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トラブル解決編

ドライバーのヘッドを浮かせて構える(ソールしない)方法

ドライバーの構え方には、ドライバーのヘッドを地面にソールさせて(地面につけた状態で)構える・・というやり方ともう1つ、地面から浮かせて構えるという方法があります。

前回、ドライバーのティーアップの高さと4つの構え方では

1.ティーアップを高くして、ヘッドを地面につけて構える
2.ティーアップを高くして、ヘッドを浮かせて構える
3.ティーアップを低くして、ヘッドを地面につけて構える
4.ティーアップを低くして、ヘッドを浮かせて構える

という構え方についてご紹介しました。

ドライバーを構える際(ドライバーの構え方のまとめ)は、ヘッドを地面につけて構えるのが一般的です。

ドライバーヘッドを地面につけずに、浮かせて構える方法は言ってみればマイナーなやり方なわけですが、ツアープロでもこの方法で構えている人もいます。

この2つのやり方ですが、どちらが正しいということではなく、どちらが自分に合っているか・・ということが大切になってくると思います。

今回は、ヘッドを浮かせて構えた方がうまくいくケースについてご紹介してゆきたいと思います。

目次

ヘッドを浮かせて構えた方がうまくいきやすい5つのケース

さて、ドライバーヘッドを地面から浮かせて構えた方がうまくいくケースですが、主に5つあります。それらは、

1.プッシュアウトやプッシュアウトスライスが出る
2.スライスを直したい
3.体を水平に回したい(体の上下動を抑えたい)
4.ティーアップを高くしたい
5.フェースの芯に当たらない

・・という5つです。

地面からどの位(どのようにして)ヘッドを浮かせて構えたらいいか?ということも含めて、それぞれについて少し詳しく見てゆきたいと思います。

①プッシュアウトやプッシュアウト・スライスが出る

プッシュアウトだったり、プッシュアウトスライスなどが出るという方で・・ティーアップは高めでクラブをソールして(地面につけて)構えているというケースについて考えてみたいと思います。

このように構えた場合、ティーアップが高すぎると、クラブを構えた時点、つまりソールした時点よりも上でボールをとらえないと芯に当たりません

ティーアップが高すぎた場合、インパクトでアドレスの位置にヘッドを戻してしまうと、ボールの下に当たって、てんぷら※などが出ることがあります。

※てんぷらとは、ゴルフボールがクラブヘッドの上部に当たることでボールが高く上がりすぎてしまうショットのこと。

この場合、フェースの芯で打つために、アドレスでの位置よりも、ヘッドを浮かせて・・ボールを打たなければならなくなります。

ただ、それには問題があります。

どんな問題かというと、そのやり方でインパクトでヘッドをアドレスの時点よりも浮かせて打とうとすると、ドライバーフェースのヒール側にボールが当たりやすくなる・・という問題です。

地面につけたクラブヘッドを浮かせてみるとわかりますが、ヘッドを地面から浮かせると、クラブヘッドは体から離れると思います。

または極端な実験ですと、ドライバーを持っていつも通り構えます。

前傾姿勢はそのままにして、両手(グリップ)を顔の前まで上げてみます。

すると、最初に構えた時点よりも、両手(グリップ)が自分から遠ざかったと思います。

これは極端な実験ですが、地面にソールして構えて、インパクトでヘッドを浮かせようとすると、これと似たようなことが起こります。

すると、フェースのヒール寄りに当たりやすくなったり、それを避けようとすると、フェースが開いたり(スライス)、スイングの軌道がインサイド・アウトになったり(プッシュアウト)、または、それが同時に起こったり(プッシュアウト・スライス)することがあります。

この場合は、下の図のように(わかりやすくするために高めのティーアップの図にしています)、アドレスの時点でヘッドを浮かせて、ヘッドがボールの後ろに来るようにして構えてみると、そういった、ヒールに当たる、プッシュアウトが出る、プッシュアウトスライスが出るという問題が一気に解決するケースもあります。

②スライスを直したい/③体を水平に回したい(体の上下動を抑えたい)

