ドライバーが曲がる、まっすぐ飛ばない【根本的な原因】
ドライバーについてはこれまで構え方やボールの位置、ティーアップの高さ、スタンス幅などについてご紹介してきました。
今回は、ドライバーが曲がる根本的な原因や直し方、ボールを曲げないために必要なことについて解説します。
また、記事の後半ではプロはどうしているか?実はプロはわずかに曲げて打っているということについてご紹介したいと思います。
目次
ボールは左右のどちらに曲がるか?
ドライバーが曲がる場合ですが、右に曲がっているか、左に曲がっているかで直し方も変わってきます。
右に曲がるボールをスライス、左に曲がるボールをフックボールと言いますが、それぞれの直し方について、下をクリックしていただくと該当の箇所に飛びます。(そのまま下にスクロールすると全部読むことができます)
また、スライスやフックの直し方ではなく、ボールを安定してまっすぐ打つ方法やコツについて知りたいという方は、今回の続編、ドライバーでまっすぐに打つ方法や練習方法【曲げない秘訣】をご覧いただければ幸いです。
ボールが右に曲がる(スライスの)場合
まず最初にボールが右に曲がるスライスについてです。
ボールが右に曲がる一番の原因はフェースがインパクトで開いていることです。
もっというと、ヘッドの軌道に対して、フェースが開いているとスライスしやすくなります。
例えば、下の図のようなアウトサイド・インのスイングをしていたとします。
この場合、インパクトではフェースは目標を向いているので、フェースは目標に対しては開いていません。
ただ、もう一度見ていただくと、ヘッドの軌道に対してはフェースは開いています。(右を向いています)
上の図の場合は、ボールは左に飛び出した後、右に曲がる可能性があります。
または、フェースが大きく開いている場合は、左に振っていても、ボールは最初から右に飛び出して、さらに右に曲がってゆくスライスになる場合もあります。
いずれにしても、フェースがヘッドの軌道に対して開いているとボールは右に曲がりやすくなります。
ですので、右に曲がるという場合は、インパクトでフェースを閉じる必要があります。
じゃあ、どうやって、フェースを閉じたらいいか?
そもそも何故フェースが開くのか?
・・ということですが、その原因の8割程度は、スイングを始める前にあります。
スイングをはじめる前、つまり、アドレスの部分に原因の8割程度があるわけですが、その中でも下記の3つの中に原因があることが多いです。
①グリップ
グリップの握り方次第で、フェースはインパクトで開きやすくなったり、閉じやすくなったりします。
一般的に、ウィークグリップで握っていると、フェースは開きやすくなります。
ウィークグリップの例。下の写真のように構えてから左手を見た際、左手のこぶしの山が1つしか見えない場合はウィークグリップで握っている可能性があります。
右手を含めたウィークグリップについての詳しい説明は、ウィークグリップの握り方とは?右手、左手だけウィークグリップの形もをご覧ください。
このウィークグリップでまっすぐ打てる人もいるのですが、多くの人にとって、このウィークグリップはフェースが開きやすいグリップです。
ウィークグリップで握っている場合ですが、スイングをスタートした直後から、フェースが開いていくことが多く、バックスイングのトップ、ダウンスイングに入る前にはもうフェースが完全に開いている状態になっていることが殆どです。
こうなると、ダウンスイングで何をやっても、スライスが出やすくなります。
また、フェースが開きやすい状態で握っている場合は、スイング中にフェースが開かないようにする(振る)必要があって、その過程でスイングスピードを失ってしまうことが多いです。
ただ、グリップの握り方を変えると、その必要がなくなりますので、まっすぐ飛んで飛距離が伸びるだけではなく、ヘッドスピードが上がってさらに飛距離が大きく伸びる・・ということも多々あります。
特にスライスは飛距離を失いやすいショットですが、中にはスライスを直して何十ヤード、場合によっては50ヤード以上飛距離を伸ばす人もいます。
さて、ではどんなグリップの握り方をしたらいいかというと、スライスが出ている人は、フックグリップがおすすめです。
まずはフックグリップにしてみて、少し左に曲がり過ぎるなと思われた場合は、その段階でスクエアグリップを試していただくといいかも知れません。
フックグリップ、スクエアグリップの握り方については下記にて写真付きでご紹介していますので、よかったら参考になさってください。
②両手の位置
