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トラブル解決編

ドライバーのスピン量を減らす9つの方法。理想のスピン量と飛距離の関係も

ドライバーについてはこれまで、ドライバーの構え方のまとめドライバーのボールの位置は左足かかと線上がいい?ドライバーのティーアップの高さなどの記事をご紹介してきました。

今回はドライバーのバックスピン量について、具体的には、バックスピン量を減らす方法について詳しくご紹介してゆきたいと思います。

ゴルフクラブの飛距離の平均と目安でもご紹介しましたが、女子プロと男子アマチュアはヘッドスピードがそれほど変わりません。むしろ、男子アマの方がヘッドスピードは速い傾向にあります。

※この記事内でご紹介する記事へのリンクは、このページ下部の関連記事の覧にまとめておきます

ところが、ある調査では、女子プロは250ヤード飛ばしているのに対して、女子プロと同じようなヘッドスピードの男子アマの飛距離は230ヤード弱。

一体、何が違っていたのか?

というと、その大きな違いの1つはバックスピン量でした。

女子プロは、2500回転と理想的だったのに対して、男子アマは4000回転とバックスピン量が極端に多かったのです

今回はそんな、多すぎるスピン量を減らして、飛距離を伸ばすためにできることについて色々と見てゆきたいと思います。

バックスピン量はどの程度が理想か?

まず最初にバックスピン量はどの程度がいいのでしょうか?

バックスピンというのは、多すぎるとボールが吹き上がってしまい飛びません。

ただ、少なければいいかというと、そうではなくて、スピン量が少なすぎると、今度は弾道が低くなり過ぎたり、途中でボールが失速してしまって、やはり、飛距離は伸びません。

じゃあ、最適なバックスピン量は?

ということですが、ドライバーのヘッドがパーシモン(木)だった時代は、3000~3500回転/分が主流だったようです。

ただ、ヘッドが金属になってからは、それよりもスピン量が少ない方がよいと考えられるようになり、打ち出し角(=ボールが打ち出される角度)が12度から14時の場合、バックスピン量は2500回転/分前後が最適と言われるようになりました。

ただし、ゴルフ専門チャンネル、ゴルフネットワークによると、近年はメーカーによっては、17度の打ち出し角に1700回転/分が理想と考えているところもあるようです。

一方、アマチュアゴルファーの場合ですが、スピン量が多い方の場合は、4000回転を超えることもあります。

これだとスピンが多すぎてボールが吹き上がってしまい、距離を失ってしまうかも知れません。

最適なバックスピン量ですが、ヘッドスピード(もしくはボールの初速)にも深い関係があります。

ヘッドスピード、もしくはボールの初速が速い場合は、打ち出し角は高く、スピン量を抑えた方が飛びます。

反対にボールの初速が遅い場合は、打ち出し角はそれほど高くせず、バックスピンもある程度あった方がむしろ飛ぶことがあります。

一般的なアマチュアゴルファーの場合ですが、打ち出し角が低く、バックスピン量が多すぎる人が多いと考えられています。

じゃあ、どの程度を目指したらいいか?ということですが、冒頭でもご紹介しましたが、女子プロと男子アマチュアを比較した実験があります。

その結果はこんな形になりました。(参照/出典:Golf Today 丸ごと一冊!飛距離アップ大作戦 完全保存版。表は当サイトにて作成)

  ヘッド
スピード
ボール
初速
打ち出し角 スピン
(回転)
キャリー トータル
飛距離
女子プロ 42.9 m/s 62 m/s 14度 2500 234.5y 250.5y
男子
アマチュア
45 m/s 60.75 m/s 12度 4000 218.1y 229.7y

ヘッドスピードが38~43m/s未満の方は、この実験での女子プロの数値、打ち出し角14度前後、スピン量2500回転/分を1つの目安にしてみるといいかも知れません※。

※ただし、場合によっては、打ち出し角はもう少し低く、バックスピン量ももう少し多めの方が飛ぶこともありますので、2500回転にこだわる必要はないかと思います。

ただ、4000回転は多すぎるかなと思いますので、少しでも減らすようにしてみるといいかも知れません。

また、この上のデータを見ると、男子アマは打ち出し角が低く、バックスピン量が多すぎる傾向にあるわけですが、これは、アウトサイド・インの軌道でやや上からボールを打っていることと(→ 打ち出し角が低くなる)、フェースが開いてしまっていること(→ バックスピン量が増える)が関係していると思います。

バックスピンを減らすためには、そういった点もヒントになると思います。

バックスピン量を減らす9つの方法

さて、ここからは具体的にドライバーのスピン量を減らすために何をすればいいか?ということについて見てゆきたいと思います。

スピン量を減らすには、下記のような点がポイントになってきます。

1)スイングの軌道を変える
2)フェースの向きを変える
3)フェースの中央よりやや上で打つ
4)フェースのややトゥ寄りで打つ
5)激芯で打つ
6)ボールを横から払い打つ
7)ティーアップの高さを変える
8)ボールの位置を変える
9)クラブを変える

