アイアンでボール(球)が上がらない2つの原因と直し方
前回は、ドライバー。球が上がらない2つの原因とその解決方法にてドライバーで球が上がらない原因やその直し方についてご紹介させていただきました。
今回は、アイアンのケースで考えてみたいと思います。
アイアンでボールが上がらない場合、原因は大きくわけると2つあります。
1)スイングに原因があるケース
2)アイアン(クラブ)に原因があるケース
になります。
まず、最初にスイングについて、その次にアイアンに原因があるケースについて、それぞれ詳しく見てゆきたいと思います。
目次
- インパクトでのロフト角
- 1)フックボールを打っている方の場合の原因
- 2)スライスを打っている方の場合の原因
- アイアンそのものに原因があるケース
- 1)ソール幅
- 2)シャフトの硬さ
- 3)シャフトのキックポイント
- 4)アイアンのタイプと重心
インパクトでのロフト角
アイアンで球が上がらない最初の原因はインパクトでのロフト角になります。
インパクトでロフトが立ちすぎてしまうと、ボールは思うように上がらなくなります。
ロフトが立つ・・・というのは、ロフト角が少なくなるということ、言い方を変えると、インパクトでハンドファーストになり過ぎている、またはシャフトがターゲット方向に傾き過ぎている・・・ということになります。
アイアンの場合、ロフトを立てて打つことは悪いことではありません。
むしろ、いいことで、プロはロフトを立てて打っています。
ただ、ロフトを立て過ぎてしまうと・・問題が起きてくるかも知れません。
インパクトでロフトを極端に立ててしまうと、例えば、7番アイアンを打っているのに、インパクトでのロフト角が5番アイアンのロフト角になっていれば、ショットは当然低くなります。
じゃあ、何故、インパクトでロフトが立ってしまう(ハンドファーストになり過ぎてしまう/シャフトがターゲット方向に傾き過ぎてしまう)のでしょうか・・?
これには2つの原因があると思います。
傾向として、1)フックボールを打っている方の場合と、2)スライスを打っている方の場合で原因が異なってきます。
1)フックボールを打っている方の場合
日頃からミスをする時はフックボール、または常にフックボールを打っている方の場合、インパクトでロフトが立つ傾向があります。
フックボールはフェースがインパクトで閉じることで出てしまうショットですが、フェースが閉じる際にロフトも立ちます。
ですので、フックボールはスライスに比べて、低いショットになりやく、アイアンでもドライバーでも、またはフェアウェイウッドでも、思うようにボールが上がらない・・・ということがあるかも知れません。
この場合は、フックボールを直すことで、ショットも自然と高さが出てくることが多いです。
フックボールの直し方についてはフックボールの直し方のコーナーやフックボールの原因とグリップの握り方、フックボールを直すために大きなスライスを打ってみるなどでご紹介しておりますので、よかったらそちらを参照ください。
2)スライスを打っている方の場合
次にスライスを打っている方の場合ですが、スライサーの人の場合は、基本的にはインパクトでフェースが開いていることが多く、すると、ショットはむしろ高く上がることになります。
なのに、何故、アイアンでボールが上がらない※のでしょうか?
※スライスを打っている方の中には、反対にボールが上がり過ぎて困るという方もいます
ミスする時はスライスが多いけれど、それを修正してストレート系のボールを打っている・・・という方の場合、アイアンで思うようにボールが上がらないというケースもあります。
ショートアイアンは恐らく問題ないことが多いと思うのですが、ミドルアイアン以上になるとボールが上がらない・・ということが多いかも知れません。
これはどういうことでしょうか・・?
この原因は、アドレスの向きとスイングの軌道にあるかも知れません。
ゴルファーの多くはスライサーだと言われています。そして、ゴルファーの多くは右を向いてボールを打っているとも言われています。
この2つは案外リンクしているのかも知れません。
ゴルフは、ボールとターゲットを結んだライン(ターゲットライン)に対して、両足、両肩のラインが平行になるように構えることが基本になります。
右を向いているというのは、その基本よりも、右を向いているということになります。
体全体が右を向いているケースもあれば、両肩を結んだラインだけ右を向いているケースもあるかも知れません。
スライサーの方は、そんな形で右を向いているケースが結構あります。
でも、何故、スライサーの人は右を向いてしまうことが多いのでしょうか?
