グリップを握る強さ、力について。強く、軽く、又は、しっかり握る?
グリップの握り方についてはこれまで、オーバーラッピンググリップ、インターロッキンググリップ、テンフィンガーグリップの握り方やフックグリップ(ストロンググリップ)、スクエアグリップの握り方など、ご紹介してきました。
今回は、グリップを握る強さについてです。
さて、グリップを握る強さ、力ですが、どの程度の力で握ればいいのでしょうか。
強く握るのがいいのか?
軽く握るのがいいのか?
又は、しっかり握るのがいいのか?
今回は、そんなグリップの握り方について、世界のトップと言われたゴルファー達はどの程度の力でグリップを握っていたのか、また、自分にとっての理想的なグリップを握る強さを見つける方法についても、ご紹介したいと思います。
また、グリップ強く握り過ぎているサインについてや、アスリートも使っている、適度に力を抜くための方法についてもご紹介してゆきます。
では早速見てゆきましょう。
世界のトップと言われたゴルファー達はどうしていたか?
世界のトップと言われたゴルファー達はどの程度の力でグリップを握っていたのでしょうか?
まずはそんなことから見てゆきたいと思います。
タイガー・ウッズ
Source: File:Military Families share golf memories at Tiger Woods tournament 090702 by SecretName101
タイガー・ウッズは自身の著書の中で、「クラブは手首の動きを邪魔しないように、また、手や指の感覚を失わないように軽く握るべきだが、軽く握り過ぎてクラブのコントロールを失ってはいけない」と語っています。
ただ、一番大事なのは、「グリップを握る強さをスイング中、一定にすること」と指摘しています。
ジャック・ニクラウス
ゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウスは、「グリッププレッシャー(グリップを握る強さ)は打つショットによって変わってくるので、一概には言えないが、どちらかと言えば、私は、グリップをリラックスして握るというよりは、しっかりと握るタイプのゴルファーだと思う」と語っています。
サム・スニード
「小鳥を両手で持つようにしてゴルフクラブを握る」
・・とはサム・スニードの名言ですが、グリップを握る強さについて語られる際によく言われることです。
中部銀次郎
プロよりも上手いと言われた伝説のアマチュアゴルファー、中部銀次郎さんは、指によって力加減を変えていたようです。
具体的には(10が一番強く、1が最も弱い)、
左手・・小指(10)、薬指(9)、中指(8)、人差し指(7)、親指(6)
右手・・小指(5)、薬指(4)、中指(3)、人差し指(2)、親指(1)
・・という風に指によって力加減を変えていたそうです。
中部さんはまた、年齢を重ねるとどうしても握力が弱くなってきて、特に左手の小指と薬指は衰えやすく、一方、右手の親指や人差し指は意外にしっかりしているので、力関係が変わることで、ミスが起きやすくなると、語っていらっしゃいます。
この考え方については、【グリップの握り方】右手と左手の指の力加減はどの位がいいか?にて詳しくご紹介しています。
さて、こんな風にして、グリップを握る強さもその人によって、またはその人のスイングのタイプによっても変わってくるものかも知れません。
では、自分にとっての理想的なグリップを握る強さを見つけるにはどうしたらいいでしょうか?
また、グリップはどちらかというと、強く握りすぎている人が多いのですが、強く握りすぎているサインについても、次に見てゆきたいと思います。
自分にとっての理想的なグリップを握る強さを見つけるには?
当サイトとしては、グリップを握る強さは、緊張し過ぎず、かといってリラックスし過ぎていない程度が理想だと考えています。
その範囲で、自分なりのグリップを握る最適な強さというものを見つけてゆくことが大切だと思います。
緊張し過ぎず、リラックスし過ぎていない程度・・つまり、適度な力で握るということですが、それがどの程度の力なのか?、また、それができているかどうか?・・ということについては、こんな方法で確認することができます。
1)ヘッドの重さ、フェースを感じられるか?
2)ボールがフェースのどこに当たっているかわかるか?
3)クラブがすっぽ抜けてしまう不安がないか?
1)ヘッドの重さ、フェースを感じられるか?
もし、クラブを握った時、ヘッドの重さ、またはフェース面を感じられないようであれば、それはグリップを強く握りすぎている証拠かも知れません。
力を入れ過ぎてしまうと、ヘッドの重みを感じられなくなりますが、これはゴルフスイングにとってはかなりマイナスなことになります。
トッププロの中には、ヘッドの重みを感じながらスイングをすることを大切にしている人も多くいますが、そのように意識するだけでヘッドスピードが上がった・・というケースもあります。
その位、ヘッドの重みを感じる・・ということは重要なことなのだと思います。
もし、グリップして、ヘッドを地面から浮かせてみた時、またはスイング中に、ヘッドの重みをあまり感じられないようであれば、ヘッドの重みが手に伝わってくるまで、少しづつ力を抜いてゆくといいかも知れません。
力の抜き方については、少し後で簡単な方法をご紹介します。
2)ボールがフェースのどこに当たっているかわかるか?
例えば、アイアンを打った時に、ボールがクラブフェースのどこに当たったのかを感じることができますでしょうか?
