ホーム > トラブル解決編 >
トラブル解決編

アイアンの飛距離アップのためにできる6つのこと

アイアンについてはこれまで、アイアンのスライスの5つの原因と直し方アイアンはダウンブローで打つ?それとも横から払い打つ?アイアンのボールの位置とその基準といった記事をご紹介してきました。

今回は、アイアンの飛距離がもう少し欲しいと思った時にできることについてご紹介してゆきたいと思います。

では早速見てゆきましょう。

1)グリップの握り方を変えて飛距離を伸ばす

グリップの握り方については、握り方の種類(オーバーラッピングインターロッキングテンフィンガー)とスイング中のフェースの向きに関係してくる位置(ウィークスクエアフック)についてご紹介しました。

アイアンの飛距離アップのためにできることですが、もし、ウィークグリップで握っている方の場合は、ボールのつかまりが悪くなりやすいので、その場合は、スクエアグリップ、または、フックグリップを試してみるのもよい方法かも知れません。

また、中には(スクエアグリップで握っていて)アイアンはストレート系のショットだけど、ドライバーはフェード気味のボールで飛距離が出ない・・という人もいます。

この場合、アイアンでストレート系のショットが出ているので、ドライバーの打ち方に問題があるのではと思ってしまうかも知れません。

勿論、ドライバーに問題がある場合もあるのですが、ただ、このようなケースでは、グリップをスクエアから、ややフックグリップに変えることで、ドライバーのスライスが改善されたり、アイアンがつかまるようになって飛距離が伸びる・・ということがよくあります。

アイアンの場合は、インパクトでほんの少しフェースが開いていても、真っすぐに飛ぶことも多いですが、長いクラブになると、バックスピンが減ることでサイドスピンが目立つようになります。

そのため、例えば、ほんの少しフェースが開いただけでもスライスが出やすくなります。

もし、このような形で打っている方の場合は、ドライバーは勿論ですが、アイアンの飛距離も大きく伸びる可能性があると思います。

もし、アイアンでストレート系のボールが出ていたとしても、長いクラブで(意図していない)フェードボール、またはスライス気味のショットが出ているような方は、ややフックグリップにしてみるなど、グリップの握り方を試行錯誤してみる価値はあるかも知れません。

フックグリップの握り方については下記でご紹介しています。

フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方

※ページ下部の関連記事の覧に掲載しておきます。

インターロッキング、テンフィンガーに変えて飛距離を伸ばす人も

ゴルフのグリップの握り方は、下記の3つが一般的です。

1)オーバーラッピンググリップ
2)インターロッキンググリップ
3)テンフィンガーグリップ

これは以前、ゴルフ情報サイト Golfistaが全国の30代から40代のゴルファー100人を対象に行った調査結果になります。(Golfistaさんの調査結果をもとに表を作成しています)

参考:【100名徹底調査】あなたはどの握り方(グリップ)ですか? Golfista

この数値は、その時々によっても変わってくるかも知れませんが、案外、テンフィンガーやインターロッキンググリップで握っている方が多いと思われた方もいらっしゃるかも知れません。

テンフィンガーグリップ

インターロッキンググリップ

飛距離を伸ばそうと思った時、ヘッドスピードを上げるということが1つの方法になりますが、グリップの握り方を変えることでヘッドスピードが上がるというケースもあります。

もっとも、慣れ親しんだグリップの握り方を変えるというのは、とても大変なことなので、どなたにもおすすめするわけではありません。

ただ、オーバーラッピングで握っていた方が、テンフィンガーグリップやインターロッキンググリップに変えて、ヘッドスピードが上がると言うケースも中にはあります。

特に右利き・右打ちの方の場合、右手の5本の指を全部生かせるテンフィンガーグリップや右手をオーバーラッピングよりも生かしやすいインターロッキンググリップの方がヘッドスピードが上がる・・ということもあります。

ただ、オーバーラッピンググリップにも利点があります。

ですので、一概にどのグリップがいいとは言い切れませんが、ただ、そんな風にして、グリップの握り方そのものを変えて飛距離を伸ばす人もいます。

2)ロフトを立てて構え、つかまったショットを打つ

アイアンでつかまったボール(飛距離の出るショット)を打つためのコツの一つがロフトを立てて構える・・ということです。

ロフトを立てるとは、下記の図のようなことを言います。(右下がロフトを立てている状態になります)