それはスライスを抑制するため、無意識の間に右を向いてしまっている、ということが多いです。
右に曲がるボールを直す方法は2つあります。
1つはインパクトでのフェースの向きを直す方法です。
もう1つはスイングの軌道を変える方法です。
具体的には、アウトサイド・インのスイング軌道で打とうとすると、インパクトでフェースを閉じやすくなります。
するとボールは右には曲がりませんが、ただ、ショットは左に真っ直ぐに飛んでゆきます。いわゆる、引っ掛けです。
左に真っ直ぐ飛ぶショットが出ると、今度は右を向きたくなります。ボールをターゲット方向に真っ直ぐに飛ばすために、です。
こうやって、右を向いて、引っ掛けを打つことで真っ直ぐに打っている・・というケースも非常に多いです。
ただ、この打ち方だと、長いクラブが思うように打てなくなったりします。
打てても、飛距離がでなかったり、ボールが思うように上がらなかったり、ボールを上げようとすると今度はスライスが出たりすることもあります。
引っ掛けは低いショットになることが多いですが、これは、アウトサイド・インの軌道で打とうとすることで、どうしても、ロフトが立ってしまいやすくなることが関係しているかも知れません。
(アウトサイド・インの軌道で振りながら)ロフトを立て過ぎないようにすると、フェースが開いてしまいやすく、スライスが出やすくなります。
ですので、このケースではロフトを立て過ぎないでと言われても、なかなか・・そのアドバイス通りには打てないことが多いかも知れません。
この場合は、1)まず、スライスが出ても構いませんので、アドレスの向きを修正します。
2)次に、そもそものスライスの原因となっているスイング中にフェースが開いてしまう・・・という問題を修正してゆきます。
スライスを打っている方の場合、(テークバックの)かなり早い段階でフェースが開いていることが多いです。
この場合、グリップの握り方とグリップの位置、それから、右肩の位置・・などを修正してみると、フェースが開き難くなります。
3)フェースが開き難くなったところで、スイングの軌道をインサイド・インに修正してゆきます。
このような形でアドレス、それからスイングの軌道を修正してゆくことで、ボールが上がらないという問題も自然と解消されてゆくことがあります。
詳しくはスライスの直し方編、ゴルフの基本編にてご紹介しておりますので、よろしければそちらを参照ください。
もっとも、最初から、アドレスから修正してゆく・・・というのは、スイングを作り直すようなもので、時間がかかりますし、根気のいる作業ですが、ただ、そうすることで、色々なショットを打てるようになったり、飛距離が伸びたりと、沢山の利点があるかと思います。
さて、次にアイアンでボールが上がらないもう1つの原因、アイアンそのものに原因があるケースについて見てゆきたいと思います。
アイアンそのものに原因があるケース
アイアンでボールが上がらない・・という方の中にはアイアンそのものに原因があるケースもあるかと思います。
例えば、初心者の方の場合ですと、クラブにこだわるのはもっと上達してからでもいいと思っていらっしゃる方もいるかも知れませんが、ゴルフの場合は、クラブ次第で打てるボールも打てなくなることがあります。
ですので、最初からクラブ選びにはこだわってみてもいいと僕はそう思っています。
さて、アイアンでボールが上がらないという時ですが、下記のポイントに注目してみてもいいかと思います。
1)ソール幅
2)シャフトの硬さ
3)シャフトのキックポイント
4)アイアンのタイプ
それぞれ少し詳しくご紹介したいと思います。
1)ソール幅
アイアンのソール幅もボールの上がりやすさに関係してきます。
具体的には、ソール幅が狭くなるほど、ボールは上がり難く、ソール幅が広いほど、ボールは上がりやすくなります。
ですので、もし、お使いのアイアンのソール幅が、市販されているアイアンと比較してみて、狭い部類に入るなと思われた場合は、ソール幅が今よりも広いものを試打してみる価値はあるかも知れません。
ただ、ソール幅が広ければ広いほどいいかというと、確かにボールは上がりやすくはなったり、ミスには強くなったりするのですが、クラブそのものの操作性が落ちると言いますか、ショットを打ち分けたりする(ドロー・フェードなどを打ち分ける)ことが難しくなりますので、その点は注意が必要です。
2)シャフトの硬さ
シャフトの硬さ(フレックス)と重さの選び方でも書かせていただきましたが、シャフトは、硬いほどボールは上がり難く、柔らかい方がボールは上がりやすくなります。
ですので、弾道が低すぎると思って、もし、硬めのシャフトをお使いの場合は、今よりも少し柔らかいシャフトを試してみるのも一つの方法かも知れません。
3)シャフトのキックポイント
シャフトにはキックポイントというものがあります。
元調子、先調子・・なんて言われることがありますが、キックポイントとは簡単に言うと、シャフトが一番しなる部分のことになります。
1)元調子・・・手元側(グリップ側)がしなるシャフトのこと
2)先調子・・・クラブヘッド側がしなるシャフトのこと
3)中調子・・・上記2つの中間
ボールが上がりやすいのは、先調子(ロー・キックポイント)のシャフトになります。
詳しくはキックポイント(元調子・先調子)とその選び方についてでご紹介しておりますので、よろしかったらそちらも参考になさってください。
4)アイアンのタイプと重心
アイアンのタイプですが、
1.キャビティ
2.マッスルバック(コンベンショナルもしくはフラットバック)
3.中空
といった種類があります。
【比較】キャビティ、マッスルバック、中空アイアンの特徴とメリット・デメリット
ボールが上がらない場合は、キャビティタイプで低重心のアイアンがおすすめです。
キャビティアイアンはヘッドの後ろ(下の図)を見ると、くり抜かれたようになっていて、バックフェースが凹んでいます。
バックフェースを削り取ったことで生まれた重量的な余分をソール部分などに配置することができ、そうすることでアイアンの低重心化を図ることができますので、ボールも上がりやすくなる・・・というわけです。
キャビティタイプのアイアンの中にも色々な種類があります。
低重心をより強く意識してデザインされたモデルもありますので、そういったものを試してみるのもいいかも知れません。
* * *
さて、ここまでアイアンでボールが上がらない・・ということの原因や直し方について見てきました。
他にもボールが上がる・上がらない原因(要因)というのはあります。
ヘッドスピードが上がるほど、ボールは高く上がりやすくなります。
ドロー打ちの方の場合は弾道が低くなる傾向がありますが、フェード打ちの方の場合は、ドロー打ちの方と反対でショットの弾道は高くなりやすいです。
また、プロの中には、低いボールを好んで打つ人もいます。
ですので、弾道にはこの高さが正解というものはないのかも知れません。
高いショットだからいいとは限らないし、低いショットだから悪いとは限りませんが、いずれにしても、自分なりの高さというものを見つけられたらいいのかも知れませんね。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。