ドライバーは体重移動を意識する?しない?体重移動のコツについても
ドライバーについてはこれまで構え方やボールの位置、ティーアップの高さ、スタンス幅やアドレスでの体重配分などについてご紹介してきました。
今回はドライバーの体重移動について色々と見てゆきたいと思います。
ドライバーの体重移動ですが、実はプロの中でも体重移動を意識する人と体重移動は意識しないという人にわかれます。
今回は、体重移動は意識した方がいいのか、しない方がいいのか?ということも含め、2つの打ち方
- 1)体重移動を意識しないで軸回転で打つ方法
- 2)体重移動を意識して打つ方法
について見てゆきたいと思います。
その前にまず、日本とアメリカのプロがどの程度体重移動を意識しているか?というアンケート調査の結果についてご紹介したいと思います。
目次
- ドライバーは体重移動を意識するか、軸回転を意識するか?
- 体重移動は意識した方がいいのか、しない方がいいのか?
- 体重移動をするか?しないか?
- 1)体重移動を意識しないで軸回転で打つ方法
- 2)体重移動を意識して打つ方法
ドライバーは体重移動を意識するか、軸回転を意識するか?
以前、ゴルフ雑誌「ゴルフトゥデイ」の中で、日米ツアーのトッププロを対象にした体重移動に関するアンケート調査が行われています。そのアンケートの中で、
「ドライバーを打つ際、体重移動を意識してスイングするか?それとも体重移動は考えずに軸回転だけを意識してスイングするか?」
という質問を米ツアー、日本ツアーのトッププロ達に投げかけたところ、こんな結果になりました。
米ツアーのトッププロの場合
- 軸回転を意識する 72%
- 体重移動を意識する 28%
日本ツアーのトッププロの場合
- 軸回転を意識する 35%
- 体重移動を意識する 65%
ちなみにアンケートに答えたトッププロの意見ですが、
【軸回転を意識する】
・スイング軸がブレるのが嫌なので体重移動は意識的にはしない
・スエーしたくないので体重移動は意識しない
・体重移動を意識するとボールが曲がりやすい
【体重移動を意識する】
・体重移動をすることでスイングにリズムとパワーを生み出している
・しっかりと体重移動することでヘッドスピードを上げている
といった意見が多かったようです。
米ツアーと日本ツアーでは対照的な結果になったわけですが、この違いについてツアープロコーチの内藤雄士さんは、パワーがあって十分な飛距離が出る米ツアーのプロたちは方向性を重視する傾向があるために軸回転のスイングになる。
一方、小柄でパターが不足している日本のプロの場合は、飛ばしを重視する傾向があるために体重移動を使うスイングになると語っています。
調査時期などによって、この結果も変わってくるかも知れませんが、ただ、こんな風にして、プロの中でも体重移動を意識する人と意識しない人にわかれます。
体重移動は意識した方がいいのか、しない方がいいのか?
プロでもそんな風にして体重移動を意識する人としない人がいるわけですが、結局、体重移動は意識した方がいいのでしょうか?しない方がいいのでしょうか?
これは恐らく、その人によって違ってくると思います。
体重移動を意識した方がいい人と、体重移動ではなく、軸回転を意識した方がいい人にわかれると思います。
ではそれをどうやって見分けたらいいか?ということですが、
「軸回転」を意識する方が合っている可能性がある人
- 飛距離より方向性を重視したい
- それなりに飛距離は出ているがボールが曲がることが多い
- 体重移動を意識するとボールが曲がることが多い
- コンパクトなスイングでシャープに振ってゆく
といった人は軸回転を意識する方が合っているかも知れません。
「体重移動」を意識する方が合っている可能性がある人
- 方向性も大事だが、飛距離も出したい
- ボールは曲がらないが、飛距離がもう少し欲しい
- 軸回転を意識すると振り遅れることが多い
- ゆったりとしたリズムで大きく振ってゆく
といった人は体重移動を意識する方が合っているかも知れません。
次に、この2つの打ち方、
1)体重移動を意識しないで軸回転で打つ方法
2)体重移動を意識して打つ方法
それぞれの打ち方のコツやポイントについて見てゆきたいと思います。
ちなみに上のリンクをクリックしていただくと該当の箇所に飛びます。そのままスクロールしていただくと、全部読んでいただくことができます。
体重移動をするか?しないか?