言い方を変えると、ハンドファーストで構えるということになります。


ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)に来ることを言います。

ハンドファーストで構えると、シャフトがターゲット方向に若干傾き、ロフトが立ちます。

このような形で構えると、インパクトでフェースが返りやすく、また、ボールもしっかりとフェースに乗りやすくなり、つかまった、飛距離の出るボールが打ちやすくなります。

反対にハンドレイトで構えていると、インパクトでフェースが開きやすく、つかまったボールを打つのが難しくなります。


ハンドレイトとは、アドレスをした際に、両手がクラブヘッドよりも後ろ(ターゲットと反対方向)に来ることを言います。

また、ロフトを立てて構えることのもう1つのメリットが、スイングの最下点をボールよりも先(ターゲット寄り)に持ってくることができる・・ということになります。

これは以前にもご紹介したデータ(アメリカで行われた調査)になりますが、アマチュアとPGAツアープレーヤーのゴルフスイングの最下点の違いになります。

ゴルファーのレベル ゴルフスイングの最下点(アイアン)
アマチュア ボールの2~3センチ手前
中級者 ボールの位置
シングル 中級者とプロの中間
PGAツアープレーヤー ボールの先10センチ

アイアンの場合、プロは、スイングの最下点がボールの10センチ先になっています。

一方で、アマチュアの場合は、ボールの手前。

これはどういうことかというと、プロは緩やかなダウンブローで打っている、または、インパクトでロフトを立てて打っているのに対して、アマチュアはすくい打ちをしているのだと思います。(少なくともこのデータの場合は)

これがプロのアイアンの方がアマチュアよりも圧倒的に飛ぶ理由の1つだと思います。

先ほどもお伝えした通り、アドレスでロフトを立てて構えることで、スイングの最下点をボールよりも先(ターゲット寄り)に持ってきやすくなります。

また、インパクトでもプロのようにロフトを立てて打ちやすくなるので、飛距離も出るようになると思います。

ロフトを立てて構えるには?

ロフトを立てて構える、またはハンドファーストで構える際のポイントですが、2つあります。

1つは、アドレスでの両手(グリップ)の位置。
もう1つがボールの位置になります。

両手(グリップ)の位置ですが、構える際、両手が左足太もも内側の前に来るようにします。

2つ目のポイントはボールの位置になります。

両手を左足太もも内側の前に持ってきても、ボールの位置が左(ターゲット寄り)過ぎると、ハンドファーストにはなりませんし、ロフトを立てて構えることができません。

ですので、ボールの位置についても注意してみてください。

アイアンのボールの位置の目安は下記の通りです。

サンドウェッジから9番アイアン

スタンスの真ん中

ミドルアイアン

スタンス中央からボール1個程度左

両手の位置、そして、ボールの位置を上記のような形にセットすると、程よいハンドファーストの形になると思いますし、ロフトを立てて構えるような形になると思います。

詳しくは下記でご紹介していますので、よかったら参考になさって下さい。

ハンドファーストとは?構え方とインパクト、ドライバーについても

3)ヘッドのトゥ側を浮かせて構える

先ほどは、つかまったショットを打つために、ハンドファーストで構える、ロフトを立てて構えるということについてご紹介しました。

つかまったボールを打つ上では、もう1つ、両手の上下の位置も重要になってきます。

構えた際に両手の位置が自分にとって最適な位置よりも高い位置に来ていることをハンドアップと言いますが、ハンドアップで構えてしまうと、ボールはつかまりにくくなります。

すると、一生懸命振っているのに飛距離が思うように出ない・・ということが起こったりします。

反対にアドレスで構える際、両手が自分にとって最適な位置よりも低い位置に来ていることをハンドダウンと言います。

ハンドアップもハンドダウンも基本的には間違った構え方ということになりますが、人によっては若干ハンドダウンで構えた方がインパクトでフェースが閉じやすく、結果的に飛距離が伸びる場合もあります。