グリップは握り方も大事なのですが、その位置も非常に重要になってきます。
グリップの位置とは、構えた時の両手の位置のことですが、構えた際、例えば、両手がズボンのジッパーの前にあると、インパクトでフェースが開きやすくなります。
何故、開くのか?ということについてご説明すると長くなってしまうので、今回は省略したいと思いますが、ただ、両手の位置がズボンのジッパーの前にあるとフェースが開きやすくなる・・と覚えていただくといいと思います。
じゃあ、どこに両手を持ってきたらいいのか?ということですが、両手は左足太もも内側の前に持って来るようにしてください。
その位置に両手を持ってきてから、グリップを握るようにします。
グリップを握ってから、その位置に両手を持ってくるのではなく、その位置に両手を持ってきてから・・グリップを握ります。
後ほどご紹介しますが、フックボールが出てしまっている人はこの反対で、両手が前(目標方向)に出過ぎている場合があります。
③ボールの位置
ゴルフは他のスポーツ、例えば、テニスなどと違って、一度構えたら、基本的には両足の位置を動かしません。(左足のかかと上げる、ヒールアップという打ち方はあります)
ですので、どこにボールを置くか・・ということは非常に重要になってきます。
ボールを置く位置次第で、打てるボールがある程度限定されてしまうからです。
ボールが右に曲がる人の場合、ボールを左に置きすぎていることが多いです。
インパクトの前後で、ヘッドは円を描くような動きをしますが、ボールを左に置きすぎてしまうと、下の図のような形で、円の頂点を過ぎてヘッドが飛球線の内側に向かっている時にボールに当たる・・ような形になります。
こうなると、ボールは左に飛びやすくなります。(これを引っ掛けと言います)
このままだと、ボールは目標よりも左に行くわけですから、何とかして右に打たなければなりません。
本来であれば、ボールをもう少し右に置けばいいのですが、それをやらずに右に打つためには、インパクトでフェースをターゲット方向に向けてあげる必要があります。
ただ、この打ち方だとどうしてもスライスが出やすくなります。
こんな風にして、ボールを左に置きすぎているとボールは右に曲がりやすくなることがあります。
では、ボールはどこに置いたらいいか?ということですが、ドライバーのボールの位置については【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいくにてご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
また、上記の記事でもご紹介していますが、大事なのは自分にとって一番ボールがまっすぐに飛びやすい位置にボールを置くということになります。
自分にとって正しい位置というのは、人とは違う場合もありますので、その点も注意してみてください。
次にボールが左に曲がるケースについてご紹介したいと思います。基本的には、ボールが右に曲がるのを直すためにしたことの反対のことをしてゆく形になります。
左に曲がるケースについて知る必要のない方は、次の本当の真っすぐのショットとは?プロは実はわずかに曲げて打っているまで飛ばしていただいて結構です。(そのまま下にスクロールすると全部読むことができます)
ボールが左に曲がる(フックボールの)場合
次にボールが左に曲がるフックボールの場合について見てゆきたいと思います。
ボールが左に曲がる一番の原因は、スライスとは反対で、フェースがインパクトで閉じていることです。
具体的には、ヘッドの軌道に対して、フェースが閉じているとフックボールが出やすくなります。
例えば、下の図のようなインサイド・アウトのスイングをしていたとします。
この場合、インパクトではフェースは目標を向いているので、フェースは目標に対しては閉じていないのがわかります。
ただ、もう一度見ていただくと、ヘッドの軌道に対してはフェースは閉じています。(左を向いています)
上の図のような打ち方をした場合は、ボールは右に飛び出した後、左に曲がる可能性があります。
または、フェースが大きく閉じている場合は、目標の右に向かって振っていても、ボールは最初から左に飛び出して、さらに左に曲がってゆくフックボールになる場合もあります。
いずれにしても、フェースがヘッドの軌道に対して閉じているとボールは左に曲がりやすくなります。
ですので、ボールが左に曲がる場合は、インパクトでフェースを閉じないようにする必要があります。
じゃあ、どうやって、フェースを閉じないようにしたらいいか?
それ以前に、何故、フェースは閉じてしまうのか?
