ロングアイアンのスライスの原因と直し方【つかまったボールを打つコツ】
こんにちは。ゴルフ総研の森です。
前回、ロングアイアンの打ち方のコツではロングアイアンの打ち方のコツについて、また、ロングアイアンのよくある悩み「苦手、スライス、飛ばない、上がらない、トップ、ダフリ」の原因と直し方ではロングアイアンでよくあるミスショットの原因と直し方についてご紹介しました。
2本目の記事の中でも少しご紹介しましたが、今回はロングアイアンのスライスの原因と直し方についてより詳しくご紹介したいと思います。
具体的には、
- 何故、ロングアイアンはスライスが出やすいのか?
- ロングアイアンのスライスの原因
- ロングアイアンでつかまったボールを打つコツ
についてそれぞれ解説していきたいと思います。
目次
何故、ロングアイアンはスライスが出やすいのか?
ロングアイアンは、例えば、ミドルアイアンやショートアイアンに比べてスライスが出やすいクラブになります。
これは何故か?
ということですが、主に2つの理由があります。
1つは、ロングアイアンはロフト角が小さいから、です。
例えば、ロフト角が大きいショートアイアンの場合は、バックスピンがかかりやすく、サイドスピンがかかりにくいという特徴があります。
ところが、ロフト角が小さいロングアイアンの場合、これは例えば、ドライバーなんかもそうですが、バックスピン量が減り、その分、サイドスピンがかかりやすくなります。
ですので、ショートアイアンやミドルアイアンは真っすぐに打てるのに、ロングアイアンなど長いクラブ(ロフト角が少ないクラブ)になると、突然スライスが増える・・ということが起こったりします。
この場合、ロングアイアンでスライスが出る場合は、ショートアイアンやミドルアイアンでもスライスが出やすいスイングをしてしまっている可能性があるということになります。
このようなケースでは、ロングアイアンのスライスを改善すると、ショートアイアンやミドルアイアンの(スイングも同時に改善して)飛距離がグン!と伸びる・・ということが起こったりします。
2つ目は、ロングアイアンはボールが低く出るクラブなので、つい、ボールを上げたくなる心理が働いてしまう・・という点です。
ボールを上げようとすると、すくい打ちのような形になりやすく、すると、ダウンスイングでフェースが開いたり、振り遅れたりして、結果的にスライスやプッシュアウト・スライスといったショットが出やすくなります。
ただ、ロングアイアンは元々ボールが低く出るように設計されているクラブですので、ボールを無理に上げようとする必要はそもそもないんですね。
そして、そんな形で、ボールを上げなくてもいいと思って打ってみると、または、ボールをむしろ低く打ってゆく意識で打ってみると、スライスは出にくくなります。
このボールを低く打つ意識で・・ということについては後ほど詳しくご紹介します。
ロングアイアンのスライスの原因
さて、ここからはロングアイアンのスライスの原因について見てきましょう。
ロングアイアンのスライスですが、主に6つの原因があります。
①グリップ
1つ目が、「グリップの握り方」です。
グリップはスクエアグリップが基本と言われています。
スクエアグリップが何故基本なのかと言うと、このグリップが一番ボールを真っすぐに打ちやすいから、少なくともそう考えられているからです。
ただ、ゴルファーの多くはスライサーであると言われています。中にはゴルファーの9割はスライサーであると指摘する専門家もいるくらいです。
そういうことを考えると、スクエアグリップはむしろ、多くの人にとってはスライスが出やすいグリップではないかと思うんですね。
ですので、もし、スクエアグリップ、もしくはウィークグリップで握っていて、スライスが出ている場合は、フックグリップで握ってみてください。
フックグリップの握り方についてはフックグリップの握り方にて詳しくご紹介しています。
これからその他のロングアイアンのスライスの原因についてご紹介しますが、このグリップの握り方を変えるだけでスライスが改善するケースも多いです。
②ボールの位置
2つ目が、「ボールの位置」です。
具体的には、ボールを左に置き過ぎているとスライスが出やすくなります。
これは何故かと言うと、ボールを左に置き過ぎてしまうと、クラブヘッドの軌道がアウトサイド・インになってしまい、ボールをカットするような形になります。
すると、スライス、もしくは引っ掛けが出やすくなるんですね。
ボールを左に置き過ぎているということですが、冒頭でご紹介したようにボールを上げたいという心理がそうさせる場合もあります。
ボールを上げようと思うと、ボールを左に置きたくなるのですが、それがスライスの原因になっている場合もあります。
ですので、その場合はボールをもう少し右に置くようにします。
では具体的にはどこに置いたらいいか?ということですが、それについては図解!ボールの位置。ドライバーからサンドウェッジまでにて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらをご覧ください。
③ハンドレイト
3つ目が、「ハンドレイトで構えていること」です。
ハンドレイトとは、アドレスをした際に、両手がクラブヘッドよりも後ろ(ターゲットと反対方向)にあることを言います。
下の写真がハンドレイトの例になります。
ハンドレイトで構えていると、スイング中にフェースが開きやすく、これもまたスライスの原因になります。
この場合は、ハンドファーストで構えるとスライスが改善するケースがあります。
ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。
ハンドファーストとは?構え方とインパクト、ドライバーについても
ハンドファーストで構えるためには、アドレスの際に両手を左足太もも内側の前に持ってきてください。
その上で先ほどご紹介したように、ボールを左に置き過ぎないようにすることで、ハンドファーストで構えることができると思います。
また、この時、アドレスの際に、若干ですが、シャフトがターゲット方向に傾いているような意識を持つと、ハンドファーストの構え方になりやすく、ハンドファーストで構えることで、スイング中にフェースが開きにくくなると思います。
④アドレスの向き
4つ目が、「アドレスの向き」です。
ゴルフでは、ボールと目標を結んだ目標ラインに対して、体が平行になるように構えるのが基本になります。
ただ、もし、体がこれよりも左を向いていると、つまり、オープンに構えてしまうと、クラブヘッドの軌道が目標に対して、アウトサイド・インの形になり、インパクトで、フェースがスイングの軌道に対してスクエアであれば、引っ掛けが、フェースがスイングの軌道に対して開けばスライスが、それぞれ出やすくなります。
ですので、この場合は目標ラインに対して平行に、もしくはスクエアに構えることが大事です。
また、右を向いている場合も、そのまま打つとボールは目標よりも右に出ますので、目標に打つために、クラブを左に振り抜く必要が出てきます。
これはつまり、体のラインに対して、アウトサイド・インの軌道で振っている・・ということになり、これもまた、スライスの原因になります。
この場合もまずは、目標ラインに対して平行に構えることが重要です。
⑤ヘッドの入射角
5つ目が、「ヘッドの入射角」です。
大袈裟に言うと、ボールに向かってヘッドを上から振り下ろすような形だと、スライスが出やすくなります。
これは何故かと言うと、ヘッドを上から振り下ろすような形だと、ヘッドの軌道がアウトサイド・インになりやすいんですね。
先ほどもお伝えした通り、アウトサイド・インの軌道だと、スライスが出やすくなります。
では、どうしたらいいか?
