アイアンのミート率を上げる方法。練習方法も【芯で打つには?】
前回、ドライバーのミート率を上げる方法。練習方法もではドライバーのミート率を上げる方法についてご紹介しました。
今回は、アイアンのミート率について、
- ミート率とは?
- ミート率が悪い理由
- ミート率を上げる3つの方法
- ミート率が上がる3つの練習方法
についてご紹介します。
前回の記事をご覧になった方・・・ 前回のドライバーの記事とかぶる部分も多いので適度に読み飛ばしていただいて結構です。ただ、アイアンのみに言えることもありますので、そういった部分を中心に読んでいただければ幸いです。
目次
ミート率とは?【アイアンはドライバーよりも数値は低くなる】
ミート率というと、なんとなく、芯で打てた確率のようなイメージがありますが、実は明確な定義があります。その定義ですが、
ミート率とは、ボールスピードをヘッドスピードで割った数値のこと。
ミート率 = ボール初速(m/s) ÷ ヘッドスピード(m/s)
ミート率ですが、クラブのロフト角が増えるほどに下がってゆきます。
力が伝わる方向とボールが打ち出される方向の差が少ないほど力が効率的に伝わるため、ロフト角の少ないドライバーの方がロフト角の大きいアイアンよりもミート率の数値は高くなります。
ですので、アイアンのミート率は、ドライバーのミート率よりも低い数値になります。
ミート率を計測する方法
これは前回もご紹介しましたが、スイング分析機器を使うとミート率を計測できます。
下はユピテルのスイング分析機器。ヘッドスピード、ボールスピード、飛距離、ミート率を計測してくれる。ウッドからパターまで使える。
アイアンのミート率が悪い理由
アイアンのミート率が悪い理由は、端的に言うと芯に当たっていないからです。
芯に当たっていない理由ですが、主に4つの原因があります。
①スイングが不安定
②ヘッドの軌道に問題がある
③ヘッドの入射角に問題がある
④アイアンが合っていない
①スイングが不安定
これは初心者の人に多いですが、スイングが安定していないためにミート率が低かったり、ミート率が安定しないケースも多いです。
この場合は練習を重ねてゆくことでスイングも安定してきますから、それに伴ってミート率も高まってゆくと思います。
スイングやショットを安定させる方法については過去にこんな記事もご紹介しています。
②ヘッドの軌道に問題がある
ヘッドの軌道に問題があるとミート率も下がります。
ヘッドの軌道とは、ダウンスイングでのヘッドの軌道のことを言っているのですが、具体的にはアウトサイド・インの軌道で打っていると、ボールはフェースのヒール寄りに当たりやすくなります。
この軌道だと、フェースのヒール寄りに当たりやすくなります。スライスや引っ掛けがよく出る人はこの軌道になっている可能性があります。
また、アウトサイド・インの軌道だとシャンクも出やすくなります。
反対にダウンスイングでのヘッドの軌道がインサイド・アウトだと、ボールはフェースのトゥ寄りに当たりやすくなります。
フックボールやプッシュアウトがよく出る人はこの軌道になっている可能性があります。
この軌道だと、フェースのトゥ寄りに当たりやすくなります。
③ヘッドの入射角に問題がある
入射角とは、インパクトでヘッドがボールに対してどの程度の角度で入ってきたかを示す数値・角度になります。
この入射角が間違っていると芯を外しやすくなります。
例えば、上からヘッドを振り下ろすような形であったり、または反対にすくい打ちをしているような場合ですと、芯に当たりにくく、ミート率も下がりやすいです。
④アイアンが合っていない
自分に合っていないアイアンを使うと打てるショットも打てなくなることがあります。
特に地面の上から打つアイアンの場合はライ角が非常に重要で、このライ角が自分に合っていないと、スライスや振り遅れなどが出やすくなります。
アイアンを買い換えた途端に良いショットが打てるようになったというケースも多いですが、それだけ自分に合うアイアンを使うということは重要なことだと思います。
アイアンのミート率を上げる3つの方法
さて、ここからはアイアンのミート率を上げるための方法について見てゆきたいと思います。
アイアンのミート率を上げる方法ですが、今回は3つご紹介したいと思います。
①ヘッドの軌道を変える
②ヘッドの入射角を変える
③クラブを変える
①ヘッドの軌道を変える
先ほどもご紹介しましたが、ヘッドの軌道が間違っていると芯を外しやすくなります。
その前に、自分が芯で打てているかどうかですが、フェースに貼るだけでどこに当たっているかを教えてくれるシールのようなものがあります。
