フックボールの原因と直し方:グリップの握り方について
フックボールの直し方についてはこれまで、トラブル解決編のフックボールの直し方のコーナーで色々とご紹介させていただきました。
今回はフックボールの原因がグリップにある場合のグリップの直し方、または、グリップを直すことでフックボールを直す方法について詳しく書かせていただきたいと思います。
尚、グリップについてはゴルフ基礎編のグリップの握り方のコーナーでも詳しくご紹介しておりますのでよかったらそちらも参照ください。
目次
- フックグリップを直す方法と4つのポイント
- フェースを開いてから握る、グリップの直し方
- 左手の甲をターゲットに向けてセットしてからグリップする
- グリッププレッシャーを変えて、フックボールを予防する
- 事例:右手のグリップがフックグリップ過ぎたケース
フックグリップを直す方法と4つのポイント
フックボールを直すのに一番効果的なのはグリップを見直すこと、だと思います。
フックボールを打っている方はフックグリップで握っているケースが多く、フックグリップを直してあげることで問題は解決することが多いです。
それでも解決しない場合は別に原因があるか、本当の意味でグリップが直っていないのかも・・知れません。
「本当の意味でグリップが直っていない」
それは例えば、アライメント(アドレスの向き)に関係していたりするかも知れません。
両足のラインや両肩のライン、腰のラインなどがターゲットラインに対して平行になっていなければ、そもそも、自分のグリップが本当の意味でフックグリップなのか、またはウィークグリップなのか・・・ということがわかりません。
さて、ここからは具体的なグリップの握り方についてですが、フックボールを直したい時は、まず、スクエアグリップを試してみるといいかも知れません。(もし、これまでフックグリップ(ストロンググリップ)で握っていた方の場合)
スクエアグリップの握り方についてはスクエアグリップ(ニュートラルグリップ)の握り方と利点・欠点にてご紹介しておりますので、今回は簡単にご説明したいと思います。
ポイントは4つあります。
①左手のこぶしの山
②左手の親指と人差し指のV字
③右手の親指と人差し指のV字
④両手の位置
1つづつ見てゆきたいと思います。
①左手のこぶしの山
まず、左手のグリップですが、クラブを握って構えます。打つ直前に左手を見てください。
この際、こぶしの山が2個半見えるような形にしてみます。
もしこぶしの山が3個見えていたら、一旦、左手をグリップから離してから、左手を左に回転させて、こぶしの山が2個半見えるような位置で左手を握り直してみます。
これでももし、フックボールが出る場合は、左手のこぶしの山が2個見えるように握り直してみてもいいかも知れません。
または、左手の握り方はそのままに(こぶしの山が2個半見える形のまま)、右手のグリップを直す方法もあります。
これについては後述します。
②左手の親指と人差し指のV字
次は左手の親指と人差し指でできるV字です。
このV字(下の写真参照)が右耳の辺りを指すようにします。
③右手の親指と人差し指のV字
次は右手の親指と人差し指のV字です。
このV字(下記の写真参照)が右耳の辺り、もしくはそれよりも若干右を指しているようにします。(そうなるように右手のグリップを握ります)
先程、左手のグリップを変えても、まだフックボールが出る場合は、右手のグリップを直す方法もありますと書かせていただきました。
右手は上記のように握ってみます。
それでもフックボールが出る場合は、この上記のV字があごを指すような形で右手のグリップを握り直してみてもいいかも知れません。
思うようなショットが出るまで、右手のグリップ、または左手のグリップを微調整してみるのもおすすめです。
フックボールの原因になってしまうグリップの握り方にも色々な形があります。
右手がフックグリップ過ぎたケースもあれば、右手はスクエアだったけど、左のグリップが極端にフックグリップだった・・などなど。
勿論、そういうグリップでストレート系のショットを打つ人もいます。また、右手がスクエア、左はフック・・という握り方をしているプロもいます。
ですが、もしフックボールが出てしまっている場合は、まず、両手ともにスクエアからはじめてみてもいいかも知れません。
そこから自分なりにグリップを変えていってもいいわけですので。
④両手の位置
4つ目のポイントが両手の位置です。
構えて、さぁ、ボールを打つぞ・・という直前で一旦ストップします。
そして、両手の位置を確認してみます。
もし、左足太ももの内側の前に両手が来ていればそれでOKです。(右利きの方の場合)
それよりもターゲット方向に両手があれば、それは少しハンドファースト過ぎる形です。
その場合は、両手の位置が左足太ももの内側に来るようにしてみます。
もし、両手がズボンのジッパーの前にあるような場合は、ハンドレイト過ぎる形ですので、やはり、両手の位置が左足太ももの内側に来るようにしてみます。
さて、ここまでは一般的なグリップの握り方と言いますか、直し方についてご紹介しました。
次は、また違った形でグリップを直して、そして、フックボールを改善してゆく方法についてご紹介したいと思います。
フェースを開いてから握る、グリップの直し方
先程はグリップの握り方を変える方法についてご紹介させていただきました。
ただ、グリップを変えるという作業は簡単なようで難しかったりします。
今までの慣れ親しんだ握り方を変えるのは大変です。変えた時の感覚が嫌だったりしますから。
ただ、その感覚をあまり変えずにフックグリップを直す方法もあります。
その方法ですが、それは、フェースをわずかに開いた状態でいつも通りにグリップを握ることです。
握り方は変えずにフェースを開いた状態でグリップを握ります。
グリップした後はフェースがターゲットに対して開いているわけですから、このフェースをターゲットに向けてあげます。
