猫背も改善します。
また、腰から前傾するやり方に比べて、足の付け根から前傾するやり方だと、重心もしっかりと下がりますから、下半身も安定すると思います。
猫背と猫背の直し方についてはスライスの原因と「猫背」。猫背で縦振りだとスライスする?でも詳しくご紹介しています。
入射角を緩やかにしてインパクトを線にする
「アイアンショットが安定しない」
という方のスイングを拝見すると、インパクトが点になってしまっているケースが多いことに気づきます。
理想はインパクトを点ではなくて、線、もしくはゾーンにすることです。
プロの場合は例外なく、インパクトは線になっています。
だから、プロは毎回ナイスショットができるわけです。インパクトゾーンが広ければ、多少、ヘッドが手前から入ったりしても、ナイスショットがでますので。
ところが、インパクトが点になると、その点で打たない限り、ナイスショットにはなりません。
じゃあ、どうやってインパクトを線、もしくはゾーンにすればいいのか?
ということですが、ヘッドの「入射角」がポイントになります。
具体的には、ヘッドを上からボールに向かって振り下ろすような振り方をすると、ヘッドの入射角が鋭角になって、インパクトも点になりやすいです。
反対にボールを横から払い打つような打ち方にすると、ヘッドの入射角が緩やかになり、インパクトが線になりやすいです。
ですので、アイアンを打つ際、もし、ヘッドを上から入れすぎていると思われた方は、ボールを横から払い打つような意識で打ってみてください。
ちなみに、ヘッドを上から入れすぎているかどうかのチェック方法ですが、アイアンを打った後、ディボット跡※が深くて短い方の場合は、ヘッドが上から入りすぎている可能性があります。
※ディボット跡・・・アイアンなどでボールを打った際に芝が削れてできた穴のこと
もし、長くて薄いターフが取れている場合はOKです。
傾向としては、スライスがよく出る方はヘッドを上から入れすぎていることが多いです。
持ち球を作る。プロはストレートショットは打たない!?
「プロはストレートショットは打ちません。」
そうお伝えすると「ええっ!?」と驚かれる方がいらっしゃいますが、プロで純粋なストレートショットを打っている人は実は殆どいません。
43歳で賞金王を獲得しツアー史上最年長記録を打ち立てた藤田寛之プロはある対談でこんな風に語っています。
「まっすぐに飛ばすことは、まず無理です。インパクトでフェースがボールに完全にスクエアに当たらないと、ボールにスライスかフック回転がかかり、必ずどちらかに曲がります。
人間のやることですから、完全にスクエアに当てることは不可能。どっちに曲がるか予想がつきません。それよりも意図的にボールにスピンをかけて曲げをコントロールした方が狙ったところにボールを運んでいきやすい。」(出典:藤田寛之 シングルへの道)
本当の意味でのストレートショットとは、「サイドスピンがゼロ」なわけですが、丸いボールをボールの横に立って打つゴルフではサイドスピンゼロのショットを意図的に毎回打つのは至難の業だと言えます。
ですので、プロでもほとんどの人はストレートショットを意図的に打つことはせず、微妙にですが必ず、どちらかに曲げて打っています。(特に長いクラブの場合)
こうやって意図的にボールを曲げて打つことで、フェアウェイ、もしくはグリーンを広く使えるようになります。
というのも、ストレートショットを狙ってミスをした場合、どちらに曲がるか(ミスするか)が読めません。右に行くかも知れないし、左に行くかも知れない。
だから、ストレートショットを打つ場合は必然的にフェアウェイの真ん中を狙うことになります。
ところが、例えば、フェードボールが持ち球だった場合、ミスするとしたら、真っすぐ飛んでしまうか、右に曲がりすぎてしまうか・・です。
ですので、この場合は、フェアウェイの左サイドを狙って打っていくことができます。こうすると、フェアウェイの幅を全部使えますから、その分だけ有利になります。
アイアンショットを安定させたいと思った時も、ストレートショットを打とうとするのではなくて、あえて意図的に曲げる、持ち球を作るというのはよい方法だと思います。
ボールを曲げる方法についてはドローボールの打ち方やフェードボールの打ち方でご紹介していますので、よかったらそちらを参照下さい。
右手の人差し指でボールを押すように
以前にドライバーやアイアンが左右へ曲がるのは右手の人差し指が原因?という記事をご紹介しました。
その時に少しご紹介しましたが、右手の人差し指を使ってアイアンの方向性を良くする・・・というちょっと変わった方法をご紹介したいと思います。
グリップを握る時、右手の人差し指は銃の引き金を引くような形になります。これをよくトリガーなどと言います。
この右手人差し指のトリガーですが、この右手人差し指の第1関節(指先に近い方の関節)から右手人差し指の付け根までの部分・・・
・・を意識してボールを打つことで方向性がよくなった、ショットが安定するようになった・・という方もいます。
ちょっと話は変わりますが、「水切り」をやったことはありますか?
水切りは水面に向かって石を投げて、石を何回水の上で跳ねさせることができるか、その回数を競ったりする遊びです。
水切りをする時、まず石を探します。
できるだけ平らな石を探して、それを握って水面に向かって投げる・・・という感じで私も子供の頃はよく近所の川でやっていました。
その石を投げる時ですが、石を右手の人差し指でこう、包み込むようにと言いましょうか、人差し指を石に合わせるように曲げて、それでアンダースローのようにして投げます。
この時、人差し指をその投げたい方向に押し出すようにして投げると思うのですが、その要領で右手人差し指の第1関節から右手人差し指の付け根までの部分を意識して、その部分でボールを押し出すように打つことで方法性がよくなる・・というケースもあります。
ちょっと変わった方法で合う人と合わない人がいるかも知れませんが、もし興味があれば是非試してみてください。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。