2つの打ち方の前に、体重移動そのものをしないという打ち方があってもいいか?ということについて少し書かせていただきたいと思います。
先ほどのプロを対象にしたアンケート調査ですが、軸回転を意識するというプロの場合も、体重移動は「意識しない」ということであって、体重移動そのものをしないということではありません。
プロを対象にした様々な実験でも、プロは体重移動をしっかりと行っていることがわかっています。
ただ、その体重移動を意識するかしないか?という違いはあるようです。
ただし、冒頭の調査とは別に、日本の男女ツアーのプロを対象に行ったアンケート調査もあるのですが、その調査では「体重移動はしない」とはっきりと明言しているプロもそれなりにいました。
中には飛ばし屋と呼ばれるプロの中にも体重移動はしないという人もいたのですが、体重移動をしない理由としては、
- 体重移動をしていたら、ボールを思い切り打てない。その場でクルっと体を回した方が狙いすまして打てる
- 体重移動なんて全く考えない。ただクラブを上げて、下しているだけ
- 体重移動をするとボールが曲がる
- 体重移動を抑えた方が毎回同じように振れる
こういった体重移動をしないというプロも実際に体重移動が本当にゼロということはないかも知れませんが、ただ、それでも体重移動をしない派のプロもいます。
ですので、体重移動そのものをしないという打ち方があってもいいか?と言われると、そういう打ち方があってもいいと思います。
ただ、当サイトとしては、体重移動を意識しない打ち方は場合によってはおすすめしますが、体重移動そのものをしない打ち方はおすすめしていません。
他のスポーツ、例えば、野球のバッター、ピッチャーを見てもわかりますが、しっかりと体重移動をして打っている、投げています。
例えば、野球のバッターが体重移動をしなかったら、ホームランは劇的に減ると思いますが、ゴルフでも飛距離と体重移動は密接な関係があるように思います。
ただ、体重移動は結果的にするけれど、体重移動を意識しないで軸回転で打つ・・という方法はありだと思います。
まずは、体重移動は意識せず、軸回転で打つ際のコツやポイントについて見てゆきたいと思います。
軸回転で打つ際のポイントですが、3つあります。
- ①背骨を軸にする
- ②胸の向きを意識する
- ③スエーしないために右腰を意識する
①背骨を軸にする
軸回転で打つ場合は、「その場でクルっと回る」意識でスイングしてゆきますが、その際は背骨を軸にして回転してゆきます。
その背骨ですが、アドレスで正しい位置にセットしておくということが一番のポイントになります。
具体的には、背骨をアドレスの時点で若干右に傾けておきます。
何故、背骨を右に傾ける、もしくは右に傾くのかというと、グリップを握る際、右手が左手よりも下に来るためです。
そのように握ると、右肩も左肩よりも少し下がり、結果として背骨が若干右に傾きます。
この背骨の傾きを維持したまま、右にクルっと回転するのがポイントです。
反対に背骨がアドレスの時点で地面と垂直になっていると、(その場でクルっと回転するスイングをすることで)バックスイング中にフェースが開いたり、またはダウンスイングで振り遅れたりしやすくなりますので、注意してみてください。
アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
②胸の向きを意識する
2つ目のポイントが胸の向きを意識しながら回転する・・ということになります。
具体的にはバックスイングでは胸を右に向ける意識、反対にダウンスイングでは胸を左に向ける意識で左右にクルっと回転するようにします。
次にご紹介しますが、回転しようとしてスエー(=体が右に流れること)してしまっている人もいますが、それを防ぐ意味でも、胸の向きに意識を向けてみるといいかも知れません。
③スエーしないために右腰を意識する
バックスイングでスエーしてしまうと、回転できなくなってしまいます。
ですので、軸回転で打つ際はスエーしないように注意する必要があります。
スエーしないためのコツですが、先ほどご紹介したように胸の向きを意識していただくことの他に、バックスイングをスタートさせた直後に右腰を後ろに引く意識にしていただくと、体が右に流れにくくなりますし、回転しやすくなります。
2)体重移動を意識して打つ方法
次に体重移動を意識して打つ方法のコツやポイントについてです。
ポイントは4つあります。
- ①背骨の傾き
- ②リバースピボットとスエーに注意する
- ③頭が大きく右に流れないようにする
- ④左足かかとのヒールアップ
①背骨の傾き
体重移動を意識する打ち方ですが、先ほどと一緒で一番重要なのは、背骨と背骨の傾きになります。
背骨の傾きが体重移動にどんな関係があるのか?