「あ、今は少しトゥ寄りに当たったかな」
・・とか、「あ、今は少しヒール寄りだったな」
・・という風にフェースのどこに当たっているかが感じられていれば、OKです。
もし、フェースのどこに当たったのか全くわからないという場合は、グリップを強く握りすぎている可能性があります。
または、アドレスの段階では、力を抜いて握れていても、スイング中に握る強さが変わっているのかも、知れません。
もし、フェースのどこに当たっているかがわからない場合は、少しグリップを握る力を弱めてみて、6割程度の力でゆったりとしたスイングをしてボールを打ってみます。
あえて、フェースのトゥ寄りで打ってみたり、ヒール寄りで打ってみてもいいかも知れません。
それで、フェースのどの辺に当たったのかがわかるようになったら、適度な力で握れている可能性があると思います。
3)クラブがすっぽ抜けてしまう不安がないか?
クラブを弱く握り過ぎている人は恐らく少ないかと思いますが、クラブがすっぽ抜けるのではないか・・と不安になるようであれば、クラブを弱く握りすぎているのかも知れません。
その場合は、クラブが手からすっぽ抜ける不安がなくなる程度まで、少し強めに握ってみてもいいかも知れません。
反対に、クラブがすっぽ抜ける不安がないようであれば、弱く握りすぎているということにはならないかと思います。(その範囲であれば、クラブをゆるく握ることで、ヘッドスピードが上がる場合もあります)
どうしても強く握ってしまう時は?
グリップは弱く握りすぎているケースよりも、強く握りすぎているケースの方が多いと思いますが、どうしても強く握ってしまう場合はどうしたらいいでしょうか?
その場合ですが、
1)簡単に力を抜くことができる、筋弛緩法
2)肘の力を抜く
3)グリップの握り方そのものに原因がないか
・・といったことを試す、または確認してみてもいいかも知れません。
1)筋弛緩法
【ゴルフと力み】 力まない!力を抜くための4つの簡単な方法でもご紹介しましたが、簡単に力を抜くには筋弛緩法というやり方がとても効果的です。
これはアメリカの心理学者によって考案された方法で、アスリートも実践することがあります。やり方は、
①筋肉に一度ぐっと力を入れます(わざと思い切り力んでみます)
②その後にすっと力を抜きます
一度、思い切り力を入れてから、力をふっと抜くと、簡単に筋肉の緊張を和らげることができます。
このやり方で、グリップを握ってみてもいいかも知れません。
つまり、グリップを握る前に、両手でグーを作って、思い切り力を入れてみます。
そしたら、次にふっと力を抜きます。
その状態でグリップを握ってみます。すると、適度に力が抜けた状態で握れるのではないかなと、思います。
2)肘の力を抜く
手の力を抜くことがうまくできない場合は、肘の力を抜いてみるのもよい方法です。
肘(関節)に力が入っていると、腕をしなやかに振る・・ということが難しくなります。
また、肘に力が入ると、腕全体にも力が入りやすくなります。
ですので、これも先ほどの筋弛緩法を使って、一度、肘(の周りの筋肉)にわざとぐ~っと力を入れたら、ふっと力を抜きます。
その後で、肘の力を抜いた後で、グリップを握るといいかと思います。
3)グリップの握り方そのものに原因がないか
つい力を入れてグリップしてしまう、または、力を入れてグリップを握らないと不安、スイング中にグリップを握る強さが変わってしまう・・という方は、もしかしたら、グリップの握り方そのものに問題があるのかも知れません。
スイング中にフェースが開いてしまうから、または、閉じてしまうから、力を入れてクラブをコントロールしようとしている、のかも知れません。
力を入れてスイングしているのに全然飛ばない、力がボールに伝わっているように感じられない・・という場合は、グリップの握り方に問題があることが多いです。
その場合は、スライスが出る方は、フックグリップを、フックボールが出る方は、スクエアグリップか、それでもフックボールが出る場合はウィークグリップをそれぞれ試してみてもいいかも知れません。
また、力が入らない・・という方は、左手親指(右利きの方の場合)をロングサム(左手親指をグリップに沿って伸ばすこと)の形にすると、飛距離が伸びることがあります。
ロングサムについては【必見】ロングサムとショートサムのメリット・デメリット。左手の親指の位置についてをご覧ください。
強く握る、弱く握る、しっかり握る
さて、ここまで、適度な力で握るための方法などについて見てきました。
次のステップですが、上記でご紹介した
1)ヘッドの重さ、フェースを感じられる
2)ボールがフェースのどこに当たっているかわかる
3)クラブがすっぽ抜けてしまう不安がない
・・という範囲内で、
①強く握ってみる
②しっかり握る(①と③の中間)
③弱く握ってみる
・・ということを試してみるのもよい方法だと思います。
冒頭でもご紹介しましたが、プロの中でも、強めに握る人もいれば、弱く握る人もいますし、その中間位の強さで握る・・という人もいます。
ただ、ヘッドの重さがわからないほど強く握る人もいませんし、フェース面が感じられない(またはフェースのどこにボールが当たったかわからない)ほど強く握る人もいないと思います。
また、クラブがすっぽ抜けてしまうのではないか・・と不安を感じるほど弱く握る人もいません。
1)ヘッドの重さ、フェースを感じられる
2)ボールがフェースのどこに当たっているかわかる
3)クラブがすっぽ抜けてしまう不安がない
・・という範囲内であれば、この強さで握るのが正解・・というものはないと思います。
自分が一番しっくりくる強さを上記の範囲内で見つけてゆくことが大切になってゆくと思います。
例えば、強めに握って3球打ってみて、次は、弱めに握って3球打ってみて・・という風に実際にショットを打ちながら、自分に合ったグリップを握る強さを探してゆくのもよい方法だと思います。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。