下はTabataの製品。ソールの部分にもシールを貼ることができ、スイングの軌道やライ角が合っているかをチェックできる。
こういったグッズを使うと、自分が芯で打てているか、また、どの辺に当たる傾向があるかがわかります。
フェースのヒール寄りに当たっている場合
先ほどもご紹介しましたが、ダウンスイングでのヘッドの軌道がアウトサイド・インだと、ボールはフェースのヒール寄りに当たりやすくなります。
この場合はヘッドの軌道をインサイド・インにすることでボールは芯に当たりやすくなります。
また、フェースの真ん中に当たっていてもヘッドの軌道がアウトサイド・インになっている場合もありますが、その場合も軌道を修正してみることでミート率が上がることがあります。
アウトサイド・インの直し方については、下記の記事にてご紹介しています。
フェースのトゥ寄りに当たっている場合
ダウンスイングでのヘッドの軌道がインサイド・アウトだと、ボールはフェースのトゥ寄りに当たりやすくなります。
この場合も、ヘッドの軌道をインサイド・インに修正することで芯に当たりやすくなると思います。
また、スイートスポットに当たっていても、ヘッドの軌道がインサイド・アウトになってしまっているケースもありますが、その場合もヘッドの軌道を修正することでミート率が上がることもあります。
インサイド・アウトの軌道の直し方については下記の記事をご覧いただければ幸いです。
ただ、これはドライバーの記事でも書かせていただきましたが、多少のインサイド・アウトであれば修正する必要はないかも知れません。
特にドローボールが持ち球の方はその軌道のままでいいと思います。
ただし、過度なインサイド・アウトの軌道で芯を外しているような場合は修正した方がいいと思います。
②ヘッドの入射角を変える
アイアンのミート率を上げる2つ目の方法がヘッドの入射角を変えるという方法です。
入射角とは、インパクトでヘッドがボールに対してどの程度の角度で入ってきたかを示す数値・角度のことになります。
先ほど、上からヘッドを振り下ろすような形であったり、または反対にすくい打ちをしていると、芯に当たりにくく、ミート率も下がりやすいと書かせていただきました。
その場合は、適度な入射角でショットを打つようにすることでミート率も上がると思います。
下記はトラックマン社が発表したアメリカのPGAツアーとLPGAツアーの選手達のアイアンの入射角のデータです。(7番アイアンのデータ。各ツアーの平均値)
男子プロ (PGAツアー) |
女子プロ (LPGAツアー) |
|
入射角 | -4.3度 | -2.3度 |
ヘッドスピード | 40.2 m/s | 34 m/s |
打ち出し角 | 16.3度 | 19度 |
スピン量 | 7,097rpm | 6,699rpm |
キャリー | 172ヤード | 141ヤード |
アマチュアゴルファーにとっては、女子プロの方が参考になると思いますので、女子プロのデータを見てゆきたいと思いますが、入射角は-2.3度です。
これは殆ど横からボールを払い打っているような形になります。若干、ダウンブローかなという程度。
ですので、目安としては-2度から3度程度の緩やかな入射角がよいと思います。
これよりももっと上からヘッドが入ってしまうと芯に当たりにくくなりますし、反対にすくい打ちだと入射角がプラスになってしまって、やはり芯で打てなくなります。
女子プロのように横から払い打つ、もしくは緩やかなダウンブローで打つ方法については後ほどご紹介したいと思います。
尚、入射角についてはドライバー、アイアンの入射角のデータ。プロの入射角はどの位か?にて詳しくご紹介しています。
③クラブを変える
アイアンのミート率を上げるための3つ目の方法がクラブそのものを変えるという方法です。
例えば、初心者の場合は、まずは技術を磨いてから・・と思う人もいらっしゃるかも知れません。
ただ、自分に合っていないアイアンだと打てるショットも打てなくなります。それだけクラブ選びというのは重要だと思うんですね。
例えば、ライ角の違うアイアンに変えたら、スライスがストレート系のショットに変わったということもありますし、ストレートネックからグースネックに変えたら、つかまりがよくなったということもよくあります。
ですので、特に思うようなショットが打てていないと感じる人は、違うアイアンを試してみるのもいいかも知れません。
アイアンの選び方については下記のような記事を書いていますので、よかったら参考にしてみてください。
- よくわかる!アイアンの選び方。自分に合うアイアンを選ぶ簡単な方法!