ということについてはこの後、詳しくご紹介します。
⑥クラブが合っていない
6つ目が、「クラブが合っていない」ということです。
ゴルフクラブの選び方では繰り返しお伝えしてきたことですが、ゴルフはクラブが自分に合っていないと打てるはずのショットも打てなくなるスポーツです。
例えば、それまでスライスしか出なかった人がクラブを買い換えた途端にスライスが消えたり、ドローボールが打てるようになったり・・といったことがよくあります。
それだけ、自分に合った道具(クラブ)を使うということはゴルフでは特に重要になります。
アイアンの選び方についてはゴルフクラブの選び方のアイアンの選び方のコーナーにて色々とご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
ロングアイアンでつかまったボールを打つコツ
さて、ここからはロングアイアンでつかまったボールを打つコツについてご紹介したいと思います。
ポイントは4つあります。
①ボールを横から払い打つ
1つ目は、「ボールを横から払い打つ」ということです。
これは原因のところでご紹介したヘッドの入射角の話の続きになりますが、ダウンスイングでヘッドを上から入れるような形だとアウトサイド・インになりやすい・・ということでした。
ヘッドの軌道ですが、ボールの横からヘッドを入れるような形、ボールを横から払い打つような形にしてあげると、ヘッドの軌道は下のイラストのようにインサイド・インになりやすくなります。
また、ロングアイアンのようなロフト角が少ないクラブはこの形、ボールを横から払い打つ形の方が芯に当たりやすく、つかまったボールになりやすいです。
ボールを横から払い打つ際ですが、ボールの後ろ(ボールの横)を見て、そのボールの横っ面を払い打つ意識で打ってみてください。
また、冒頭でボールを低く打つ意識で・・とお伝えしましたが、ボールを低く打ち出す意識でスイングしていただくと、ボールを横から払い打つ形になりやすいです。
このように打っていただくとフェースの芯に当たりやすく、ボールは結果的に上がるようになります。
ただ、自分でボールを上げようとすると、芯を外しやすくなりますので、むしろ、低く打つ意識で打ってみるのがコツになります。
②フェースではなく、トップブレードを目標に合わせる
2つ目が、「トップブレードを目標に合わせる」という方法です。
アイアンを構える際ですが、一般的には、リーディングエッジ、もしくはフェースが目標に対して垂直になるように構えるのが基本となります。
ただ、この形でスライスが出る場合は、リーディングエッジではなく、トップラインが目標に対して垂直になるように構えるという方法もあります。
プロでもこの構え方でドローボールを持ち球にしている人もいますが、このような形で構えると、インパクトでフェースが閉じやすく、つかまったボールになりやすいです。
このトップブレードを目標に合わせるという考え方については下記にて詳しくご紹介しています。
アイアンのトップライン(トップブレード)とは?ここを目標に合わせる構え方について
③右手の平を地面に向ける
3つ目が、「右手の平を地面に向ける」意識で打つということです。
これはどういうことか言うと、ダウンスイングに入って、両手がちょうど右腰の高さに来た時に、右手の平が地面を向くような意識でスイングしてみる・・ということです。
もし、本当にこのような形でスイングするとフェースは極端に閉じてしまい、フックボールやチーピンなどが出ると思いますが、実際には体は高速で動いているので、特にスライスが出ている人は最初はこの位の意識でいいと思います。
慣れてきたら、この右手の平の角度を自分なりに、例えば、45度地面を向く意識・・といったように調節してみてください。
④「ハンドファースト」で打つ
4つ目が、「ハンドファースト」で打つということです。
ハンドファーストについては先ほど構え方のところでご紹介しましたが、インパクトの際も両手がヘッドよりも少し前に来るような意識にしていただくと、フェースが閉じやすくなります。
スライスが出てしまうと、この反対、ヘッドが手を追い越すように振りたくなりますが、それをやってしまうと、引っ掛けか、フェースを閉じることができてもチーピンが出やすいです。
つかまったボールを打つにはむしろ、両手がヘッドよりも先行する形にします。
意識としては、インパクトでシャフトが目標方向に傾いているような意識で打ってみます。
この際ですが、グリップが例えば、ウィークグリップだとプッシュアウトやプッシュアウト・スライスが出やすくなるので、グリップは冒頭でもご紹介した通り、フックグリップで握るようにしてみてください。
ということで、今回はロングアイアンのスライスの原因と直し方について色々と見てきました。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
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