ただ、自分にとっての最適な位置というのは、このハンドアップとハンドダウンの中間にある・・ということになります。

その最適な位置の見つけ方ですが、アイアンを構える際、クラブのトゥ側が若干浮いた状態で構えてみます。

具体的には、アイアンのトゥ側に10円玉が数枚程度入るようにして構えます

このように構えると、(上下の位置という意味での)両手の位置が自分にとって最適な位置になりやすいと思います。

何故、こんな風にトゥ側を浮かせて構える必要があるのか?ということについては、ハンドダウン、ハンドアップとは?ショットへの影響は?にてご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

ただ、いずれにしても、両手の上下の位置も、つかまったボールが打てる、打てないに大きく関係してきます。

また、ハンドアップ、ハンドダウンはどちらも基本的には間違った構え方と書かせていただきましたが、ハンドアップで構えていてアイアンが飛ぶ・・という人は恐らく少ないと思います。

ただ、ハンドダウン気味に構えて飛ばしている人はいるように思います。

4)クラブヘッドの軌道

ショートアイアンはそれなりに飛ぶけど、ミドルアイアン以上になると思うように飛ばない・・という方もいらっしゃいます。

その原因も色々あると思いますが、その原因の1つは、クラブヘッドの軌道になります。

具体的には、アウトサイド・インの軌道が原因になっているケースがとても多いです。

ここで言う、アウトサイド・インの軌道とはダウンスイングでのヘッドの軌道のことを言っています。

このような軌道になっていると、ショートアイアンは飛んでも、ミドルアイアン以上のクラブになると、思うように飛距離が出なくなることがあります。

このようなケース、アウトサイド・インで振っている方の場合、右を向いていることが多いです。

ゴルフの場合、ボールとターゲットを結んだターゲットラインに対して、両肩、両足のラインがそれぞれ平行になるように構えることが基本になります。

例えば、両肩、もしくは両足を結んだラインがそれよりも右を向いていた場合は、右を向いて構えている・・ということになります。

どうしてアウトサイド・インで振っている方の多くが右を向いて構えているか・・というと、アウトサイド・インで振ると、ボールは目標よりも左に飛んでゆきやすくなります。

だから、ボールを真っすぐに飛ばすために右を向く・・というケースが多いです。

でも、そもそも何故、アウトサイド・インで振っているのか?

ということですが、ゴルフの場合、地面(低い位置)にあるボールを打つため、上からクラブを振り下ろしたくなるものかも知れません。

ただ、そのようにスイングすると、アウトサイド・インになりやすくなります。

また、アウトサイド・インのスイング軌道は、スライスが原因になっているケースも多いかも知れません。

打ったボールが右に曲がるのを見ると、多くの方は、左に振り抜こうとされます。

右にボールを曲げないためです。

その打ち方だと(左に思い切り振り抜くと)スライスが出なくなることがあります。

ただ、ボールは左に真っすぐに飛んでいきやすくなります。いわゆる引っ掛けです。

左に真っすぐに飛んでゆくので、ボールを目標方向に打ち出すために・・自然と右を向くようになってしまうというケースもとても多く、その打ち方だと、スイングの軌道としてはアウトサイド・インになります。

少し話が長くなりましたが・・

ただ、そのアウトサイド・インだと、ショートアイアンはむしろ飛ぶことがあります。

ただ、ミドルアイアン以上のクラブになると、飛距離が落ちてしまうことが多いです。特に長いクラブは打てなくなってしまうケースが多いと思います。

ミドルアイアン、または今は使う方は少ないかも知れませんが、ロングアイアンで飛距離の出る、つかまったショットを打つには、アウトサイド・インの軌道ではなく、インサイド・イン、もしくは若干インサイド・アウトの軌道で打つ必要があります。

インサイド・インで打つには?

ではインサイド・インでスイングするにはどうしたらいいか?

ということですが、先ほどの2つの原因を直す必要があると思います。

1つは、上から振り下ろすような打ち方を直すこと。

このためには、上から振り下ろすのではなく、先ほどご紹介したような緩やかなダウンブローで打つか、または、ほうきで地面を掃くようなイメージで、ボールを横から払い打つようにします。

アイアンはダウンブローで打つ?それとも横から払い打つ?