・・ということですが、先ほどと一緒でその原因の8割程度は、スイングを始める前にあります。
これはつまり、構えた際、アドレスの段階で、フェースが開くのか、閉じるのか・・といったことがある程度決まってしまうということになります。
さて、ドライバーが左に曲がる場合ですが、主に下記の3つの中にその原因があるケースが多いです。
①グリップ
先ほどと一緒で、グリップの握り方というのは、インパクトでのフェースの向きに大きな影響を与えます。
一般的には、フックグリップで握っていると、フェースはインパクトで閉じやすくなります。
下の写真はフックグリップの例。構えて(ショットを打つ直前に)左手を見た時、左手のこぶしの山が3つ以上見える場合はフックグリップで握っている可能性があります。
右手のチェックの仕方も含めて、フックグリップについてはフックグリップ(ストロンググリップ)の握り方にて詳しくご紹介しています。
プロの中にも、フックグリップでストレート系のショットを打っている人や、フェードボールを打つ人もいますが、ただ、基本的にフックグリップというのは、フェースが閉じやすいグリップです。
そのため、スライスが出ている人にはフックグリップはおすすめなのですが、左に曲がることが多い人の場合は、フックグリップがその(ボールが左に曲がる)原因になっているのかも知れません。
じゃあ、どうしたらいいのか?ということですが、ボールが左に曲がっている(フックボールが出ている)場合は、まずは、スクエアグリップを試してみるといいと思います。
もし、それでもボールが左に曲がるようであれば、ウィークグリップを試してみます。
また、変則的な握り方になりますが、プロの中には例えば、
・左手がフックグリップ、右手がスクエアグリップ
・左手がウィークグリップ、右手がスクエアグリップ
・・といった形で左右の手で握り方を少し変えて、ストレート系のショットを打っている人もいますので、自分なりに色々と試行錯誤してみるのもいいかも知れません。
スクエアグリップ、そして、ウィークグリップの握り方については下記にて写真付きでご紹介していますので、よかったら参考になさってください。
②両手の位置
先ほどのスライスのところでも書かせていただきましたが、構えた時の両手の位置というのも大事になってきます。
構えた際、両手は左足太もも内側の前に持ってくるのが1つの目安になります。
もし、この位置よりも両手が前(ターゲット方向)にある場合は、フェースがインパクトで閉じやすくなります。
反対にこの位置よりも両手が右(ズボンのジッパーの前など)にあると、フェースは開きやすくなります。
ですので、もし、両手が左足太もも内側の前よりもターゲット方向寄りにある場合は、両手が上の図の位置に来るように修正してみてください。
また、グリップの握り方もこの両手の位置に影響を与える場合があって、例えば、フックグリップで握り過ぎていると、両手が前(ターゲット方向)に出やすくなります。
この場合は、フックグリップをスクエアグリップ、もしくはややフックグリップ・・程度にすることで、両手が前に出る癖が自然と直る場合もあります。
③ボールの位置
先ほどもご紹介しましたが(スライスのところを飛ばしていただいた方のためにもう一度書かせていただきますが)、ゴルフは他のスポーツ、例えば、テニスなどと違って、一度構えたら、基本的には両足の位置を動かしません。
ですので、どこにボールを置くかということが非常に重要になってきます。
ボールを置く位置によって、打てるボールがある程度限定されてしまうためです。
さて、ボールが左に曲がる場合ですが、ボールを右に置きすぎていることが多いです。
インパクトの前後で、ヘッドは円を描くような動きをしますが、ボールを右に置きすぎてしまうと、円の頂点付近よりも手前、ヘッドがまだ内側から外側(円の頂点)に向かっている最中にボールに当たるような形になります。
こうなると、ボールは右に飛びやすくなります。(これをプッシュアウトと言います)
このままだと、ボールは目標よりも右に行ってしまうので、何とかして、目標に向かって、つまり、もう少し左に打たなければなりません。
この場合、ボールの位置が間違っているのであれば、本当はボールをもう少し左に置けばこの問題は解決するのですが、ボールの位置を変えないまま・・ボールをもう少し左に打つためには、インパクトでフェースをターゲット方向に向けてあげる必要があります。
ただ、この打ち方だとどうしてもフックボールが出やすくなります。
こんな形で、ボールを右に置きすぎていることが、フックボールにつながってゆくケースもあります。
ですので、ボールが左に曲がる場合は、ボールを右に置きすぎていないか、チェックしていただくといいかも知れません。
ただ、(ボールを右に置きすぎたために)フックボールが癖になっている人の場合、ただボールを今よりも左に置くだけでは、かえってフックボールが悪化する可能性があります。
その場合は、ボールの位置と同時にグリップの握り方を見直していく必要があるかも知れません。
じゃあ、ドライバーはどこにボールを置いたらいいのか?ということですが、それについては【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいくにてご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
また、上記の記事でもご紹介していますが、右過ぎる、左過ぎる・・というのは、「自分にとって」という意味になります。
誰かにとって正しい位置が、自分にも合っているとは限りませんので、その点に注意して、自分にとって最もまっすぐに打ちやすい位置を見つけてみてください。
本当のまっすぐのショットとは?プロは実はわずかに曲げて打っている?
