ドライバーだけスライスが出る3つの原因と直し方【徹底解説】
他のクラブは真っすぐに打てるのに、ドライバーだけスライスが出る。
今回はそんな人に向けて、ドライバーだけスライスが出る根本的な原因とその直し方について解説してゆきます。
最初に要点だけお伝えすると、ドライバーだけスライスが出る場合、3つの原因が考えられます。
- 1)アドレスに原因がある
ティーアップの仕方やドライバーヘッドの構え方に問題があるケースやボールの位置、両手の位置が原因になっているケースもあります。
アドレスを少し変えるだけで、ドライバーだけスライスが出る問題が解決することもあります。これについては、後ほど詳しくご紹介します。
- 2)ドライバーそのものに原因がある
ドライバーそのものが合っていない場合もあります。ドライバーを買い換えた途端にスライスが改善することもあります。これについても後ほど詳しくご紹介します。
- 3)スイングに問題があるケース
上記の2つを改善することでドライバーだけスライスする問題が解決することも多いのですが、それでも解決しないこともあります。
この場合ですが、スライスは出ていないけれど、アイアンにも実は問題がある・・というケースが多いです。
もっというと、アイアンショットは真っすぐに飛んでいるけど、実際はスライススピンがかかりやすく、飛ばない打ち方をしてしまっているケースです。
この場合の改善方法については記事の後半でご紹介します。
目次
何故、ドライバーだけスライスするのか?
さて、先ほどの3つの原因とそれぞれの直し方を見てゆく前に、何故、ドライバーだけスライスするのか?ということについて考えてみたいと思います。
ドライバーだけスライスするという人は実はとても多いのですが、これは何故かというと、1つはドライバーが最もスライスしやすいクラブだから、です。
もっと言うと、ロフト角が少ないことが原因です。
どういうことかというと、ロフト角が大きいアイアンの場合はバックスピン量が多くなりますが、ロフト角が少ないドライバーはバックスピン量が減ります。
アマチュアゴルファーのドライバーのスピン量は3,500回転前後になりますが、ミドルアイアンになると6,000回転を超えてくると思います。
バックスピン量が多いとサイドスピンを打ち消してくれますから、スピン量の多いアイアンはスライスし難いクラブと言えるかも知れません。
一方、スピン量が減るドライバーはサイドスピンがかかりやすく、スライスも出やすくなります。
それから、ドライバーのシャフトの長さも原因では?と思う方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、例えば、ドライバーだけスライスする(アイアンであればドロー系のショットが打てる)という人に、45インチのシャフトを装着した3番ウッドを打っていただくと、スライスは殆ど出ないんですね。
勿論、中にはシャフトの長さが問題になっているケースもありますが、どちらかと言うと、ロフト角の少なさが大きな要因だと思います。
ドライバーだけスライスすることが多い2つ目の理由は、ドライバーだけ特別な打ち方をすることが多いからだと思います。
ドライバーはまずティーアップの高さが他のクラブに比べると非常に高くなります。
また、ドライバーはアッパーブローで打った方がいいなんて言われますが、アッパーブローで打つのは特殊なケースを除いてドライバーだけです。
こういったことがドライバーだけスライスする理由になっていることがあります。
1)アドレスに原因がある
ここからは具体的な原因と直し方についてご紹介してゆきます。
ドライバーだけスライスする場合、アドレスに原因があることが非常に多いです。
ティーアップの高さとドライバーヘッドの構え方
図解!ドライバーのティーアップの高さとその基準でもご紹介しましたが、ドライバーのティーアップの高さはボールの1/2がヘッドから出る高さが1つの基準になります。
これより低いティーアップでも構いませんが、一般的にはティーアップが低くなるほどスライスが出やすくなります。
ですので、低めのティーアップにしている方は、今よりも少しづつティーアップを高くしていきながら打ってみて、スライスが改善するかどうか見極めていただくといいと思います。
ただ、反対にティーアップを低くしたことでスライスが直るケースも中にはありますので、高めのティーアップにしている方は低めのティーアップも試してみる価値はあるかも知れません。
先ほど書かせていただいたように、ティーアップは高い方がスライスが出にくく、飛距離も出やすいのですが、ボールの1/2以上がヘッドから出る高さにすると、むしろ、スライスが出やすくなることがあります。
また、ボールもフェースのヒール寄りに当たりやすくなります。
この場合は、ヘッドを地面から浮かせて、ボールの高さに合わせて構えることで、スライスが解消、もしくは改善することがあります。
上の図のようにヘッドを浮かせて構えます。ヘッドの位置は上の図の高さでもいいし、打ち出し角を高くしたい場合は、もう少しだけ(数センチ程度)下でもいいです。
このように構えると、ボールを払い打ちやすくなり、スイングも横振り(フラット)になりやすく、それもまた、スライスの改善につながります。
詳しくは、ドライバーのヘッドを浮かせて構える(ソールしない)方法にて解説していますので、よかったらそちらを参照ください。
ボールの位置。左足かかと線上にこだわる必要はない
2つ目にチェックしたいのが、ボールの位置です。
「ドライバーは左足かかと線上に置く」というのが長い間、常識でした。