ただ、先ほども書かせていただきましたが、スピンは減らし過ぎてもいけないので、あくまでも適度に減らすということが大切になってきます。

1)スイングの軌道を変える

ドライバーのスピン量ですが、スイングの軌道も深く関係してきます。

具体的には、インサイド・アウトの軌道で振っているゴルファーの方がスピン量が少ない傾向にあり、反対にアウトサイド・インの軌道で振っているゴルファーはスピン量が多い傾向にあります。

ですので、インサイド・アウト、または理想としては、インサイド・インで振るということがスピン量を抑えるためには大切なポイントになってきます。

ここで言う、インサイド・アウト、アウトサイド・インというのはダウンスイングでのヘッドの軌道のことを言っています。

具体的なアウトサイド・インのスイングの直し方についてはカット打ち(カットスイング)の8つの原因と直し方 にてご紹介していますので、今回は省略したいと思います。

ただ、スイングの軌道がアウトサイド・インになっている原因は、ダウンスイングでフェースが開いているため・・・ということが1つの(根本的な)原因として考えられます。

フェースが開いているので、ヘッドを飛球線の外側から内側に入れて、できるだけフェースが開かないように、もしくはフェースを閉じようとしているわけです。

ですので、その場合はフェースの向きを修正してゆく必要があります。

2)フェースの向きを変える

フェースの向きを修正してゆく・・ということですが、もっとも効果的な方法は、グリップの握り方を変えることになります。

グリップには、ウィークグリップスクエアグリップフックグリップがありますが、もし、フェースがダウンスイング、もしくはバックスイングの段階で開いてしまっている方は、フックグリップを試してみるといいかも知れません。

フックグリップ(ストロンググリップ)の握り方

また、その場合は、グリップ(両手)の位置も注意する必要があります。

スピン量が多い、もしくはフェースがスイング中に開いてしまっている方は、ハンドファースト※、もしくはハンドファースト気味に構えるといいかも知れません。

※ハンドファーストとは、アドレスをした際、両手(グリップ)がクラブヘッドよりも前(ターゲット寄り)にあることを言います。

そのためには、両手が左足太もも内側の前に来るように構えることがポイントになってきます。

もう1つ、ボールの位置も重要になってきますが、ボールの位置については後述します。

3)フェースの中央よりやや上で打つ

少し話は変わりますが、ドライバーのフェースの中央よりも若干上で打つことでもスピン量を抑えることができます。

フェース下部にボールが当たるとバックスピン量が増えやすいので、フェース中央、もしくは、それよりも若干上に当てる意識にしてみるとスピン量が減って、飛距離が伸びることがあります。

ただ、フェースのどこにボールが当たっているか・・・というのは案外わからないものなので、その場合は、こういったグッズを使うのも1つの方法です。

ショットセンサー
ドライバーやアイアンのフェースに貼り付けてショットを打つことでボールがフェースのどこに当たったのかがわかる練習グッズです。

4)フェースのややトゥ寄りで打つ/パワーフェードを打つ

同じように、フェースのややトゥ寄りで打つのもスピン量を減らすには効果的な方法です。

また、例えば、フェードボールを打とうとすると、どうしてもバックスピン量が増えやすいですが、フェースのややトゥ寄りでフェードボールを打つことで、スピン量の少ない、飛距離の出るパワーフェードを打つ・・という方法もあります。

やや上級者向けのテクニックですが、フェードボールで飛距離を出したい時にはとても効果的な打ち方だと思います。

ドライバーでスピン量の少ないパワーフェードを打つ方法

5)激芯で打つ

「激芯」なんて表現されることもありますが、その「激芯」で打つことでスピン量の少ない、飛距離の出るショットが打てることがあります。

激芯とはこの位置です。

赤い丸で囲った位置(正確な位置を示したものではなく、あくまでも参考程度にしてください)ですが、スイートスポットよりも少し上で、さらに若干トゥ寄りです。

この位置でボールを打つとスピン量が抑えられ、ドロー回転がかかりやすくなるため、飛距離が出る・・・と言われています。

6)ボールを横から払い打つ

先ほどご紹介した実験結果ですが、女子プロの打ち出し角は14度だったのに対して、男子アマの打ち出し角は12度でした。

これはどういうことかというと、女子プロはボールを横から払い打つような打ち方か、もしくは若干アッパーブローで打っているのに対して・・・

男子アマの12度という数値ですが、これはヘッドがやや上から入っている可能性があるのかなと、思います。

この打ち方だとスピン量が増えやすくなります。

ヘッドが上から入ってしまっている理由は、単純に上からヘッドを入れているから・・ということもありますし、または、先ほどもご紹介しましたが、ヘッドの軌道がアウトサイド・インになっているため、かも知れません。

ヘッドの軌道がアウトサイド・インだと、ヘッドが上から入りやすくなります。

反対にややインサイド・アウトで振ると、ヘッドがボールの横から入ってくるか、またはややアッパーブローの軌道になりやすいです。

ですので、この打ち出し角の低さ(もしくはヘッドが上から入ってしまっているという問題)は、アウトサイド・インをインサイド・インの軌道に修正することで、自然と改善されることもあります。