さて、ボールが右に曲がる場合とボールが左に曲がる場合のそれぞれの原因や直し方について見てきました。
ここで少し話は変わりますが・・
ここまで、まっすぐ飛ばす、曲がらない打ち方をするにはどうしたらいいか?ということについてご紹介してきて、何だか矛盾するようですが、実は本当の意味でまっすぐに打っている人はプロでも殆どいません。
えっ?まっすぐに打っている人はいない?
・・と驚かれた人もいらっしゃるかも知れませんが、プロでも本当の意味でまっすぐ打っている人は殆どいないのです。
43歳で賞金王を獲得し、ツアー史上最年長記録を更新した藤田寛之プロはこんな風に語っています。
「まっすぐに飛ばすことは、まず無理です。インパクトでフェースがボールに完全にスクエアに当たらないと、ボールにスライスかフック回転がかかり、必ずどちらかに曲がります。
人間のやることですから、完全にスクエアに当てることは不可能。どっちに曲がるか予想がつきません。それよりも意図的にボールにスピンをかけて曲げをコントロールした方が狙ったところにボールを運んでいきやすい。」(出典:藤田寛之 シングルへの道)
本当の意味でのまっすぐなショット、ストレートショットというのは、サイドスピンが「0」になります。
丸いボールをボールの後ろではなく、横に立って、クラブを円を描くように振って打つゴルフでは、サイドスピン「0」で打つのは、プロであっても実は非常に困難なことなのです。
また、まっすぐのストレートショットというのは、最もリスクの高いショットでもあります。
「ストレートショットが最もリスクのあるショット?!」
・・と思われるかも知れませんが、ストレートショットはミスした場合、どちらに曲がるかが読めないショットです。
ドライバーでストレートショットを打つ場合ですが、もしミスした場合、フェアウェイの左右どちらにミスするかわからないわけですから、必然的にフェアウェイの真ん中を狙うことになると思います。
ただ、もし、例えば、ドローボールが持ち球の人の場合、(意図的に左に曲げてゆくわけですから)フェアウェイの右サイドを狙って打てます。
こうすると、フェアウェイの幅を全部使えるわけで、ミスしてもいい範囲がそれだけ広がります。
だから、ストレートショットを打とうとしている人に比べて、ボールを意図的に曲げている人は、同じコースをプレーしているようで、実は全く違うコースをプレーしているようなもの・・だと思います。
ボールを意図的に曲げている人は、ストレートショットを打とうとしている人の2倍の幅があるフェアウェイに向かって打っているわけです。
プロはこんな風にして保険をかけながら、ドライバーを打っていることが多いです。
もっとも、意図的に曲げるといっても、プロの場合はごくわずか、5ヤードとか10ヤードの曲がり幅程度ですが(もっと大きく曲げる人もいますが)、いずれにしても、まっすぐに見えてボールはごくわずかですが、曲がっていることが多いです。
これがいわゆる持ち球・・ということになるわけです。
少し話がそれましたが、まっすぐに飛ばす、曲がらない打ち方をする・・・といっても、本当にまっすぐ、サイドスピンゼロのショットは打つ必要はないと思いますし、それはプロであっても至難の業です。
ところが、アマチュアゴルファーはその難易度が最も高いストレートショットを打とうとされている方がとても多いです。
もっとも、それが自然だと思うんです。ゴルフは目標に向かってボールを打つゲームですから、まっすぐに打とうとするのは当たり前のことだと思います。
ただ、実際は、プロはそういった打ち方はしていなくて、本当の意味でのストレートショットを打っている人は殆どいません。
ですので、この記事、もしくは当サイトでストレートショット、まっすぐ飛ばすと書かせていただく場合は、ストレート系のショット、もしくは、わずかにどちらかの方向に曲がるショットのことだと思っていただけると幸いです。
さて、ここまで、ボールが左右に曲がる場合の原因と直し方について、また、本当の意味でのストレートショットは目指さなくてもいいというお話をさせていただきました。
次回、ドライバーでまっすぐに打つ方法や練習方法【曲げない秘訣】では、スイングスピードについてや、ヘッドの入射角、バックスイングの仕方、体重移動と軸回転といったことについて見てゆきたいと思います。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。