例えば、アッパーブローにボールを打とうとする意識が強いと体が上下に動いてしまうことがあります。

これがインパクトでフェースが開く原因になっていることもあります。

その場合は、アッパーブローではなくて、ボールを真横から払い打つような形、または、体を水平に回すようにすると、フェースが開かなくなることがあります。

ティーアップを高めにして、ヘッドを地面から浮かせて構えると、そのような形で打ちやすくなるかと思います。

④ティーアップを高くしたい/⑤フェースの芯に当たらない

これについては次で詳しくご紹介させていただきたいと思います。

ティーアップを高くしてドライバーを打つ場合は

ティーアップは高い方が飛距離が出るという実験結果についてはドライバーのティーアップの高さと飛距離の関係でご紹介しました。

その実験で一番飛んだのは、ボール全体がドライバーヘッドから出る高さでした。

先程も少しご紹介させていただきましたが、ここまでの高さになるとヘッドは浮かせて構えなければ、ボールを芯でとらえるのは難しくなります。

また、ここまで高くなくても、高めのティーアップの場合はインパクトでヘッドが地面からそれなりに浮きます。

その際、先程もご紹介させていただいた通り、ヘッドはアドレスの位置(ソールした位置)よりもボールの方向に向かって出ます。

つまり、そのままだとドライバーのフェースのヒール寄りに当たりやすくなります。

それでも(ヘッドをアドレスで浮かせずに)芯で打つためには、(ソールして構える際に)ボールの真後ろにヘッドを構えるのではなく、クラブのトゥ寄りに合わせて構えてあげると、実際のインパクトの際はヘッドが浮いて前に出ますから結果的に芯に当たるようになることがあります。

これも好みの問題もありますし、その人のスイングによっても変わってくると思います。

トッププロの中でも、ヘッドのトゥ側に合わせてドライバーを構える人もいれば、ヒールに合わせて構える人もいます。

1つ言えることは、構え方、ティーアップにしてもそうですが、(勿論、基本は基本であるのですが)やり方は1つではないということ・・だと思います。

ドライバーのヘッドを浮かせて構えるプロもいますが、その中の一人がゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスでした。

何故、ゴルフの帝王はヘッドを浮かせて構えていたのか?

ゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスはドライバーを構える際、地面からヘッドを浮かせて、ボールの後ろにヘッドが来るような状態にして構えて、そしてテークバックをはじめていました。

ジャック・ニクラウスの名言集。ゴルフの帝王が語った珠玉の言葉

その理由についてニクラウスは、2つのポイントを挙げています。

ニクラウスは、ヘッドを地面につけて構えた場合、「グリップや両腕がリラックスし過ぎてしまう」・・と考えていたようです。

ヘッドを地面から浮かせて構えた場合、クラブの重さを支えるために、グリップや両腕に適度な力が入ります。

その状態でテークバックをスタートした方が手打ちになり難いというか、体の動きと手や腕の動きがマッチした状態でバックスイングをスタートできるようにニクラウスは感じていたようです。

手打ちをしているかも知れない・・と感じる方であったり、バックスイングで体の回転が疎かになりやすいと感じている方は、ヘッドを地面から浮かせて構えてみるのも1つの方法かも知れません。

ヘッドはアドレスの位置に戻ってきやすい

ヘッドを浮かせて構える2つ目の理由としてニクラウスは、ヘッドはアドレスの位置に自然と戻ってきやすい・・という点を挙げています。

つまり、アドレスで地面にヘッドを置いて構えると・・・インパクトでもその位置に戻ってきやすい、と。

ティーアップした際、ヘッドからボールの3分の1程度出る高さであれば、それでも問題ないと思いますが、ボールの半分以上がヘッドから出ているような場合・・・もし、アドレスの位置にヘッドがインパクトで戻ってくると、テンプラが出てしまうかも知れません。

ニクラウスは、アドレスでヘッドを地面につけて構えることは、テンプラの準備をしているようなものだと・・そう思ったようです。

フェースの芯でボールをとらえるには、その位置にヘッドを(浮かせて)構えるのが理にかなっている・・ニクラウスはそう考えたのかも知れません。

特に、ティーアップを高くされる方は、ヘッドがボールの後ろに来るようにヘッドを浮かせて構えるのはとても良い方法だと思います。

ドライバーだけ芯に当たらない・・・そんな方がドライバーを浮かせて構えるようにしたところ、芯に当たるようになった・・・そんなケースもあります。

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