- 【図解!】アイアンのライ角。正しいライ角を見極める簡単な方法!
- アイアンのソール幅の違いとそれぞれの利点と欠点について
- 【グースネックのアイアンとは?】メリット・デメリット、ストレートネックとの違いも
- ミスに強いアイアンの選び方と7つのポイント
ミート率を上げるための3つの練習方法
最後にミート率を上げるためにできる練習方法についてご紹介したいと思います。
①スイングスピードを落とす
ミート率を上げるためにはとにかく芯で打つことが大切ですが、そのためにはまず、ヘッドスピードを落としてみます。
おすすめは5割から6割のスイングスピードで打ってみることです。
そのスピードで芯に当たるようになってきたら、徐々にスピードを上げてゆき、最終的には8割程度のスピードで振っても芯に当てることを目標にします。
また、プロでも常に6割のスピードで打つという人もいますが、自分にあったスイングスピードがあると思います。
必ずしも、8割のスピードまで上げる必要はないと思いますし、6割や7割のスイングスピードで振るというのもよい方法だと思います。
気を付けたいのは、8割以上のスピードや力で振るということです。プロは8割以上の力で振ることは殆どないと思いますが、アマチュアの場合は9割や10割の力で振っている人もいます。
ただ、9割や10割で打つとかえってヘッドの軌道がブレて平均的なミート率が落ちてしまいやすいです。
特にアイアンは飛距離よりもコントロールが重要なクラブですので、最高でも8割を目安にしてみるといいと思います。
②クローズスタンスで打つ
特にスライスや引っ掛けが多い人におすすめなのが、クローズスタンスで打つ練習です。
練習の方法ですが、ボールと目標を結んだ飛球線に対して両足を結んだラインが平行になるのがスクエアスタンスになります。
この状態から、右足を5センチ程度後ろに引きます。次にボールとの距離を調整します。
ボールの位置ですが、いつもよりもボール半個分程度右に置きます。
後はショットを打ってゆきますが、インサイド・インの軌道、もしくはややインサイド・アウトの軌道で、飛球線の内側からヘッドを入れてゆく意識にしていただくといいと思います。
ちなみに、これは前回も書かせていただきましたが、右足を後ろに引く際に、右肩も一緒に後ろに引かないようにしてください。右肩も一緒に後ろに引いてしまうと体全体が右を向く形になってしまいますので。
③ティーを一番高くして、ヘッドを浮かせて打つ
女子プロのように横から払い打つ、もしくは緩やかなダウンブローで打つための方法ですが、練習場のティーを一番高い位置にセットします。
次に、ヘッドを地面から浮かせて、ボールの高さに合わせて構えます。
後は、ボールの横っ面を払い打つような意識で打ってゆきます。
ボールを高く上げようとするとすくい打ちになりやすいので、むしろ、ライナーのような低いショットを打つ意識で打っていただくと、払い打つような形、もしくは緩やかなダウンブローになりやすいと思います。
まとめ
さて、ここまでアイアンのミート率について色々と見てきました。簡単にまとめると・・
ミート率とは?
ミート率とは、ボールスピードをヘッドスピードで割った数値のこと。アイアンのミート率はドライバーのミート率よりも数値が低くなります。
ミート率はスイング分析機器を使って計測できます。
ミート率が悪い理由
ミート率が悪い理由は、端的に言うと芯に当たっていないから。芯を当たらない原因は下記の4つ。
①スイングが不安定
②ヘッドの軌道に問題がある
③ヘッドの入射角に問題がある
④アイアンが合っていない
ミート率を上げる方法
アイアンのミート率を上げる方法は3つあります。
①ヘッドの軌道をインサイド・インにする
②ヘッドの入射角を変える。横から払い打つ、もしくは緩やかなダウンブローで打つ
③クラブを買い換える
ミート率が上がる練習方法
下記の3つがおすすめ。
①スイングスピードを落とす
5割から6割程度のスイングスピードでまずは芯に当てる。自分に合ったスイングスピード、安定して芯に当たるスピードを見つける。
②クローズスタンスで打つ
スライスや振り遅れが多い人におすすめ。体全体が右を向いてしまわないように注意する。
③ティーを一番高くして、ヘッドを浮かせて打つ
ティーを一番高くして、ヘッドを浮かせて構える。ボールを横から払い打つ意識、低いライナーを打つ意識でショットを打ってゆく。
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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。