ただ、もし、上から打ち込むような癖のある方は、ボールをできるだけ高くティーアップして、そのボールを真横から払い打つ練習をしてみるといいかも知れません。

この練習はドライバーでやってもいいですし、または、ミドルアイアンなどでやってみてもいいかも知れません。

7)ティーアップの高さを変える

スピンを抑えたいと思っている方の中には、ボールが高く上がってしまう、吹き上がってしまうのを嫌がって、低くティーアップしている人もいます。

ただ、低くティーアップしてしまうと、ヘッドがどうしても上から入りやすく、むしろ、逆効果になってしまう場合もあります。

スピン量を抑えたい時は、むしろ、高めにティーアップした方がいいかも知れません。

高めにティーアップすると、ボールを横から払い打ちやすく、スピン量を減らすことができます。

もし、ボールの1/2以上がヘッドから出る高さにティーアップする場合は、ヘッドを地面から浮かせて(ソールせずに)、ボールの高さに合わせて構えるといいと思います。

高めにティーアップして、ヘッドを浮かせる構え方で飛距離が大きく伸びることは多々ありますので、そういった構え方も試してみてもいいかも知れません。

8)ボールの位置を変える

ボールの位置ですが、左に置きすぎてしまうと、スイングの軌道もその分、アウトサイド・インになりやすいです。

また、左に置きすぎることで、両肩を結んだラインも左を向きやすく(開きやすく)、それもまた、アウトサイド・インの軌道を助長し、結果的にスピン量を増やしてしまいます。

ですので、スピン量が多すぎる方は、ボールを左足かかと線上よりも左には置かないようにしてみるといいかと思います。

ボールの位置ですが、右に置くほど、インサイド・イン、もしくは、インサイド・アウトの軌道になりやすいので、スピン量を減らしたい場合は、プッシュアウトが出ない範囲、またはドローボールが打てる範囲で、ボールを右へと移動させていってもいいかも知れません。

その際は、左足かかと線上から左頬の線上までの範囲で、ボールの位置を右寄りに変えてみるのもおすすめです。

ドライバーのボールの位置については、【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいくにて詳しくご紹介していますので、よかったらそちらも参照ください。

9)クラブを変える

ここまでは構え方や打ち方を変えることでスピン量を減らす方法をご紹介してきました。

バックスピンが多すぎる理由ですが、クラブそのものが関係していることもあり、ドライバーを変えることで、スピン量が減って飛距離が伸びるケースもあります。

ロフト角?

ドライバーそのものに原因があるというと、まず、ロフト角を疑いたくなります。

ロフト角が少ない方が、スピン量も当然少なくなります。

ただ、ロフト角が少ないドライバーに買い替えてスピン量が減ることはあっても、今度はドローボールが(ロフトが少なすぎて)打てなくなる・・ということもあります。

ですので、まずは、ここまでご紹介してきたようなアウトサイド・インの軌道とフェースが開いているという問題を修正してみて、その上でロフト角を疑ってみてもいいかも知れません。

重量

スピン量が増える理由の一つですが、ダウンスイングで手首のコックが早くほどけすぎてしまうこともその理由として考えられます。

その場合ですが、ドライバー(の重量)が軽すぎると、コックが早くほどけやすいので、軽すぎるドライバーは避けた方がいいかも知れません。

重心距離

もし、フェースが開いていることでスピン量が増えてしまっている場合ですが、重心距離の短いドライバーを試してみてもいいかも知れません。

重心距離とは、重心からシャフトまでの距離のことになります。

この重心距離が短いドライバーの方がヘッドがインパクトで返りやすく、反対にこの距離が長いとヘッドが返り難くなります。

例えば、洋梨状のヘッドのドライバー、面長のドライバーは重心距離が長い傾向があり、特に普段からミスする時はスライスが多い方にとっては、フェースも開きやすいかも知れません。

ライ角

ライ角とは下記の図で示す角度になります。

ドライバーの場合、ライ角はあまり関係ないと言われることもあります。

ただ、日本のゴルフメーカー、フォーティーンの創設者、竹林隆光さんは以前、ドライバーのライ角も重要であると語られています。

実際に、ライ角の違うドライバーを打ち比べてみると、ライ角によってボールのつかまりが違ってくることに気づきます。

ライ角が大きいものの方がボールがつかまりやすく、また、フェースをインパクト前後で閉じやすいので、スライスがよく出る方でスピン量が気になっている方は市販されているドライバの中で、ライ角が大きめのものを選んでみても(試打してみても)いいかも知れません。

ディープフェース vs シャローフェース

普段から、ドローボールを打っている方で、スピン量が少し多いと感じている場合は、ディープフェースのドライバーを試してみる価値はあるかも知れません。

ディープフェースの方がスピンを抑えやすくなりますので。

ただし、ディープフェースは弾道も低くなりやすいため、場合によってはスピン量は落ちても飛距離は変わらない、またはむしろ飛距離が落ちてしまうこともあるので、その点は注意が必要かも知れません。

ただ、十分な高さのあるドローボールが打てていて、スピン量が多すぎると感じている方は、ディープフェースを試してみる価値はあると思います。

スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。