ということですが、先ほどもご紹介した通り、ゴルフでは右手が左手の下に来る分だけ、右肩が左肩よりも下がります。
すると、背骨が若干右に傾きます。
この背骨の右への傾きを維持したまま、右に回転すると、案外簡単に右足に体重が乗ります。
例えば、ちょっとした実験をしてみたいと思います。
まず、真っすぐに立ちます。両足は少し広げます。
そしたら、両足の位置は動かさずにそのまま右にクルっと回転してみてください。
この時、体重はどこにあるでしょうか?恐らく、両足に均等にかかったままか、少し右足に多めに体重がかかっているような状態だと思います。
次に、真っすぐに立って、両足を広げます。ただ、今回は意識して背骨を右に大げさに傾けてみてください。
ちょっときつい体勢ですが、その右に傾いた背骨の傾きを維持したまま、同じように右にクルっと回転してみてください。
すると、案外簡単に右に体重が乗ったのではないでしょうか?
ゴルフスイングもこれと同じで、アドレスでできた背骨の右への傾きを維持したまま右に回転すると、案外簡単に体重移動ができます。
この考え方については下記の記事で詳しくご紹介していますので、よかったらそちらを参照ください。
アドレスでは右肩を下げる。背骨の傾き(右に傾けること)について
②リバースピボットとスエーに注意する
体重移動を意識する打ち方で注意したいのが、リバースピボットとスエーです。
リバースピボットとは、バックスイングで左足に体重が残り、ダウンスイングでは逆に右足に体重が移動してしまう、理想とは真逆の動きのことを言います。
スエーは、バックスイングで右に体、もしくは腰が流れてしまうことを言います。
この2つをやってしまうと、いくら体重移動を意識しても、それが飛距離につながりませんので、注意する必要があります。
リバースピボットとスエーですが、スエーした結果、リバースピボットになってしまうこともあって、この2つは深く関係しています。
リバースピボットとスエーを防ぐコツですが、体重移動を意識する際も、あくまでも回転しながら、右足に体重を乗せてゆく意識でスイングする・・ということになります。
リバースピボットをしている人もスエーをしている人も、体重を右に乗せようと意識しすぎて、回転がおろそかになっていることが多いです。
その場合は、まずは回転することを意識してスイングしていただくといいかも知れません。
そして、バックスイングでしっかり回転できるようになった段階で、体重移動を意識していただくようにするといいかと思います。
また、アドレスで背骨が垂直になっていると、リバースピボットやスエーをしやすくなります。その場合は、構え方を変えてみることで、リバースピボットもスエーも自然と改善することもあります。
アドレスの構え方についてはゴルフ基礎編をご覧いただければ幸いです。
③頭が大きく右に流れないようにする
これもスエーにつながるのですが、バックスイングで頭が右に大きく流れてしまって、体重移動が思うようにできていない人も多いです。
頭は多少動いても構いませんが、大きく右に流れてしまうと、スエーする形になり、体重移動をいくら意識してもそれが飛距離につながらないことが多いです。
頭を右に大きく動かしてしまう癖のある場合ですが、頭を右に移動させるのではなく、頭を右に回転させる意識でスイングしていただくといいと思います。
視線はボールからそらさないで、頭を右に回転させるような意識です。
ちょうど、真っすぐパソコンなどの画面を見ている状態で、右斜め前の席の人に呼ばれてその人の方に顔を向ける・・・そんなイメージです。(※ただし、ボールから視線をそらさないようにします)
④左足かかとのヒールアップ
体重移動を意識して打つ方法ですが、ベタ足で打っていただいても、バックスイングで左足かかとを地面から少し浮かすヒールアップをして打っていただいても結構です。
プロは何故ヒールアップをしないのか?
左足を浮かすヒールアップとベタ足はどっちがいいか?【比較します】
ただ、どちらかというと、ヒールアップした方が体重移動はしやすいように思います。
もし、ベタ足でスイングしている人で思うように体重移動ができないと感じた場合は、ヒールアップを試してみてもいいかも知れません。
ヒールアップをする方法ですが、バックスイングの際に左足のかかとを地面から少し浮かせます。
どの程度左足かかとを浮かせるか・・という基準のようなものはありませんが、最初は数センチから5センチ程度、左足かかとを地面から浮かせるようにしてみるといいと思います。
左足かかとを上げるタイミングにも決まりはありませんが、何度かヒールアップしながら素振りをしてみると、自然と左足かかとが上がる自分なりのタイミングが見つかると思います。
▼スコアが劇的に変わった人が実践したゴルフ理論とは
↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。