タイガー・ウッズも自身の著書の中でドライバーは左足かかとに合わせると語っていますし、多くのレッスンプロや専門家がドライバーは左足かかと線上がいいと指摘しています。
ただ、【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいくでもご紹介しましたが、それはあくまでも数多くある考え方の1つであって、その位置にこだわる必要はないと思います。
実際に、左足かかとよりももっと右に置いているプロも大勢います。
ボールは左に置くほど、スライスしやすくなります。
何故かと言うと、左に置けば置くほど、両肩が開きやすく、スイングの軌道も下の図のようにアウトサイド・インになりやすいからです。
ですので、ドライバーだけスライスする人でボールを左足かかとに合わせている人は、もっと右にボールを置いてみるといいかも知れません。
下記の記事ではその際の(ボールの位置の)選択肢についても触れていますのでよかったらご覧ください。
【ドライバーのボールの位置】ボールを「ここ」に置くとうまくいく
もし、それでスライスする場合はグリップの握り方に問題がある可能性もあります。その場合はフックグリップに変えてみるのも良い方法だと思います。
両手の位置
ドライバーの場合、アッパーブローで打つ意識があったりすると、ボールを必要以上に左に置きたくなったりします。また、その意識があると両手の位置も右にずれてしまったりします。
具体的には構えた時、両手がズボンのジッパーの前にある場合は、両手の位置が右過ぎます。これだと振り遅れやすく、フェースも開きやすくなります。
この場合は、下のイラストのように両手が左足太もも内側の前に来るように構えてみてください。
また、同時にハンドファーストに構える意識にするとスライスが改善しやすくなります。
ハンドファーストに構える際は、両手を左足太ももの前に来るようにした上で、その両手がボールよりも若干前(ターゲット寄り)になる程度までボールを右に移動させてみます。
2)ドライバーそのものに原因がある
ドライバーを買い換えたらスライスが直った。
そんなことも実は結構あったりします。スライスが出にくいドライバーの選び方ですが、4つのポイントがあります。
①ヘッドの形
ヘッドを上からみた時、横に長く平べったい形をしたドライバーの方がスライスが出にくいです。
反対に横に短い洋梨の形のドライバーだとスライスが出やすくなってしまうことがあります。
②フェースの向き
下の写真のように、フェースが最初から左を向くように設計された「フックフェース」のドライバーだとスライスが出にくいのでおすすめです。
③ロフト角
冒頭でも書かせていただきましたが、ロフト角が少なくなるとバックスピンが減ってスライスが出やすくなります。
ですので、今お使いのドライバーのロフト角よりも、少しロフトが多めのドライバーを試打してみるのもいいかも知れません。
④ライ角
ドライバーではあまり気にしていない方もいらっしゃるかも知れませんが、ゴルフクラブメーカー、フォーティーンの創設者、竹林隆光さんは著書の中で、スライスを直したいのであれば、ドライバーのライ角はフラットなものではなく、アップライトなものをチョイスした方がいいと語っていらっしゃいます。
今よりもライ角が大きい、アップライトなドライバーを試してみるのもよい方法だと思います。
少しまとめると、
①ヘッドの形
→ 横に長く平べったい形が◎
②フェースの向き
→ フックフェースがおすすめ
③ロフト角
→ ロフト角が多めのものを選ぶ
④ライ角
→ ライ角が大きい、アップライトなものが◎
といった点に注意しながら違うドライバーを買ってみる、もしくは、試打してみるのもいいと思います。
ドライバーの選び方については下記の記事にて詳しくご紹介しています。
3)1)と2)でも改善しない場合の原因と直し方
さて、ここまで
1)アドレスに原因がある
2)ドライバーそのものに原因がある
の2つについて見てきました。
もし、それでもドライバーだけスライスする問題が改善しない場合ですが、冒頭でも書かせていただいた通り、実はアイアンにも問題がある・・というケースがあります。
アイアンはボールは真っすぐに飛んでいるけれど、実際はスライススピンがかかりやすく、飛距離の出ない打ち方をしているケースです。
アイアンはバックスピン量が多いので、スライススピンがかかりやすい打ち方をしていても、ボールが真っすぐ飛ぶことがあります。
ですが、ドライバーの場合はバックスピン量が減ることでサイドスピンがかかりやすく、結果的にドライバーだけスライス・・ということが起こったりします。
この場合は、ドライバーをなんとかするというよりも、アイアンを含めて、打ち方そのものを変えてみる必要があるかも知れません。
そのためにできることですが、アイアンを真っすぐ打つのではなくて、フックボールを打つ練習をしてみるのもおすすめです。
アイアンでフックボールやドローボールが打てるようになると、ドライバーのスライスも改善されると思います。
こうなるとスイング全体を変えることになるので、面倒だし時間がかかると思われるかも知れません。
ただ、そうすることで、飛距離が一気に何十ヤードと伸びる人も大勢います。だから、僕はやってみる価値はあると思います。
具体的な方法についてはスライスの直し方、ドローボールの打ち方編で色々とご紹介していますのでよかったらそちらをご覧ください。
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↑僕も実践してみました。その上達法やゴルフ理論の感想について書いてみました。一度ご覧になってみてください。