もう1つは、スライスを直すということになります。

これについてはスライスの直し方編にて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。

5)フェースを閉じながら、スイングする

ここまでアイアンの飛距離を伸ばすには、つかまったショットを打つ必要があると書かせていただいてきました。

つまかったショットとは(色々なとらえ方があるとは思いますが)インパクト、もしくはインパクト後にしっかりとフェースが閉じていて、ボールがしっかりとフェースに乗っているようなショットになります。

ボールがつかまらないという方の場合、ダウンスイングでフェースが開いて降りてきていることが多いです。

反対につかまったボールが打てている方は、フェースが閉じながら降りてきていることが多いです。

ボールをつかまえるためには、フェースを閉じながらダウンスイングをする必要があるのですが、この場合、フェースそのものではなくて、もっと違ったものを意識してみるのもよい方法です。

例えば、右手の平を意識してみます。

ダウンスイングの際、右手の平がやや地面を向きながら降りてくるような意識でもいいと思います

具体的には、ダウンスイングで、右手が右の腰の高さに来た際、右手の平が地面の方向(斜め45度程度)を向いているような意識でもいいかも知れません。

ボールが全くつかまらないという方は、その位置で右手の平が地面を向くような意識でもいいかと思います。

実際にその位置で右手の平が地面を向いていたら、ひどいフックボールが出ますが、特に普段からフェースを開いてしまっている方の場合は、その位の意識でもいいかも知れません。

右手の平以外にも左手の甲を同じように意識していただいてもいいですし、左手に腕時計をする方は腕時計の文字盤を同じように意識していただいてもいいかも知れません。

6)アイアン自体に問題があるケース

さて、ここまでは飛距離を伸ばすための構え方や打ち方について見てきました。

最後にアイアンそのものについて考えてみたいと思いますが、アイアンを買い替えたら飛距離が伸びた・・ということも案外あったりします。

それは、シャフトが長くなったり、ロフトが立っているアイアン(ストロングロフトのアイアン)に買い替えたから・・ということもあるかも知れませんが、ただ、シャフトの長さもロフト角も同じなのに、飛距離が伸びることもあって、その理由としては2つの要因が考えられます。

よくわかる!アイアンの選び方。自分に合うアイアンを選ぶ簡単な方法!でもご紹介しましたが、アイアンの場合、ライ角というものが非常に重要になってきます。

ライ角とは下の図で示す角度になります。

この角度(ライ角)が大きいものをアップライト、小さいものをフラットと言います。

大げさな図になりますが、こんな感じです。(実際にはここまでライ角が違うことはありませんが、同じ番手だと思ってください)

一般的に、ライ角が大きいアップライトなアイアンは、つかまりが良くなる傾向があります。

反対にライ角が小さいフラットなアイアンは、つかまりが悪くなる傾向があります。

大事なのは、自分にとって最適なライ角のアイアンを使うということになるのですが、何が最適な角度かというのはその人の身長や腕の長さなどなどによっても変わってきます。

ただ、1つ言えるのは、ライ角が自分に合っていなかった場合、何をやっても、思うようなショットを打つのが困難になる・・ということです。

ですので、自分の力に見合った飛距離が出ていないと感じる方で、何をやっても飛距離が伸びない場合などは、ライ角がご自分に合っているかどうか、一度信頼できるショップなどに相談してみてもいいかも知れません。

ライ角については下記にてより詳しくご紹介しています。

アイアンのライ角について。正しいライ角とは?
アイアンのライ角がショットに与える影響とは?

また、2つ目の要因ですが、アイアンのネックの形状も関係してくることがあります。

アイアンのネックには、

①ストレートネック

②グースネック

この2つがありますが、ボールのつかまりを考えた場合、グースネックの方が有利で、ストレートネックからグースネックのアイアンに買い替えた途端にボールのつかまりが良くなったり、飛距離が伸びるケースもあります。

【グースネックのアイアンとは?】メリット・デメリット、ストレートネックとの違いも

もし、アイアンのつかまりが悪いと感じている方でストレートネックのアイアンをお使いの方は、一度、グースネックのアイアンを試打だけでも、してみてもいいかも知れません。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。