この際、握ったグリップの形などは変えません。
クラブを握ったままでフェースの向きを変えてみます。
こうすると、フックグリップを少しだけウィークにしたことになります。
フックグリップを直そうとした時、グリップを少しウィークにすることに対して抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、この方法だと案外簡単にグリップを変えられます。
フェースをどれだけ開いてから握るのか・・ですが、それはボールを打ちながら調整してゆくといいかも知れません。
打っては調整して、打ってはまた微調整して・・という感じで自分にあったグリップを探してゆきます。
左手の甲をターゲットに向けてセットしてからグリップする
ここまでご紹介してきたように、フックボールを直すためにグリップをスクエアグリップに変えたり、または、少しウィークグリップにするということはとてもいい方法だと思います。
その際のもう1つのグリップ方法ですが、左手の甲に注目してみるのもよいと思います。
具体的には、構えてさぁ、テークバック・・・という時に一度グリップから両手を少し離します。
そして、左手の甲をターゲットに向くようにして、その状態からもう一度握り直してみます。
このように左手の甲がターゲットを向いた状態でグリップすると、ほどよいウィークグリップと言いましょうか・・・そんな形になりやすいように思います。
左手を握ったら、その左手に合せるようにして右手を握ってゆきます。
この際、右手のグリップは左手と平行になるような意識を持つとよいかと思います。
これについてはグリップの握り方:両手の平は平行にを参照していただければ幸いです。
さて、これで両手のグリップが出来上がりました。
アドレス時に左手の甲がターゲットを向いているわけですが、フックボールを直すには、インパクトでもその状態、つまり、左手の甲をターゲットに向ける意識でスイングしてみてもいいのかも知れません。
グリッププレッシャーを変えて、フックボールを予防する
次は、グリップの握り方は変えず、グリップを握る強さを少し変えることでフックボールを予防する、または修正する方法になります。
グリップを握る強さというのは、球筋にも影響を与えることがあります。
フックボールを予防したい時は、(右利きの方の場合は)左手の小指、薬指、中指の3本の指を少しだけ強めに握ってあげることで、インパクトエリアでフェースが返ってしまうのを予防することができます。
普段からフックボールやドローボールを打っている方であれば、このように左手のグリップを多少意識して、フェースを返さないようにクラブを振ってみるのも1つの方法かも知れません。
さて、ここからは実際にグリップを直したことでフックボールを修正した事例をご紹介したいと思います。
事例:右手のグリップがフックグリップ過ぎたケース
ここで少し実際にフックボールを直した事例についてご紹介したいと思います。
ゴルフを始めた頃からフックボールで悩んでいた方がいました。
この方は、小さな頃から大人になるまでずっとテニスをしてきた方でした。
そんな彼がゴルフをはじめたのですが、打つショットはフックボールの連続でした。
でも彼は何故フックばかり打っていたのでしょう・・?
テニスはドライブをかけるショットがあります。
そのテニスでドライブをかけるときの動作がフックの原因にもなっていたのかも・・知れません。
テニスでトップスピンをかける際はラケットの面を斜め下、もしくは地面の方に向けながら、振り抜いてゆきます。
ゴルフでもそんな感じで、ダウンスイングからインパクトにかけて、大袈裟に言うとフェース面が地面を向くような感じで振り抜くと、フックボールが出ます。
スライスを打っている方は、むしろそんな感じで振り抜いてみると、スライスも改善されるかも知れません。
彼の話に戻りますが、他にも問題はありました。
グリップです。
彼のグリップは左手はスクエアだったのですが、右手がかなりフックグリップ(ストロンググリップ)になっていました。
それはまるで、テニスのようなグリップでした。ゴルフクラブの右横から握っているような形です。
その右横から握る右手のフックグリップは彼にとってストロングすぎたためにインパクトまで来ると自然と右手が反時計回りに(左回りに)回転していたのだと思います。
そうするとクラブフェースは閉じますのでフックが出ます。
僕は彼に右手のグリップをもっとかぶせてみましょうと伝えました。
そして、右手の親指と人差し指で作るVの字があごを指すように握ってもらいました。
(↓のV字があごを指すように。↓の写真よりももう少し左、あごを向くような形にします)
この形はウィークグリップになりますが・・・まずはそこからスタートしてもらいました。
左手のグリップはスクエアでしたので何も変えませんでした。
そうやってまず、フェード気味の球を打ってもらいました。
フックボールを直す際は、いきなりストレートボールを打とうとするよりも、まずは、逆のボール、つまり、スライスやフェードボールを打つ方法もおすすめです。
フェード気味のボールが出たら、今度は右手のグリップを少しづつ左に回転させていって思うようなショットが打てる位置を探っていきました。
彼の場合は最終的に、右手の親指と人差し指の間にできるV字が右耳を指す位の位置にしました。
今、彼はそのグリップでドローボールを持ち球にしています。
ここまで実際にあったケースをご紹介しました。
ただ、グリップに関しては個人差がありますので、彼と同じグリップでもスライスが出る方もいらっしゃいますし、逆にすごいフックになる方もいらっしゃるかも知れません。
ですので、自分なりのスクエアグリップ、または自分が思うようなショットが打てる自分なりのグリップを見つけてゆくことが大切なのかなと、思います。
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